
◆ ビジュアル撮影レポート ◆



2015年5月、加藤ミリヤのテーマソング、東京ゲゲゲイの牧宗孝(MIKEY)が総合演出・構成・振付・脚本を手がけた*ASTERISK『女神の光』は、全公演ソールドアウト、大きな話題となりました。
そして今年の*ASTERISKは、グリム童話『白雪姫』を、人気作家の中村うさぎが新解釈で書き下ろし。東京ゲゲゲイをはじめ日本のトップダンサーが一堂に会します。
稽古のスタートを前に、東京ゲゲゲイが「日本ダンスフォーラム賞(日本ダンスフォーラム主催)」受賞! 授賞式のためにメンバーが集まり、座談会が行われました。今回はそのPart.2として、MIKEYさんに単独インタビュー!
・・・まずは、前回、*ASTERISKという大舞台を手がけた感想は?
MIKEY 半年くらい作品にかかりっきりで、このためだけに生きてる感じでした。達成感はあったけど、反省点も多くて。それが「もう一度」という気持ちにつながりましたね。
・・・名だたるダンサーが集まって、創作プロセスは大変だったかと
MIKEY そうですね。どんな小さな役でも、その人の魅力を最大限に生かせるシーンは作りたいと思っていました。もちろん、今回も同じ気持ちです。
・・・今回は、美魔女の大スターと新人アイドルが対決する物語だそうで。
MIKEY 基本的に善悪だけで語れない何かを問うみたいな話が好きなんです。今回の美魔女は、色んなものを犠牲にして芸の道に生きてきた。そんなスターと男の力で上がってきた新人との対決です。
・・・MIKEYさんは演出・振付に加え、美魔女役で主演されます
MIKEY うさぎさんが書いてくださった美魔女と自分の生き方、これから追求していきたいことがシンクロしていて、原作を読んで「これ、私のことじゃん!」って思ったんですよ。
・・・毒リンゴや鏡など『白雪姫』におなじみのアイテムは登場する?
MIKEY 出てきますよ。小人も王子も。全てうさぎさん的にユニークに解釈されて、そこも見どころかな。
・・・童話の『白雪姫』は王子様のキスでハッピーエンド、でも、魔女は?
MIKEY 最後、罰を与えられて炎の上で永遠に踊らされるんです。そこがまた、芸の道を突き進む主人公と重なっている。今回は女性に響く物語かも。まさか『白雪姫』でこんなに切ない思いになるなんて ......。きっと女性のみなさんを勇気づける作品になると思います!
(取材・文/大西美貴)








◆ ビジュアル撮影レポート ◆
『ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"頂の景色"』 の東京公演が、4月25日にAiiA 2.5 Theater Tokyoで開幕しました。
原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の同名バレーボールマンガ。
2015年秋の初演が大好評を博し、今回は"速攻"再演です!

主人公は身長162.8cmの日向翔陽(須賀健太)。
「小さな巨人」と呼ばれる選手に憧れ、バレーを始めます。部員が集まらずほぼ一人で練習をしていた中学を卒業し、
遂に「小さな巨人」の出身校・烏野高校に進学。そこで、中学時代にコテンパンにされた影山飛雄(木村達成)と再会します。
この出会いが互いを成長させ、烏野高校バレー部も新たな一歩を踏み出す、というストーリーです。
日向と影山は寄ると触ると喧嘩。しかし、入部テストで影山が「お前の能力、俺がぜんぶ使ってみせる!」と日向の手元にトスを上げるという攻撃方法を見つけ、2人はコンビに。
そして、本作の大きな特徴は、漫画×演劇×映像のハイブリッドパフォーマンスである"ハイパープロジェクション演劇"。
今回の再演では、生カメラなど演出ギミックもパワーアップしています。
マンガの1コマのような演出。日向と月島 蛍(小坂涼太郎)のジャンプは人力で表現されています。
試合のほとんどは、音楽に合わせた振り付けで表現。
この振り付けがすごいんです!
音楽業界で活躍中の左 HIDALIさんが担当しているということで、舞台ではなかなか見ないような動きが満載。
乱れのなさにも感動します!
バレーボールの動作が取り入れられ、かっこいいのに試合の流れもしっかりわかる魅力的な振り付け。
「八百屋舞台」も本作ならでは。前方に向かって傾斜がついた形状で、どの席でも斜め上から舞台を観ているような状態になるのです。
つまり、奥の人がなにをしているかも一目でわかり、バレーの臨場感がより高まる!
そしてそんな舞台の真ん中にはさらなる仕掛けが。中央の円形部分が......動きます!
烏野高校バレー部のたまり場・坂ノ下商店の1コマ。
円形部分が斜めにせり上がっています。実は結構な傾斜なのですが、キャストのみなさんは平地にいるかのように立って歩いてはしゃいで転がっていました。



影山も、中学時代に「自己中トス」「コート上の王様」と呼ばれ、試合中に上げたトスの先に誰もいなかったトラウマがあります。
ですが、影山に全幅の信頼を置いて試合に臨む日向が彼を少しずつ変えていきます。
それと同じように「俺が居ればお前は最強だ!」という影山の言葉も日向に自信をつけます。
そんな影山の元チームメイトが多く在籍するのが、今作で対戦した青葉城西高校バレー部。
県内屈指の強豪校です。中でも先輩の及川 徹(遊馬晃祐・左から4番目)はサーブだけで次々と点を入れる実力者で、試合ではその差を見せつけます。

彼らとの練習試合以外にも、入部テストや部内の紅白戦など、本作ではさまざまな試合が描かれ、そのなかで彼らも成長していきます。
ゲネプロ後の囲み取材で、主演の須賀さんが本作の見どころについて「演劇への挑戦。原作の持つ力はもちろんですが、三次元の僕たちが生でやるということが一番の魅力。スタッフさんもそれに合わせてプロジェクションなどをつけてくださっていますが、そこに負けない熱量やお芝居を観てほしいなと思います」と話したほか、
各キャストのみなさんも、再演ということで役同士の関係性や個人のドラマ性をより深めていることを語ってくれました。
また、演出のウォーリー木下さんは、「演劇は総合芸術。スタッフ・音・光・映像そして役者、全部がひとつになって新しいものが作れたんじゃないかなと思います。それを皆がライブでやっているので、お客様もあまり構えず、音楽のライブに行くような感じでぜひ観に来ていただけたらなと思います」と話しました。
部員が全員揃い、監督も決まった烏野高校バレー部。これからどんなストーリーを展開していくのでしょうか!?
続編に期待が高まります!
©古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会







<あらすじ>
物語は一人の老人"ムラカミ"の回想から始まる。
曖昧な記憶を辿るように、かつてここにあった幻の国マランシュが蘇る。
ムラカミはかつて、ヤンパオ帝国の特務機関としてマランシュに駐留していた。風吹く荒野に忽然と姿を現したこの国に、理想を求め、多くの人や民族が集まってきた。皇帝を中心としたマランシュ族、陸軍の騎兵隊を務めるメンガイ族、踊り子のカリオン族、地方の軍閥である馬賊、そしてヤンパオからの居留民たち。それら五つの民族の人々が、偽りの協和のもと、マランシュに共存していた。
メンガイ族の騎兵隊長バートルは、カリオン族の踊り子ミランと秘かに愛し合っている。しかしマランシュの皇帝プージェは、五族協和の象徴として愛娘フイシェンとバートルを結婚させようとする。バートルはミランへの愛と民族への想いの間で苦悶する。そしてメンガイ族の独立を信じ、フイシェンとの婚約を承諾してしまう。
一方、隣国オロルから亡命してきた大僧正ガルシンも、踊り子ミランに想いを寄せている。しかしその想いはミランによって拒まれ、その背後にバートルとの逢瀬があることを知る。ガルシンが皇帝プージェにその事実を密告すると、それを知ったムラカミが特務機関として暗躍していく。
政治、宗教、民族の対立...あらゆる人々の思惑が憎しみとなって渦巻くなか、バートルとフイシェンの婚約式が始まろうとしていた──