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8/9(日)~11(火)にて配信の~韓流ぴあPresents Kミュージカルシネマ~ 「モーツァルト!」

韓国版 「モーツァルト!」プロデューサー キム・ジウォン(EMK)さんの特別インタビューを掲載いたします!

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1.「モツァルト!」10周年公演おめでとうございます。今年の公演は、過去のものと比べても特別ではないかと思いますが、制作過程で最もを配った部分がありましたら教えてください。そして10周年公演の観覧ポイントもえていただけますでしょうか。

EMKの最初の作品でもあるミュージカル「モーツァルト!」が韓国で10周年を迎えました。このように、10年間愛されることができた理由は、なによりも「モーツァルト!」という言葉が持っている力だと思います。唯一舞台の上でのみ新たに感じることができる、天才音楽家の人生と成長過程、苦痛と喜びを作品を通じて経験して頂きたいと思います。今回の10周年公演はまさに「モーツァルト!」とEMKが積み上げてきた10年のノウハウの集大成だと思います。 5回の韓国公演を経て最も良かった構成を、完全に新しくなった舞台美術の中に溶け込ませてお見せしたと思いました。何よりも、新型コロナウイルスにより全世界的に危機を経験している時期に、「モーツァルト!」が与える慰めと希望のメッセージに耳を傾け、観覧して頂きたいと思います。

2. 10年前に初めて公演した時、このように10年間公演することを期待されていたでしょうか?

一回の失敗を経験して、すべてを注いで準備した作品だっただけに、大きな期待をかけていたのは確かですけれども、このように長い期間大きな愛を受けることは思いもしていなかったです。20年、30年後も愛される作品になることを願います。

3.日本の「モツァルト!」もご覧になったと思いますが、韓国版「モツァルト!」との違いがありましたら教えてください。

もちろん、日本の「モーツァルト!」を拝見いたしました。日本版は作品の中にはっきりと見えるモーツァルトとアマデの関係性、そして各キャラクターたちのドラマが生きる描写に大きな感銘を受けました。キャラクター間の関係性がはっきりしているので、劇の構成がしっかりして、よりドラマチックに感じました。その後、韓国での初演を準備するときに大きな参考になるほど印象深く鑑賞いたしました。

韓国版との違いがあるとしたら音楽的構成ではないでしょうか。日本の「モーツァルト!」がドラマを強調して感情を引っ張って行く作りだとしたら、韓国版は観客が感情表現をすることができるように、曲の中に手拍子するポイントを入れるなど異なった構成になっています。韓国で「モーツァルト!」が公演されている劇場の規模が非常に大きく、また韓国の観客は派手な舞台を好むため、日本の舞台とは違った魅力を感じることができると思います。

4.10周年公演のモツァルト役で、パクウンテ、キムジュンス、バクガンヒョンの3人をキャスティングした理由をえてください。

10周年公演であるだけに、「モーツァルト!」と言えば浮び上がる俳優をキャスティングしたいと思いました。

初演当時、パク・ウンテさんはアンサンブルの一人として、ドラマチックな主演デビューを飾り、今では韓国ミュージカル界に欠かせない代表的な俳優になりました。キム・ジュンスさんは、ミュージカルデビュー作として「モーツァルト!」の舞台に立ち、当時3,000席の世宗文化会館を初めて完売させた俳優となりました。この二人の俳優は「モーツァルト!」に格別な愛情を持ち、今回快く舞台に立ってくれました。この場を借りてお礼を伝えたいと思います。そしてバク・ガンヒョンさんは、10年前にパク・ウンテさんとキム・ジュンスさんが「モーツァルト!」で新たなスタートを切ったように、これからの10年を担う新しいモーツァルトとしての期待を抱いてキャスティングしました。

5.  EMKが制作した「モツァルト!」を、今回初めて日本でオンライン配信をすることになりました。今回の配信をするにあたり、特にを配った部分がありましたらえてください。

新型コロナウイルスによりアンタクト(非接触)サービスが台頭し、世界の公演文化にも映像サービス産業が大きく注目を集めています。 EMKも以前から映像サービスを準備していましたが、今回の「モーツァルト!」が初めての有料のオンライン公演になるので、多くの部分で悩んで準備しています。会場の臨場感をより一層生き生きと伝えるために、シーン別の撮影会議を細かく行うなど、万全を期した事前準備を進めています。今回をきっかけに映像サービスがさらに活性化され、発展をし、より多様な作品を日本の皆さんに紹介することができるよう、多くの応援をお願いします。

6. 海外の作品を選定するとき、基準となるものがあればえてください。

EMKが追求するスタイルの作品なのか、韓国の観客たちの情緒に合った作品かを最初に考えて作品を選びます。 10年前の「モーツァルト!」をEMKの最初の作品として選んだ時、原作元であるVBWはもっと有名な「エリザベート」をすすめました。しかしオーストリアの皇后は、当時韓国人にはあまり知られていない人物でした。しかし、モーツァルトは韓国人なら誰でも知っている人物だと思いましたし、その予想は的中しました。このように、当時の社会的雰囲気や国民が好む人物も一緒に考えながら作品を選定します。

7. EMKの作品の中でキム代表が最も愛着を持っている作品をえてください。そして最も大だった作品をえていただけますでしょうか

最も愛着を持っている作品は、断然「モーツァルト!」です。今一番好きな公演を挙げる時は「モーツァルト!」を最初に挙げます。一番大変だった作品は、EMKの最初の創作作品である「マタハリ」を挙げたいです。初の創作作品だっただけに試行錯誤も多かったですし、EMKの創作作品への観客の期待に応えたいと思い、最後まで悩んで相談して作り上げた作品です。

8. EMKの今後の計と目標をえてください。また、韓ミュジカルのグロバル展開のためにどのようなことを考えていらっしゃいますでしょうか?

新型コロナウイルスにより映像化が必須とされている今、さまざまなプラットフォームを通じて韓国ミュージカルを世界中に知らせて、大きな相乗効果を出すことができるよう多角的な努力しています。映像化だけでなく、海外進出も加速すれば、日本でもすぐにEMKのさまざまな作品を見ることができると思います。

9.「モツァルト!」10周年公演をしみにしている日本のミュージカルファンに一言お願いします

「モーツァルト!」を、そして韓国ミュージカルを愛してくださって誠にありがとうございます。新型コロナウイルスにより、劇場で見ていただくことができませんが、このように映像で披露することになりうれしく思います。誰もが難しい状況である今この時期、「モーツァルト!」の歌を通じて皆さんを慰めることができたら幸いです。

韓国公演を日本語字幕付きで自宅で体験できるチャンス!集大成を飾るべくキム・ジュンス、パク・ガンヒョン、パク・ウンテの豪華キャスト陣が繰り広げる感動の物語を是非お見逃しなく!

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2020年初頭から全世界を巻き込み、私たちの日常を一変させた新型コロナウィルス。
この影響で、エンタテインメント界も多大なる大打撃を受けてしまっています。
演劇では、2月26日に政府が出した「大型イベントの自粛要請」以降、3月末に発令された「緊急事態宣言」を経て3~4ヵ月、ほとんどの公演が中止に。劇場は休眠してしまっています。
この業界に関わる者は個人、団体、企業、すべての人間が経済などの面で、大小の差はあれどダメージを受けています。

そんな演劇界を支援しようと、いま、様々な動きが多数立ち上がっています。
そのうちのひとつ、<舞台芸術を未来に繋ぐ基金>、通称<みらい基金>は、活動停止を余儀なくされた舞台芸術に携わる出演者・クリエーター・スタッフに対して今後の活動に必要な資金を助成する公益基金

スタート時はクラウドファンディングでの支援を募りますが、その後も長期的に活動を続けていく基金であることが公言されています。

200人(団体)を超える俳優、スタッフ、関係者が<賛同人>として名を連ねるこの基金では、その多彩な賛同人たちが無償ボランティアで出演するオリジナル配信プログラム、MiraiCHANNEL(YouTubeにて配信)が活発なのも特徴。
その内容もまた、演劇の基本的知識(ex:制作とは?舞台監督とは?)からオンラインレッスン、演劇と社会のかかわりの上で必要なもの(ex:法律)とバラエティに富んでいます。

みらい基金発起人のひとりであるconSeptの宋元燮さんによると、<MiraiCHANNEL>自体は教育バラエティチャンネルで、「楽しみながら学んでもらう」ということを目的としているそう。楽しく学んで<みらい基金>へ繋がれば、ということですね。
このコロナ禍で演劇界でも様々な配信、新しいチャンネルが誕生していますが、「ただ楽しむだけではない」というところがあまり他ではみられない特徴です。

このMiraiCHANNELの6月特番に、俳優の井上芳雄さんが登場。
内容は、以前より井上さんが提言していた「日本にも、トニー賞のような賞があればいいのに!」ということをテーマにゲストと話し合うもの。

6月27日(土)13時に初回配信、その後もアーカイブで見ることができます。

 
今回げきぴあはこの収録の様子を取材。
ひと足先にその内容を、チラリとご紹介いたします!
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まず井上さんが<みらい基金>の賛同人として手を挙げたことについて。
ご自身も『桜の園』『エリザベート』と、2本の公演が中止になり、ほかにもコンサートが延期になるなど大きな影響がある中「自分もいろいろ考えた」と井上さん。

「特に若い出演者やスタッフの皆さん、もちろん自分たちも含め、困った人も多くいただろう」と語り、その中で何かできないかと思っていたことと、この基金の活動が一致したので賛同した、と話します。

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5月9日(土)から17日(日)まで東京・シアターサンモールにて舞台『インディゴの夜』が上演されます。

『インディゴの夜』は、加藤実秋による大人気ミステリー小説シリーズ。一風変わったホストクラブ「club indigo」を舞台に、ひとクセもふたクセもある個性的なホスト達が、身の回りで次々と起こる事件を解決していくストーリーです。演出・脚本は「TAIYO MAGIC FILM」主宰の西条みつとし氏が手掛けます。舞台公式サイトはこちら

本作にテツ役として出演する阿部快征さんTKO(たけお)役の佐藤信長さんにお話をうかがいました。

*****

――『インディゴの夜』に出演が決まっていかがですか?

佐藤 僕はナンバーワンホストの役なのですが、そういう「俺、カッコいいだろ?」という役をやったことがなかったので、楽しみだなと思いました。でも台本をいただいて読んでみたら、思ったほど"完璧"じゃないというか。人間臭いところもあったので、尚更楽しみになりました。
阿部 ホストクラブの話と聞いて、劇場がホストクラブみたいになればいいなとか、お客様も巻き込んでいけたらとか、そういうことを考えていました。ホストの振る舞いもこれから研究したいです、ローランドさんとかから。

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――ローランドさんはだいぶ濃いですね(笑)。脚本を読んでいかがでしたか?

佐藤 僕はミステリーが好きなので、脚本を読んだだけで引き込まれる作品でした。舞台で演じるのが楽しみだなって。
阿部 どちらかというと事件にまつわるエピソード中心で描かれているなという印象でした。その中で、僕らがホストであることはこの作品のベースだと思いますし、役作りでキャラクターを出していく必要があるんだろうなと思いました。

 
今年7月に上演されるミュージカル『四月は君の嘘』
2014-15年にはアニメ化、2016年には実写映画化もされた新川直司による同名マンガが、世界で初めてミュージカル化されます。

作品は、若き音楽家たちが成長していく姿を甘酸っぱく切なく、カラフルに描いた青春物語。
作詞・作曲にフランク・ワイルドホーン、編曲にジェイソン・ハウランドというブロードウェイの第一線で活躍しているクリエイターを起用する本作は、本公演前にワークショップを重ねる"ブロードウェイ方式"で作り上げています

先日、本作上演に向けてのワークショップ&試演会があったことをレポートしましたが、この試演会に参加した木村達成さん、音楽を担当したフランク・ワイルドホーンさんにはお話も伺ってきましたので、今回はそのインタビューをお届けします!

主人公・有馬公生役の木村さんには、試演会終了直後、興奮さめやらぬ中でお話いただき、フランク・ワイルドホーンさんには別日にじっくりお話を伺ってきました!
(※公生役は木村さんと小関裕太さんのWキャストです)

【ワークショップ&試演会レポートは →コチラ】

★ 木村達成 INTERVIEW ★

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―― 試演会お疲れ様でした。いま現在の率直な気持ちは?


「(笑顔で)やっと終わった! という気持ちが少しあります。まだ本番は先なのですが、まずは一回、全部作り上げたので。この10日間は濃密で、みんなで頑張っていましたので、とりあえず今は心からほっとしています」
 
 
―― この『四月は君の嘘』、"ブロードウェイ方式で作る" という表現をされています。こういった、本公演よりずっと前にワークショップをやって......という作り方は、木村さんも初めてですよね?

「はい、初めての経験です。楽しかったことは楽しかったのですが......実は「楽しいな」と思えたのは、ワークショップの最後の3日くらい(苦笑)。それまでは本当にキツかったです、精神的にも体力的にも。6時間歌いっぱなしとかもありましたし、ずっと集中していたので、家に帰ったら頭が痛くなったりもしました」
 
 
―― 具体的に、どのあたりに苦労されましたか?

「進むスピードが速かったです! ワークショップの前に楽譜をいただいて音取りもしていたのですが、僕たちの声、僕たちのパッションに合わせて音楽を作っていただけるので、どんどん変わっていく。覚えることもどんどん増えていきますし、事前に覚え、身体に刷り込んだものをそぎ落とす作業も大変で、そのあたりがかなり苦労をしました」
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3月19日よりザ・スズナリにて、歌舞伎の概念を逆転させた"女歌舞伎"に挑む、Project Nyx。イラストレーターの巨匠・宇野亞喜良氏による斬新な和のビジュアルと、BUCK-TICKの楽曲が炸裂する、スーパーロックエンターテインメントを上演します。演出の金守珍氏、主宰の水嶋カンナさん、主演の、加藤忍さん、寺田結美さん、田上唯さんにお話しを伺いました。

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左から田上唯さん、寺田結美さん、金守珍氏、加藤忍さん、水嶋カンナさん

―「新雪之丞宇変化」の上演を決めたきっかけは何ですか?

水嶋「これまでProject Nyxでは、寺山修司作品を中心に公演してきたのですが、2年前くらいに、宇野亞喜良さんがこれやりませんか?と宇野さんが表紙を手掛けた「新雪之丞変化」の戯曲本を出してきて、「え、和物ですか?」とびっくりしたんですが、白石さんの「新雪之丞変化」は、いわゆる「雪之丞変化」とも違うクライマックスの大どんでん返しがあり、「面白い!!」と思い、早速企画を始めました。

―キャスティングは水嶋さんが全て行うとか?

水嶋「はい、まずは憧れの加藤忍さんに、気風のいい女スリ・お初役でご出演をお願いしました。」

加藤「実はニクスには憧れてて、でも遠い存在だったので、私がニクスに出てるって、なんか不思議な感じがしています。」

水嶋「25年前に『宝島』という雑誌で、小劇場の新人女優特集で一緒に取り上げられたんですけど、お会いしたこともなく、本当に二年前に忍さんが新宿梁山泊の公演を見に来てくださって意気投合して、急激に今回のご一緒が叶いました。」

―ニクスの稽古はどんな感じですか?

加藤「台本を読んだだけだとわからない世界だったんですが、今日お稽古でも、BUCK-TICKさんの曲の「誰かが誰かを殺すよって」歌詞のダンスシーンのところで、金さんが『世界』ってワードを言われて、ニクスってこうゆう感性で作るんだって思って、やっぱり世界が大っきいんだなーと思いました。私が今まで触れ合ってこなかった、BUCK-TICKさんと金さんの世界観の融合に感動して、すごくいい作品に出会わせていただいて、頑張らなきゃなって思いました。」

水嶋「ゆっぴ(田上)は青年座で、少女役が多いのですが、浪路というやんちゃで可愛くもあり、オフィーリア的な華憐さも内包するキャラクターにピッタリだなと思って」

田上「毎日新しい感性と、感覚が、新鮮でたまらなくて、自分も楽しんで乗っかれば、新しい自分にも絶対に出会える気がして、いい意味で今までの固定概念を壊して、純粋に身を投じたいと思って、楽しみでしょうがないです。」

―新劇の稽古場とは違いますか?

田上「全然違いますね、それが面白いですね。『そこまでやっていいんだ!』って、最近刺激が快感になってきてます。(笑)」

水嶋「加藤健一事務所さんのお稽古場とも違いますか?」

加藤「そうですね違います。ニクスの稽古場では金さんのパッションが魅力的過ぎて!!」

「でも今回おとなしいよね?」

水嶋「まあ、今のところおとなしいです!いつ雷が落ちるのかと、、(笑)」

加藤「金さんは、恐ろしいという評判で、金さんの演出受けるの?忍ちゃん!」ってよく言われてます。」

水嶋「演劇界ではそう思われるみたいですね。(笑)でも金さんとやってると強くなりますよ、それだけは確か!」

田上「それは感じます。皆さんタフで逞しいなって!!そのパワーに乗っかりたいなと。」

「今回はキャスティング、素材がいいからとても演出が楽ですよ。適材適所のいい素材が集まったから、それを最大限に生かして、どう料理して美味しいものを出すのかが演出の仕事だと思ってます。今回、みんな素晴らしいから怒る必要もないし、怒るって時はできないから怒るだけですから。カンナさんの感性でProject Nyxがあるわけだし、魅力ある女性たちの舞台として十数年美女劇やってきて、今回も華やかで艶やかで、振袖の群舞シーンなんて胸躍るよね!」

― 美貌の女形・雪之丞役に寺田さんが大抜擢されとか

寺田「はい、奴婢訓にオーディションで参加してから、丸二年で今回、雪之丞役をやらせていただくことになりました。」

「寺田はガタイとパワーがあるよね、身長170cmで歌唱力もあり、踊りもできるのに、なぜ宝塚にいかなかったんだって言ってるんだけど。」

水嶋「兵庫出身だし。(笑)」

寺田「宝塚は自分の目指す世界とは違う気がして、、、。きれいなものより、毒のあるものが好きだったのかもしれません。雪之丞役は女形を女性の私がやるという型破りなことへの挑戦だと思っています。宝塚にも通じるところがあるのかもしれませんが、私(女性)の目線があってこそできる雪之丞を出来たらと思っています。」

「雪之丞は、容姿と情熱はもう申し分ないから、声色をとにかく追求して、女形と男節の振幅の差があればあるほど面白いと思う。あと、男性役の小谷さん、佐野さん、もりちえ、こと美が、カラッと楽しくカッコよく男性役をやってくれるから面白くって、作品に深みが出てると思います。女性が男になるって出来ちゃうんだねって、今回さらに納得しました。それぞれの女性の様を見てるだけでも楽しいよね。」

加藤「カンナさんが稽古場で言われてて思ったんですけど、本当の女性の自立ってどうゆうことなんだろうって、最近私生活でも考えてたりしてて、今回、一人一人の生き方の色が出たらいいなと思うし、お初をパンチのある役にしたくて、金さんの演出についていきながら染まりたいなと思います。」

田上「カンナさんがプレ稽古の時、ぽろっと、『今まで誰もやったことが無いことがやりたい!』って言ってたのが、とても心に刺さって、めちゃめちゃかっこいいなって思って、今の時代に、命がけで恋するってどうゆうことなんだろうと、自分の中で掘り下げながら、金さんのパワーとみんなのパッションに乗っかって、全身全霊で身を投じたいと思います。」

水嶋「アンダーグラウンド宝塚って言ったこともあるんだけど、ニクスでは、辛さとかどん底とかを体現している女性たちが、強く気高く麗しく、美しいパワーを放つようにしたいから、全員が輝いて欲しい。この座組が大好きになったんだけど、終わったらみんな新劇や小劇場に戻っていくと思うけど、、、でもちょいちょいこちらにも遊びに来てください。(笑)」  

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【公演情報】

2020年3月19日(木)~29日(日) 下北沢 ザ・スズナリ

◆終演後アフタートーク

20日(金)14:00 【小劇場トーク】 加藤忍、高畑こと美、山田勝仁、水嶋カンナ 

21日(土)14:00 【新劇女優トーク】 小谷佳加、佐野美幸、田上唯、水嶋カンナ

22日(日)14:00 【雪之丞変化トーク】 宇野亞喜良、白石征、金守珍、水嶋カンナ 

25日(水)14:00 【アングラ女優トーク】 もりちえ、佐藤梟、寺田結美、水嶋カンナ

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「すべてのカテゴリーに属し、属さない曖昧な眩さ」を掲げ、1996年に結成されたダンスカンパニーDAZZLE(ダズル)。ストリートダンスとコンテンポラリーダンスを融合した独自のダンススタイルを武器に、これまで数々のダンスコンクールで優勝の栄冠を獲得。さらに、ファジル国際演劇祭での審査員特別賞・舞台美術賞の二冠獲得を始め、世界の演劇祭でも受賞暦を重ねている。そんな輝かしい功績を持つDAZZLEのカンパニー結成に至った経緯から、新作公演「NORA」のみどころまで、主宰の長谷川達也さんと飯塚浩一郎さんにお話を伺った。

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─DAZZLEとはどのようなカンパニーなのでしょうか?

長谷川 今年で結成から24年目を迎えるダンスカンパニーです。元々はストリートダンスの世界で名をあげたいと思い結成したのですが、当時はストリートシーンで抜きんでた存在になるのは容易ではありませんでした。そこで、色々考えた末に独自性が重要なのではないかと思い、物語を軸にしたダンスパフォーマンスを長尺の舞台として披露するというスタイルをとるようになったんです。

─ストリートダンスを長尺の舞台で魅せるのは、かなりの挑戦だったのでは?

長谷川 そうですね。でも踊るだけではなく、音楽であるとか、ファッションや空間や照明、美術であるとか、そういった要素を組み合わせると無限に可能性は広がっていきますよね。その選択の仕方で自分たちらしさを見出していけると考えたんです。とはいえ、ストリートダンスというのは見ていて高揚感はあるものの、長尺で魅せるには難しいことは早い段階で気づきまして、コンテンポラリーダンスの芸術性を組み合わせることでそれが叶うと辿り着きました。

飯塚 僕はDAZZLEが初めて長尺の舞台公演をやるというタイミングでカンパニーに加わったのですが、一番の魅力だと感じたのはダンスに関する考え方の違いでした。ストリートダンスはダンスそのものが目的ですが、DAZZLEは踊ることによって何を伝えるかが重要なんです。その一つとして、物語のキャラクターになり、ダンスを感情表現として取り入れるというスタイルをとっているのですが、これが面白いなと。これならばダンスが好きな人だけではなく、ダンスを知らない人にも見てもらえますよね。

長谷川 そうなんです。結成当初からダンサーとしてだけではなく、アーティストとしても活動していきたいと思っていましたので、これまで通りダンスが好きな人だけに向けて踊るだけではダメだと思ったんですよ。より多くの人に共感してもらうために、ダンスを知らない人にもダンスの魅力を伝えたいという想いが強くなって、違う方向にも視野が広がっていった結果が独自性にもつながりました。

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─結成から24年が経つと、お客様にも変化があったのでは?

長谷川 そうですね。最初はダンサーに向けて踊っていましたので、お客様もダンサーがメインでした。それが今ではダンスは知らないけれど舞台は好きという方が興味を示してくださって、今ではダンスを知らない人の方が多くなりました。

飯塚 確かに、以前はダンスが上手い人の踊りが観たいという人が多かったのですが、今は自分も舞台に出たい、もしくは自分も舞台を作りたいと考えている方も多いと感じています。

─これまでにはないジャンルですから、多くの人が興味を持たれるのもわかります!

長谷川 はい。より多くの人の心が動く表現を目指して活動していますので、その思いが伝わっているのなら嬉しく思います。

─さて、3月に行われる新作「NORA」ですが、どのような舞台なのでしょうか? 

長谷川 未来の東京をイメージしたお話です。規律が厳しくなった社会構造の中で人々が抑圧されながら生きている現実世界と、それとは対極する非現実的なオンラインゲームの世界があって、その2つの世界が主軸になっています。このゲームというのが配信停止のいわくつきのゲームで、そのゲームは誰が何の目的で作ったのかという謎に迫る物語です。

─オンラインゲームをテーマにした理由は?

長谷川 僕自身がゲームが大好きということもありますが、抑圧された世の中でオンラインゲームってそれを解放できる場所なんですよ。それが面白かったり、恐ろしかったりというのを僕自身が感じていて。例えばゲームの世界なら人を殺しても、銃を打ちまくってもいいですよね。そういう本能を解放する場所というところに魅力を感じてテーマとして取り入れました。

─今回はマルチストーリーということですが、舞台で実現するというのは珍しい試みですよね?

長谷川 そうですね。僕も見たことはありません(笑)。ゲームの場合はキャラクターを人が操るわけですが、舞台の場合は人が人をコントロールします。この面白さだったり、恐ろしさを体感する中で、何か感じるものがあったら面白いかなって思って挑戦してみようと思い立ったんです。

飯塚 3年前からイマーシブシアター(体験型公演)という、建物のいたるところで演者が動き、観客もそれについてまわるという、観客と演者が一体になる作品を作ってきたのですが、舞台上でもそれに近い感覚のものが作れるとまた、舞台作品というものが新たなステージに行けるのではないかと思ったんです。一番は、観客を傍観者ではなくしたい、と思って。自分はこっちだと思うんだけど、違う選択をする人もいて、その度に自分が否定されたり肯定されたりっていう多数決の中で、観客の皆さんもきっと傷ついたりとか「あ、自分は多数派だったんだ」という思いが起こる舞台はなかなかないと思うので、今回の作品で新しい体験をしてもらえると思います。

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長谷川 前作(20周年記念公演「鱗人輪舞」)では選択は結末だけでしたが、その選択肢を増やしたのが今回の作品です。従来の舞台では主人公の選択に対して観客が干渉することはできなかったのですが、今回は観客が選んだ道に主人公が進んで行く、しかもリアルタイムに物語が変化していくというのが面白いのではないかと。ゲームなので、誤った選択をするとゲームオーバー...とまでは行きませんが、あらぬ方向に進んでいくという仕掛けがあります。

─では、エンディングもグッドエンドとバッドエンドが存在しているんですか?

長谷川 はい。いくつかの分岐点がありますので、観客の皆様の選択次第で主人公の運命が変わってしまいます。

─ますます面白そうですね!

長谷川 その分、もしかしたら選ばれないシーンもあるかもしれませんが、なんども足を運んでいただき、全てのシーンをご覧いただけると、作り手としてはそうあってほしいという思いはあります。

飯塚 でも練習は地獄です(笑)。

長谷川 練習量は倍どころではないですからね。でも挑戦には痛みが伴うものですし、それを乗り越えることで新しい表現が見つかるかもしれないし、舞台の世界の可能性が発見できると考えているんです。もし世界で初めてだったら凄いことだし価値があることですから!

─そもそも舞台鑑賞は映像作品にはない没入感が楽しめるものですが、またそれとも異質な興奮がありそうですね。観客も翻弄されるというのも是非体験してみたいです。

長谷川 ぜひ。刺激を得るというのは感覚を豊かにしていく行為ですから。例えば、動物図鑑を見るのか、実際に動物を見るのかくらいの違いがあると思うんです。動物図鑑は視覚的な情報しかないですが、実際の動物園に行くと匂いや音や温度とか色々な情報が入ってきますよね。人生を振り返って、どちらが印象に残っているかといえば、実際に動物園にいった記憶だと思うんです。それは刺激の量が多いから。

飯塚 2つは似ているけれど、全く違うものだと思います!

長谷川 今は在宅のまま楽しめるコンテンツが充実していますから、ますます舞台を観に行くハードルは上がっているとは思うんですが。そんな時に、舞台へ行く重要性、面白さというのは、人間が生で踊っていたり演じていることのエネルギーを感じたり、そういったものを刺激として得られるというのは感覚がより豊かになると思うんです。そういう意味でも価値があることだと思うので、だからこそ観に来てほしいなと思います。

─これまでの舞台でも様々な分野のゲストが出演されていますが新体操グループのBLUE TOKYOがご出演されるとのこと。コラボに至った経緯は?

長谷川 実はBLUE TOKYOの結成当社から作品の振り付けを僕が担当しているんです。以前、青森で開催された「BLUE」という新体操の舞台の演出を担当させていただいたのですが、そこで物語と新体操を掛け合わせるというおそらく世界初の試みに挑戦したことがあったんです。そこで世界最高峰の身体能力を誇る彼らの迫力と美しさを目の当たりにしまして、彼らが参加することで、例えるなら平面が立体になるくらいの変化が出てもっと面白い舞台が作れると思い、出演をお願いしました。

飯塚 僕らは振りが揃っているとか、動き自体が美しいことを考えながらダンスをしてきたんですが、彼らはまた違う形の美しさを持っていて勉強になる部分と真似できない魅力もあって。だからこそ一緒にやる価値があると思っています。

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─一見、新体操とダンスには交わりにくいものに感じるのですが、これまでの信頼関係で乗り越えるというか、融合しているところが大きいのでしょうか?

長谷川 最初に新体操と一緒にやると決まった時に、とにかく新体操の演技をたくさん観たんです。DAZZLEの舞台構成は緻密に人の配置を動かしていくのですが、そこに共通するものを感じて「あ! 合うんじゃないか!」と、すぐに感じました。実際にスタートしてみたら、彼らは演技に対する精度が物凄かったんです。僕たちはそこまでの精度のものはできないけれど、舞台に立つものとしての演じる想いは強いので、そこを融合させて、彼らが『演じる』ということを獲得したらもっと高いクオリティーの作品ができると思ったんです。

─想像ができないのでとにかく早く観たいという思いが高まりますね!

飯塚 ありがとうございます。昨年はDAZZLEで浅田真央さんのフィギュアスケートの振り付けもしたのですが、それもいい経験になりました。そもそもスポーツとダンスは身体能力の高さという点では共通していますし、今後は競技とエンターテインメントの融合というのが、もっともっと面白くなっていくんじゃないかなと思っています。

─最後に『NORA』の見所を教えてください。

長谷川 最高の身体能力を誇るBLUE TOKYOが参加してくれるというのは大きな見所の一つですし、マルチストーリーや、感情を揺さぶる物語性も見所になっています。観客の皆様の選択次第で物語が分岐していくという世界でも稀有な作品になると思うので、皆様にも、ぜひ体験していただきたいと思います!

飯塚 DAZZLEのダンスが他と違うのは、そこに伝えたい想いがあること。物語やキャラクターの感情を伝えることプラス、メンバー自身、自分に中にあるものを踊りとして表現することをすごく大事にしています。だからこそ、言葉の通じない海外でも想いが伝わっているのだと実感していますし、それが僕らの舞台の見所だと思っています。みなさんの心を動かすためにダンスしていますので、ダンスを知らない人、見たことがない人もぜひ観に来てください。

ダンスの躍動感、心を刺激するストーリー。この2つの要素が着火剤となって観るものを興奮の炎に包みこむDAZZLEの舞台。ダンスに興味がない人でも不思議と虜になってしまう魅惑的な世界観に、今回さらに新体操とマルチストーリーという要素も加わり、天井も底も見えないほどその魅力は無限大に広がっているように感じた。

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新作「NORA」は、観客をただの傍観者にさせないアグレッシブな体験型舞台。自分さえ知らなかった自分の本能があけすけになるかもしれないスリリングな経験をぜひ多くに人に味わっていただきたい。

取材・文・撮影:浅水美保

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ハダカ座公演 vol.2『ストリップ海峡』が2020年3月に上演されます!

本作は、2018年1月に上演された『ストリップ学園』に続く作品で、脚本・演出をgood moning N°5澤田育子、音楽を元・米米クラブのメンバーのフラッシュ金子こと金子隆博が手掛けるオリジナル作品。

前作ゲネプロレポートはコチラ

本作の詳細はコチラ

ストリッパーを目指す生徒たちを男性が演じ、あらゆる感情が混じり合うストーリー&演出で観客を虜にした初演。果たして第二弾はどんな作品になるのか......。

前作に続き、女性ストリッパー役で出演する古谷大和さん石田 隼さん芹沢尚哉さん。そして新キャストの齋藤健心さんにお話をうかがいました!

*****

――今年1月に上演された『ストリップ学園』、とても面白かったです。新キャストの齋藤さんはご覧になられましたか?

齋藤 観ました。カッコいいと思いました。舞台の上には肌を露出した全力な人たちがいて、客席のお客様は「フー!」となっていて。そういう空間がめちゃめちゃカッコいいと思いました。

――お客様もパンツやブラジャーを回したり、紙テープを飛ばしたりしていましたね。

齋藤 そこにも衝撃がありました。ドーパミン出過ぎて頭で考えられず、ただただ「すごい」と思っている感じで。圧倒されました。

――齋藤さん以外は、まさにその舞台に立ったお三方ですが、どんなふうにつくっていかれたのでしょうか?

芹沢 僕らも稽古の序盤は「どうやってつくっていくの」っていう感覚がありましたよ。

古谷 そうだね。ただ、稽古で最初のシーンをやったとき、僕の相手が藤田(記子)さんで(「good morning N°5」は本作の作・演出である澤田育子さんと藤田記子さんのユニット)。藤田さんの芝居のエネルギーを見て、「これなんだ」と思いました。何も飾らず、全力でやってらした。

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――これをやらなきゃいけないんだ、という感じだったのですか?

古谷 そうですね。あるいは超えていかなきゃいけないと思った。

石田 そうね!

古谷 だからとにかく...しんどかった(笑)。

石田 澤田さんとずっと一緒にやってきた、千代田(信一)さんや藤田さん、(小林)顕作さんですら「大変」と言ってたもんね。

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昨年末、代表作の音楽劇リメイクで月刊「根本宗子」旗揚げ10周年イヤーのフィナーレを飾ったばかりの根本宗子が次の展開へ乗り出す。"女子向け"を前面に打ち出す『THE MODERN PLAY FOR GIRLS』をタイトルに掲げ、新旧2作を連続上演。稽古をスタートさせた根本に聞いた。

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なぜこのタイミングで"女子向け"を謳うのか──という問いかけに、根本は「ラジオ(オールナイトニッポン0のパーソナリティ)を1年間やったところ、大学生くらいの男の子が観に来てくれるようになった」と客層が変化したという。一方であまり「女性客は増えていない」と感じ、日ごろ演劇を観ることのない"女の子"に刺さりそうな作品を企画した。

今回根本が重視するのは"ビジュアル"。ニットブランド・縷縷夢兎(るるむう)を手がけるアーティスト・東佳苗による舞台装飾の中、同一セットで2演目が展開される。これまでも自身のステージを彩ったことがある東の仕事に「正統派で王道の演劇作品とは違うところへ行ける」と信頼を寄せる根本は、「佳苗ちゃんがデザインした空間に何を書いたらおもしろいか。(美術に)台本の劇効果を高めてもらう普段とは逆の発想でつくっている」と舞台裏を明かした。

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女子への"目配せ"は各作品にも散りばめられている。日本に暮らす女子が大人に成長するまでに経験する葛藤をポップに描いた『Whose playing that "ballerina"?』は"女子あるある"として共感を呼ぶだろう。派生ユニット・別冊「根本宗子」名義で2016年に初演し、そして2018年に再演された作品を、今回根本は全編英語劇としてアレンジ。「同じ性別で同い年で同じ学校にいるのに全然わかりあえない女子たちがしぶしぶ一緒にいる状況って、日本じゃなくてもありそう」と考え、海外にルーツを持つ者を含めた英語の堪能なキャスト4人を起用した。「純日本人だけが演じるよりも、さらに"バラバラ感"を醸せるかなって」。

対する新作『超、Maria』は、チャラン・ポ・ランタンのボーカル・もも(妹)と根本の二人芝居。ももに聖母マリアを重ね、"許す"をコンセプトに女子を肯定する物語が進むという。そう考えたのは「周囲の期待に応え、要望は全て受け入れる度量を持ちながらも"私は私"の姿勢を崩さない」というもものスタンスを根本が感じ取ったから。「現代を生きる上で強い気がして」と語り、創作のヒントに繋がった様子を覗かせる。

『超、Maria』の音楽は、同じくチャラン・ポ・ランタンのアコーディオン奏者・小春(姉)が担当。2018年の『愛犬ポリーの死、そして家族の語』から数えて4度目のタッグとなるが、小春自身がバッグバンドのカンカンバルカン楽団を引き連れ、劇中で生演奏するのは本作が初めて。なお、根本いわく「セリフを全て楽曲に乗せるのも初めて」──。これまでは根本のリクエストをもとに、小春がスポット的な楽曲を作詞・作曲していたそうだが、今回はどんな創作スタイルが取られるのだろうか。信頼するクリエイターに背中を預け、彼女たちの力を借りながら躍進する根本の新境地を見届けたい。

『THE MODERN PLAY FOR GIRLS』は、1~2月に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて。公演期間のうち、前半の1月22日(水)~26日(日)に『Whose playing that "ballerina"?』、後半の1月29日(水)~2月2日(日)に『超、Maria』が上演される。チケットは販売中。

取材・文:岡山朋代

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1月25日(土)に大阪で開幕、2月1日(土)からは東京で上演される『CHESS THE MUSICAL』

ABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが手掛けた楽曲の素晴らしさ、東西の冷戦を背負った米ソ・チェスプレイヤーたちの人間ドラマという独創的なストーリーで、世界的にヒットしているミュージカルです。

日本では2012年、13年にコンサート版、2015年にミュージカル版として上演されていますが、今回はキャスト・演出を一新しての新しい『CHESS、しかも英語上演(日本語字幕あり)!
出演はラミン・カリムルー、サマンサ・バークス、ルーク・ウォルシュ、佐藤隆紀(LE VELVETS)をメインにした、超豪華キャストです!

開幕を目前にした1月某日、フローレンス役のサマンサ・バークスさんにお話を伺いました。
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サマンサさんは『レ・ミゼラブル』25周年記念コンサート(2010年ロンドン)でエポニーヌを演じ(なおこの時のアンジョルラスはラミン・カリムルー)、その後2012年に大ヒットとなった映画版でも同役を演じ、一躍人気者に。日本でも「あのエポニーヌ」と言って、通じるのではないでしょうか。
そのエポニーヌから数年たち、今回演じるフローレンスは、ふたりの男性の間で揺れ動く大人の女性。
また新しいサマンサさんの魅力が観られるに違いありません。

ちなみに今年はこのあと、ロンドンで開幕する『アナと雪の女王(FROZEN)』のヒロイン、エルサ役が決まっています。

●『CHESS』STORY●
舞台はチェスの世界大会。
時の世界チャンピオンはアメリカ合衆国のフレディ(ルーク・ウォルシュ)。チェスの天才で、奔放な性格を持つ。彼をセコンドとして支えるのは恋人でもあるフローレンス(サマンサ・バークス)。彼女自身はハンガリー出身で、1956年のハンガリー動乱で親をなくしている。
フレディと対戦するのはソビエト連邦のアナトリー(ラミン・カリムルー)。彼は故郷に妻子がいる。

時は米ソ冷戦の真っ最中。ふたりの試合は単なるゲームの枠を超え、国家を背負った負けられない勝負へ。KGB(旧ソ連国家保安委員会、CIA(米国諜報機関)の思惑も交錯する。
そんな中、フレディの恋人であるフローレンスは、対戦相手であるアナトリーと恋に落ち、アナトリーは亡命を決意する......。

サマンサ・バークス INTERVIEW

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―― まずは『CHESS』の出演オファーが、しかも日本から来たときにどう思われたかを教えてください。


「最初、とてもワクワクした気持ちになりました。それから、曲は有名で知っていたのですが出演経験はなかったので、ネットで色々と調べました。「あ、こんなに有名な曲が実は『CHESS』の曲だったんだ」というようなことを知り、いっそうワクワクしました」
 
 
―― 公開稽古の囲み取材でも、「『I Know Him So Well』などは子供の頃から聴いていた」と仰っていましたね。『CHESS』との最初の出会いはどんな感じでしたか?

「私が初めて『CHESS』に出会ったのは、おそらく8歳か9歳の頃。その『I Know Him So Well』です。ミュージカルナンバーを集めたアルバムをもらって、その中に『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』、そして『CHESS』のナンバーがたくさん入っていました。それぞれがどの作品の曲かというのはまだ小さくてよく認識していなかったのですが、最初の出会いはここだったと思います」
 
 
―― 『I Know Him So Well』はフローレンスとスヴェトラーナのデュエットですので、その曲をご自身が今度、歌うことになるわけですね。

「もう"クレイジー!"っていうくらい、楽しみです!」chess2020-2-12-202.jpg

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スズカツさんこと鈴木勝秀さんによる上演台本・演出作品『る・ぽえ』が1月25日(土)に東京・新国立劇場 小劇場にて開幕します。

本作は、『僕のリヴァ・る』(16年)、『僕のド・るーク』(19年)に続くオムニバス形態の公演で、新作となる今回のテーマは「詩人(ポエム)」。

高村光太郎『智恵子抄』をモチーフにした夫婦の話、萩原朔太郎『月に吠える』をメインにした多趣味な朔太郎の奇想天外な話、中原中也の人生と恋愛を通して描くダイアログという、"詩"を通して描く3人の詩人の物語になるのだそう。

というわけで、稽古開始から一週間ほどの稽古場におじゃまして、出演者の碓井将大さん、辻本祐樹さん、木ノ本嶺浩さん、林剛史さん、加藤啓さんにお話をうかがってきました!

*****

――撮影から和やかな雰囲気でしたが、稽古が始まってどうですか?

 啓さんと嶺と祐樹と俺は何回も共演してて......
碓井 してないの、俺だけじゃないですか(笑)。
木ノ本 切ない。
加藤 そんな言い方。
辻本 (笑)
 違うよ!「一人だけ初めてだけど、そこに溶け込んでくれたよね」って続けたかったの!
碓井 (笑)。先走ってすいません!
 (木ノ本と加藤に)俺を悪者にしようとしている!

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――(笑)。脚本を読ませていただいたのですが、どんな舞台になるのか全然想像できないような内容でした。

加藤 僕らも稽古に入って「なるほど!」と思っている部分があります。立ち上がり方がすごく面白いんですよ。
木ノ本 脚本だけ読むと硬く感じるんですけれど、やってみると自由で。劇場のすべてを使うような演出プランをスズカツさんが立ててくださっているから。
辻本 観ていても面白いです。いろんなことを試して、その度に、なんていうのか精度や自分の気持ちも上がっていくんですよね。面白い方向にどんどん進んでいくから、ワクワクします。

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