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『Club SLAZY』シリーズの演出・脚本を務めた三浦 香、脚本の伊勢直弘、振付の當間里美、楽曲制作の Asu(BMI Inc.)が贈る、完全新作オリジナル舞台『Like A(ライカ)』
 舞台は海沿いの静かな街High-Tide(ハイタイド)に建つ、高級ホテル『PERMANENT(ペルマネント)』。描かれるのはそのホテルで働くホテルマンたちの物語──新たに紡がれる世界に挑む、辻 凌志朗岩 義人平牧 仁の三人に話を伺った。

──実はこれが初顔合わせ、とのことなのでまずは自己紹介と呼び名をお願いします。

平牧:じゃあ、まずは僕から。たぶん最年長だと思うんですが、2.26事件の日に生まれました。好きな色は黄色、好きな食べ物は梅干し。

:梅干し!

平牧:そう。だから、人類最後の日には梅干しのおにぎりが食べたい!

:深い......。

平牧:全然、深くないよ(笑)。で「じんじん」って呼んでください。

:じんじんさん......。

平牧:あ、敬語、禁止で。

:ええええ......難しい。

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(11)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』連載。
今回は、アンナ役 和音美桜さんのインタビューをお届けします。

宝塚歌劇団で歌姫として傑出した存在だった和音さん。
退団後も、『レ・ミゼラブル』『レディ・ベス』など、数々のミュージカルでその歌声を響かせています。

今回『マタ・ハリ』で和音さんが演じるアンナは、ヒロインであるマタの衣裳係。
「衣裳係」と言っても単なるスタッフではなく、マタが誰よりも信頼し心を寄せる存在です。


和音さんに、役柄について、そして柚希礼音さん扮するマタ・ハリとの関係性についてなどを、伺ってきました。

● 和音美桜 INTERVIEW ●


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―― 個人的な感想なのですが、今回のキャスティングで和音さんが一番の驚きでした。
(韓国版はアンナは"お母さん"的な女優が演じている)

「たしかにそうかもしれませんね(笑)。私は韓国版は実際は拝見していないのですが、全然違うキャラクターの方がやっているということは聞いていました。ただ演出の石丸さち子さんからは、私の持っている個性でやってほしい、韓国版とはまったくの別物と考えてほしいと言われています」


―― アンナはどういう人物ですか?

「柚希さんが演じるマタ・ハリと親友......と言いますか、唯一、心の裏の部分も打ち明けられるような人。マタが自分のオフもさらけ出せる唯一の相手という役割です。母性の強い人なんだと思い、いま役作りを進めています。柚希さんと私だと、年齢的に母親のように接することは出来ませんが、母性はたぶん女性なら誰もが持っているものだと思うので」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(10)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』連載。
今回は、パンルヴェ役 栗原英雄さんのインタビューをお届けします!

劇団四季でミュージカルもストレートプレイもこなす実力派俳優として長きにわたり活躍、退団後も数多くの舞台に出演していますが、テレビドラマ初出演した2016年の大河ドラマ『真田丸』真田信尹で一気にお茶の間までその名を広めた栗原さん。

今年も年始早々に、出演した正月時代劇『風雲児たち~蘭学革命(れぼりゅうし)篇~』が放映されたばかりですが、一方で昨年末から『パジャマゲーム』『メンフィス』そして『マタ・ハリ』と、ミュージカルへの出演も続いています。


栗原さんが今回演じるのは、時のフランス首相、パンルヴェ。
いわば、マタ・ハリをスパイに仕立て上げる親玉?黒幕?...といったところでしょうか。
パンルヴェはナンバーはないということで、その美声が聴けず残念なのですが、ご本人は「残念じゃないんですよ。今回は(芝居で)パンルヴェという役割を果たします」とのこと。


そのパンルヴェという役柄について、ご自身の"役割"について、そして作品の魅力について......色々とお伺いしてきました。

● 栗原英雄 INTERVIEW ●

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―― お稽古も佳境ですが、現在の心境は?

「今まさに "日本初演を作り上げている!" という感じです。石丸さち子さんの演出も情熱的で、熱い(笑)。面白いです」


―― その中で栗原さんが演じるのがパンルヴェ。このパンルヴェという役を現時点でどのように捉えていらっしゃいますか。

「マタ・ハリとアルマン、ラドゥーの恋があったりという物語の中に、歴史上の戦争が絡んできます。登場人物の気持ちが、ある意味普遍的な恋や葛藤というところで揺れ動く中、当時の時代背景に引き戻す役目だと思っています。この時代はこういう状況で、フランスはそこに直面していたんだ......と訴えかける役割ですね、僕は」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(9)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』連載。
今回は、ヴォン・ビッシング役、福井晶一さんのインタビューをお届けします!

劇団四季で正統派二枚目俳優として数々の大作に出演、退団後もミュージカルを中心に活躍を続ける福井さん。
なんといっても『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンとジャベールの2役を演じたことが印象深い俳優さんです。
2018年もすでに本作のほか、ミュージカル『Romale』、『ジャージー・ボーイズ』と注目作への出演が発表になっています。

福井さんが『マタ・ハリ』で演じるのは、ドイツ軍のヴォン・ビッシング大佐。
パリで踊り子として名を馳せたマタ・ハリは、フランス軍からスパイとなることを強いられるのですが、彼女は実はフランス軍のみならずドイツ軍のスパイでもあった(二重スパイ)という疑惑もあります。
その、ドイツ側からマタ・ハリにアプローチをかける人物がビッシング

そして第一次世界大戦という時代のパリが舞台ゆえ、フランス対ドイツの戦争が物語の根底に流れているのですが、なにせメインの場所はパリ。兵士も民衆もフランス側から描かれる場面が多い中、ドイツという国を背負い、緊迫する情勢を描き出さねばならない福井さん、これはかなり大変な役だと思うのですが......。

福井さんに、役柄について、作品について、お話を伺ってきました。


● 福井晶一 INTERVIEW ●

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―― 日本ミュージカル界で欠かせない存在である福井さんですが、意外にもフランク・ワイルドホーン作品は初出演でしょうか。

「はい、今回、初ですね。ワイルドホーン作品は、先日『スカーレット ピンパーネル』を観に行きましたが、情熱的で魅力的な曲がたくさんあり、『マタ・ハリ』もとても楽しみにしていました。僕が歌う曲も、自分が今まで歌ったことがないような曲なんです」


―― 耳馴染みがいいけれど、歌ってみると大変......というようなお話をよく聞きますが。

「うーん、難しいというより......、今回の自分のナンバーは、ストレートに感情をバン!と出すタイプのものではないので、歌声に心情を重ねるのが、ちょっと難しいと言えば難しいかな。いや、でもそこが今は楽しくもあります(笑)」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(8)■


日本初演のミュージカル『マタ・ハリ』 が作られていく過程を追っている当連載ですが、本日は冒頭のシーンの稽古の様子をお届けします。

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作品の舞台は1917年、パリ。
第一次世界大戦が終わりが見えないまま3年目に突入し、パリ市民はドイツ軍の襲撃に怯えている...といった時代の物語です。

冒頭は、そんな時代感を観客に伝えるかのように、混乱する市民たちの様子が描き出されます。

演出の石丸さち子さんは、「幕開きのこの曲は、"リアルなこと" と、"リアルじゃないこと" を共存させて表現したい」と話し、
まずは、男性陣と女性陣に分けて動きがつけられていました。

mata07_04_DSC2542.JPG舞台手前にいる男性陣は、まさに前線で戦っている兵士たち。
舞台奥にいる女性陣は、パリの街を逃げ惑う市民たちのようです。

ここに登場する男性陣=兵士たちは10人に満たないメンバーですが、「100人が駆けてきて、塹壕に飛び込む!」「爆風に煽られて!」といった石丸さんの説明と、振付の加賀谷香さんがつける動きが、この世界を創りだしていきます。mata07_05_4734.JPG

石丸さんの目には、リアルな戦場が映っているようで、俳優たちに伝えていく言葉ひとつひとつが、明確。
それは "イメージとしての戦場" "戦争のアイコンとしての銃を持った兵士" ではありません。
「塹壕は(実物としては登場しないが)このくらいの深さで、(その中にいる兵士たちにとっては)地面はこのくらいの高さにあって...」と、そこに登場する兵士たち全員に、この世界の共通認識を伝えていきます。

一方で、その兵士だった彼らが一瞬で街の人々になっていくような "リアルじゃないこと" もあり、そういったところからは、無常感溢れるこの時代の "空気" 全体を作り出しているようでもあります。

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(5)■


稽古場レポートを通し、創作の過程をお伝えしている日本初演のミュージカル『マタ・ハリ』 ですが、メインキャストのインタビューもお届けしていきます!

今回は、ヒロインであるマタ・ハリと深く関るふたりの男性、ジョルジュ・ラドゥーアルマン・ジロー2役を回替わりで演じる加藤和樹さんが登場。

マタ・ハリをスパイとして利用しようと彼女を追い込んでいく、フランス諜報部の大佐であるラドゥー。
ラドゥーの部下でありながら、マタ・ハリと愛し合う青年アルマン。

ともにマタ・ハリと深く関りながら、その関り方は正反対という対照的なふたりの男性に、加藤さんが挑みます。

加藤さんに、作品について、役柄について、現在の心境について、伺ってきました。

● 加藤和樹 INTERVIEW ●

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―― 戦時下のシリアスなドラマですし、ただでさえ大変な作品。その中でさらに加藤さんは2役を演じます。......なぜこんな大変なお仕事を受けたんですか?

「(笑)! なぜかと言われると、そうですね...。やっぱりこういうお話を頂いたら、挑戦してみたいと思いますよ。同じ作品の中でふたつの役をやるというのは、なかなか出来ることではない。以前、『ロミオ&ジュリエット』で僕がティボルトをやっていたときに(2013年)、城田(優)がロミオとティボルトの2役をやっていたのを近くで見ていて、大変そうだけど、やれたら面白いだろうなってなって思っていました。今回このお話を頂いて、挑戦してみたい、という気持ちしかなかったですね」


―― 稽古場では、台本を2冊お持ちになっていましたね。

「そうです。ラドゥー用、アルマン用と、台本を分けています。一冊にまとめて(それぞれの役についてのメモなどを書き込んで)も良かったんですが、台本自体を分けた方が、自分の中で住み分けが出来るんじゃないかなって思って。そうしています」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(4)■


作品の魅力を掘り下げていくミュージカル『マタ・ハリ』連載、本日は日本版『マタ・ハリ』の鍵を握る人物、訳詞・翻訳・演出を手がける石丸さち子さんのインタビューをお届けします。

蜷川幸雄門下で演出助手として経験を積み、2008年に独立後は、ストレートプレイ、ミュージカルを問わず、幅広い作品を手がけている石丸さん。

先日は演出を手がけた『スカーレット・ピンパーネル』(再演)が閉幕したばかり、また来年にはオリジナル作 Rock Musical『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』の上演も発表になった、今もっとも勢いのある演出家のひとり。


そんな石丸さんの稽古場での横顔は、非常にパワフル!
そして、しっかりとした裏付けに基づいた深い台本の読み込みと、たくさんのイマジネーション溢れる言葉を駆使し、キャラクターの感情や情景を的確にキャストに伝えていく姿が印象的な演出家さんです。

 

● 石丸さち子 INTERVIEW ●

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―― まず、韓国版をご覧になった印象をお伺いしたいです。

「韓国のお芝居全体がそうなんですが、人間の感情の揺れをダイナミックに描きますよね。韓国の俳優さんたちは声帯も強いですし、"ミュージカル的な美しさ" といったお約束に囚われない。『マタ・ハリ』も、強い女が、傷ついても、傷ついても立ち上がっていく姿を描いているということが、韓国の俳優さんたちの演技と声が相まって、ものすごく印象的でした。日本で見慣れているミュージカルよりも、エキセントリックで熱く、人間感情が露わ。さらに、音楽がフランク・ワイルドホーンですから、エンタテインメント性があって、思い切りのいいダイナミズムを感じました。お客さんがグッと息をのむところ、思い切り拍手が出来るところが明確で、エンタテインメントとしてものすごく面白いという印象を受けました」

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『レ・ミゼラブル』初代マリウス役や、『オペラ座の怪人』ラウル役で知られる英国ミュージカル界の大スター、マイルケル・ボール。世界が注目した『レ・ミゼラブル25周年記念コンサート』主役ジャン・バルジャン役で一躍スターダムへと駆け上がったアルフィー・ボー。間違いなく、世界最高峰の歌声を持つふたりのオジサマが共演を果たす、奇跡の初来日コンサート「マイケル・ボール&アルフィー・ボー トゥギャザー・ジャパン・ツアー2018」が2月、東京で開催される。ふたりにお互いの魅力から日本公演への期待まで、話を訊いた。最新画像(ニュース配信用).jpg
ふたりの出会いは2007年のミュージカル『キスメット』での共演。2016年には有名ミュージカルソングを収録した初共演アルバム『Together』をリリース。これはこの年リリースされた英国人アーティストのアルバムとして最大のヒットになった。ふたりのスゴイところは、ひとりでも素晴らしい歌声が重なると、その素晴らしさが10倍にも100倍にも輝くところ。アルフィーはこう語る。「私たちの声は非常にうまく合うんです。お互いに引き立たせることができる。重要なのはチームワークで、私たちは競争をしたりはしないんです。......マイケルはいつも私の気を散らそうとはするけれどね(笑)。最初は、仲の良いふたりが一緒になって歌い、ショーをやるという、ただ本当に楽しもうと始めたプロジェクトだったんです。それがだんだん大きくなって、我々が予想していた以上に凄いことになってしまいました」Mitch Lowe Photo - Michael Ball & Alfie Boe - Brisbane-2.jpg

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「音楽劇『夜曲』nocturn」が、12月14日(木)から18日(月)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスで上演されます。

本作は、1986年に初演された扉座・横内謙介氏の戯曲「夜曲 放火魔ツトムの優しい夜」を、新たに音楽劇として立ち上げるもの。今回、脚色を岡本貴也氏、演出を西田大輔氏、音楽をYOSHIZUMI氏が手掛けます。

果たしてどんな作品になるのか......ということで稽古初日に原作の横内謙介さん、演出の西田大輔さん、主人公の放火魔・ツトムを演じる川村陽介さん、ツトムに放火を依頼する謎の少女・サヨを案じる井上小百合(乃木坂46)さんを直撃! 初日に感じた手応えや今回の音楽劇へのアレンジ、原作の誕生秘話もうかがってきました。

*****

 「なぜこの物語が生まれたか」

――今日は稽古初日ということで本読みをされたそうですが、いかがでしたか?
井上 ひとりで台本を読んだときにはあまり整理がつかなくて。自分で答えあわせをしようとがんばったんですけど、今日みんなで読んでみて、それは必要なかったんだなと思いました。皆さんとも話したのですが「わからなくていいんだな」って。

川村 不思議な題材だもんね。

井上 はい。だからそれをどう体験してもらうか、楽しんでもらうかっていうのを考えるほうが大事かなって。自分の中のサヨちゃん像も考えたんですけど、皆さんとやっていく中でそれがわかっていくのかもと思いましたね。

川村 僕もひとりで読んでいるときは、わからない部分が散りばめられていて整理がついてなかったんですよ。でも今日、みんなで本読みをしたときに「なるほどね!」って腑に落ちた感じがすごくたくさんあって。それって今まであまり感じたことなかった感覚というか。周りに身を任せることで楽しくなるような...。家で考えていたのとは全く違う風に喋ってる自分もいましたし。それでもう「宿題として考えてくるのはやめます」って勝手に決めました(笑)。

――身を任せることで楽しくなるというのはどういう感じなんでしょうか。

川村 自分勝手な登場人物たちが集まっているので、そもそも道理が通ってないことが多いんですよ。そのぶん頭で考えるんじゃなくて心で感じてもらえるようなものを僕らがつくって、それで「どうですか」ってやれたら、きっと成功なんだろうなと実感した、という感じです。

――横内さんも本読みに参加されたそうですが、どうでしたか?

横内 いい感じだったよ。まだ音楽を聴いてないからわからない部分もあるけど、そこは楽しみでもあるし。

――ラブストーリー感が強まっているそうですね。

横内 確かに今なら僕も多分そこをもうちょっと書こうとするんじゃないかなって思う。これ、もともと自分ではラブストーリーだと思ってなかった。初演を上演して気付いたことで。ツトムは六角精児、サヨちゃんは中原三千代でやってたんだけど、あるシーンでふたりが手を握って泣いてて「あれ!?」って。「中原美千代、ヒロインになってやがる」ってびっくりしたんだよ(笑)。そうやって役者が気付かせてくれた部分だったからね。

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――西田さんはこの作品をどういう風につくりたいと思っていますか?

西田 横内先生の脚本を読み返して、改めて今の時代とリンクしてると思ったんですよね。横内先生はこれからなにが起こっていくかを考えてらっしゃったのかなと思ったりもしたんですけど。

横内 全然考えてない(笑)。

西田 (笑)。でも僕は自分のことを(ツトムのような)"ならず者"だと思っているので、「なぜこの物語が生まれたのか」みたいなことは、ふたりと共に探りたくて。そういうことを考える機会でもあるのかなと思っています。

――横内さんはご自身が書かれた本が、こうやって新しい世代によって上演されることにはどう感じていますか?

横内 今日の読み合わせを聞いていて、我ながら「つたない言葉だな」と思う台詞もあって。自分でやるとおそらく整理しちゃうと思うんですよ。でもそれが残っちゃってるところが、恥ずかしくもありよかった部分もあるのかなって思いながら聞いてた。「今だったらもっとすっきり上手にまとめるんだけどな」って思いつつも「でももしかしたらあのとき自分たちがやってる芝居には合ってたのかな」とかね。

――当時の空気がそのまま残っているのですね。

横内 この当時の自分は本当に手探りでいっぱいいっぱいだったから、傷跡も生々しいくらいで。あのときこの作品をやったから今こうなってるんだよなって部分がいっぱい見えますね。

――ちなみにこの戯曲はどういう風に書かれたのですか?

横内 僕は高校時代につかこうへいさんの芝居を観て「すごい!」と思って、台本を真似し始めたのね。それで高校演劇とかで褒められて、ずっと演劇をやることになるんですけど。つかこうへいさんの文体ってすごい強烈なので、真似し始めるとずっと真似になっちゃって。この作品を書いたときは、それがどうしたら変えられるかと考えている頃だった。それで古典...歌舞伎とかシェイクスピアとかに「これも演劇じゃん」って改めて気付いて。

ちょうど花組芝居の加納幸和さんと知り合ったこともあったんだけど。ネオ歌舞伎をやられている方だから。初演は加納さんに黒百合役で出てもらって、そこでいろんなことを教えてもらって。そういうことがこの作品には影響してる。"お話"がつくりたかったんだよね。その時代の流行りの演劇はストーリーがなかったから。自分にとっても転機になるように書いた作品です。

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この時代に『夜曲』をやるうえでの変化

――横内さんは今回の上演に対して「こうあってほしい」というものがあったりしますか?

横内 さっき思ったことで、この初演のころにも得体の知れない事件ってあったんだけど、その頃は「特殊なもの」として社会的に排除されていた気がしていて。でもそのあと、宮崎勤っていう犯罪者が出てくるんですよ。それも「ツトム」で僕はハッとしたものがあった。

西田 宮崎勤って知ってる?

川村井上 知らないです。

西田 宮崎勤の「連続幼女誘拐殺人事件」っていうのがあって、あれからいろんなことが始まったんですよね。

横内 そこから幻想と現実みたいなものがごっちゃになり始めて。それ以前は、そういう事件は「特殊なもの」として進んでたんだけど、宮崎勤の事件からみんながそこで立ち止まり始めたんだよね。知識人とか時代を読み解こうとする人が、宮崎勤に寄り添うような考えを提示したりして。それで初演の頃はツトムを"排除される者"として、見るからに危なそうな(笑)六角精児を使ってたんだけど。

彼(川村)みたいないい男がやると、より現代の孤独感とか満たされてないものとかが表現される可能性がある。そこにこの31年で生まれた別の展開が見られたりするんじゃないかって。そしてサヨを最先端のアイドルグループに所属する彼女(井上)がやることで、今日性とかが出るといいなって思う。

――おふたりは、この戯曲をやることをどういう風に感じていますか?

井上 不思議な縁だなと思っています。初演されたときには私、生まれてなかったので。でも今言われたように、この時代に私が演じる意味があるのなら、そこが伝わればいいなと思って頑張ろうと思います。

――サヨという役について感じていることはありますか?

井上 最初、この戯曲を読んだときにツトムだけが「蚊帳の外」だと思ってたんですよ。でもみんな蚊帳の外なのかもしれないなって思って。それぞれみんな孤独を抱えてるし、みんな違うし。なんかそういうことなのかなと思ったりしました。

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――川村さんはどうでしょうか?

川村 やっぱり昔から受け継がれている作品で、ツトムっていう主人公をやらせてもらうプレッシャーはまだあります。でも今のこの2017年にやる『夜曲』のツトムとしては、素直にみんなに身を委ねて、みんなに影響されて、舞台で生きていければいいのかなとは感じていて。ただすごく綺麗な言葉の戯曲なので、その言葉は一つひとつ大切に言っていきたいなと思います。

――先ほど言われたツトム像みたいなところはどう感じられますか?

川村 なかなかの犯罪じゃないですか、放火って。だからその火をつけてしまう狂気っていうのは必要で、普通に喋ってるときとかの瞬間瞬間に「なんか火つけそう」「なんか気持ち悪い」「なんか嫌、この人」っていうのを観てる人に感じさせられたら、みたいなことは思っていますね。でも本当にまだこれからって感じです。

――西田さんが川村さんと井上さんに期待されている部分ってどんなところですか?

西田 ふたりは年齢が一回り離れてるのですが、そうなるとやっぱり生きてきた時代がちょっと違っていて。感覚も違うんですよね。だから同じ言葉を言っても受け取り方が違うし、そんなふたりの掛け合いっていうだけで面白いことがたくさんあるんですよ。もちろん僕が「こういう風にしたい」っていうことはあるんですけど、同時にわからないことを一緒に探っていきたいなと思っていて。今回、今までの『夜曲』とは絶対に違うものになるんですけど、「ほお」と思ってもらえる瞬間をふたりとつくりたいです。まずはその一個目を探したいですね。

――最後に主演の川村さんから読者への一言をお願いします。

川村 30年前の作品を、ちゃんと年月を経て「今回の『夜曲』もよかったね」と言ってもらえるように、これから稽古をがんばっていきます。この作品はとても不思議な空気があって、だからこそ「なんかいいよな」っていうのは劇場に来てもらわないとわからないと思うので。ぜひ劇場でご覧ください!

**********

音楽劇「夜曲」nocturn

2017年12月14日(木)~12月18日(月) 

東京芸術劇場 プレイハウス

【原作】「夜曲 放火魔ツトムの優しい夜」(横内謙介:扉座)
【脚色】岡本貴也
【演出】西田大輔
【音楽】YOSHIZUMI

【出演】川村陽介 谷内伸也(Lead) 井上小百合(乃木坂46) 姜暢雄 KENTARO
蒼乃夕妃 法月康平 有澤樟太郎 山崎裕太 橋本全一 瀬尾卓也 藤田玲 山下容莉枝 ほか

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吉田鋼太郎演出の舞台『アテネのタイモン』に出演の藤原竜也さんと柿澤勇人さんにお話を伺いました。

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