稽古場レポートの最近のブログ記事

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日本初演のミュージカル『アンクル・トム』が10月18日(金)より開幕します。

オリジナルは、韓国の「大邱ミュージカルフェスティバル」で今年発表された作品。
ここではトライアウトのような形での発表だったため、今回日本での上演にあたり、かなり練り直されているとのこと。つまり、ほぼ"日韓共同新作"と言っても過言ではない...のではないでしょうか!
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物語は、作家志望の男が、隣人の書いた小説を盗んで発表したことからはじまるミステリー。
たった4人のキャストが、虚と実が入り混じり観客をも騙すサスペンスフルな物語を紡いでいきます。

出演者は、まず、
上口耕平、池田有希子、内藤大希、新納慎也の4人。
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そして、〈エンカレッジデー〉として公演期間中3回、若手キャストによる上演があります。
その〈エンカレッジメンバー〉は、山田元、高畑こと美、ユーリック武蔵。ここに本役である新納慎也が加わります。
この〈エンカレッジデー〉は次世代の俳優育成を目的とした設定とのこと。素敵な企画ですね。

10月某日、そのミュージカル『アンクル・トム』を取材してきました!

稽古の合間に、演出の落石明憲さんにお話も伺ってきましたので、落石さんのコメント付きで稽古場レポートをお届けします。

 
日本初演ですので、ストーリーも少しご紹介。
舞台は1980年代のイギリス。
サッカーのワールドカップのニュースが効果的に挟まれていきます。

「(韓国のオリジナルから)ベースは変えていませんが、より、日本人に感じやすいようにはしています。韓国で僕が観たときは、正直あまり"ロンドン感"が伝わってこなかったので、今回は場所や時間をしっかり出していっています。もちろん原作のイ・ヨンギュさんの許可を取った上でですが、音楽の入れ替えなどもあります。彼としても、今年韓国でやったものが初披露でしたので、間に合わなかったけど実はこうしたかった...というところはあったようで、本来彼がやりたかった形なども反映しました。だから、今回の日本版が、ほぼ"初演"じゃないでしょうか! ...こんなこと言ったらまずいかな(笑)?」落石

▽紀元由有さんによる振付け中ut1-12_1719.JPGut1-11_1705.JPG

主人公、ケビン=上口耕平さん。
小説家志望ですが、なかなか思うように小説が書けず悩んでいます。
...なのですが、この写真のシーンは、ケビン絶頂期、なのです。この笑顔!
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ケビンの隣人、トム=新納慎也さん
とあるきっかけでケビンと知り合ったトムですが、たまたま彼も小説を書いています。そして実は大病を患っています。
小説『操られた殺人』を書き上げたトムは、ケビンにそれを読ませ、意見を求めるのですが、そこで倒れてしまい...。
...なのですが、この写真のシーンはトムではない新納さんです...。
何せ出演者4名ですので、皆さん、色々と出てきます。
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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.1■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作が今年、ふたたびやってきます!

父と息子の和解、家族の愛という普遍的なテーマを、ティム・バートン監督らしいファンタジックな世界観の中で描いていく物語。2013年にアメリカで初演されたミュージカル版では、映画版と同じくジョン・オーガストが脚本を手掛け、アンドリュー・リッパによる美しく印象に残る音楽が彩っています。

日本では白井晃演出で2017年に初演。
ファンタジックなシーンはミュージカルならではの華やかさで描き、シリアスな現実シーンは演技巧者の俳優陣がしっかりと登場人物たちの人生を紡ぎだし、夢のようでありながらも心に染みる作品として、多くの観客の心を掴みました。

この作品を愛していたのはファンのみならず、キャスト、スタッフも同じ(それ以上!?)だったようで、主人公のエドワード・ブルーム役の川平慈英さん以下、なんと初演の主要メンバーが全員続投という、奇跡の再演が実現!

先日開催された合同取材会の模様もどうぞ...→

ただし劇場が初演の日生劇場から、ひとまわり小さいシアタークリエとなり、サブタイトルに『12 chairs version』と冠する新バージョン。
演出の白井さん曰く「初演はアンサンブル含めて22人のメンバーだったのですが、今度は主要メンバーだけに絞った12人のバージョン」とのことで、また新しい『ビッグ・フィッシュ』の表情が観られそう。

とはいえ、あの愛すべき物語、そしてキャスト・スタッフ陣の "ビッグ・フィッシュ愛" も、変わりません!
ということで、初演時も9回の長期連載をしたげきぴあ、2019年版も、作品を追いかけたいと思います!!

さっそく10月某日、スタッフ・キャストが一堂に会する "顔寄せ" の現場を取材しました。

初演時の連載は、こちらからまとめてどうぞ →

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新国立劇場は、小川絵梨子芸術監督が2シーズン目を迎え、個人と全体(=国家や社会構造、集団のイデオロギーなど)の関係性をテーマにしたシリーズ"ことぜん"で幕開け! 第1弾として、五戸真理枝の演出により、ゴーリキーの「どん底」が新訳で上演される。9月中旬、初日を約2週間後に控えた稽古場に足を運んだ。

20世紀初頭に書かれた戯曲で、黒澤明により同名の映画に翻案されたことでも知られる本作。社会の底辺と言える木賃宿に集う人々が巻き起こす悲喜こもごもの出来事が描き出される。

日本でも文学座、自由劇場、俳優座などにより、繰り返し上演されてきた「どん底」だが、五戸は21世紀のいま、本作をあえて上演するという"現代性"を強調すべく、オープニングからある仕掛けを施している。物語の舞台はあくまでも現代日本であり、車が頭上を通り過ぎていく高速道路の高架下で、金網や「安全第一」と書かれた工事用のフェンスが立てかけられた場末の地。そこに、とある劇団のメンバーたちが集まり、「どん底」を上演するという構造になっている。

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この日、まず稽古が行われたのは、オープニングから第1幕にかけての部分。仕事をする者、寝転がったまま悪態をつく者、病に苦しむ者、酔っぱらったままの者、そんな彼らに怒りを露わにする者...木賃宿に暮らす面々の暮らしぶり、朝の様子が描写される。貧しさとみすぼらしさが際立つが、不思議と暗い感じはない。

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本作はそもそも、特定の主人公を中心に物語が展開するわけではないのが大きな特徴と言われる。まさに今回の五戸版でも、舞台上に散らばるバラバラの個性が猥雑に、色濃い存在感を放ち、物語を築き上げていく様子が第1幕のわずかな時間からも感じられる。

興味深いのは五戸による演出の指示。第1幕をおよそ45分でひと通り通すと、その後、休憩をはさんで30分ほどかけて、ちょっとした会話の間からセリフの口調や語尾、動きや姿勢についてまで細かく、じっくり丁寧に演出していく。

「セリフに感情が乗り過ぎてしまっているので、もう少し抜いて」、「もうちょっとだけふざけた感じで」、「もう少し雑な感じで」、「怒っているシーンだけど、少し余裕やゆとりがある感じで怒ってみてください」――。時に自ら「すごく不思議なことを言っていますが...(笑)」と前置きしつつ、独特の感覚と言葉を駆使しながら、俳優陣に細かいニュアンスを伝え、主人公のいない場末の舞台に存在するキャラクターたちの個性を浮き上がらせていく。

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令和の時代の「どん底」は見る者に何を訴えかけ、どんな「ことぜん」を浮かび上がらせるのか? 完成を楽しみに待ちたい。

「どん底」は10月3日より新国立劇場にて上演。

(取材・文:黒豆直樹)

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5人のイケメン&5人の美女たちが織り成す恋の駆け引き。
『ラヴズ・レイバーズ・ロスト -恋の骨折り損-』 が10月1日(火)に開幕します!

日本では『恋の骨折り損』として知られるシェイクスピアの戯曲ですが、このミュージカルは、演出の上田一豪さんく「シェイクスピアだってことはいったん忘れて、現代のぶっとんだコメディだと思って観に来てほしい」という、まったく新しい作品になっています。

出演も、村井良大、渡辺大輔、入野自由、大山真志、三浦涼介 という今をときめく若手イケメン俳優に、
沙央くらま、中別府葵、田村芽実、伊波杏樹、樋口日奈 という様々なジャンルで活躍する個性豊かな美女たち!

宣伝ビジュアルもオシャレでゴージャスな雰囲気ですよね。

9月某日、通し稽古を取材してきました。
演出の上田さんのコメントとともに、その様子をお届けします。

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舞台はアメリカのとある高級リゾート地。
大学卒業後5年たち、その間放蕩生活を送っていた国王ファーディナンドと学友のビローン、デュメーン、ロンガヴィルですが、国王は「これから3年間は恋愛禁止、ひたすら勉学に身を捧げる」と誓いをたて、友人たちにもその勅令を出します。しかも「女性は我が宮殿の1マイル以内に近付いてはならない」とまで...!
だが隣国の王女が病の父王に代わり大使として国王に面会に来る約束になっていたため、この時だけ特例として許可が下りたものの、やってきた王女とその友人たちは、国王と学友たちとかつて恋心を抱きあった相手で...!?
「恋愛禁止」の誓いを立てた若者たちが、しかし押さえきれない恋心に振り回されてしまう、コミカルなストーリーです。

 
まず稽古場に入って抱いた感想は「若い!」。
休憩時間もすでに、熱気に溢れています。
上田さんによると「僕の稽古場、だいたいこんなかんじです。ワイワイ仲良くやってます(笑)」

そして稽古場の2階部分にとっても気になるとある小道具が鎮座。この記事の写真にもチラリと写りこんだりしていますが、それは「残念ながら実際には使いません。(劇中で登場する)箱に入らなかったんですよ~」上田)とのこと。とはいえ、ちょっぴり作品を象徴するような? 存在でもあります。

通し稽古の前には上田さんから「今日は "お風呂" もあります」といった説明が。

お風呂!
そう、このミュージカル、ある方の入浴シーンがあります!お楽しみに!!

さて、物語は前述のように、国王が学友たちと「恋愛禁止」の誓いを立てるところからはじまります。

煩悩断ち(?)する男子たち...。グラビア写真といったものから、PS4まで。若者が好きなものをボンボン箱にしまっています。LLL1-11_ZZZ5466.JPG

もっとも未練たらたらなのがビローン=村井良大さん
国王から「じゃあいいよ、帰って」とまで言われてあわててとりなすビローン...。なんだかその気持ち、よくわかります(笑)。
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↓ 男の子~!
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■新作ミュージカル『怪人と探偵』 vol.3■


あの怪盗二十面相明智小五郎を題材にした、新作ミュージカル『怪人と探偵』
その稽古場レポートの、ラストとなる第3回をお届けします!

名作詞家・森雪之丞の作・作詞・楽曲プロデュースということで、セリフや歌詞の美しさ、音楽の高揚感はやはりピカイチ!な本作。耽美な舞台作りに定評がある白井晃演出も、ハマること間違いなしの世界観で、期待が高まります。出演は、中川晃教加藤和樹大原櫻子といった実力派たち。kaitan2019-3-21_DSC9674.JPGkaitan2019-3-22_ZZZ2708.JPG

さて前回は、怪人二十面相明智の密な関係性をお伝えしましたが、演じる中川さん&加藤さんも、よく一緒に行動し、動きやセリフの相談、練習をしていました。
例えば、二十面相がステッキを中村警部(六角精児)に突きつけ、彼の行動を制限するという場面。加藤さんが「こんな風に」と実践して、中川さんにアドバイスしていたのです。

ステッキをまず胸の前に突きつけて動きを止める。kaitan2019-3-11_ZZZ2927.JPG


そしてその後、首にステッキを持っていき、後ろから押して動きをコントロールする、といった風に。kaitan2019-3-12_ZZZ2930.JPG


この華麗なステッキさばきに、「さすが!」と唸る中川さん。胸から首に移す動作の素早さといい、惚れ惚れするほど格好良かったです。

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■新作ミュージカル『怪人と探偵』 vol.2■


森雪之丞が作・作詞・楽曲プロデュース、白井晃が演出を務め、中川晃教加藤和樹大原櫻子らの出演で送る、新作ミュージカル『怪人と探偵』

その稽古場レポート、第2回をお届けします。


大怪盗・怪人二十面相と、名探偵・明智小五郎の対決を、一人の女性・リリカの存在を挟み描く本作。
前回は1幕1場の流れをザッとお伝えしましたが、もう少し詳しく稽古の様子を見ていきましょう!kaitan2019-2-01_ZZZ2795.JPG

 

"首飾りを盗む" という犯行予告が届いた博物館で、明智探偵団や警官たちが二十面相の登場を警戒しています。

そして犯行予告の時刻。柱時計の鐘が鳴ったものの、二十面相は現れない......? 動揺する一同。しばし訪れる静寂が、さらに緊張感を煽ります。キャストの息遣いも聞こえるような静けさに、見ている側もドキドキ。

と、ここで、演出の白井さんは、鐘が鳴っている間の緊張感を、さらに高めるようキャストに要求。首飾りを気にしつつ周囲を警戒している様子や、その後、警部の笑い声でフッと緊張が解けるまでの流れを丁寧に説明した上で、「ここは出だしのシーンだし、もっと緊張感が欲しい。今の3割増しくらい、大盛りで。体のキレももっと欲しい!」と訴えかけます。すぐに対応し、さらに熱気を込めて演じてみせるキャストたち。この瞬発力はさすがですね。

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■新作ミュージカル『怪人と探偵』 vol.1■


9月に誕生する、新作ミュージカル『怪人と探偵』
江戸川乱歩が創作した人気キャラクター・怪人二十面相明智小五郎を題材に、オリジナルミュージカルの脚本はこれで3作目となる森雪之丞の作・作詞・楽曲プロデュース、美しい舞台づくりに定評のある白井晃の演出で送る意欲作です。

大怪盗・怪人二十面相に中川晃教、名探偵・明智小五郎に加藤和樹、ヒロイン・令嬢リリカに大原櫻子ほか、魅力的なキャストがズラリ。

テーマ音楽を東京スカパラダイスオーケストラが書きおろすほか、作曲を『SONG WRITERS』(2013・2015年)で森とタッグを組んだWEAVERの杉本雄治が務めることでも注目を集めています。

8月中旬の某日、その稽古場を取材してきました!
げきぴあではその稽古場レポートを3回にわたり、お届けします。
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●STORY●  

舞台は昭和34年、東京麻布。北小路家の令嬢・リリカと、安住財閥御曹司・竜太郎の婚約発表パーティーの最中、大広間の柱時計には怪人二十面相の犯行予告状が貼り付けられる。

「3日後10時北小路家の家宝"パンドーラの翼"を頂戴する」――。

予告された日時、犯行を阻止するために北小路邸を訪れた探偵・明智小五郎とリリカは、互いを見てショックを受ける。二人は過去に、深いつながりがあったのだ。

10時の鐘と共に予告通り二十面相が現れるが、"パンドーラの翼"は爆発し、二十面相はリリカを連れ去る。明智は、爆発に巻き込まれて負傷してしまい......。



主なキャストはこちらの方々です!
 
怪人二十面相役、中川晃教さん。艶のある歌声で空間を支配します。kaitan2019-1-11_DSC9708.JPG

明智小五郎役・加藤和樹さん。デキる大人の男の、落ち着いた佇まい。kaitan2019-1-12_DSC0002.JPG

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稲垣吾郎さんの主演舞台『君の輝く夜に ~FREE TIME, SHOW TIME~』が、現在東京・日本青年館ホールで上演中です。

 

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夏の終わりの国道沿いのダイナーを舞台に、ひとりの男と3人の女性たちのひと晩を描く本作。

稲垣吾郎さん、安寿ミラさん、北村岳子さん、中島亜梨沙さんの4人のキャストが、ジャズミュージシャンの生演奏にのせて、歌やダンスを存分に披露し、おしゃれでゴージャスな"大人が楽しめる"ステージを展開しています。

ぴあでは、このステージの魅力をインタビューやイベント、稽古場、そしてゲネプロと様々な視点でご紹介してきました。

そこで、過去のニュース記事をまとめてみました!!

これから公演を観る方、すでにご覧になられた方もぜひチェックしてみてください。

 

★このページの最後にゲネプロの未公開写真も掲載しています。

 

 


 

▼稲垣吾郎が挑んだ、新たなミュージカルの形がここに!

記事を読む

稲垣吾郎さんのインタビューです。

 

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▼稲垣吾郎、「オーダーメイド」な役を楽しむ『君の輝く夜に』

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本作の作・演出を務めた鈴木聡さんと、キャストが登壇したイベントです。

音楽監督を務められていた、ジャズピアニストで作曲家の佐山雅弘さんのお話も!

※佐山さんは昨秋ご逝去されました。 

 

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▼稲垣吾郎がタップダンスに挑戦!主演舞台の「ショウタイム」は見どころ満載

記事を読む


稽古場レポートのダイジェスト版です。

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ロングバージョンはげきぴあに掲載しています!

稽古場ロングバージョン<前編>

稽古場ロングバージョン<後編>

  

 

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9月3日(火)に開幕するミュージカル『Little Women -若草物語-』の稽古場レポート<後編>。

本作は、名作小説『若草物語』とその続編『続・若草物語』を下敷きにした作品で、2005年にブロードウェイで初演を迎えたミュージカル。今作では、主人公で次女のジョーを朝夏まなとさん、長女のメグを彩乃かなみさん、三女のベスを乃木坂46の井上小百合さん、四女のエイミーをフェアリーズの下村実生さんが演じます。翻訳は小山ゆうなさん、演出・訳詞は小林香さんが手掛けます。

→あらすじや配役はこちら

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前回は姉妹の話が中心でしたが、今回はそれ以外の人たちもどんどん登場しますよ!

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▲まずはお母さま(香寿たつき/中央)。お母さまが帰宅すると、姉妹が口々に「今日、こんなことがあったのよ!」と報告する姿がとってもかわいいです。不在の父に代わり家族を支える、やさしくて強くて温かなお母さま。だけど娘たちが寝静まったとき、本当は心細い、夫にそばにいてほしい気持ちが静かにこぼれてきます。その心の内を明かす香寿さんの歌が印象的でした。

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▲続いて登場するのは、マーチおばさん(久野綾希子)。この時代を象徴するような考え方をしている威圧的で厳しい人。ジョーに対して「くだらない物語を書いて」「女の子はみんな結婚するんです」などと言っているのを聞くと胸が痛みます。けれど言うことのきかないジョーに、彼女の「ヨーロッパに行きたい」という気持ちを刺激して生き方を変えさせようとする策士!根っこにあるは姪っ子にしあわせになってほしい気持ちなのでしょうけどね...。その強引さが詰まった楽曲にもご注目を!

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▲そして次は、いくつもの事件が起こる(!)舞踏会のエピソード。メグとジョーが初めて舞踏会に招かれます。舞踏会の場でもジョーの振る舞いは相変わらず(笑)。でもかわいいんですよ。ジョーはふざけていても、たとえ怒っていても、かわいく感じるのは朝夏さんの力!

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▲そして出会っちゃった!メグとブルック先生(川久保拓司)。すぐに恋が始まりますよ。ふたりの甘い話し声や笑顔の交わし方に「恋の始まりっていいね~」という気持ちに(笑)。さっきまで自信がなさそうだったメグの変わりようにも注目です。

実は同じ時、ローリーもジョーにアピールします。鈍いジョーには友情の言葉としか受け取られないのですが、ふたりでいると本当に楽しそうなんですよねー。さてそんなふたりがどうなるのか...本番で見届けてください!

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▲舞踏会から帰宅したジョーたちは早速報告会を。

しかし、自分も舞踏会に行きたかったエイミーが、悔しさからジョーの小説を燃やしてしまいます...!それに気付いた時のジョーは......これまでに見たことのない表情。このときのお母さまがエイミーを叱る言葉、ジョーにかける言葉もとても素敵だったので、ぜひ注目してみてください。

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▲お母さまにどんな言葉をかけられても、絶望したジョーにはすぐには届きません。エイミーに対しても「ずっと許さない」と心を閉じてしまいます。エイミーは心から反省し、ベスに励まされながら、諦めず、ジョーに謝り続けます。

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▲仲直りできてよかった!このときローリーが一役買ったことから、ジョーは「あなたを私たちの兄弟とここに宣言します!私たちにとっての初めての男兄弟だと」と、ローリーを認めるという出来事も。

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▲お次に登場するのは、四姉妹からずっと怖がられていたローレンスさん。あるとき、ベスのピアノを聞いてマーチ家にやってきます。ベスと交流をしているうちに、しかめっ面に違うものが混じり始める......そのじんわりとした変化は心温まりました。ふたりのデュエットも、とてもやさしいものでしたよ。

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▲うれしいことも悲しいこともすぐ家族に報告する姉妹が素敵です。

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一幕を見学して、歌ももちろん素敵でしたが、姉妹の笑顔や、家族のにぎやかさ、ジョーの真っ直ぐな心とそれを応援する家族など、そこにある"空気"や"温度"がまず浮かぶような作品だったように思います。これからの稽古でさらに磨かれてどんなふうに幕が上がるのか、とても楽しみになる稽古場取材でした!

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▲一幕ラストに朝夏さんが歌い上げる『Astonishing』はジョーの生き方が染み込んだ熱く素晴らしい曲。ぜひ期待していてください。

『Little Women -若草物語-』は9月3日(火)から25日(水)まで東京・シアタークリエにて上演後、愛知、福岡を巡演。

U-25チケットも取り扱い中!

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その1.出会い

それは4年前のニューヨークのサミュエル・フレンチという演劇書専門の本屋さんでのこと。「3Winters」というタイトルと女性の顔が三つ重なっている本の表紙に惹かれてこの戯曲を手に取りました。裏面にはクロアチアの現代史について書かれた作品だということと、女性作家の作品だということ、ひとつの家族の歴史ということが紹介されていました。いわゆるジャケ買いでこの戯曲を購入し、拙い英語力で読んでみたら面白いぞと確信し、翻訳家の常田景子さんに無理やり翻訳を頼み込みました。常田さんも大いに気に入ってくれてこの作品が日本で上演される第一歩が始まりました。

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▲ NYの本屋さんで運命的な出会いとなった「3Winters」の戯曲本。

その2.企画が通るまで

文学座はアトリエ公演も本公演も、熾烈な競争の先に企画が決まります。この企画を提出して、何度か落選しました。大きな理由は、クロアチアという場所の馴染みのなさと、私のプレゼン力だったように思います。ユーゴスラヴィアが解体し、クロアチアという国家がEUに加盟していくという時代背景は日本人には分かりにくいのではないかという危惧もわからなくもありません。しかし今作は、毎日家族にご飯を食べさせ、子どもを育て、夫の世話もしてという、愛に溢れた女性の目線で社会問題が描かれている点で、日本の女性にも訴えかけることが多いのではないかと思いました。私の祖母や母の時代は、女性が教育を受けることへの偏見が日本でもあったように、クロアチアが舞台のこの作品でも、女性の差別された歴史が感じられます。そこで落選してから2回、企画を出し続けました。そしてやっと、この作品を皆さんと共有する機会を得たのです。

その3.下調べの時間

そもそも翻訳劇というのは奇妙なものなのかもしれません。アジアに住む私たちが、アリサとかルツィアとか呼び合って、知りもしない内戦の傷跡を感じている人間を表出するのですから。そのために、私も俳優もいろいろリサーチをしました。内戦についての資料の本は読んでいるだけで胸が苦しくなるものも少なくありません。クロアチアにも行ってみました。行ったのは首都ザグレブと世界遺産のドブロブニクですが、この美しい場所でそんなに遠くない過去に内戦があったなんてにわかには信じがたいと思いました。けれど、私よりずっと若い人が、内戦時代の記憶を語ってくれたり、戦争という言葉が、平和ボケした私たちよりずっと身近にあるのだなと感じました。クロアチアには大きな経済基盤がないので、大学は出たけど職はなしという状況が続いているようです。愛国心はあって、プライドもある人たちが、しかし経済的には苦しく、その為に"よりどころ"を欲して排他的になって行くというのは、日本だけではなく、クロアチアでもアメリカでも世界のいたるところで起きていることなのだなぁと実感させられる旅でした。

今回の作品は4世代の女たち、100年の歴史が語られています。それぞれの時間を、俳優さんたちに如何に理解してもらい、想像力の翼をはばたかせてもらうのか、そのために、年表を作ったり、はたから見たら小学生の夏休みの宿題のようなこともしました。

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▲ 2018年にドブロブニクを訪れた松本。

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▲ ザグレブにあるクロアチア国立劇場でも本作『スリーウインターズ』が上演されました。

ぴあ写真5ザグレブ街並み.jpg▲ ザグレブの街並み

4.稽古が始まって

生身の俳優という存在が目の前にいると、時に、自分の思っていたことが見えなくなるというか、いろいろな要素が立ち昇って来て、取り込めるところは積極的に取り込みたいという欲望もあって、自分が揺らいでいると感じることもあります。それは、私の演出家としての甘さなのだとは自覚しながらも、より一層、作品世界を豊かにするために何が必要なのかを考え続けています。そして、己に問いかけます。どうして、この作品が好きなのか、やらねばならないと思い込めたのか。その根幹を信じてきちんと観ていただく方に、お届けするのが私の使命ですものね。

創作ノートを公開するというのがこの読み物の眼目なのですよね。しかし、創作ノートというのはどう提示していいか難しいものでもあります。

いろんなメモ書きをします。舞台美術の模型も時には作ります。漫画のコマ割りみたいなものを書く時もありますし、key wordを書き連ねることもあります。選曲するために、ものすごい数の曲を聞きます。それから、またメモ書きをして、新しい発想が出ない時はもがき苦しみます。

根本は、どうしてこの作品をやりたいのだろうかということだと思います。

それを観ていただいた人に、感じてもらうために作っているのだと思います。そして往々にして、こちらの意図を超えて、観客は自分の価値観と感性とに照らし合わせて作品を理解しようとし受け止めます。それは、作り手からすると、恐怖と恍惚です。少なくとも、語りたい作品になるべく、幼児の書き連ねるメモ書きのようなものを書いたり、それを嫌になってゴミ箱に放り投げながら、クロアチアと日本の境界線が曖昧になって、彼の国の女の生き様や苦しみと、私たちの生き様と苦しみが共鳴して、今の日本の問題に目線が行くように作品を創って行こうと思っています。

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▲ 松本祐子

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▲ 寺田路恵

ぴあ写真8倉野.jpg▲ 倉野章子

ぴあ写真9増岡、石田.jpg▲ 左から、増岡裕子、石田圭祐

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▲ 前東美菜子

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▲ 上川路啓志

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▲ 稽古初日に撮影した集合写真

◆公演概要◆

【タイトル】文学座アトリエの会 『スリーウインターズ』

作/テーナ・シュティヴィチッチ 訳/常田景子 演出/松本祐子

【日程】2019年9月3日(火)~ 9月15日(日)

【会場】文学座アトリエ

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