よこやまのステージ千一夜の最近のブログ記事

●よこやまのステージ千一夜●


先日、10月10日に閉幕した、
新国立劇場演劇「朱雀家の滅亡」を拝見しました。
ご存知、三島由紀夫の戯曲。演出は芸術監督の宮田慶子さん

喋っているだけでも気持ち良くなってしまうような三島のセリフ群ですが、
主演の國村準さんが上手い!!!
(※國村さんは、名門侯爵家の当主、朱雀経隆役)
美しく書かれたセリフをこのようにして自分のモノとして獲得していくのかと、
正直恐れ入ったのと同時に、
時代の流れに逆らわず、滅んでいく世界に身を任せる演技に興奮しました。

女中・おれい役の香寿たつきさんも素晴らしく

新国立劇場演劇の
新シーズン"【美×劇】―滅びゆくものに託した美意識─"の第1弾として上演されただけあって、
美しい言葉、滅びの美意識に対して、非常に目の行き届いた作品となりました。


さて、来週10月18日(火)から
"【美×劇】―滅びゆくものに託した美意識─"の第2弾となる
「イロアセル」が開幕します。

作は倉持裕さん演出は前の芸術監督である鵜山仁さんで、
倉持さんの書き下ろしとなります。

既にニュースでもご紹介いたしましたが、
この作品、実はちょっと変わった趣向の舞台でして...。
P1150074_hosei.jpg稽古場の様子を写真をふんだんに使ってお伝えいたします。 

●よこやまのステージ千一夜●


東京では残暑もそろそろ打ち止めといった感で、いよいよ秋の気配。
この秋、個人的に楽しみにしているのがフェスティバル/トーキョーでして、ちょっとご紹介したいと思います。

フェスティバル/トーキョーは今回で4回目となる舞台芸術のフェスティバル
国内外の先鋭的な作品が多数紹介され、新しい演劇表現が沢山見られる場所でもあります。

また、今年は東日本大震災という途方もない悲劇が現実となり、
演劇に限らず、ものを作る人々にとっては、新たに生み出したものが否応なしに震災と関連付けられてしまう難しい年になりました。
新作を書き下ろす際は、
震災に触れないと何故触れなかったのかと観客から言われてしまいそうだし、
触れたら触れたでそんな直接的には触れてほしくないと言われてしまいそうで。

作品作りにおいて、震災とどう向き合うか。

演劇という表現形態だからこそ、とてつもない現実に対して一歩引いた形で表現できないか。

多くの作家さんが作品作りでもがく中、先月のフェスティバル/トーキョー会見
次回作についての思いを淡々と語った遊園地再生事業団宮沢章夫(※)さん。

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ニュースも既に配信しましたが、書ききれなかった多くのコメントをここでご紹介します。

...宮沢章夫さんは、雑誌「ぴあ」最終号にもコメントを寄せていただきましたね


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先日、ニュースでも配信しましたが、
現在、池袋・あうするぽっとで上演中の舞台『ピグマリオン』の公開稽古と会見にお邪魔いたしました。
ここでは、ニュースでは書ききれなかったこぼれ話をお伝えします。

ジョージ・バーナード・ショーが描いたこの戯曲は、
ミュージカルや映画でおなじみの『マイ・フェア・レディ』の原作としても有名。
ラストや細かい違いを除けば、大筋は『マイ・フェア・レディ』と同じですが、
2作品の大きな違いは『マイ・フェア~』花売り娘のイライザが主役であるのに対し、
『ピグマリオン』はイライザの訛りを矯正する言語学者ヒギンズが主演を務めます。

pygmalion 011_hosei2.jpg
主演のヒギンズ役は、初舞台の市川知宏さん。
「第21回 ジュノンスーパーボーイ」のグランプリ受賞でデビューされ、
最近ではドラマ『美咲ナンバーワン!!』
昨年公開の映画『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』での活躍で
ご存知の方も多いと思います。


お相手のイライザ役は、高野志穂さん。
NHK連続テレビ小説『さくら』の主演を務めたことでもおなじみですね。


ほかに、ナイロン100℃のみのすけさん、浦嶋りんこさん、
D-BOYSの加治将樹さん、尾藤イサオさん。
舞台畑の手練の役者に囲まれて、初舞台の市川さんは大奮闘していました。

梅雨時だから観たい芝居!?

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いよいよ6月、衣替えの時期になり、
関東も先週より梅雨に入りました。
今日はこんな季節にピッタリなお芝居、
新国立劇場演劇「雨」(6月9日開幕)をご紹介します。
冒頭、豪雨のシーンから始まる本作
先日、ニュースでも公開稽古の様子をご紹介いたしましたが、
ここではニュースでは書ききれなかったこぼれ話をお届けします。

 

この作品は、昨年4月に急逝した井上ひさしさんが1976年、オーストラリア滞在中に一気に書き上げ、同年に初演。
今回は『太鼓たたいて笛ふいて』『私はだれでしょう』『きらめく星座』『花よりタンゴ』『國語元年』『組曲虐殺』など、
数多くの井上作品を手がけてきた栗山民也さんが本作を初めて演出します。

 

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色(=妻・おたかの美貌)と欲(=大金)に目がくらみ、
行方不明となっている東北・平畠の紅花問屋の旦那・喜左衛門になりすます屑拾いの徳を演じるのは、
市川亀治郎さん
彼の運命を握る喜左衛門の美しい妻・おたかには、永作博美さん

 

市川亀治郎さんは先週の5月27日(金)まで、
明治座で五月花形歌舞伎の昼の部(『義経千本桜』より『川連法眼館』の段)に出演しながらの稽古。
また永作さんも出産後、撮影に挑んだ映画『八月の蝉』が、興行収入10億円(!)を突破し、現在公開6週目に突入。

様々なメディアに引っ張りだこのおふたりが井上作品に挑みます。

新国立劇場演劇「鳥瞰図」

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5月10日(火)に初日を迎えた新国立劇場演劇「鳥瞰図」
この作品を5/12(木)に拝見しました。

「鳥瞰図」は、3月に げきぴあ"舞台のウラ話 from サスペンデッズ"
コメントも寄せてくださったサスペンデッズ早船聡さんの作品。

2008年6月に新国立劇場の企画「シリーズ・同世代」
三作品連続上演の1本として初演され、
今回は再演
演出は前回と同じ松本祐子さん。


町の面積の3/4が埋立地という東京湾岸のある町。
そこで女将の佐和子(渡辺美佐子)と息子の茂雄(入江雅人)は、
三代続いている釣り船宿を営んでいる。
この船宿は心に何かしら欠落感を抱えながらも明るく前向きな地元の常連客が集まり、
日ごと賑わいを見せている。
暑い夏の日、ミオ(野村佑香)と名乗る少女が船宿を訪れ、
聞けば彼女は家を出ていった佐和子の長女の娘だという。
その来訪を機に失われた町の様子や彼らの触れられない過去が露になって......。

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                       撮影:谷古宇正彦(以下同)

出演は
渡辺美佐子さん、入江雅人さん、野村佑香さん、八十田勇一さん、
弘中麻紀さん、浅野雅博さん、佐藤銀平さん、品川徹さん。
入江さんは初参加、他の方は続投です。

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なかなかのご無沙汰になってしまった「げきぴあ」ですが、
今回はGW明けの大型公演、
ブロードウェイミュージカル「スウィーニー・トッド~フリート街の悪魔の理髪師~」
ご紹介いたします。

青山劇場で行われるこの舞台、平日夜の公演はチケットにDVDが付くそう。
お買い得ですね。予習教材つき(笑)!いや、復習教材つき?
気になった方は、こちらをクリックしてみてくださいね。

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先月、公開稽古の様子をニュース配信したのですが、
お邪魔した4/18の稽古一週間目で
もう1幕が終了するというスピード進行でした。
(あれから3週間。きっと今はものすごい練られているに違いないですね)

というのも、2007年の宮本亜門版「スウィーニー・トッド」に出演したメンバーが
かなり続投しているので、
(今回、主要メンバーで初登場なのは田代万里生と安崎求)
皆さん、スティーヴン・ソンドハイムのリズムも音程を取るのも一苦労なこの曲に
難なく立ち向かえている様子。
主演の市村正親さんが「稽古初日の日にほとんど譜面を離して稽古がやれている状態」と話されていたので、
これは仕上がりが楽しみです。

 


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(1)に続いて、
2月5日(土)から13日(日)まで、赤坂RED/THEATER で上演される
劇団スーパー・エキセントリック・シアター「ベイビーベイビー」
稽古場レポートです。


キャラメルボックスの岡田達也さん扮する雨宮光則が、
ぬいぐるみ劇団の公演でも、また私生活でもトラブル続きの八方塞に。
個性派すぎる俳優が集まった、大人のラブ・コメディです。



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●よこやまのステージ千一夜●

 

2月5日(土)から13日(日)まで赤坂RED/THEATER で上演される
劇団スーパー・エキセントリック・シアター「ベイビーベイビー」
稽古場にお邪魔いたしました。

この芝居、
佐藤アツヒロさん主演の3月公演
THE GLOBE TOKYO PRODUCE 「TRAVELING」も作・演出する、
クロカミショウネン18野坂実さんが脚本、
えんたま(=TBSドラマ『ムー一族』(!)などの演出を手がけた遠藤環さん)さんが演出します。


出演は...
加藤貴子さん、キャラメルボックスの岡田達也さん、
KKP(=小林賢太郎プロデュース)でもおなじみ久ヶ沢徹さん、
双数姉妹の野口かおるさん、東京ヴォードヴィルショー・佐渡稔さん、
平田敦子さん、沖縄ひとりゆんたく芝居で知られる藤木勇人さん、
元宝塚の麻尋えりかさん、山村美智さんら個性派過ぎる面々13名。


稽古場を覗くと、
(左から)岡田達也さん、山口麻衣加さん、野口かおるさん、
(後ろ向きですが)山村美智さんらが妙に楽しそうで......!?

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●よこやまのステージ千一夜●

先週木曜(1月13日)に初日の幕を開けた
新国立劇場演劇「わが町」を観て参りました。

 

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撮影:谷古宇正彦(以下同)


宮田慶子芸術監督が、自身のシリーズ
「JAPAN MEETS...-現代劇の系譜をひもとく-」の第3弾に選んだのは、
ソーントン・ワイルダーの「わが町」。
あまりにも有名な戯曲です。
昨年、本公演でやられた文学座さんは付属の研究所で毎年上演しているという、
現代劇のバイブル的存在の戯曲。

演出はもちろん宮田慶子芸術監督です。

出演者は小堺一機さん、鷲尾真知子さん、相島一之さん、佐藤正宏さん、中村倫也さん、
    佃井皆美さん、中村元紀さん、山本亨さん、斉藤由貴さん
ほか

また、町のひとびとの役で、
あの さいたまゴールドシアターの渋い皆さんが出られていたのも印象的。
老いた体をそのまま活かしているのは素敵ですね。
しかも年々、皆さん上手くなっている......。飽くなき向上心がうかがえます。


そして、生演奏でセリフの余韻は消さずに、空間を見事に埋めていたのは、
稲本響さんのピアノ生演奏
...毎回生演奏というぜいたく。しかも既存の曲ではなく、全てオリジナル曲です。


●よこやまのステージ千一夜●

 

明けましておめでとうございます。
げきぴあメンバー初執筆のよこやまです。
今年も「げきぴあ」をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

さて、ニュースでも配信いたしましたが、
昨日1月6日、妻夫木聡さん、蒼井優さんらが出演される
NODA・MAP「南へ」の製作発表が行われました。
一般発売が今週末1月8日(土)に迫っているこの作品ですが、
ニュースではなかなか書ききれなかったこぼれ話をお伝えいたします。

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妻夫木さん、蒼井さんのほかには、
渡辺いっけいさん、高田聖子さん、チョウソンハさん、黒木華さん、太田緑ロランスさん、
銀粉蝶さん、山崎清介さん、藤木孝さん、
そして野田秀樹さんが出演されます。


作品はこんなお話です。

舞台となるのは、活火山・ブジザン。
その観測所に赴任してくる所員(妻夫木)を待ち受けるのは、なんと虚言癖の女(蒼井)。
やがて火山活動がほとんどないブジザンに大噴火の噂が流れ、
マスコミをはじめ不確かな情報などがそこに集まってきて......。

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