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ハダカ座公演 vol.2『ストリップ海峡』が2020年3月に上演されます!

本作は、2018年1月に上演された『ストリップ学園』に続く作品で、脚本・演出をgood moning N°5澤田育子、音楽を元・米米クラブのメンバーのフラッシュ金子こと金子隆博が手掛けるオリジナル作品。

前作ゲネプロレポートはコチラ

本作の詳細はコチラ

ストリッパーを目指す生徒たちを男性が演じ、あらゆる感情が混じり合うストーリー&演出で観客を虜にした初演。果たして第二弾はどんな作品になるのか......。

前作に続き、女性ストリッパー役で出演する古谷大和さん石田 隼さん芹沢尚哉さん。そして新キャストの齋藤健心さんにお話をうかがいました!

*****

――今年1月に上演された『ストリップ学園』、とても面白かったです。新キャストの齋藤さんはご覧になられましたか?

齋藤 観ました。カッコいいと思いました。舞台の上には肌を露出した全力な人たちがいて、客席のお客様は「フー!」となっていて。そういう空間がめちゃめちゃカッコいいと思いました。

――お客様もパンツやブラジャーを回したり、紙テープを飛ばしたりしていましたね。

齋藤 そこにも衝撃がありました。ドーパミン出過ぎて頭で考えられず、ただただ「すごい」と思っている感じで。圧倒されました。

――齋藤さん以外は、まさにその舞台に立ったお三方ですが、どんなふうにつくっていかれたのでしょうか?

芹沢 僕らも稽古の序盤は「どうやってつくっていくの」っていう感覚がありましたよ。

古谷 そうだね。ただ、稽古で最初のシーンをやったとき、僕の相手が藤田(記子)さんで(「good morning N°5」は本作の作・演出である澤田育子さんと藤田記子さんのユニット)。藤田さんの芝居のエネルギーを見て、「これなんだ」と思いました。何も飾らず、全力でやってらした。

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――これをやらなきゃいけないんだ、という感じだったのですか?

古谷 そうですね。あるいは超えていかなきゃいけないと思った。

石田 そうね!

古谷 だからとにかく...しんどかった(笑)。

石田 澤田さんとずっと一緒にやってきた、千代田(信一)さんや藤田さん、(小林)顕作さんですら「大変」と言ってたもんね。

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昨年末、代表作の音楽劇リメイクで月刊「根本宗子」旗揚げ10周年イヤーのフィナーレを飾ったばかりの根本宗子が次の展開へ乗り出す。"女子向け"を前面に打ち出す『THE MODERN PLAY FOR GIRLS』をタイトルに掲げ、新旧2作を連続上演。稽古をスタートさせた根本に聞いた。

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なぜこのタイミングで"女子向け"を謳うのか──という問いかけに、根本は「ラジオ(オールナイトニッポン0のパーソナリティ)を1年間やったところ、大学生くらいの男の子が観に来てくれるようになった」と客層が変化したという。一方であまり「女性客は増えていない」と感じ、日ごろ演劇を観ることのない"女の子"に刺さりそうな作品を企画した。

今回根本が重視するのは"ビジュアル"。ニットブランド・縷縷夢兎(るるむう)を手がけるアーティスト・東佳苗による舞台装飾の中、同一セットで2演目が展開される。これまでも自身のステージを彩ったことがある東の仕事に「正統派で王道の演劇作品とは違うところへ行ける」と信頼を寄せる根本は、「佳苗ちゃんがデザインした空間に何を書いたらおもしろいか。(美術に)台本の劇効果を高めてもらう普段とは逆の発想でつくっている」と舞台裏を明かした。

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女子への"目配せ"は各作品にも散りばめられている。日本に暮らす女子が大人に成長するまでに経験する葛藤をポップに描いた『Whose playing that "ballerina"?』は"女子あるある"として共感を呼ぶだろう。派生ユニット・別冊「根本宗子」名義で2016年に初演し、そして2018年に再演された作品を、今回根本は全編英語劇としてアレンジ。「同じ性別で同い年で同じ学校にいるのに全然わかりあえない女子たちがしぶしぶ一緒にいる状況って、日本じゃなくてもありそう」と考え、海外にルーツを持つ者を含めた英語の堪能なキャスト4人を起用した。「純日本人だけが演じるよりも、さらに"バラバラ感"を醸せるかなって」。

対する新作『超、Maria』は、チャラン・ポ・ランタンのボーカル・もも(妹)と根本の二人芝居。ももに聖母マリアを重ね、"許す"をコンセプトに女子を肯定する物語が進むという。そう考えたのは「周囲の期待に応え、要望は全て受け入れる度量を持ちながらも"私は私"の姿勢を崩さない」というもものスタンスを根本が感じ取ったから。「現代を生きる上で強い気がして」と語り、創作のヒントに繋がった様子を覗かせる。

『超、Maria』の音楽は、同じくチャラン・ポ・ランタンのアコーディオン奏者・小春(姉)が担当。2018年の『愛犬ポリーの死、そして家族の語』から数えて4度目のタッグとなるが、小春自身がバッグバンドのカンカンバルカン楽団を引き連れ、劇中で生演奏するのは本作が初めて。なお、根本いわく「セリフを全て楽曲に乗せるのも初めて」──。これまでは根本のリクエストをもとに、小春がスポット的な楽曲を作詞・作曲していたそうだが、今回はどんな創作スタイルが取られるのだろうか。信頼するクリエイターに背中を預け、彼女たちの力を借りながら躍進する根本の新境地を見届けたい。

『THE MODERN PLAY FOR GIRLS』は、1~2月に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて。公演期間のうち、前半の1月22日(水)~26日(日)に『Whose playing that "ballerina"?』、後半の1月29日(水)~2月2日(日)に『超、Maria』が上演される。チケットは販売中。

取材・文:岡山朋代

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1月25日(土)に大阪で開幕、2月1日(土)からは東京で上演される『CHESS THE MUSICAL』

ABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが手掛けた楽曲の素晴らしさ、東西の冷戦を背負った米ソ・チェスプレイヤーたちの人間ドラマという独創的なストーリーで、世界的にヒットしているミュージカルです。

日本では2012年、13年にコンサート版、2015年にミュージカル版として上演されていますが、今回はキャスト・演出を一新しての新しい『CHESS、しかも英語上演(日本語字幕あり)!
出演はラミン・カリムルー、サマンサ・バークス、ルーク・ウォルシュ、佐藤隆紀(LE VELVETS)をメインにした、超豪華キャストです!

開幕を目前にした1月某日、フローレンス役のサマンサ・バークスさんにお話を伺いました。
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サマンサさんは『レ・ミゼラブル』25周年記念コンサート(2010年ロンドン)でエポニーヌを演じ(なおこの時のアンジョルラスはラミン・カリムルー)、その後2012年に大ヒットとなった映画版でも同役を演じ、一躍人気者に。日本でも「あのエポニーヌ」と言って、通じるのではないでしょうか。
そのエポニーヌから数年たち、今回演じるフローレンスは、ふたりの男性の間で揺れ動く大人の女性。
また新しいサマンサさんの魅力が観られるに違いありません。

ちなみに今年はこのあと、ロンドンで開幕する『アナと雪の女王(FROZEN)』のヒロイン、エルサ役が決まっています。

●『CHESS』STORY●
舞台はチェスの世界大会。
時の世界チャンピオンはアメリカ合衆国のフレディ(ルーク・ウォルシュ)。チェスの天才で、奔放な性格を持つ。彼をセコンドとして支えるのは恋人でもあるフローレンス(サマンサ・バークス)。彼女自身はハンガリー出身で、1956年のハンガリー動乱で親をなくしている。
フレディと対戦するのはソビエト連邦のアナトリー(ラミン・カリムルー)。彼は故郷に妻子がいる。

時は米ソ冷戦の真っ最中。ふたりの試合は単なるゲームの枠を超え、国家を背負った負けられない勝負へ。KGB(旧ソ連国家保安委員会、CIA(米国諜報機関)の思惑も交錯する。
そんな中、フレディの恋人であるフローレンスは、対戦相手であるアナトリーと恋に落ち、アナトリーは亡命を決意する......。

サマンサ・バークス INTERVIEW

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―― まずは『CHESS』の出演オファーが、しかも日本から来たときにどう思われたかを教えてください。


「最初、とてもワクワクした気持ちになりました。それから、曲は有名で知っていたのですが出演経験はなかったので、ネットで色々と調べました。「あ、こんなに有名な曲が実は『CHESS』の曲だったんだ」というようなことを知り、いっそうワクワクしました」
 
 
―― 公開稽古の囲み取材でも、「『I Know Him So Well』などは子供の頃から聴いていた」と仰っていましたね。『CHESS』との最初の出会いはどんな感じでしたか?

「私が初めて『CHESS』に出会ったのは、おそらく8歳か9歳の頃。その『I Know Him So Well』です。ミュージカルナンバーを集めたアルバムをもらって、その中に『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』、そして『CHESS』のナンバーがたくさん入っていました。それぞれがどの作品の曲かというのはまだ小さくてよく認識していなかったのですが、最初の出会いはここだったと思います」
 
 
―― 『I Know Him So Well』はフローレンスとスヴェトラーナのデュエットですので、その曲をご自身が今度、歌うことになるわけですね。

「もう"クレイジー!"っていうくらい、楽しみです!」chess2020-2-12-202.jpg

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スズカツさんこと鈴木勝秀さんによる上演台本・演出作品『る・ぽえ』が1月25日(土)に東京・新国立劇場 小劇場にて開幕します。

本作は、『僕のリヴァ・る』(16年)、『僕のド・るーク』(19年)に続くオムニバス形態の公演で、新作となる今回のテーマは「詩人(ポエム)」。

高村光太郎『智恵子抄』をモチーフにした夫婦の話、萩原朔太郎『月に吠える』をメインにした多趣味な朔太郎の奇想天外な話、中原中也の人生と恋愛を通して描くダイアログという、"詩"を通して描く3人の詩人の物語になるのだそう。

というわけで、稽古開始から一週間ほどの稽古場におじゃまして、出演者の碓井将大さん、辻本祐樹さん、木ノ本嶺浩さん、林剛史さん、加藤啓さんにお話をうかがってきました!

*****

――撮影から和やかな雰囲気でしたが、稽古が始まってどうですか?

 啓さんと嶺と祐樹と俺は何回も共演してて......
碓井 してないの、俺だけじゃないですか(笑)。
木ノ本 切ない。
加藤 そんな言い方。
辻本 (笑)
 違うよ!「一人だけ初めてだけど、そこに溶け込んでくれたよね」って続けたかったの!
碓井 (笑)。先走ってすいません!
 (木ノ本と加藤に)俺を悪者にしようとしている!

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――(笑)。脚本を読ませていただいたのですが、どんな舞台になるのか全然想像できないような内容でした。

加藤 僕らも稽古に入って「なるほど!」と思っている部分があります。立ち上がり方がすごく面白いんですよ。
木ノ本 脚本だけ読むと硬く感じるんですけれど、やってみると自由で。劇場のすべてを使うような演出プランをスズカツさんが立ててくださっているから。
辻本 観ていても面白いです。いろんなことを試して、その度に、なんていうのか精度や自分の気持ちも上がっていくんですよね。面白い方向にどんどん進んでいくから、ワクワクします。

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令和最初の新年を華やかに彩る『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート2020』。5周年を記念して、ブロードウェイとウエストエンドから人気・実力共に兼ね備えたミュージカルスターが集結した。

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アリ・エウォルトは『レ・ミゼラブル』のコゼット役でブロードウェイ・デビュー。アジア系アメリカ人として初めて『オペラ座の怪人』のクリスティ-ヌ役に抜擢され、30周年公演の主演も務めた注目のソプラノ。今回が2度目の来日。

エマ・キングストンは2018年『エビータ』のインターナショナルツアーでオリジナルクリエイターのアンドリュー・ロイド=ウェバーらによってエヴァに抜擢された。東急シアターオーブで見せたエヴァ役での繊細かつ大胆なパフォーマンスは記憶に新しい。今回、待望の再来日が実現。

ディーン・ジョン=ウィルソンはウエストエンドで『アラジン』のオリジナル・アラジン役に大抜擢された。続いて渡辺謙、ケリー・オハラ主演で絶賛された『王様と私』ロンドン公演の若き恋人、ルンタ役を務める。この公演を映像に収めたロンドン版『The King and I 王様と私』にも出演した、期待の英国若手俳優。今回が初来日。

リチャード・H・ブレイクはブロードウェイのカリスマ的存在として、『レント』(ロジャー)、『アイーダ』(ラダメス)、『ウィキッド』(フィエロ)などに出演する実力派俳優。最近では『ブロンクス物語』のオリジナルキャストとして、映画版でロバート・デ・ニーロが演じたロレンツォ役を務めた。今回が初来日。

ライアン・シルヴァーマンはウエストエンドでリバイバル上演された『ウエスト・サイド・ストーリー』のトニー役を演じ絶賛された。ブロードウェイの代表作に『シカゴ』(ビリー・フリン)、『オペラ座の怪人』(ラウル)など。「もっともスムーズで、もっとも豊かな歌声の持ち主」と称された実力派。今回が2度目の来日。

マイケル・ゼイヴィアはウエストエンドを中心に活躍。大女優グレン・クローズの相手役として『サンセット大通り』のジョー・ギリス役でブロードウェイ・デビューを果たし、続いて『プリンス・オブ・ブロードウェイ』のブロードウェイ公演に出演した。米国ドラマ『ブラックリスト』などにも出演する人気俳優。今回が2度目の来日。

これだけのメンバーが揃うのはミュージカルの本場ブロードウェイ、ウエストエンドでもなかなかないこと。日本での初めてのリハーサルを終えたばかりで、心地よい興奮が残るキャスト6人に話を伺った。

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――今、リハーサルが終わったばかりですが、いかがでしたか?

一同 (口々に) やっぱり最初に話すのはディーンだよね!

ディーン じゃあ、まず僕から(笑)。みんなも同じ気持ちだと思うんですが、始まる前は緊張していたけれど、リハーサルが始まったら緊張なんて吹き飛んでしまいました。素晴らしいオーケストラの音を聞きながらリハーサルできて、とても嬉しかったです。

リチャード こんなに早い段階でオーケストラと一緒にリハーサルできるのはめったにないことなんです。それがとても素晴らしかったですね。

アリ 今日はリハーサルの初日。共演するのが初めての方もいたけれど、ナイスなサプライズだったのはとても楽しかったということなんです。当日は、お客様も一緒にその楽しさを味わっていただけたら嬉しいなと思います。

マイケル ディーンとアリは以前から知ってましたが共演するのは初めてだし、「はじめまして」のメンバーもいる中で、本当に楽しい舞台を経験できることがとてもハッピーです。

ライアン 今回は新年をお祝いする公演。今日、リハーサルを通じて非常に軽やかに楽しく過ごせたので、お客様にも同じように感じていただけたらいいなと思います。

 

――今回のコンサートでお勧めのナンバーは?

リチャード 僕はみんなで歌う曲では「シーズンズ・オブ・ラブ」がお勧めですね。ブロードウェイで『レント』のロジャーを演じて以来、20年ぶりにこの曲を歌うことになるから、本当にワクワクしています。自分のソロでは同じく『レント』からのナンバー「ワン・ソング・グローリー」かな。時を経て再び歌えることが楽しみなんですよ。

アリ グループで歌うナンバーでは「ワン・デイ・モア」が楽しみ。私は以前ブロードウェイの『レ・ミゼラブル』でコゼットを演じたから、また歌えることが本当に嬉しいです。自分の持ち歌としては『オペラ座の怪人』の「シンク・オブ・ミー」。日本には私のファンがたくさんいらっしゃるので、日本でこの曲を歌えるのはスペシャルな気持ちでいます。

エマ 私は「アルゼンチンよ、泣かないで」。前回来日した『エビータ』の公演が本当に素晴らしかったから、再び同じ東急シアターオーブで歌えることにワクワクしています。それに、以前からお気に入りの「パレードに雨を降らさないで」(『ファニー・ガール』)が歌えるのも楽しみですね。

マイケル 僕もグループナンバーでは「ワン・デイ・モア」をお勧めしたいと思います。コンサートでは何回も歌ったことがありますが、マリウスのパートを歌っていたんですよ。今回初めてジャベールのパートを歌わせていただくので、楽しみにしていてください! 自分の歌うナンバーではライアンとデュエットで歌う「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」(『オペラ座の怪人』)。ソロで何度も歌ったことがありますが、デュエットでは初めてなので、持ち歌としてはこれがお勧めです。『プリンス・オブ・ブロードウェイ』がブロードウェイで上演されたときにこのナンバーを歌ったんですよ。

ディーン 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の「スプレッド・ザ・ラヴ・アラウンド」。10年前に僕がデビューした思い出の作品の曲ですね。自分のナンバーでは『王様と私』の「アイ・ハブ・ドリーム」。映画や舞台でとても有名な曲だし、この曲をデュエットするアリも僕も『王様と私』に出演していたんです。僕にも日本にファンがいるので、みなさんに聞いていただきたいと思います。

ライアン 「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」はコンサートで何回も歌ったことがあるんですが、デュエットで歌うのは初めてだから、この曲をお勧めしたいですね。

マイケル いやいや、ライアンは僕と歌えるからそれが一番だと推してるんだよ(笑)!

ライアン (笑)。自分の持ち歌としては、日本でもNHK交響楽団と歌った『ウエスト・サイド・ストーリー』の「マリア」になります。以前はトニーを演じていて、何度も歌った大事な曲。あいにくトニー役にしてはちょっと年齢が上になってしまったけれど(笑)コンサートで歌う分には問題ないでしょう。

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2020年1月、シアタークリエで上演される『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』
もともとは「音楽座ミュージカル」がその旗揚げ作品として1988年に初演した作品です。

いま現在活躍するミュージカル俳優の多くが影響を受けた名作『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』はどんな経緯で誕生したのか。
音楽座ミュージカル チーフプロデューサーの石川聖子さんにお話を伺いました。
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●『シャボン玉~』誕生秘話
 
―― 最初に『シャボン玉~』を創ることになった経緯を教えてください。音楽座ミュージカルさんの、旗揚げ作品ですよね。

石川「劇団音楽座という、桐朋学園の演劇科の卒業生で作った劇団があり、彼らが株式会社サマデイを経営していた前代表(故・相川レイ子氏)のところにスポンサードを依頼してきたのが始まりです。前代表自身は事業家で、当初は作品には口出ししませんでした。でも1987年に主要メンバーの大半が抜け、劇団がガタガタになる事件が起こった。その時に相川が残ったメンバーを集め、「これからは自分が創りたい作品を、自分のやり方で創る。それに賛同するのなら残ってください」と話したら、メンバーは全員、一緒にやりたいと言った。そこから始まったのが"音楽座ミュージカル"なんです」
 
 
―― ちなみに石川さんはいつから音楽座ミュージカルに?

石川「前代表がサマデイグループを起業(1979年)したときから一緒にいました。劇団を引き取るという話が出た時に、一番反対したのが、私(笑)」
 
 
―― そうなんですね。そしてそんな波乱万丈の出発だった音楽座ミュージカルが旗揚げ作に『シャボン玉~』をやることにしたのは。

石川「その時にすでに翌年・1988年5月に(もともとの劇団音楽座で)何かやるつもりで本多劇場を押さえてあったんです。何をやりましょうか、となり、筒井広志さんの小説『アルファ・ケンタウリからの客』はどうかという提案があった。劇団員のひとりがだいたいの粗書きを持ってきて.....あの、前代表って変わった人で、ちゃんと読まないんですよ(笑)。パラパラっと最初と最後に目を通しただけで「これでいいわ、これでいきましょう」って」
 
 
―― 何かピンと来るものがあったのでしょうね。

石川「ただ、その時の粗書きは、今の脚本に100分の1も残っていないと思います(笑)。私、その時まで、代表が脚本や演出の才能があんなにある人だって知らなかったんです。いろいろな事業をやる人で、絵画・映画・哲学・物理学に造詣が深い人ではあったのですが、『シャボン玉~』から始まって、こんなに一連の作品を創り上げる才能がある人だって長年一緒にいたのに知りませんでした。音楽座ミュージカル12作品には、相川の強烈な哲学が流れています。脚本から演出から何から何まで、すべてにすごいセンスがあった。相川は物語の枠組みを使って、自分の思いを作品に入れたい、と言っていました」
 
 
―― ご自分の思い、ですか。

石川「相川は自分が生きていく上で必要なものをそこに入れ込んだのだと思います。そばにいて、大きな穴ぼこを抱えているような人だと感じていました。それを埋めるために音楽座ミュージカルを創ったのかなと。こういう風に生きれば自分も生きていけるんだって、自分を励ますために創った作品群。それが、観る方の共感を生んだのではないかなと思います」
 
 
―― 音楽座さんの作品群に登場するキャラクターは、皆、一生懸命生きていますね。

石川「はい、ご覧になっている方はおわかりかと思いますが、いろいろな手法を使っていろいろな題材をやっていながら、言っていることは常に同じ。けっして立派な人が出てくるわけではない。私たちと同じように問題を抱え、過去や葛藤と闘い、傲慢さや卑怯さもあり。弱い心を持つ人間が、いったいどうやったらちゃんと生きられるんだろうということを、作品に仮託し、歌とダンスという抽象性の高い手法で、説明ではなく感じてもらう...というものです」
 
 
―― 『シャボン玉~』初演時の現場はどんな感じだったのでしょう


石川「前代表が「演出に横山(由和)さんを呼びましょう」と言い出して、彼は(もともとの劇団音楽座から)去っていたメンバーのひとりですから、劇団員たちは怒りましたよ(笑)。結局代表の意向でお迎えしたんですが、現場にはものすごい葛藤と憎しみが渦巻いていましたね(笑)。大混沌の中で生まれた作品なんです。そういう意味ではエネルギーがあったかもしれませんが、けっして、美しい枠組みの中で出来た美しい物語ではないんです(笑)」

▽音楽座ミュージカル『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』より 土居裕子、佐藤伸行saboon1 .jpg

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2016年3月に初演、2017年12月に第二夜、2019年4月に第三夜を上演した人気シリーズ・浪漫活劇譚『艶漢』 第四夜が、2020年2月上演されます。詳しくはコチラ

原作は、「ウィングス」(新書館)で連載されている尚 月地の人気漫画。ノーフン(フンドシをはいていないってこと!)がちで柳腰の美少年で傘職人の吉原詩郎と、熱血正義感の巡査殿・山田光路郎、詩郎の兄貴分で無敵な色気を放つ吉原安里の物語を軸にした、エログロナンセンスな昭和郷愁的アンダーグラウンド事件簿です。

舞台版は、ストレートプレイの「浪漫活劇譚」と、歌謡エンターテインメントショーの「歌謡倶楽部」(いずれも同キャスト)が展開されており、今回の「浪漫活劇譚」で脚本・演出を手掛けるのは、ほさかよう氏。

初演から出演する主人公・吉原詩郎役の櫻井圭登さん、山田光路郎役の末原拓馬(おぼんろ)さんにお話をうかがいました。


*****

――前作の第三夜では、詩郎の過去が描かれましたね

櫻井 そうですね。コミックスで言うと、第二夜までは1~3巻だったのが、第三夜で一気に9巻まで飛んだっていう感じだったので。それぞれの関係性も変わりましたし、新たな『艶漢』をお見せできたのかなと思いました。第四夜ではまた前半のエピソードに戻るのですが、そこは第三夜の流れを踏まえて演じたいなと思っています。
末原 ただ詩郎と光路郎の関係性に関して言えば、第一夜で「合わない」っていうところから無理矢理仲良くなって、第二夜は春澄の登場によって光路郎が「(詩郎には)俺にはわからない何かがあるんだ」ということを知って、第三夜ではキープだったからね。
櫻井 そうですね。
末原 ただ、第二夜までは向き合ってないといけなかったけど、第三夜は同じ方向を見るみたいなメンタルでやれたのが楽しかった。第四夜は、コミックスは遡るけど、光路郎と詩郎の関係性は先にいきたいよね。
櫻井 なんか本当にだんだん夫婦みたいな感じになってますよね。それぞれ別の行動をしていても、戻ってくる場所は一緒みたいな。
末原 でもその絆みたいなものは、もしかしたら生身だからこその蓄積があるかもしれないね。
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日本を代表する作詞家・森雪之丞が作・作詞・楽曲プロデュースを手掛け、岸谷五朗が演出、屋良朝幸が主演するオリジナルミュージカル『ロカビリー☆ジャック』 が12月5日(木)から東京・シアタークリエにて上演されます。

森雪之丞&岸谷五朗&屋良朝幸は、大ヒットした2013・15年『SONG WRITERS』のゴールデントリオ!
さらにテーマ音楽は斉藤和義が手掛け、さかいゆう福田裕彦が作曲に加わる、日本ポップス界も注目の布陣がクリエイターとして名を連ねています。

物語は、ロカビリー音楽をテーマに、スターになるために悪魔と契約をかわすシンガーを中心に描かれる若者たちの青春エンターテインメント。どんでん返しに次ぐどんでん返しで、最後までまったく予想のつかない内容だとか......!
登場するキャラクターも個性豊かで楽しそう。

悪魔と契約しスターになるロカビリー・シンガー、ジャック=屋良朝幸の前に立ちはだかるラスベガスのクラブの女ボス サマンサ・ロッシ役の平野綾さんに作品の魅力を伺ってきました。
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平野綾 INTERVIEW


●「共演経験のある海宝君、昆ちゃん、圭吾さんも、今まで見たことのない表情やお芝居をしています」
 
―― 平野さんは岸谷五朗さんの演出作品に出演されるのは初めてですね。

「はい、初めてです。岸谷さんのお稽古場の噂は聞いていたのですが、毎日マット運動をし、柔軟して......ってところから始まるんです。まず稽古場にマットがあるということにびっくりしたのですが(笑)、それが岸谷さんの稽古場専用のマットなんです。マットに色々な方のサインが書いてあるんですよ」
 
 
―― なんと。平野さんも書きました?

「書きました(笑)。(自分の名前もここに)刻まれた~! って思いました。毎日誰かしらがサインしていくみたいです(笑)。側転したり、でんぐり返しをしたり......こんなことをやるのは学生時代ぶりです。皆さんすごく軽快にこなしていらして、わたし一人、まだ側転が出来ない(苦笑)。今回の作品自体はそれほどアクションが多いわけではないのですが、何かあったときに日ごろから動いていたら対応が出来るというのと、あとは "床と仲良く" と言われました」
 
 
―― いわゆる"ボールと仲良く"みたいな(笑)?

「そんな感じらしいです(笑)」
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2016年日本初演、今年で4年目を迎える「ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド」。劇場で楽しむクリスマスショーとして、すっかり冬の風物詩として定着している。初演から出演しているゲストスケーターの本田望結とシンガーのサム・ハーヴィーが作品の魅力について語り合った。

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ーーアメリカではクリスマスショーが盛んだと聞きますね。

サム はい。ホリデイシーズンには、アメリカ中の劇場でクリスマスショーやクリスマス映画を舞台化した作品が上演され、毎年の恒例行事として家族みんなで観に行くことも多いです。僕が初めて観た舞台が、故郷のコロラド州デンバーでやっていたクリスマスショーでした。祖父がチケットを買ってくれて、祖父、母、叔父、叔母、姪、甥など、親戚一同、総勢30人以上で劇場に行きましたね。

ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』に初めて参加した時も忘れられません。舞台上に巨大なクリスマスツリーがあって、その前で自分が歌っている。子供の時に観て憧れた世界に実際に自分が出ているわけですから、感動しますよね。

ーー望結ちゃんは、『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』に初めて出た時、どう思われましたか。

本田 我が家はみんなスケートの練習があるので、家族が集まってクリスマスパーティーをする機会がないんです。でも4年前にこのショーに出演するようになって、舞台にいる時がまさにクリスマスだなぁと実感しています。大きなツリーとプレゼント、サンタさんもいますし。海外のように日本ではクリスマスがすごく特別という感じではない気がしますが、このショーをきっかけにもっと盛り上がったら楽しいのに!ってクリスマスが大好きになりました。

サム ここ4年、毎年クリスマスを渋谷で過ごしていますが、だんだんクリスマスムードが高まってきているように感じます。このショーの影響だったら嬉しいですね。

ーーショーの中で、サムさんは歌、望結ちゃんはスケートを披露しています。パフォーマンスを通して伝えたいことは何でしょう?

サム クリスマスの幸せな気持ちが伝わるよう、頭に描きながら歌っています。小さい頃、クリスマスの朝に興奮して目が覚めたこと、家族や友達、姪や甥のことを考えたり。歌っていると、日本のお客さまの反応が素晴らしいんですよ。一緒に歌ってくれる人、感極まっている人。最後のメガミックスショーでは、みんな踊って歌って、溢れんばかりの笑顔。すごく楽しんでくださっている表情を見ると、僕のハートもハッピーになります。

本田 私がスケートを通して伝えたいのは楽しさです。皆さんにすごいなぁ!って笑顔に、ハッピーになっていただきたいです。

ーー望結ちゃんはステージ上の小さなリンクで、音楽に合わせてジャンプしたりスピンしたり、観ていて驚きしかないです。ステージでスケートをするのはどんな感覚ですか。

本田 通常のリンクではそれほど近くにお客さんがいることはないので、お客さんと目が合うのは初めてで新鮮です。振付は自分で手掛けていて、決め込んではいません。毎回、お客さんの盛り上がりや雰囲気に合わせて、表現を変えているんです。

サム へえ!プロのスケーターでもあの小さいリンクで滑るのは難しいと言っています。その上、その場で変えるなんてすごいなぁ。

このショーでは、子供達もたくさん出演していて、みんなすごく可愛い。毎年出ている子供達は、会うたびに大きくなっているのを見られて楽しみです。

ーーこのショーで好きなシーンは?

サム キャストが一列になって座り、手で膝やあちこちを打ち鳴らす「ジングルベルクラップ」は、思わず笑顔になりますね。袖で観ていて、マネージャーや舞台監督と真似しています。とても複雑で、どうしたらあんなに揃えることができるのか? いつか参加してって言われるんじゃないかとドキドキ(笑)。

本田 私は「ジングルベルクラップ」、めっちゃやりたいです!また、ロケッツがラインダンスで足を上げるのもカッコいいですよね。ショー全体が洗練されていて、まるで海外でクリスマスを過ごしているみたい。私は去年、ナタリーさんが歌っていたマライア・キャリーの〈恋人たちのクリスマス〉が大好きになりました。

サム クリスマスの象徴的な歌ですね。アメリカのデパートに買い物に行くと、この時期必ずかかっていますよ。僕が好きな歌は〈ホワイトクリスマス〉。妻がネブラスカに来た初めてのクリスマスイブに雪が降って、二人で夜中に雪で遊びました。その時、一緒に〈ホワイトクリスマス〉を歌ったのが特別な思い出。

本田 やはりクリスマスは大事な人と過ごしたいですよね。私は家族と過ごすのが幸せですし、みんなそれぞれ大切な人と過ごして欲しい。特にホリデイシーズンの渋谷はイルミネーションが華やか。街を楽しんで、その上このショーを観られたら最高ですね。

ーー最後に、読者の皆さんにメッセージをどうぞ。

サム 観たことのある方も初めての方も、ぜひクリスマスシーズンを一緒に過ごしましょう!僕はクリスマスの曲をたくさん歌いますよ。心に残る曲が絶対にあるでしょうし、笑顔になって一緒に歌っていただけたら嬉しいです。

本田 子供はもちろん、大人の方もめいいっぱい楽しめるショーです。ご家族はもちろん、お友達と一緒でも楽しめます。歌、踊り、スケートとバラエティに富んでいて、キャストと観客の皆さんとの一体感は特別です。ぜひ私たちと一緒にクリスマスを祝いましょう!

pic_sammiyu_01.pngぴあにてチケット発売中。

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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.7■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作の再演が現在好評上演中です。

父と息子の和解、家族の愛
という普遍的なテーマを、ファンタジックな世界観の中で描いていく物語で、日本では2017年に初演。
今年は《12 chairs version》と冠し、少数精鋭12人で上演する新バージョンになりますが、主人公のエドワード・ブルーム役の川平慈英さん以下、なんと初演の主要メンバーが全員続投という奇跡の再演が実現した、というのは既報のとおり。

初演よりキャストの人数は少なくなりましたが、だからこそ家族の物語がいっそう濃密になり、より心に刺さる舞台になった、と再演版も大きな評判を呼んでいます。

父と息子だけでなく、母と息子の関係もまた、深くなりました。

今回の更新は、エドワードの息子のウィル=浦井健治さんと、エドワードの妻サンドラ=霧矢大夢さん母と息子コンビインタビューです!
東京公演も終盤に差し掛かった某日、本番後にお話を伺ってきました。
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★インタビュー中、物語の展開や、おふたりの演じる役柄について触れています。舞台を未見の方はご注意ください。
 

●ストーリー●
自分の体験をワクワクするような冒険譚にでっちあげて語る父・エドワード。
少年時代に"沼の魔女"から、自分の死期を予言された話。
故郷の洞窟に住んでいた巨人・カールとの友情。
サーカスで最愛の女性・サンドラと出会い、彼女の情報ほしさに団長のエイモスのもとで働いた話。
...幼い頃は、父の語る冒険譚が大好きだったけれど、成長して父の大げさな話に飽き飽きしている息子・ウィルとエドワードの間には、いつしか溝ができてしまっています。
しかし父が病に倒れたことから、ウィルは"父の話の真実"を知りたいと強く思うようになって...。

 

浦井健治×霧矢大夢 INTERVIEW ◆

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●父親と息子だけでなく、母親と息子の関係もグッと来ます


――『ビッグ・フィッシュ』は父と息子の葛藤と和解が軸に描かれていますが、特にこの再演では妻サンドラ、新しく家族になるお嫁さんのジョセフィーンも含めブルーム家の "家族" の物語、というところが色濃くなったな、と思いました。母子の関係性も、さらにグッと来ます。

霧矢「サンドラの曲が変わって(1幕中盤で歌われる『彼の中の魔法』)、私も今回、すごくウィルと向き合っているなと感じています。あと今回私は、ウィルが "お母さんっ子" になった気がします(笑)」

浦井「そうなんですよ。僕自身、慈英さんと霧矢さんを尊敬していて、ふたりが"おとん・おかん"って感じがすごくするんです。本当は "お兄ちゃん・お姉ちゃん" なので恐縮なのですが」

霧矢「いえいえ。健ちゃん(浦井)は息子としての甘えが良い意味で出ているよね。私がツボなシーンは、その『彼の中の魔法』を歌う前、ウィルが『知らない人(Stranger)』を素晴らしく歌い上げた後に、かかってきた電話に「あ、母さん?」って言う声(笑)」

浦井「アハハハハ! 細かいよ~(笑)」
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霧矢「すごく優しい声で、あれがキュンとくる。いや、自分が母に対して「(少しぶっきらぼうに)もしもし、何?」って言ったりしているので......それは母と娘の関係だからちょっと違うというのもあるのですが。でも母親に対して照れてぶっきらぼうになる息子もいるじゃない? そうじゃなくウィルはとても優しく「母さん?」って言う。この子、優しい子だわぁ、すごい母さんのこと大事にしてくれてる子やなぁ、って」

浦井「全力でお母さんを愛してますから。僕はそのガレージのシーンの霧矢さんの背中! 霧矢さんってダンスもトップレベルの人で "踊れる人の体型" なんです。若かりし母親のシーンの背中はすっとしているんですが、ウィルが結婚する年になった時のサンドラになると、姿勢のポジションを変えていらっしゃるんですよ。ちょっと、寂しい感じを出す。その時の背中に本気で「あぁ、母さん、小さくなったなぁ」って思うし、そう僕に思わせる技術を持っていらっしゃる。それを存分に利用させてもらってウィルとしてやっています」

霧矢「...いやいや(照れる)。でも再演であのシーンの曲が変わって、言っている内容はそんなに変わらないのですが、サンドラの苦悩、哀しみも出せるようになりました。エドワードがもうすぐいなくなるしウィルも遠くにいる、しかもふたりがもめている...という悲しさを出せる瞬間です」

浦井「あと、一番泣けるのが霧矢さんのソロ『屋根はいらない』なんです。あれはねぇ、泣く! 歌詞も、描かれているメッセージも素晴らしいですよね。この夫婦、素敵だなって思う。稽古場で一度霧矢さんが、これは泣くと歌えない、でもどうしても(泣いちゃって)ダメだ......って時があったんです。嗚咽に近い感じで声を詰まらせながら歌っているのを見てたら、僕はもらい泣きしていました」

霧矢「そうなんですよね。初演の時にも稽古場で一回、歌えなくなってしまった時があって、これはアカンわと心を鬼にしてやって、初演はちゃんと千秋楽まで乗り越えたんです。そして、再演の稽古が始まって、久しぶりやな......よしよし、きたきた......って(初演の心を鬼にした感覚を思い出しながら)やっていたのですが。慈英さんの身の委ね方などが、やっぱり再演だとまた変わっていて」

浦井「あのシーン、慈英さんも素晴らしいんですよ、本当に」

霧矢「しかもその前のシーンが変わったじゃない?(西部劇風の『Showdown』から再演では『二人の間の川』に)エドワードとウィルがお互いをなじりあい、私とジョセフィーンの苦悩も描かれ、エドワードがもうボロボロになっているんですよ。自分もそういうエドワードを守ってあげなければいけない、強くいなければいけないという気持ちがあるのですが、稽古中にヒュッとそのタガが外れて、一度歌えなくなってしまいました。......でも! そこで自分の感情の満タンがここだってわかったので、そこからは泣かずに歌えています(笑)」

浦井「でもそこまで入り込めるって、本当に尊敬します」

霧矢「いやいや、涙を流しながら綺麗に歌える方とかいらっしゃいますし、私もそれが出来たらいいのですが、出来ないから」

浦井「本物の感情には敵わないですよ! すごい素敵だと思う」
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―― 浦井さんも、ウィルが終盤に歌う『次のこと』。観客としてはあそこは号泣ポイントで、プロの方に失礼ですが、よく泣かずに歌えるなといつも思います。

浦井「あそこのシーン、僕も実は稽古場では泣いてしまって。いまも......でも今では、一番楽しいシーンにもなりました」

霧矢「うん! すごいよね、健ちゃん。私もたまに袖から見ているのですが、最後の歌い上げなんか、どこのロック歌手さんかってくらい(笑)。この物語の中で、エドワードが "動" だとしたらウィルは "静"。終始客観的で冷めたポジションにいる。そのウィルが、飛び跳ねながら歌っているのは、見ていても楽しいし、エドワードの思いを受け継いでいるのがよくわかる」

浦井「また、そのあとに続く慈英さんのソロである『終わり方』の中で、カール(深水元基)、キャロウェイ(ROLLY)、ドンとザッキー(藤井隆&東山光明)、魔女(JKim)と出てくるんですが、みんなが最高の笑顔で、こんなに優しい目をするんだ......っていうほど素敵な眼差しをエドワードに向けているんですよ。それに対して慈英さんも「クー!」って顔して(笑)。涙は止めどなく溢れてくるんですが、なぜか明るい気持ちになるんです。毎回終わると幸せな、ふわふわした感覚で、不思議な奇跡を見ているような感じなんです。白井(晃)さんの演出がとにかく僕の心に刺さるんですよ」
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