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『ヘアスプレー』や『ファインディング・ネバーランド』のオリジナルキャストとして、大観衆から喝采を浴びているブロードウェイのミュージカルスター、マシュー・モリソン。海外ドラマ『glee/グリー』のシュースター先生でもおなじみの彼が、日本初のソロコンサートをいよいよ明日開催します!

そんな大事なコンサートを控えたマシューがいる、本番前夜のリハーサルスタジオにおじゃましました。

スタジオの扉を開けると、ゲスト出演する中川晃教と、今まさにデュエットするというところ。

静かに、ゆっくりとマシューが美声を響かせると、ともに歌うことがなによりも嬉しそうに、中川は笑顔。マシューにつづいて中川のファルセットボイスがスタジオに響くと、マシューも楽しそうにニッコリ。お互い歌声を高め合いながら、圧巻のコーラスで魅せてくれました。

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▼マシュー・モリソン、中川晃教

今回の来日コンサートはセットリストの異なる2回公演。

16:00開演回は、ミュージカルナンバーに加えて、『glee/グリー』で披露した「Sway」やジャズのスタンダートナンバー「It Don't Mean a Thing(スウィングしなけりゃ意味がない)」などを披露する"ブロードウェイ/アメリカンソングブック バージョン"

そして、19:30開演回は、ザ・ビートルズの「LET IT BE / HEY JUDE マッシュアップ」などヒットチューンが満載の"ブロードウェイ/ポップヒッツ バージョン"

迫力あるバンド演奏で披露した「LET IT BE」は、リハーサルと思えない大盛り上がりで、バンドとの息もピッタリでした。

リハーサル後に、本番への意気込みをふたりに聞きました。


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▼マシュー・モリソン、中川晃教


――リハーサルを終えて、手ごたえは?

マシュー●すばらしかったです。新しいバンドで、しかも新しい場所で、というのはこれが初めてのことだったので、リハーサル前はちょっとドキドキしてたんです。でも、皆さんとてもプロフェッショナルな方たちばかりで、とてもすばらしかったです。

中川●僕はマシューさんの隣で、彼がどういうふうにミュージシャンやスタッフの方々と明日に向けてコンサートを作っていくのか? そのプロセスをちょっとだけ見ることができました。今回は2公演でずいぶんとセットリストが変わって、マシューさんの音楽の魅力、マシューさんのバックボーンにある音楽をたくさん届けてくれる。そのマシューさんの気持ちが嬉しくて、素敵なエンターティナーなんだってことを感じました。

――中川さんとデュエットしてみていかがでしたか?

マシュー●すごく才能があって、とても素晴らしい方だと感じました。それに男性があんなに高い声で歌うなんて、本当にびっくりしました。もう一度、自分もボーカルレッスンをやって、アキさんみたいに歌ってみようと思ったりもしました。ステージでそのまま歌う方が多いと思うんですが、役に入り込み、心をこめた歌声がすばらしいと思いました。

中川●ありがとうございます。ミュージカルの同業者のみんなは、僕がマシューさんとご一緒させていただけることを、すごくうらやましがってます。マシューさんが発するものすべてがインスピレーションになり、エナジーになってます。

マシュー●アキさんはとても素晴らしい方なので、もし可能であれば、いつかアメリカで一緒にコンサートをしてみたいです。

――今回は日本語でも歌う曲があるということですが?

マシュー●(人差し指を口元にあてて)シー! 冗談です(笑)。「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」をバンドの皆さんにアレンジしていただきました。今は日本語で歌う練習を一所懸命しています。

――楽しみにしています。それでは最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

マシュー●大好きな日本で僕のショーを観てもらえることがすごく嬉しく思っています。これから、何度も何度も日本に来たいと思ってます!

中川●本場の、本物の、そして今なお活躍されているマシューさんの声や姿を生で観られる。これは本当に幸せなことだと思います。今回だけじゃなくて、これからも続けていけるようなコンサートになるように、自分ができることを頑張りたいと思います。


そして、音楽監督も務める下野ヒトシ(Bass)&宮崎隆睦(Sax)にお話をうかがいました。

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▼(写真左から)宮崎隆睦(Sax)、ブラッド・エリス(Music directer/Piano)、マシュー・モリソン、中川晃教、下野ヒトシ(Bass)


――リハーサルを終えて、マシューさんの印象は?

下野●歌と踊りがどちらもすごくてスター性があるし、フィーリングが日本人とは違ったエンターテインメント性というのを一番感じましたね。

宮崎●とにかく美しい。それが一番最初の印象です。すごい人っていうのは、やっぱりそういうものを持ってるんだなって思いました。

――明日のコンサートはどんなものになりそうですか?

下野●"ブロードウェイ/ポップヒッツ バージョン"は、有名な曲が多いんですが、それをマシューならではのダンスとパフォーマンスで聴ける機会ってそんなにないと思う。本場のコンサート会場で観てるのと同じ雰囲気で味わってもらいたいですね。それと、「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」は、かなりいいできです。ありがたいことに僕らがアレンジをさせていただいて、ミュージックディレクターのブラッド(・エリス)とマシューもすごく気に入ってくれてます。マシューはただのシンガーではなくて、アクターなので、歌、ダンス、パフォーマンスなどトータルで楽しんでもらえたらと思います。それに、ホーンセクションは日本のトップクラスが揃いました。クオリティの高い演奏も存分に聴いてもらいたいです。マシューもリハーサルから「最高だ!」っていちいち褒めてくれました。

宮崎●少ないリハーサルの中で、しかもマシューたちは時差ボケがあったり大変だと思うんですけど、ベストを尽くしてくれて。僕らもそれに応えたいと思う。本番が本当に楽しみです。

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マシュー・モリソン in コンサートは2月24日(土)Bunkamuraオーチャードホールにて開催。

皆さんのご来場をお待ちしております。

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gucha_12.jpg 舞台「グチャグチャ」右から押見泰憲(犬の心)・ピクニック

押見泰憲(犬の心)・ピクニックらが出演する舞台「グチャグチャ」が3月1日から神保町花月で上演される。

脚本は冨田雄大、演出は西山雅之(GORE GORE GIRLS)が手掛ける。

押見泰憲(犬の心)・ピクニックに加え、吉田大吾(POISON GIRL BAND)、吉村憲二(ブロードキャスト!!)、シューレスジョー、サンシャイン、伊藤真奈美、光永が出演する。

 
本作の稽古場に伺い、押見泰憲(犬の心)とピクニックに、本作の見どころについて聞いた。【動画3分】

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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――2011年の『ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~』、2015年の『ブロッケンの妖怪』に続き、3作目の竹生企画です。これまでの手応えは?
倉持 いや、よかったと思いますよ。
生瀬 まぁ「ちょっと手応えは......」とか言われてもね(笑)。
倉持 なんで3回目やるんだって話ですよね(笑)。ただ自分の中ではちょっと落ち込むところもあって......。
生瀬 そうなんですか!?どこどこ?
倉持 竹中さん、生瀬さんが強力なので、助けられ過ぎているなって実感はあります。あまり面白くないところも面白くしていただいたりして。
生瀬 謙虚ですねぇ。だって倉持さんが自分で書いて、自分で演出しているわけですから、それはおかしな話ですよ。僕らはただの素材であり、どう料理するかは倉持さん次第。だから面白いのは全部倉持さんの手柄です!
倉持 はい、ありがとうございます。

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――竹生企画に書き下ろす上での面白さとは?
倉持 まずあまり気を遣わなくていいっていう安心感はありますよね。これ出来るかな?みたいなことが、おふたりに関してはありませんから。
生瀬 倉持さんの中には竹中さんのイメージ、僕のイメージってものがあるわけですよね?
倉持 ありますね。
生瀬 それが僕は面白いんですよ。台本を読んだ時に、自分ってこんなふうに見られているんだなって。
倉持 ただ竹中さん、生瀬さん、それぞれにというよりかは、おふたりの関係にあてて書いている感じですね。生瀬さんの方が引っ張っていくタイプかな、とか。
生瀬 竹中さんはすごくシャイですけど、僕は結構破壊しちゃうタイプですからね。その点、竹中さんにとって僕は、ものすごく苦手な人間だと思う(笑)。
倉持 竹中さんは一つひとつ、きっちりとした自分の世界観を持っていますからね。そこを生瀬さんにどんどん土足で踏み込まれ、崩されてしまう(笑)。でもそういうのって、書いていてやっぱり面白いんですよ。

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――今回竹中さんと生瀬さんは、とある事故で生き残ったふたりという設定ですね。
倉持 ええ。前回、前々回が腐れ縁のふたりという設定だったので、今回は赤の他人にしようと。ただ九死に一生を得たという強烈な共通項があれば、ひとつ確かな核になると思ったんです。
生瀬 僕の中には昔からずっとあたためていたお話があって、それを倉持さんにお伝えしたんです。帰りの燃料を積まないで目的地に向かった宇宙船のお話なんですが、今回倉持さんからうかがっている内容とは全然違う。でもタイトルに"火星"が入っていたりして、僕の夢が実現しているような気がします。
倉持 実は竹中さんからもSF的なお話がありまして、それで『火星の二人』というタイトルにしました。火星って30年に2回だけ地球に大接近するらしいんですけど、なんかそれもいいなと。ふたりは他人なんだけど、15年前にも強烈な接点があった、みたいな話になると面白いと思ったんです。

――その事故をきっかけに、物語はどういった展開を見せていくのでしょうか?
倉持 竹中さんの家族のもとに、生瀬さんが居候として割り込んでくることになります。しかも竹中さんの家に入れてもらえなかったので、庭にテントを張って居候を始めるという......(笑)。
生瀬 ハハハ、テント面白いですね。で、竹中さんが"なぜ人の家にテントを張っちゃいけないのか"をキチンと説明したりして。
倉持 そうそう。それだけで面白くなると思うんですよ。テントを張るか、張らないかだけで、15分はいけると思います(笑)。

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――おふたりのやり取りがこれまで以上に楽しめる作品になりそうですね。
倉持 そうですね。これまでの中では一番ふたりのシーンが多くなると思います。3回目にして、"竹生企画"の名に偽りなしの芝居になるかなと。
生瀬 たぶん竹中さんは嫌だと思いますけどね(笑)。これまでもふたりきりは嫌だって、他の役者を呼んでいるわけですから。
倉持 上白石さんも竹中さんのご紹介ですが、いい女優さんですよね。かわいらしいし、芝居も出来るし、新しい方とご一緒できるのも楽しみですね。

「火星の二人」東京公演は、2018年4月10日(火)から25日(水)までシアタークリエで行われる。

(取材・文:野上瑠美子 撮影:源賀津己)

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第6回目を迎えた、"15分編集なしの演劇動画を競う"《クォータースターコンテスト》の結果発表と授賞式が昨年12月に開催されました。

 

クォータースターコンテスト(以下QSC)は、演劇・舞台系動画のニュースサイト・エントレが2012年に立ち上げたコンテストで、グランプリを獲得すると賞金30万円が副賞として授与されます。

 

審査員は演劇・映像分野で活躍するクリエイターが務め、第6回は、初回から続投の鴻上尚史さんをはじめ、第3回から参加している映画監督の行定勲さん、初参加の福原充則さん桑原裕子さんの4名が担われました。

 

今大会の投稿作品数は81本、そのうち事前の選考で選ばれたノミネート作品は11本。
審査方法は、ノミネート作品の中から各審査員が1位から3位までの順位を決め、総合点数がもっとも高い作品がグランプリとなります。
その結果、グランプリは劇団子供鉅人の山西竜矢さんの作品「さよならみどり」が獲得しました。

 

第6回クォータースターコンテスト(QSC6) 結果発表はコチラ

 

さて、QSCにはもうひとつ、協力団体が選出する各賞があります。
第6回は、8つの団体が賞を設け、6作品が各賞を受賞しました。(2団体の賞は該当者なし)

 

げきぴあは第1回目から参加させていただいておりまして、選定基準は「この団体、あるいはクリエイターが創った本物の舞台が観たいかどうか」です。が、過去の受賞作には舞台での上演は難しい作品もありましたので、今回は原点に立ち返り、【げきぴあ賞】を選ばせていただきました。

その結果、第6回QSCの【げきぴあ賞】はくちびるの会「ポスト、夢みる」に決定いたしました!!

 


  

◆『ポスト、夢みる』

 

  

昔ながらの赤いポストを女性に見立て、郵便局員・白ヘルへ抱く淡い恋心と、移りゆく街の風景を重ねた切ない物語。ノスタルジックなタッチで描かれた背景のイラストが時間の経過で変化する様や、照明の使い方が印象的で、全体の構成もうまくまとまっていました。特に、夕日に染まったポストと白ヘルとのやりとりは秀逸です。

 

[動画作品情報]
撮影カメラ:iPhone7
作・演出 山本タカ
ポスト:橘花梨
白ヘル・学ラン:佐藤修作
演出助手・音響:佐野七海
音楽:朝日太一
イラスト:やだともか
小道具:北澤芙未子
機材協力:エイプリルズ
協力:イトーカンパニー、エイプリルズ、ゴーチ・ブラザーズ、四次元ボックス

 


 

【げきぴあ賞】の副賞はインタビュー掲載です。
本作の作・演出を務めた山本タカさんにお話しを伺いました。

 

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現代演劇の手法で古典の可能性を探る木ノ下歌舞伎がKAAT神奈川芸術劇場に初登場する。

上演するのは歌舞伎十八番 『勧進帳』
兄・源頼朝と不仲になり追われる身となった義経ら一行が山伏と強力に変装して安宅の関に差し掛かり、頼朝の命を受けた富樫左衛門と対峙するさまを描いた歌舞伎の中でも上演頻度の高い人気の演目だ。
木ノ下歌舞伎では2010年に初演後、'16年に完全リクリエーション版として上演。今回はその1年半ぶりの再演となる。演出・美術の杉原邦生に、創作の意図や作品の狙いを聞いた。

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ーー'10年に初演した 『勧進帳』 を、6年後に作り直した理由は何ですか?

 
 '10年の 『勧進帳』 は、木ノ下歌舞伎で初めて完コピ(歌舞伎の舞台映像の動きや言い回しを完全にコピーして演じること)を稽古に取り入れた一方、台詞の一部を現代語にした最初の作品でもありました。それまでは、演じるのが現代劇の俳優なのでイントネーションは現代的にしていたものの、台本は全て原語のままで上演していたんです。
でも、僕はそこに違和感を覚え始めて、完コピ稽古を提案しました。だから、僕と(木ノ下歌舞伎主宰の)木ノ下(裕一)くんにとって 「木ノ下歌舞伎の第二章が始まった」 と言えるエポックメイキングな作品になりましたし、初演が終わった直後からもう一度上演しようと話していたんです。ところが再演にあたり、初演の映像を見返したところ、凍えるくらいひどく思えて(笑)。
木ノ下くんにすぐ電話をして 「ヤバイよ」 と言うと、「いやいや、それは邦生さんが演出家として成長したからですよ、だいじょうぶです」 。その木ノ下くんもそのすぐ後映像を見て 「邦生さん、ヤバイですね」 って電話してきた(笑)。それで作り直すことになりました。

 

ーー具体的にはどこをどう変えたのでしょう?

 
 上演台本を全て現代語に直しました。今、僕の演出で言葉を一つ変える場合には、変えることによってその前後はもちろん、作品全体の中で何がどう変化するかを色々な方向から考えてジャッジしているんですが、初演時は言葉を変えること自体が初めてだったので、その新鮮な楽しさゆえに「面白い!」 と思ったらすぐOKを出していたんでしょうね、言葉の選択が甘かった。わざわざ台詞を現代語にした理由も曖昧でした。そこで'16年の稽古では「台本を全て口語にして、それでも歌舞伎と言えるかどうかを試したらどうだろう?僕が上演台本を書くから」 と提案したんです。やってみると、言葉を変えたことで演出の選択肢が広がり、自由になった感覚がありました。そうなると美術も、停止線が真ん中にあって矢印が書かれている"道路"を模した初演のものだとイメージや空間の持つ方向が定まってしまい、せっかく得た自由度を制限している気がしてきた。
発想を変え、初演からの舞台両側を客席が挟んでいるという空間構造は変えず、"境界線"というテーマをさらに推し進めて、細長い舞台そのものを真っ白な一本道の"ボーダーライン"に見立てて、その上で人々が揺れ動くさまを描くことにしました。

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ーー初演からの"境界線"というテーマは、どこから来たのでしょう?
 

 木ノ下くんからの提案です。『勧進帳』は、物語で言ったら「関」という境界線を越えるか越えないかだけのドラマ。でもそこには、義経VS弁慶たちの主従関係だとか、富樫VS義経・弁慶の対立関係だとか、たとえ心を通わせ合えたとしても越えられない様々なラインがある。さらに僕らは、初演でもリクリエーションでも弁慶役にアメリカ人俳優をキャスティングすることで、国籍や人種の要素を入れました。

リクリエーション版では弁慶をよしもとの芸人でもあるリー5世さんが演じてくれてます。また、初演では女優が演じた義経役を、リクリエーション版ではニューハーフの俳優、高山のえみさんにお願いしました。性の境界線を内包する人を新たに入れることで、より複雑で現代的な作品になったと思います。

ーー'16年のリクリエーション版を豊橋で拝見しましたが、現代的な感性での原作への言及や補足がかなり入っていると感じました。

 古典をやる際、その時代と今とではモラルも価値観もまったく違ってリアリティを感じにくいので、そこをどう噛み砕くかが重要だと考えています。一番多く書き足したのは、富樫と共に関を護衛している番卒や、義経に付き従う四天王たちの台詞。とにかく主役を目立たせるスターシステムの歌舞伎では、彼らにはほとんど台詞がないんですが、彼らを丁寧に描くことで弁慶・冨樫・義経の存在感がさらに際立つと考えました。具体的にいうと、例えば番卒たちが関所にいる間、そうしょっちゅう山伏が通るわけでもないだろうし、待っている時間が長くなればイライラもするだろうから、彼らの中で小さなぶつかり合いとかも当然あっただろうと想像して、そういう台詞を書き足したんです。その番卒たちと対になる四天王たちもキャラクターを様々に肉付けしました。これはとても楽しい作業でしたね。

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ーー一方、富樫に促されて弁慶が勧進帳を読み上げるくだりなどは、現代語とはいえ、原作通りの難解な内容になっています。

 
 "勧進帳の読み上げ"と"山伏問答"の場面は、木ノ下くんが直訳してくれたテキストをもとに、できるだけ分かり易い言葉にしました。さらにアメリカ人であるリー5世さんが言いづらい単語は変えたり入れ替えたりしていますが、それでも馴染みのない専門的な仏教用語などもたくさん出てくるので、難しいですよね。でも、そんな難しい内容を窮地に立たされた弁慶がとっさの判断ででっち上げたという凄さは伝わると思います。

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ーー様々な工夫を凝らして作り上げたリクリエーション版。観客の反応はいかがでしたか?

 
最初に上演したのが松本のまつもと市民芸術館だったのですが、とにかくお客さんがすごく盛り上がってくれました。ちょうどその時、同じ劇場の主ホールで串田和美さん演出の『四谷怪談』を上演していたので、出演していた中村勘九郎さん、中村七之助さん、中村扇雀さん、中村獅童さんといった歌舞伎俳優や、付き人さんや裏方さんたちまで観に来てくれて、客席で大歌舞伎公演ができるくらいのすごい顔ぶれでした。

七之助さんは「歌舞伎を現代化していると聞いて、正直スカした奴らなのかと思っていたけれど、ちゃんと歌舞伎だし『勧進帳』 だった 」 と言ってくださり、2晩続けて足を運んでくれました。また、終演後に行った飲み屋で偶然お会いした扇雀さんは、いかに面白かったかを1時間ほど熱く語ってくださいました。歌舞伎俳優の皆さんに観ていただけた上に、そういう感想をいただけたことは、単純にとても嬉しかったですね。

普段から木ノ下歌舞伎を観てくださっているお客さまからは 「一つの到達点だね」 という声が多かったです。それは僕らも感じていて、ちょうど'16年は木ノ下歌舞伎結成から10周年だったのですが、10年の間に様々なことを試してきた蓄積があって、僕と木ノ下くんの中で 「ここまでやっても大丈夫、歌舞伎と言える」 みたいなラインを共有していたからからこそできた作品だったと思います。

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ーー今回、関東では初上演。どんなことが伝わればいいなと思いますか?

この 『勧進帳』 には僕が演劇で表現し続けたいことが詰まっている気がするんです。例えば、僕は善/悪の二項対立が嫌いというか、そんなに単純に分けられないだろうって思うんです。それぞれにそれぞれの正義があり正解があると思う。それらがぶつかった時、相手の正義や正解を受け容れることができないから争いが起きるわけですよね。そうした対立が取り払われた平和な社会、つまり人間同士が互いを尊重しあえる社会の実現に、演劇が力を持てたらいいな、というのが、僕が演劇を続ける理由。と言いつつ、実際には、この世界に人間がいる以上、そんな社会が実現することはないとうこともわかってます。でもきっと、『勧進帳』の登場人物たちもどこかでそういう平和な世界を望んでいたんじゃないか。様々な境界線を越えた先に、皆が輪になって踊れるようなハッピーな世界があると思いたかったんじゃないか。そんなことを現代のお客さまにも感じてもらえたら嬉しいです。それが古典の面白さであり、カッコ良さだと思うので。

取材・文:高橋彩子

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木ノ下歌舞伎

『勧進帳』


【公演期間】
2018年03月01日(木)~2018年03月04日(日) 

【会場】

KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ

【監修・補綴】
木ノ下裕一

【演出・美術】
杉原邦生[KUNIO]

【出演】
リー5世
坂口涼太郎
高山のえみ
岡野康弘
亀島一徳
重岡 漠
大柿友哉

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――倉持裕さん作・演出の舞台へは、なんと6年連続の出演になるとか。
竹中 本当に大好きなんですよね、倉持さんの世界観が。倉持さんの書く言葉やリズム感も好きです。あと演出中に「うん、いいです」って言ってくれる声の音色とその横顔も好きで(笑)。倉持さんの描く世界に本能的に惹かれます。これからも倉持さんの世界を追求していきたいですね。

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――上白石さんは倉持さん作品をご覧になったことはありますか?
上白石 はい。竹生企画では『ブロッケンの妖怪』(15年)を観に行ったんですが、本当に感激して! すごくシンプルなストーリーでありつつ、人間味もあり、しかもひと筋縄ではいかない。いろんなところに寄り道しながらも、最後にストンと落とし込む、みたいな。舞台にしか出来ないこと、舞台の素晴らしさを、倉持さんの作品にはいつも感じます。

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――おふたりの共演は映画『舞妓はレディ』(14年)以来ですが、今回上白石さんを客演に呼ばれた理由は?
竹中 いつも僕は女優さんをメインに考えるんです。萌音ちゃんとは初共演した時にいつか一緒に舞台をやりたいと思っていました。倉持さんにもそのお話は以前からしていました。だから今回、願えばちゃんと叶うんだなって思いました。
上白石 本当に恐縮です・・・竹中さんとはまたお芝居したいと願い続けていましたし、倉持さんの舞台にもずっと出たいと思っていて。だから今回一気に夢がいくつも叶ってしまって、お声がけいただいた時は天にも昇る思いでした。
竹中 そこまで言ってもらえるなんて本当に嬉しいなぁ。
上白石 前の映画の時は、私が初主演ということでガチガチだったんですけど、それをいつも柔らかく、楽しく、面白くほぐしてくださったのが竹中さん。だから私にとっては、本当に恩人のような存在なんです。
竹中 かたじけない。

――初めて倉持さんの舞台に挑む上で、竹中さんに聞いておきたいことはありますか?
上白石 すべてが未知数なんですが......、倉持さんのお稽古って、みんなでいろいろ模索しながら進めていく感じですか?
竹中 そうだね。昔は岩松(了)さんが倉持さんの師匠みたいな時期もあったから、何度も何度も同じところを繰り返しやっていた時期もあったとは思う。ただ何度も繰り返しやるって、理屈じゃなくなくなってくるから、楽しいことだと思うんだよね。僕は稽古が大好きだけれど生瀬くんは飽きやすいよ (笑)。
上白石 そうなんですか?(笑)
竹中 うん。いや、だったと思う(笑)

――先日の取材で生瀬さんは、「竹中さんは僕のことが苦手だと思う」とおっしゃっていました。
竹中 そんなこと言ってた!? おかしいね。だって怖いんだもん、生瀬くん(笑)。圧がすごいし、"男"って感じがするんですよね。役者としても全然違うタイプだよね?だからこそ竹生企画はいい距離感といいバランスなんじゃないかしらん(笑)
上白石 これまでは私、竹中さんも生瀬さんも芝居に対して同じような取り組み方をされていらっしゃると思っていたんです。でも実は逆で、お互い違うからこそ生まれる波長があるんだなって。今すごく腑に落ちました。

――倉持さんいわく、「過去2作に比べて、最もおふたりのやり取りが多い芝居になる」とも。
竹中 本当ですか? うわぁ、ものすごく緊張するな。
上白石 倉持さんの作品っていつも会話で紡がれていく感じですけど、今回はそれがより色濃い感じになりそうですよね。仮チラシにも"果てしなき口論"って書いてありましたし。
竹中 それは頑張らなきゃな。生瀬くんに負けちゃいそう......(笑)。
上白石 一ファンとしては、おふたりのやり取りを間近で体感出来るのが本当に幸せです。早く稽古に入りたい!

――では最後に、チケット購入を迷われている方の背中を押していただけるようなひと言をお願いします。
上白石 倉持さん、竹中さん、生瀬さんというメンバーで、面白くないわけがないと思います。すごく魅力的な世界になるはずなので、絶対に観に来てください!
竹中 水と油のようなふたりがまた芝居をやるぜ! 尋常じゃないぶつかり合いをまるで透明の水のようにみつめるのは上白石萌音!! これを観ないでいられるかっ!!

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「火星の二人」東京公演は、2018年4月10日(火)から25日(水)までシアタークリエで行われる。

(取材・文:野上瑠美子 撮影:源賀津己)

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元宝塚歌劇団 雪組トップスター・早霧せいなさんの退団後初となる主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が、5月に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、6月に東京・TBS 赤坂ACT シアターで上演されます。

本作は、人気ニュースキャスター・テスの笑いあふれるラブロマンスを、ジョン・カンダー&フレッド・エッブの華やかな楽曲で描くコメディミュージカル。トニー賞最優秀スコア、脚本、主演女優賞、助演女優賞の4 冠に輝いた傑作です。(詳しくはその①へ!)

春まで待てないげきぴあは、ビジュアル撮影に潜入!
【その①】では早霧さんのレポートを、【その②】では、相葉裕樹さんのレポートを、そして、今回の【その③】では、宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー)さんのレポートをお届します。

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4月に東京・東京芸術劇場シアターウエストと大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演される『PHOTOGRAPH 51(フォトグラフ51)』。

2015年にウエストエンドで上演された話題作の日本初演で、板谷由夏さん、神尾佑さん、矢崎広さん、宮崎秋人さん、橋本淳さん、中村亀鶴さんが出演する六人芝居。「世紀の大発見」とも言われる"DNAの二重らせん構造"の発見に貢献した女性科学者ロザリンド・フランクリンの姿を描きます。演出は、サラナ・ラパインさん。今、ブロードウエイでも注目を浴びる女性演出家です。

げきぴあでは、そのリーディング現場に潜入。
作品の概要&第一弾はこちら・第二弾はこちらをご覧ください!

ラストとなる今回は、リーディング直後の矢崎さんと宮崎さんを直撃。
感想を聞いてみました。

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元宝塚歌劇団 雪組トップスター・早霧せいなさんの退団後初となる主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が、5月に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、6月に東京・TBS 赤坂ACT シアターで上演されます。

本作は、人気ニュースキャスター・テスの笑いあふれるラブロマンスを、ジョン・カンダー&フレッド・エッブの華やかな楽曲で描くコメディミュージカル。トニー賞最優秀スコア、脚本、主演女優賞、助演女優賞の4 冠に輝いた傑作です。(詳しくはその①へ!)

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【その①】では早霧さんのレポートを、
今回の【その②】では、相葉裕樹さんのレポートをお届します。

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元宝塚歌劇団 雪組トップスター・早霧せいなさんの退団後初となる主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が、5月に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、6月に東京・TBS 赤坂ACT シアターで上演されます。

本作は、『シカゴ』『キャバレー』『蜘蛛女のキス』など日本でもお馴染みの作品を手掛けたジョン・カンダー&フレッド・エッブの華やかな楽曲で、笑いあふれるラブロマンスを描くコメディミュージカル。トニー賞最優秀スコア、脚本、主演女優賞、助演女優賞の4 冠に輝いた傑作です!

上演台本・演出・訳詞を務めるのは、ミュージカル『フランケンシュタイン』やオフ・ブロードウェイ・ミュージカル『フォーエヴァー プラッド』を手掛けた板垣恭一さん。

そして、主人公の人気ニュースキャスター・テスを演じるのは、昨年7月に宝塚歌劇団を退団した元雪組トップスター・早霧せいなさん! これが退団後初の主演ミュージカルとなり、これまで男役を演じてきた早霧さんがバリバリのキャリアウーマンを演じます。

早霧さんと言えば...'14年のトップ就任から'17年の退団まで、宝塚大劇場での公演全5作で"100%以上の稼働率"という劇団史上初の記録を打ち立て、本拠地でのサヨナラパレードでは約6,000人のファンが集まり見送った大スターです。その早霧さんが「宝塚歌劇退団後、一人の役として舞台に立つ事はこれが初めての挑戦になります」(公式コメントより)というミュージカル。本当にたった一度しか見られない"初"の作品ですから、早霧さんのファンはもちろん、舞台ファンも要チェックです!

というわけで、げきぴあではビジュアル撮影に潜入!
【その①→早霧せいなさん】【その②→相葉裕樹さん】【その③→宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー)さん】
という連載でお送りします!
後半にプチインタビューもありますので、ぜひご覧ください。

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