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KERA CROSS 第四弾『SLAPSTICKS』 その2 桜井玲香さん

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劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいで新たに創り上げる連続上演シリーズKERA CROSS(ケラクロス)。そのシリーズ第四弾として上演されるのが『SLAPSTICKS』。 サイレント映画からトーキーへ、転換期を迎えるハリウッドにて、激動の時代に映画作りに情熱を注ぐ人々を、映画への愛と希望に溢れる一人の青年を通じて描いた本作。 演出を手がけるのは、幅広い世代から支持を得る最注目の若手クリエイター・三浦直之(ロロ)。 新たに生まれ変わる『SLAPSTICKS』のキャストの皆さんからのメッセージが届きました!

第2回目にメッセージを寄せていただいたのは、、、

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桜井玲香さん! ビリーの初恋の人であるアリス・ターナー役を演じる桜井さんにお聞きしました!

――Q1.映画撮影所が舞台の「SLAPSTICKS」ですが、最近観た映画でおススメは?

ウルフ・オブ・ウォールストリート。何回か観る映画のひとつ。自分を上げたい時に観ることが多いです。

――Q2. 「SLAPSTICKS」中に1番心が動いたことは?

乃木坂46のライブを観に行った時、後輩が感動して泣いている姿を見て

自分にとっては何でもない日が誰かにとっては忘れられない日でもあるんだ。と凄く奮い立たせられました

――Q3. ご自身にとっての今年の漢字は?

「喜」

自分にとっても、自分の周りの人たちにとっても喜びの多い年にしたいです。

―― 読者の方へメッセージをお願いします!

儚い美しさを纏いつつも、強いメッセージが込められた作品です。

是非劇場でお待ちしております!

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<公演情報>
2/3(木)~17(木) シアタークリエ (東京都)

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KERA CROSS 第四弾『SLAPSTICKS』 その1 木村達成さん

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劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいで新たに創り上げる連続上演シリーズKERA CROSS(ケラクロス)。そのシリーズ第四弾として上演されるのが『SLAPSTICKS』。 サイレント映画からトーキーへ、転換期を迎えるハリウッドにて、激動の時代に映画作りに情熱を注ぐ人々を、映画への愛と希望に溢れる一人の青年を通じて描いた本作。 演出を手がけるのは、幅広い世代から支持を得る最注目の若手クリエイター・三浦直之(ロロ)。 新たに生まれ変わる『SLAPSTICKS』のキャストの皆さんからのメッセージが届きました!

早速ですが、第1回目にメッセージを寄せていただいたのは、、、

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木村達成さん! 主演のビリー・ハーロック役を演じます。

――Q1.映画撮影所が舞台の「SLAPSTICKS」ですが、最近観た映画でおススメは?

ラブアゲインは何回見てもいい作品だなーって思います。てかライアン・ゴズリングかっこよすぎ笑笑

――Q2. ご自身の役どころ・キャラクターを一言で表すと!

遅刻寸前の僕。
朝起きて時計を見てあわてんぼうになっているすがたが僕の演じるビリーハーロックにとても似てるんです!

――Q3. 「SLAPSTICKS」中に1番心が動いたことは?

年末年始で牡蠣をたらふく食べました。
公演中はなかなか食べることができないのですが、
大阪公演前まで間がかなり空いたので安心して
たらふく食べました。

――Q4. 自分の役以外でやってみたい役は?

(今回はマギーさんが演じている)マック・セネットです。

――Q5. ご自身にとっての今年の漢字は?

漢!

―― 読者の方へメッセージをお願いします!

観て考えて感じてください。
ちょっぴり笑えてちょっぴり切ないそんなストーリーの虜になって欲しいです。
劇場でお待ちしております。

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<公演情報>
2/3(木)~17(木) シアタークリエ (東京都)

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2020年、新型コロナウイルスの影響で発令された最初の緊急事態宣言時期を経て、ライブエンタメ界はパタリと動きを止めてしまった。宣言解除後もなかなか再始動しない中の7月、いち早く幕を開けた舞台作品のひとつだったのがミュージカル『BLUE RAIN』。ドストエフスキーの名作『カラマーゾフの兄弟』をベースに、1990年代のアメリカ西部で起きたひとつの殺人事件と、ある家族の愛憎をドラマチックに描き出す作品だ。舞台セットにビニールシートやパーテーションを組み込み、俳優同士の接触も極力抑えた"with コロナ"の演出も話題となったこの作品が2022年1月、早くも再演される。殺害された大富豪ジョンを主とするルキペール家の次男であり、事件の真相を追う弁護士ルークを演じる東山光明、犯人と目される長男テオに扮する大沢健、一家の家政婦であるエマ役の池田有希子の3人に話を聞いた。

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左から東山光明さん、池田有希子さん、大沢健さん


――東山さん、池田さんは一昨年の初演にもご出演されていました。緊急事態宣言が解除されてもエンターテインメント業界は再開していいのか、みんなが迷っている状況だった7月、最初に幕をあけた舞台作品のひとつでしたね。おふたりにとっても特別な作品になったのではないでしょうか。

東山:僕はこの『BLUE RAIN』のお話をいただいた時はまだコロナはなく、こんな大役やるしかない! とめちゃくちゃ意気込みを抱いていました。でも稽古が始まる少し前に緊急事態宣言が出され、『BLUE RAIN』も幕が開くのか、本当に二転三転しました。そんな中でも動き出し、初めてZoomでの本読みなども経験し......。エンタメ業界、どうなるんだろうと不安のある中での上演でした。本当に僕にとって思い入れがある、役者人生の節目にもなった作品です。その作品がこんなに早く再演できるのは喜びですし、初演とはまた違う形でいいものにしていきたいです。

池田:本当に、初演の『BLUE RAIN』に出演していた時は、この経験は一生忘れないと思いました。コロナ禍は今も続いていますが、やはり「役者ってなんだろう」とずっと考えています。当時は、私は役者をやり続けるのだろうか、続けられるのだろうか、辞めざるを得ないのだろうかと考えましたし、そういう究極の状況で、それでも芝居をやらせてもらえることが本当にありがたかったです。私の祖父は漫談師だったのですが、もともとは長唄三味線をやっていて、戦争で食べていけないから長唄をやめて漫談師になっています。そんな彼の人生の遍歴も、「こんな気持ちだったのだろうか」とビビッドに感じたりして......。自分の年齢のことや、友だちが病気になったりしたことも重なって「私のこの仕事は必要なのだろうか」と今も考えていますが、その"悩む時間"はきっと必要なことだと思います。そのきっかけは『BLUE RAIN』でした。ですので、やっぱり忘れられない一作です。

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――お客さま側も一丸となって協力して幕を開けた印象です。初日カーテンコールで池田さんが「開演前アナウンスでインフォメーションが長くて、来てくださったお客さまにこれだけたくさんのことをご協力いただかなくてはいけない状況になってしまったんだなと思うと胸がいっぱい」と話されていたのも記憶に残っています。その分、感動もひとしおでした。

東山:僕らもあの劇場の光景は忘れられない。不安の中で幕を開けたけれど、受け入れてもらえた、またここからやっていいんだなという実感をもらいました。

池田:みんなが我がことのように応援してくれていましたよね。あの高まり、一体感は忘れられない。

大沢:僕はこの初演はいつやったのか聞いて、昨年の7月だと言われて「え、よく完走できたね」と思いました。本当にすごいことだったと思う。

東山:毎公演、これが最後かもしれないと思いながら千秋楽までやりきりました。本当に本番の直前までマスクをしたままの稽古で、というのは今は当たり前になっていますが、僕にとっての初めての経験は『BLUE RAIN』だったな。

池田:すべて戸惑いでしたよね。まだ演劇業界内のガイドライン、ルールもできていない状態。PCR検査も(この時点ではまだ一般的ではなく)なかった。Zoomでの稽古も初めて。

東山:僕は最初の本読みの時、なかなかZoomに入れませんでした(笑)。色々な人を待たせている! と思ったら、よけい焦って、わけがわからなくなってしまって......。

池田:そんな人が何人もいて、初回は始めるまで30分かかったよね(笑)。

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――大沢さんは、今回が初参加。この『BLUE RAIN』という作品の印象は?

大沢:やはりコロナ禍に生まれた作品だというところにグッときました。何が印象的だったと聞かれ、まず浮かぶのは、舞台のセット。ビニールやパーテーションがセットに組み込まれ、しかもそれが物語に合っているんですよね。人間同士の隔たりや、関係性を断ち切る、そういう表現としてこのセットが活きている。一方で、普段の演劇作品にはなかなかないものが舞台上にあるというのは、役者にとっては負荷がかかるものでもあります。その負荷を、なんとか懸命に生きていこうというエネルギーに転換できればいいなと思って、稽古に励んでいます。

――ということは今回もあの舞台セットはあるのですね?

池田:はい。前回の演出を踏襲しています。ただ、少し禁止事項が緩和されてはいます。前回は本当に、俳優同士が接触することも基本的にはなかった。今回はもう少しコンタクトが取れるようにはなっています。

――演出は荻田浩一さん。初演はwithコロナらしい演出が際立ちましたが、その中でも"荻田ワールド"になっていましたね。

池田:荻田さんは、雲の上を行く高さの芸術性をお持ちなのに、なんだかお茶の間でみかんを食べながら話しているような客観性があって。その両極がクセになります。もう、ずっと面白い(笑)。

大沢:比喩が多いですよね。

東山:みんなにわかるように、色々な喩えで説明してくださる。

池田:この前なんて「そこ、スクールウォーズ!」って言ってました(笑)。

東山:でも今日、彩乃(かなみ)さんが「おぎちゃんの喩え、わからない!」って言ってました(笑)。ちょっと心の声が出ちゃってた。

大沢:僕は今年の春、『Same Time, Next Year』で荻田さんと初めてご一緒したのですが、僕が台詞を言いながら動いていたら、荻田さんも台本を見ながら同じ動きをしていて(笑)。あれ、一緒に演じている、と思って。

東山:その人の気持ちになって動いていますよね、荻田さん。

池田:振付もしてくれて、踊ったりもしている(笑)。おぎちゃんって、病みつきになる魅力がある。

東山:今回、歌唱指導が福井小百合さんになったということもあり、荻田さんと小百合さんのチームワークもすごいですよね。音をしっかりとりながら、そこに言葉をどう乗せるか。しっかり食らいついていきたいです。

大沢:小百合さんの指導、すごくわかりやすいです。こちらの心情に寄り添ってくれて、なぜ自分が出来ていないのかをわかった上で「こうしてみよう」と言ってくれるので。今回、目から鱗のことがいっぱいあります。

池田:私、小百合大明神と呼んでます(笑)。ダメ出しは辛辣ですごいのですが、小百合先生の言うことができるようになりたい! と思うもん。「歌、難しい!」と思うのと同じくらい「歌、面白い!」と思います。

――歌の話になりましたが......『BLUE RAIN』はとても綺麗な曲が多いですよね。

大沢:初めて聴いた時、初めて聴くのにかつて聴いたことがあるような気がした。それくらい旋律が"濃い"。この『BLUE RAIN』の世界にぐっと引き入れる力のある音楽ばかりですよね。

東山:確かに。歌、めちゃくちゃ良いですよね。僕も今回の再演の稽古が始まり、久しぶりにこの作品に向き合った時に、テーマ曲の『BLUE RAIN』を聴いて、泣きそうになりました。これこれ!って。

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――改めてそれぞれの演じる役柄について教えてください。

東山:僕の演じるルークは、ルキペール家の次男です。父のジョンが専制君主みたいな人で、ルークは幼い頃に父から虐待を受けていて、その反動で「絶対のし上がるぞ」というエネルギーを持ってNYに旅立ち、弁護士として名をあげてルキペール家に帰ってくる。そこから事件に巻き込まれ、その事件を解決しようと奔走する役柄です。

大沢:僕はその兄、テオを演じます。同じく父ジョンの虐待を受け、テオの方は反抗して家を出て行ってしまった。親の愛情に飢えて育ってきた人間特有の、もの悲しいオーラが出たらいいなと思い、そういうところを大事に作っていきたいと思っています。その瞬間は明るく笑っていても、あとに残る悲しさみたいなものを丁寧に作りたいです。テオという役は僕にとってはちょっと珍しいタイプの役です。でも自分と離れているからこそ、飛べることもある。今回はそういう挑戦をさせてもらっています。

池田:私はルキペール家に長く勤めている家政婦のエマです。住み込みの召使いですね。テオとルークのことは幼いころから見ていて、ふたりが大変な子ども時代を過ごしているのはもちろんわかっているし、自分自身もジョンの暴力の被害者でもある。でもやっぱり暴君の下で育たなければいけない子どもに救いを与えてあげたい、自分が暴力の傘になってあげたいと思うんだけれど......そこまでの力がないという、悩ましい役です。

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※本記事のお写真は同じくご出演の染谷洸太さんに撮影いただきました。染谷さんとの4ショット!


――最後に、この『BLUE RAIN』の好きなところ、素敵なところを教えてください。

大沢:僕はなんだかんだ言って、テーマソングが歌われるシーンが好きだな。クラブで『BLUE RAIN』を歌うヘイドンを見て、テオは「自分はもう必要とされていないのかも」と思ってしまう。あの時のふたりがなんか、いい。若々しくて、なんとも言えない切なさがあって。メロディの性質と、ふたりの悲しい生い立ちと、テオのマイナス思考というか......拗ねている感じが、なんともぐっときます。ストレートプレイだと、これをすべて表現するのに10ページくらい必要になりそうですが、ミュージカルだと歌で全部表現できる。歌の力だなと思うし、好きなシーンです。

東山:テオとヘイドンは、大人のピュアな恋という感じがいいですよね。今回ヘイドンが、初演の水夏希さんから彩乃かなみさんになったこともあり、テオとヘイドンのシーンの演出も少し変わっているんです。前回ダンスをしていたところがお芝居になっていたりもして。ビニールのシート越しに手を触れあったり、口づけを交わすのを僕は後ろから見ているのですが、もう、鳥肌が立つ。ふたりの切なさが、めちゃくちゃ素敵です。

池田:ほんと、ほんと。私は、テオとルークの兄弟が、すごく対立しあうんだけれど、ちゃんと愛し合っているのが伝わるのが好きです。すれ違って、会話はとんでもない方向に行ってしまったりするけれど、そういうことって実生活でもありますよね。兄弟愛があるのに......仲が悪いわけじゃないのに......と思いながら私はふたりを見ていて、切ないです。家族であればこそ、ギクシャクすることはありますし、そういうすれ違いも含め、いい兄弟。あと、客観的に見ていて、描かれる男性が色々なタイプがいて、面白い。ちょっと不器用で粗野なところもあるけれど、実はすごくロマンチックなテオ、頑張っている優等生、秀才タイプのルーク。もうひとり、庇護欲をそそるサイラスという男の子も出てきます。それぞれ違うタイプで、少女漫画的にキュンときますよ!

(取材・文:平野祥恵)

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中川晃教がアメリカン・ハイスクールの先生になって、音楽の素晴らしさを実技たっぷりに解説!? なんとも楽しそうなステージ『SCORE!!〜Musical High School〜』が7月24日、25日に明治座で開催される。ミュージカルのみならず演歌やポップス、アニメソングまで披露されるというこの舞台、生徒役には石川由依、上口耕平、おばたのお兄さん、佐藤友祐、徳永ゆうき、夢咲ねねと多彩なジャンルで活躍する面々が揃い、特別講師には坂元健児が参戦。音楽好き、ミュージカル好きにはたまらないステージになりそうだが、本作のみどころについて、《先生》中川晃教《特別講師》坂元健児《学級委員長》上口耕平に語ってもらった。

----どんなステージになるのか予想がつきません。台本もあるとのことですが、ミュージカルなのでしょうか、コンサートなのでしょうか。《先生》役の中川さん、教えてください!

中川 どちらでもあり、どちらでもないというところでしょうか。二部構成で、一部は私が先生役で生徒役の皆さんとの関係性の中、授業を行い、ミュージカルの面白さを届けていく。しっかりとしたシナリオがあり、今そこに、稽古をしていて、それぞれの人の個性が上乗せされつつあるところです。二部は一転してショータイムで、皆さんの持つ素晴らしさが存分にお客さまに伝わるような内容なのですが、ある意味一部で学んだことの回収が二部であったり......というようなところもあります。シナリオはちゃんとあるのですが、稽古ですでに、いただいた台本の上に自分の手書きの台本を用意されている方も......(と坂元さんに視線を送る)。
坂元 ははは!
中川 一方でこちらは完全に台詞を入れてきていて......(と上口さんに視線を送る)。
上口 僕は台本に忠実にやるタイプですから。
坂元 でももともと台詞どおりに言っていいという台本ではないんですよ。僕が勝手に変えたみたいに思われたら困ります(笑)。
上口 僕も最初は忠実にトライして、そこから膨らませていくのが大好き。どんどん広がっていきそうで、最高ですね!

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長年愛され続けているNHK Eテレの人気子ども番組「天才てれびくん」舞台化第2弾『天才てれびくん the STAGE~バック・トゥ・ザ・ジャングル~』が、2021年6月21日(月)にいよいよ開幕します(当初、6月19日(土)開幕予定でしたが緊急事態宣言により6月19日(土)・20日(日)の2日間は公演中止)。開幕を控え、今回は主演・矢部昌暉さんのインタビューをお届けします。

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◇台本を読んだ時の印象はどうでしたか?

コロナで色々と規制されている世の中で、「今、やる意味がある作品だな」と強く感じました。娯楽がテーマですが、「本当に娯楽は必要なのか?」、「娯楽の重要性」というものをわかりやすく描いてるので、子どもが観ても楽しめると思いますし、大人の方が観てもたくさんのことを感じてもらえる作品だと思います。

◇ご本人役ですが、役作りはどのようにしていますか?

自分役っていうのは、難しいですよね。でも、演出の小林さんとお話しさせていただいたときに、「みんなのパーソナルな部分をどんどん出していくような演出をしたい。」とおっしゃっていたので、キャラクターを作るというよりかは、"素の自分"に近い感じで演じていいのかなと考えています。ただ、僕はすごく人見知りなので、そこは直していきたいですね。今回は座長ですし、みんなとコミュニケーションをとって、引っ張っていけるように頑張りたいです。

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◇ビジュアル撮影はどうでしたか?

タイムスリップをして落ちていくイメージだったので、椅子に座って、「ワー!」という感じで撮影をしました。足を上げていますし、何度も撮りなおしたので、ものすごく腹筋を使いました(笑)。

◇作中でもタイムスリップをするようですが、実際に行ってみたい時代はありますか?

歴史がすごく好きなので、織田信長が生きていた時代に行ってみたいです。 武将たちの会談はどんな感じだったのかなっていうのも気になりますし、実際に会ってみたいですね。

◇最後に、どんな作品にしていきたいですか?

僕にとって「天才てれびくん」は原点なんです。だから、そこに帰ってこれた喜びもありますし、その当時を知っているスタッフの方や視聴者の方に、「矢部昌暉、成長したな!」って思ってもらえたら嬉しいです。もちろん、子どもたちにも楽しんでもらいたいですし、「てれび戦士ってカッコいいな!」思ってもらえる作品にしていきたいです。あとは、みんなで笑いあえる楽しい空気を作れるように、座長としてしっかりとみんなを引っ張っていきたいです。



公演情報
「天才てれびくん the STAGE ~バック・トゥ・ザ・ジャングル~」

<東京公演>
公演日程:2021年6月19日(土)~6月26日(土)
 ※6月19日(土)・20日(日)は緊急事態宣言により公演中止。
会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
チケット料金(税込)
・全席指定:8,500円
・U22チケット:3,000円(当日引換券)

<大阪公演>
公演日程:2021年7月10日(土)~7月11日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
チケット料金(税込)
・全席指定:8,500円
・U22チケット:3,000円(当日引換券)

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日本で一番上演されている戯曲と呼ばれている『楽屋―流れ去るものはやがてなつかしき―』
チェーホフの『かもめ』を上演中の劇場の楽屋で交わされる、女優4人の会話劇だ。
これまで数多の女優たちが挑んできたこの名作に、彩吹真央大月さゆ小野妃香里木村花代という実力派女優たちが挑む。
4人がいま感じている、本作の魅力とは......。

――皆さん主にミュージカルを主戦場にしていらして、共演経験もあるかと思います。勝手に「仲良し4人組」という印象があるのですが、ご自分たちはこの4人で『楽屋』を、と聞いた時はどう思いましたか。

木村「私は実は、皆さんとお芝居で絡むのは初めてで。ゆみこさん(彩吹)とさゆちゃんは事務所が一緒で、コンサートでゆみこさんとデュエットしたりということはあるのですがお芝居での共演はなく、さゆちゃんとは初めましてに近い。ひーさん(小野)とは本当に初めましてですし」
小野「私はこのお話をいただいてびっくりしました。花代さんとは初めてなのですが、実はこのコロナ禍下で、おふたり(彩吹・大月)と何かやりたいなと思っていたんです。そうしたらふたりの名前があったので「うそーん!」と(笑)」
彩吹「ひーさんが引き寄せちゃったんだね」
大月「私も意外で、びっくりドンキーでした(笑)」

――お稽古場はどんな雰囲気ですか?

木村「楽しいですよ」
小野「楽しいですよね。お芝居させてもらえることが、楽しい」
彩吹「私も、久しぶりに濃密な芝居なので。創作していく過程が好きなので、稽古場で"蓄積"(※劇中のセリフの引用です)されていく感じが肌で感じられて楽しいなって毎日思います」
小野「共演者に対しての信頼感がありますしね」
木村「ひーさんは、笑いすぎ! いつも変なところで笑いだすんですよ」
大月「よく震えていますよね。ゲラですか?」
小野「ゲラ。何でもないところでハマっちゃう。いまマスクしているからちょっとのことじゃバレないかなと思っているんだけど、マスクとるのが怖いくらい(笑)」
彩吹「私はそれを前から見ていて「ひーさんはどこにツボったんだ...」と詮索しています」
小野「何で笑ってるんだろうね。たいてい自分自身に対して笑っちゃってるかも。なんでこんな言い方したんだろう! とか」

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ゴジゲン第17回公演『朱春(すばる)』が4月1日(木)から11日(日)まで上演されます。

約1年3カ月ぶりとなる新作公演で、約4年ぶりに「ゴジゲン」のメンバーのみ(奥村徹也・東迎昂史郎・松居大悟・目次立樹・本折最強さとし・善雄善雄)での上演となる本作。どのような作品になるのか、作・演出の松居大悟さんと、目次立樹さんにお話をうかがいに行くと、『朱春』はもちろん、劇団の話や、ゴジゲンのYouTube「ゴジゲンのゴジtube」までさまざまな話題が飛び出したので、ぴあニュースに書ききれなかったことを、げきぴあでお伝えします!

***

――『朱春』の具体的な内容はまだ構想中とのことですが、現段階ではどのような作品にしたいと思われていますか?
松居 どんなふうにしたらいいんだろうと思っています。
目次 ははは!

――というのは?
松居 公演初日の4月1日がどんな世の中になっているのかが読めないので。ようやく演劇観れるぜ!という状況なのか、なんとか勇気を出して劇場に行くという状況なのかで違うなと思っていて。それを言い訳に考えてないです(笑)。ただ、劇団員6人だけでやるのも第14回公演『くれなずめ』('17)以来ではあるので、コアで狭い話にしたいし、くだらない話にしたいですね。多分、「居場所」にまつわる話になるんじゃないかなと思っています。

――「4月1日がどんな状況になっているかで違う」というのは、やはりこの状況が作品に影響を与えているということでしょうか。
松居 そうですね。多分どの劇団もクリエイターもそうだと思います。どっちに振ればいいんだろうというようなところで悩んでいて......日常の些細な幸せを愛おしいとするのかとか。去年、僕もいろいろ観に行ったのですが、そこで描かれていることは世の中からとても影響を受けていて。いかに自分が生きるかとか、半径5センチくらいのことを切実に描いているものが多かった。こうするしかない気もするけど、果たしてそれでいいのだろうか、みたいな。世の中を見すぎるとそうなるなって。それと、舞台『大地』を観た時に、めちゃくちゃ初期のコメディみたいな感じをやられていたのですが、僕の一席離れた隣の方が、笑いながらすごく泣いていて。きっと久しぶりにお芝居を観たんだなと思って、多分、笑えたことに安心したのかな。なんかそれがね、結構グッときたんですよね。カーテンコールで相島(一之)さんとかも泣きそうな顔でお辞儀されていて。劇を、生で観られたことも、上演したことも、素晴らしいと思いました。そうやって、笑えることが嬉しいなと思えたらいいなとか、考えたりもしています。

――目次さんはどんなふうに思いますか?
目次 僕は今、個人的な好みがどんどん、音楽でも、オールディーズだったりクラシックだったり、よりスタンダードと言われるものがよくなっていて。ドラマや映画も同じで、その時代を反映していることも大事だとは思うのですが、テーマが普遍的なものにしか興味がなくなっちゃったんですよ。この作品も、もちろん4月1日の状況もあると思うんですけど、スポーンとはねのけるくらいに、「自分たちはこれ!」っていうのが観たいっちゃ観たいかもしれないなと思っています。
松居 世の中を気にせず。
目次 そう。前作の『ポポリンピック』でオリンピックやパラリンピックを扱ったというのもありますが、今回はそういう時事ネタではなく、ゴジゲンのエッセンスが濃いものがいいなって。

――目次さんにとっての「自分たちはこれ!」はどういうところだと思われていますか?
目次 「僕らおじさんが青春を謳歌しているような姿」というのはちょっとありますね。例えば甲本ヒロトさんのような、どんどん年を重ねていくけどスタイルを貫き続けるあの姿勢がカッコいい。ゴジゲンもそういうふうになれたら、みたいな気持ちがあります。......若い人がどう僕らを見るのかはちょっと怖い部分でもありますけど。

――怖いですか?
目次 「この人たちいい年してなにしてんの」みたいなのはあるのかもしれない。でもそんなの関係ないっすよ!って気持ちです。

――目次さんが『朱春』で楽しみなのは。
目次 謎のワクワク感と安心感があります。脚本がない状態でも別に不安ってこともないですし

――それは信頼なんですかね?
目次 そんなカッコいい言葉では語れないかもしれないですけど(笑)。
松居 タイトルが岩松了さんの戯曲みたいじゃないですか?

――(笑)。確かに。それはどうしてだったんですか?
松居 側(がわ)から考えたんです。今回はタイトルをシンプルにしようと思ったのと、『青春』の次は『朱夏(しゅか)』というのですが、僕らは青春は終わったけど『朱"夏"』まではいってない気がする。『朱"春"』くらいがちょうどいいと思って。そしたら漢字がカッコよくて。演劇の賞でもとりそうな。
目次 賞、目指してたんだね。知らなかった。
松居 (笑)。でも、外よりもきれいな桜が見られる舞台になると思います!

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――先ほど、「居場所」にまつわる話とおっしゃっていましたが、それがテーマになりますか?
松居 きっとそうなると思います。パーティーの話なので。居場所というか、価値観というか。

――なぜ今、それをテーマにしたいと思われたのですか?
松居 個人的なことなのですが、最近はゴジゲンのメンバーも各々の大切な居場所ができはじめて、前はずっとうだうだしていたのに「稽古が終わったら家に帰りたい」という感じになってきました。僕はそれが寂しいから、それについてみんなで考えたいなと思っていて。答えは出なくてもいいんですけどね。
目次 仕事とか家庭とかあって、今は、稽古早めに切り上げてみんなでご飯食べて酒飲もうぜ、みたいなノリではいられなくなっていて。でもその時間は、作品にとって大事な時間でもあったんですよね。変わらないと思っていたものが変わっていくという状況は良くも悪くもありますね。
松居 一生このまま続くんだろうと思っていたことが「そうは言ってられない」となったときに、足首掴んでそうさせないようにするのが正しいのか、それぞれの生活に送り出すのが正しいのか......わかんないですけど。メンバーそれぞれで価値観が違うから、それを話したら、繋ぎとめられるんじゃないかって(笑)。
目次 はは!

――松居さんとしては繋ぎとめたいんですね。
松居 うん。

――だって楽しいんですもんね。
松居 1年の中でこの(稽古と本番の)2カ月が楽しみ。

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――目次さんにとってはどうですか?
目次 たしかにこの2カ月ってけっこう自分勝手でいられる時間ではあります。他のメンバーもそうで、他の現場だとやっぱりみんな「仕事」って感じで目の色も違うんですけど、ゴジゲンだと緊張もなんもないし、したらいけないこともほとんどないですし。スベッても奥村がツッコんで笑いにしてくれるし(笑)。結構わがままな時間なんだと思いますね。
松居 初期衝動みたいなものがここには詰まっているから、大事です。ちゃんとしなくてもいいというか、やりたいことだけ詰め込めたらいい。

――そういうところが注目もされるところなのかもしれないですね。
松居 いやいやいや、そんなに注目されてますかね?

――されてると思いますが、目指すものがありますか?
松居 チケットとかすぐ売り切れたい。
目次 それはうれしい(笑)。

――そこも目指しつつ、このスタイルで。
松居 そうですね。今話したことと矛盾しちゃうんですけど、「話題になりたい」というのはなくて。前に、売れようとしたから'11年にバーストしたし(ゴジゲンは'11年から3年間活動を休止した)。衝動のままなにか面白いものをやっていて、それをお客さんも面白がってくれてる状態を目指しています。難しいんですよね、だから。お金取っていいのかな、とか思う時もあります。
目次 俺ら楽しいだけだもんな、みたいなね。
松居 ただ、かといって「チケット代に見合うものをお届けせねば」みたいなことを考えることもないんです。スタッフさんたちの力もあって、結果的に価値のあるものになってよかったって思うんですけど、最初から「3800円取れるものにせねば」とか思うと息苦しくなっちゃうから。矛盾したつくり方ですけど。「気付いたらできるでしょ」って言いながらつくっていきたい。でも最近はそうなりやすくなってきた気がします。

――稽古場で、皆さんでつくっていくスタイルですもんね。
松居 僕は、気付いたら出来上がっていたらいいなと思ってるから。稽古という稽古をしないまんま、いつの間にか作品が立ち上がっているっていう。そりゃ先に台本があったほうがいいし、こういう取材でちゃんと内容を伝えられたほうがいいし、それは僕もわかっていて、多分、しようと思えばできるんです。でもそれをしちゃうと仕事になると思うと、難しい。

――ザ・仕事にはしたくないんですね。
松居 「チケット代に見合うコンテンツを"演劇ができる手順"に従ってつくりあげる」とか、「起伏がちゃんとあって、お客さんが最後に拍手したくなるもの」みたいなことを理詰めでやっていくと、とても、なんか、もたなくなるような気がする。
目次 うん。
松居 なので、そこに逆らいながら飯を食うことを一番にしている。ただその飯を食うことが難しくなってきた、みたいな。いろんな矛盾の中にいますね。

――ただ、松居さんは映画とテレビドラマもやられていますよね。そこは違うのですか?
松居 映画とドラマでも違います。ドラマは最近だと『バイプレイヤーズ』になりますが、映画は劇団とは違うもっと具体的な「こういうことを描きたい」とか「こういうものを伝えたい」とか「観た人のなにかを救いたい」とかをすごく思って、そこに向かって、感覚的に、できるだけ今までの映画のロジックにハマらないようなつくり方をしようとしています。ゴジゲンは、ひとつのテーマがあって、そこでみんなでうだうだすることにしているのですが。

――映画は「観る人」が先に立つんですね。
松居 監督なので「責任を取らねば」というのももちろんありますし。映画館に足を運んでもらいたい、というのがあります。ゴジゲンはなんか違うんですよね。「演劇を観に行く」というよりも、「ゴジゲンを観に行く」になってほしいし。失敗していたら「今回はダメだったね」となるような軍団だったらいいなというか。衝動的であり、実験の場所であり。だからドラマだけですね、ちゃんと仕事してるのは。
一同 (笑)
松居 ずっと個人的な感情でつくっていたいんですよ。大人になればなるほど、そうじゃないほうがいっぱい仕事できるってことは気付きだしてるんですけど、無理だなと思って。

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――松居さんがYouTubeをやりたいという噂をうかがいました。(取材時は公開前)
松居 長くなっちゃいますよ?
目次 今一番熱いですよ?

――(笑)
松居 みんな稽古が終わったらどんどん帰るようになっているなかで、YouTubeとかがあればちょっと話さなきゃいけないことが増えると思うんですよ。

――え、帰したくなくて!?
松居 ははは!あとはこのプラットホームがね。演劇が完全に元通りになるのがいつになるかわからないから。ひとつ、劇団の表現の場があったら安心だなって。メンバーも面白いし、それが伝わればいいなって。

――なにをするんですか?
松居 モーニングルーティン。
一同 (爆笑)
目次 やばいですよね(笑)
松居 でも劇団ってYouTubeをあまりやってないんですよ。というのも表現が真逆だから。演劇って「劇場まで足を運んで、高いお金払って、その時にしか観られなくて、期間が過ぎたら跡形もなくなって記憶にしか残らない」という芸術だけど、YouTubeはいつでも観られる。やっぱ手を出しづらいんですね。なので敢えて。

――楽しみです。いつから配信するのですか?
松居 来週からやります。(配信中▶「ゴジゲンのゴジtube」

――目次さんもなにかするのですか?
目次 やりますよ。担当のコーナーができているので。

――楽しみなことは?
目次 いや、もう.........仕方ない。
一同 (笑)
目次 主宰のわがままなんで。誰一人文句言わないのがすごいなと思います(笑)。
松居 でも「大丈夫?引いてない?」って聞いたらみんな無言でした。
目次 あはは!

取材・文:中川實穂

ゴジゲン第17回公演『朱春』は、4月1日(木)から11日(日)まで東京のザ・スズナリにて上演。チケットは現在発売中。

チケット情報はこちら

1217日(金)から27日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演される『成井豊と梅棒のマリアージュ』。

※公演概要はこちら:http://napposunited.com/mariage/

plat de 成井豊】と【plat d' 梅棒】の2バージョンで上演されるこの公演は、ざっくり特徴を言うと、

◎共にオムニバス形式

◎それぞれのバージョンのベースは、成井豊と梅棒ならではの作品

◎【plat d' 梅棒】には一作、成井が書き下ろしの戯曲・演出で参加

◎【plat de 成井豊】には遠山晶司演出・梅棒振付で梅棒スタイルのシーンが挿入される

◎それぞれのバージョンに、成井が代表を務める「演劇集団キャラメルボックス」(現在活動休止中)のメンバーと「梅棒」のメンバーが出演し合う

というものですが......この劇団の存在が演劇の道の始まりという人も多い「演劇集団キャラメルボックス」の代表である成井さんと、台詞を使わずダンスと音楽でストーリーを見せるスタイルのエンタテインメント集団「梅棒」が、一体どう"マリアージュ"するのか。想像がつかないですよね!?

というわけで!

始まったばかりの稽古場で、成井豊さんと、梅棒の遠山晶司さん・天野一輝さん・野田裕貴さんにお話をうかがってきました。たっぷり全3回連載でお届けします!

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*****

――まずは、プラ...プラ......

遠山 【plat de 成井豊】は「プラドゥナルイユタカ」、【plat d' 梅棒】は「プラドゥメボウ」と読みます。

――ありがとうございます(笑)。まずは【plat de 成井豊】と【plat d' 梅棒】作・演出の成井さんと遠山さんからそれぞれの作品についてうかがいたいです。

成井 【plat de 成井豊】は、7つのストーリーからなる連作短編集です。全編つながったラブストーリーですが、一話一話が独立しています。雪という女の子と、和彦という男の子が高校2年生から11年の時間の中で結ばれていくストーリーで、雪をキャラメルボックスの原田樹里、和彦を梅棒の野田くんが演じます。まさに「キャラメルボックス」と「梅棒」が恋をするお話です。7本のうちの6本がふたり芝居で、5本目だけ登場人物が8人いて、ここに梅棒のメンバーがどっと出てきます。

――1作目だけはキャラメルボックスや梅棒が出演したMrs. fictions『15 Minutes Made Anniversary』('17/6団体が15分の作品を上演した企画公演)で上演された作品ですが、約2年ぶりのオリジナル新作になりますね。

成井 はい。まず短編集をやるのが初めてで、さらに今回、リアリズムです。僕のお芝居はたいていファンタジックな要素が入るのですが、これは7話全部が現実です。

――かなり新鮮な。

成井 はい。さらに1本約15分なんですけど、すべて時間が飛んだり場所が飛んだりしない一幕ものです。僕は一幕ものも書いたことがなかったんですよ。2時間で一幕ものをやる勇気はないんだけど、15分だったらなんとかなるんじゃないかと思って。

――初めてづくしですね。でも、2時間でひとつの話をやる勇気がないというのは?

成井 私、飽きっぽいので、時間とか場所が飛んでくれないと「まだこのシーン、続くのかよ」となっちゃうんですよ。そういう意味で勇気がなかった(笑)。でも今回、書いてみて、照れくさいですがかなり自信があります。面白いものができたんじゃないかと思っています。

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――楽しみです。【plat d' 梅棒】の話もうかがいたいのですが、その前にこの【plat de 成井豊】と【plat d' 梅棒】は、遠山さんが付けられたそうですね。

遠山 そうです。

――どうしてこのようなタイトルに?

天野 これは企画の話になるので僕がお話します。今回、オムニバス形式だから全体をくくるタイトルに苦労したんですよ。それで、遠山は料理が得意で、フランスで修業もしていたので、そこにかけて『成井豊と梅棒のマリアージュ』となりました。それぞれのバージョンの呼び名は良いフランス語がないかを遠山に尋ねて決まりましたね。つまり遠山を推したタイトルです。

――(笑)わかりました。【plat d' 梅棒】はどのような作品ですか?

遠山 こちらは4本のオムニバスでして、1本は、先ほども出てきた『15 Minutes Made Anniversary』で上演した作品(作:伊藤今人・遠山、演出:遠山)になります。2本は僕が作・演出の新作です。そしてもう1本は、成井さんの書き下ろしの本で演出もしていただいて梅棒のメンバーがストレートプレイをやる、という作品です。

――梅棒でストレートプレイは初ですね!

遠山 梅棒の作品は基本的に台詞を使わずダンスで表現する作品なのですが、メンバーの中には役者から始まった人間もいますし、なによりせっかく成井さんとご一緒できるということで、成井さんの脚本でやりたい、そして演出もつけていただきたいという我々の願いがあって。今回、こうなりました。それ以外の作品にはキャラメルボックスの皆さんに入っていただいて、僕ら梅棒の、台詞のない作品を一緒にやります。

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――梅棒の公演はこれまで基本的に伊藤今人さんが総合演出としてやってこられましたが、今回、遠山さんが演出をされるのはどうしてですか?

遠山 以前から、(梅棒のプロデューサーでもある)天野に「やりたい」ということは言っていたんですよ。

天野 実はこれが今回の企画の発端でもあるのですが、僕も遠山が演出する公演をつくりたいなと思っていまして。と同時に、梅棒のメンバーが台詞を喋る姿もお客さんに見せたいなということも考えていました。だからと言って急に梅棒の本公演で2時間のストレートプレイをしたらお客さんもびっくりしちゃうと思うので、"THE 梅棒"と"新しい梅棒"が同時に観られる企画として、短編のオムニバスをやろうと考えていて。その流れで、ストレートプレイの脚本を成井さんに書いていただけませんかというお願いをしていたんですよ。そしたら、その時期に成井さんも公演をやる予定があって、しかも短編をやろうとしていてるという話を聞いて。「ということは諦めたほうがいいかな」と思っていたら、「だから一緒に公演をやりませんか」という上をいくご提案をいただいて(笑)。なんてラッキーなんだと思い、今回に至りました。

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――すごいですね!

天野 もともと梅棒は、伊藤今人が総合演出をしていますが、各楽曲ごとの振付・構成はそれぞれメンバーに割り振ってつくっています。その中でも遠山は、起承転結のポイントとなるところを担当していることも多いですし、そもそも生み出すものが多いタイプだと僕は思っていて。ダンスで台詞なしで見せるというスタイルは同じですが、今人と遠山で演出の手法もまた違うので、いつも梅棒を観てくださっている方にも楽しんでもらえたらなと思います。

――梅棒の新しい表現がふたつも。

天野 はい。梅棒は今年2月に第10回公演という節目の公演をやって。次のステップという意味でも、いろんな新しい姿を知ってもらいたいので。

――野田さんは両方に役者として出演しますし、【plat de 成井豊】では大事な役どころを演じられますが、今どのように感じていますか?

野田 すごく贅沢な時間を過ごさせてもらっているなと感じています。稽古場も隣同士で、役者は行ったり来たりしながらやっているんですよ。

――でも大変ですよね。ふたり芝居に梅棒のダンスに。

野田 ボリュームがあるので頭がいっぱいになることはありますが、成井さんの脚本は最初に脚本を拝見したときからグッと来ていて、自分がこんな大事な役に選んでいただけるのもびっくりですし、キャラメルボックスの方々のお芝居も楽しみですし、頑張らなければいけないなという気持ちでいっぱいです。梅棒のほうも、普段梅棒の本公演に出ていただいている客演さんの力も借りつつ、キャラメルの皆さんと一緒にやれるのが新鮮で。そもそも梅棒の公演で、これだけ役者さんの比率が大きいのは珍しいことでもあって。

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――役者が多いからこそのものもありますか?

野田 まだ始まったばかりですが、キャラメルボックスの皆さんは演技力がすごいですから。"成立させられる力"のようなものを感じています。僕も一緒にやれて新鮮ですし、すごく勉強になるなと思っています。

天野 特に今回梅棒はイレギュラーなつくり方をしていて、振付ではなく、動きの流れ・構成だけを先につけているのですが、皆さんが「このシーンは、こういう感情だからこうなって、こう動きたいんだ」ということをすごい瞬発力で出してくださるんですよ。だから、まだ振付もないのに「あれ? できた?」という気持ちになります(笑)。これは普段の梅棒の公演ではない感覚なんです。うまく言葉にできないのですが、動いてるだけですごい説得力なんですよ。

その②につづきます!)

取材・文 中川實穂
撮影:源賀津己

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2020年9月1日、吉田都が新国立劇場の舞踊芸術監督に就任した。任期最初のシーズンの開幕は、古典バレエの傑作『ドン・キホーテ』。大原永子前芸術監督在任中の5月に上演を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でキャンセルとなった演目だ。吉田新芸術監督に、作品の魅力と今後の抱負を聞いた。

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「任期は4年間。やるべきことをどんどんやっていかなければいけないけれど、とても楽しみ。ワクワクしています! こういう時だからこそ、劇場をサポートしよう、応援しようという空気が強く感じられて、ありがたいです」と吉田は就任直後の思いを明かす。
最初の公演『ドン・キホーテ』は、セルバンテスの同名小説を題材とした、マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー振付による古典バレエの傑作。スペインを舞台に繰り広げられる若い男女の恋物語は、民族舞踊を取り入れたダイナミックな踊り、闘牛士やジプシーたちの活躍、森の妖精たちの美しい群舞にえ、コメディの要素たっぷりと、堅苦しさとは無縁の楽しいバレエだ。6組の主役キャストが日替わりで登場、日本のバレエ公演としてはめったにない豪華さも話題に。「大原永子先生が強い思い入れをもって組まれたキャストです」と、吉田は前任者の気持ちをしっかりと受け継ぐ。

「開幕にふさわしい舞台です。クラシックの要素も、コミカルな演技も楽しんでいただける『ドン・キホーテ』には、バレエの醍醐味が詰まっている。様々な演出が上演されていますが、新国立劇場のアレクセイ・ファジェーチェフ版は、その中でも最もオーソドックス。ここを押さえておけば!という作品です」

出演するダンサーたちについても、「先日、一人ひとりと面談をしたのですが、皆、個性あふれるダンサーたちです。でも意外と、ステージに上がるとそれをひゅっと引っ込めてしまう(笑)。舞台でももっとそのキャラクターを出してほしいので、『ドン・キホーテ』はぴったりだと思うのです!」と笑顔で語った。

英国ロイヤル・バレエ団初の日本人プリンシパルとして活躍した吉田。演劇の国で長くキャリアを積んだ彼女の指導力が、今後、どう活かされていくかも興味深い。自身の経験から、一人ひとり、いまいちど基礎に立ち返ってもらいたいとも強調。

「技術的なことはバレエスタッフが細かく見てくれるので、私はもっと演じること、見せることに意識を向けています。理想はすごくクリアにある。皆にはもっと自由に表現してほしい」

1月の〈ニューイヤ・バレエ〉、2月の〈吉田都セレクション〉ほか、趣向を凝らしたラインナップにも期待が寄せられるが、実は、「この劇場のオリジナル作品が意外と少ないということにも気づきました」と新たな課題にも触れた。当初、シーズン開幕に予定されていた『白鳥の湖』は、海外からの指導者、スタッフの招聘が叶わず延期せざるを得なくなった。そんな中で、「バレエ団のカラーをもっと出し、自分たちで育てていける作品が必要ということも感じたのです」と意欲を示す。
バレエの楽しさを、もっと多くの人に知ってもらいたいという思いも強い。
「今回の舞台は、有料動画配信という新たな試みに取り組みます。リハーサル風景の生配信の予定も。そうすれば日本全国の方にもバレエを楽しんでいただけますね。海外からのお申し込みもいただいています。劇場の中でも、もっとバレエを知ってもらうためのエデュケーショナルな企画にも取り組んでいきたい」

すでに様々なアクションを起こしている新芸術監督。『ドン・キホーテ』は、まさにそのスタートとなる晴れやかな舞台となる。公演は10月23日(金)から11月1日(日)、東京・新国立劇場オペラパレスにて。

加藤智子

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昨年、まさかの舞台化で話題を呼び、連日満員御礼となったLIVE ミュージカル演劇『チャージマン研!』の第二弾LIVEミュージカル演劇「チャージマン研  R-2」10月10日(土)から東京・新宿FACEにて上演されます。

本作は、昭和40年代に制作放送され、平成になってそのチープでクオリティの低い内容がネットやテレビで爆発的に人気になり、新たなファンを獲得したアニメ「チャージマン研!」を原作にした舞台。しかし、主人公・研が4人(クアトロキャストではないです)いることをはじめ、かなり型破りな作品です。初演では、公演中に舞台では前代未聞の"毎公演無料配信""本番中も携帯での写真撮影 OK"にしたことで、連日 SNS でも話題を集め、当日券の列が日に日に長くなり、入り切れなくなるほどでした。

キャストは初演から引き続き、古谷大和、安達勇人、星元裕月、篠原麟太郎、浜ロン、村上幸平が出演。演出はキムラ真(ナイスコンプレックス)、脚本は伊勢直弘、音楽は手島いさむが手掛けます。(公式HPはこちら https://www.lol-w/cha-ken_r2/

果たしてどんな舞台になるのか......!
というわけで、新キャストの藤原祐規さん東拓海さん、アムロレイ芸人として有名な若井おさむさん、そして吉井プロデューサー(以下、吉井P)にお話をうかがいました。

*****

――LIVE ミュージカル演劇『チャージマン研!』第二弾はどのような舞台をイメージされていますか?
吉井P 基本的には初演と同じスタイルです。前回の爆発力がすごかったですからね。普通だったら「じゃあまた違うことをやろうよ!」となるところですが、この作品はスタッフもキャストも「同じことをやろうよ」という声があがっていて。

――初演はお客様からどんな反応がありましたか?
吉井P 「とんでもないことをやったね」「クレイジー」という(笑)。

――(笑)。わたしも拝見しましたが、確かにクレイジーでした。割とお客さん同士もお喋りをしながら観ていたりして、応援上映的な空気もありましたよね。
藤原 え、本番中にお喋りってことですか?

――はい。
藤原 すげえ!(笑)
吉井P 前回はお喋りを止めなかったですね。今回はコロナ対策で席も離れるし、マスクもしてるので、お喋りはできないと思いますけど。

――コロナ対策で変わらざるを得ないところもありますか。
藤原 あ、でもこれ、コロナ対策かわらないですけど、構成案に「口パク」っていう単語が何度も出てきてて......飛沫予防にはなりますよね。
一同 (爆笑)
吉井P これも感染対策です! 言葉を発しない!
 舞台で口パクって、やる側も想像できない......。
一同 (笑)

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――東さんは今回初めて研を演じますが、初演を劇場でご覧になったそうですね。
 はい。もう衝撃がすごくて......。アニメを見ずに行ってしまったので、本当にわけがわからなかったです(笑)。でも原作をご存知のお客様がすごく盛り上がっているのを見て、すごくいいなと感じて。だから今回やれるのはとても楽しみです。

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――何を求められる舞台だと思われていますか?
 僕は再現性だと思っています。原作の細かなニュアンスとか、そういうところがお客様の面白いと感じられた部分だと思ってので、そこは大事にしつつ。でも研が4人いますからね。そこはそれぞれの個性も必要だと思います。

――藤原さんは今回は星君役ですが、初演では声の友情出演ということで参加されていましたよね。
藤原 はい。なので初演は衣裳を着た通し稽古を見学しました。これがどうお客様に受け入れられていくんだろうってことが気になって。そしたらネットニュースとかでもバンバン出てくるし、今回も出演する古谷大和からは「ふっきーさん、次は絶対出たほうがいい」って言われるし。
一同 (笑)

――古谷さんはなんでそうおっしゃったんですかね?
藤原 わからない(笑)。本当にわからないことがとても多い舞台です。

――若井さんも研役ですが、そもそもこの作品はどのくらい把握されていますか?
若井 オファーをいただいたとき、アニメは知っていたけど、舞台化されていたことは知らなかったんですよ。それで「研が4人いるうちの1人だ」って聞いて、「どういうことや」と思って。

――(笑)。そうですよね。
若井 一応、インターネットで調べて、そしたら少しだけ初演の動画があったので見てみたら、なんかすごくみんなでワイワイやってて楽しそうだなって。普段、僕は大人数でワイワイやるのは苦手なんですけど。
一同 あはは!
若井 でもそこはせっかくなので、演技としてワイワイ......
一同 (爆笑)
若井 いや、本当は普段のときも中に入りたいんですよ。でもやり方がわからない! みんなでワイワイやるやり方が。だから、演技の中でワイワイして、そのままのノリを皆さんとできたらなと思っています(笑)。あと、音楽が手島いさむさんというのが楽しみです。僕は30年以上前から、手島さんが所属するバンドの大ファンなので。

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――手島さんはどんなふう音楽をつくられるのですか?
吉井P 手島さんは僕らの話を聞いて、意見もちゃんと言ってくださるので、そこが面白いです。あと、初演でも某作品をパロッたシーンがありましたが、今回も似たようなシーンがありまして。先日の打ち合わせでは、「そこもちゃんと作るから」と言ってくださってましたね。本気でパロッた音楽を作ってくれるんですよ(笑)。

――すごい! それは楽しみです。ちなみに今作の内容も気になるのですが、藤原さんが星君という第4話に出てくるイケメンの役なので、第4話をやるということですか?
藤原 それが......。
吉井P (笑)
藤原 どうやら4話はやらないんですよ。

――え......?
藤原 今、頭を抱えましたね? 僕、まさにそういう状態です。僕は何をしにいくんだろうってところが不安です。
一同 (笑)

――お客さんは第4話を観た前提で台本を書くということなんですか?
藤原 これはまだ僕の想像ですが、アニメの星君は第4話に出てくるんですけど、その前だって一応その世界にはいるわけじゃないですか。だからそういう感じで出てくる。普通に星君として違う話に。研の同級生とかとして出てくるっぽいです。多分。

――それは不安ですね。
藤原 (即答で)不安ですよ。
一同 あははは!

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――ちなみに藤原さんはこの中では一番舞台の経験が豊富ですが、この作品は難しく感じるものですか?
藤原 とても。

――(笑)。
藤原 予想ができない、準備ができないので。
吉井P ははは!

――求められるのってなんですかね?
藤原 引き出しだったり、ひらめきだったり、アイデアですかね。でも、演出のキムラ(真)とは何本も一緒に作品をつくっているので、キムラと相談しながら、みんなと相談しながら、やっていきたいと思います。

――若井さんも不安なこと、ありますか?
若井 4人の研の中で、僕、ダントツで年いってるんですよ。今47歳で、50前なんですけど。歌って踊るらしいので、踊りなんてできるのか......体力は持つのか......。そこはかなり心配ですね。僕、そもそもミスキャストだと思ってるんですけど。
一同 (笑)
若井 この中で、一体どういうカタチで僕は演出されるのかなっていうのが、楽しみでもあり、不安でもありますね。

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――そもそもなぜこの作品のオファーを受けたのですか?
若井 それは逆に僕が聞きたいところです! なぜ、僕にオファーがきたのか。男前の方ばかり出られてますし。20人くらいに断られて最後に残ったのが僕やったんやな、と思って。ただ来たものを断るというのは僕の中ではないですから。せっかくお声がけいただいたので、ぜひやらせていただきますということで引き受けさせていただきました。
藤原 でも僕、若井さんは「なるほど」と思いましたよ。絶対おもしろい。
吉井P 僕もそう思ってるんだよね。絶対おもしろい。
藤原 ちなみに、アニメの研役の声優さんはアムロの声優さんとは違う方じゃないですか。若井さんはどういくんですか? アムロでいくんですか?
若井 いやいや、アムロでいこうというのはないです。でも声を張ると、アムロになってしまう。
一同 (笑)
藤原 そこがもう面白いですよね。まず絶対かぶらないから、他の3人と。
若井 でもそれ、逆に邪魔しません? 邪魔をしない感じでできたらなと思ってますよ。研の声もしっかり研究して。
吉井P いやいや、研の声を真似る必要はないですからね。
藤原 他のキャストも研を真似するわけじゃないですから。
吉井P 安達勇人なんて茨木弁ですし。
若井 え、そうなんですか......探り探りやっていきます(笑)。

――東さんも研役として、今までとちょっと違う芝居になりそうですよね。
 そうですね。でも一回やってみたいなと思っているのが、"真面目にやること"です。
藤原 ああ、それはアリだと思う!
 アニメは正味5分位の中であの展開なので突拍子もないですが、今回、その絵と絵の間の出来事を本気で考えてみたらどうなるんだろうと思っていて。それを一回やったうえで、演じてみたい。......ダメだったら投げます(笑)。
一同 ははは!

――初演はどんな感じでつくっていかれたのですか?
吉井P セリフを4回繰り返すというアイデアは、キムラさんが稽古初日に持ってきたんですよ。前の晩まで「まだわかりません。どうしましょう」ってLINEが来てたんです。でも、初日に4回繰り返しますって言った瞬間から、見えてきた感じはありますね。今「真面目にやる」って話をしてたけど、最初の読み合わせはみんな大真面目に繰り返して読んでいて、大爆笑だったんですよ。
一同 へえ~。
吉井P でも稽古を重ねていくと、その面白さが普通になっていって、足りないんじゃないかって気持ちになるじゃないですか。

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――コメディあるあるですね。
吉井P で、どんどんエスカレートしていって、本番一週間前くらいに「ちょっといきすぎてるよ」って僕が止めたんですよ(笑)。それで少し戻して、本番を迎えました。
藤原 なるほど。足し算したくなる。
吉井P なるよね。キャストからアイデアも出てくるし。どんどん発展していくし。

――前回はニコ生での配信も面白かったですね。
吉井P 今回もやります。あのニコ生でのお客様の盛り上がり方......弾幕の使い方だったりとか、あの遊び方はこの作品にすごく合ってるなと思っていて。実はこの遊び方が、若井さんのオファーにも繋がっているんですけど。若井さんが研として登場したときに、どんな弾幕が流れるか。僕らがどうつくろうと、若井さんがどんな芝居をしようと、そこに必ず登場する言葉があると思うんですよね。
藤原 ありますね!
吉井P そうやって、お客さん同士でも楽しんでくれたらいいなと思っています。

――配信は今の時代にとても合いますね。
吉井P だから劇場に来れない方も存分に楽しんでいただけると思います。

――キャストの皆さんはこの作品だからこそできることもあると思うのですが、何か企んでいることはありますか?
東 前回観たときに「僕はふざけ過ぎないようにしよう」と思ったんですよ。
吉井P (爆笑)
藤原 一番の若手が!
 違うんですよ! 引かれちゃうなと思ったので、塩梅を大切にしたいなって。

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――でも、ということは、引かれるくらいのことを一度考えてみたってことですよね。
 はい。最初はいろいろ考えました(笑)。内容は言えないですけど。シミュレーションした結果、スベッてるから......。
一同 (笑)
 だから一旦落ち着いてやってみたいです。でもどこかで成仏させてあげないといけないから、中盤くらいで出していきたいです。

――(笑)。成仏させる気はあるんですね。藤原さんはどうですか?
藤原 星君ってジュラル星人なので。

――いきなりネタバレを。
藤原 この舞台でジュラル星人ってアンサンブルでしょう? だから僕もアンサンブルに入るのかなと思っていて。アンサンブルは久しぶりですから。

――初心に戻る舞台に......。
藤原 なる、かもしれない。そこをがんばりたいです(笑)。いや、でも原作を観て観に来てくださる方って、観たいシーンがあると思うので。僕の場合、第4話がないからわかんないんですけど。
一同 (笑)
藤原 でもどこかで「星君っぽいな」と思わせたい、というのはあるので。喋り方だったり、立ち方だったり、基本は押さえていきたいなと思います!

――若井さんはチャレンジばかりだとは思いますが。
若井 僕、バラエティ番組とかお笑いの舞台とかで他の人と絡むときに、前日から「よし、これ絶対ウケるわ」と考えて持っていったものって大概スベるんです。
一同 (笑)
若井 なので、共演者の方々と息を合わせてやっていきたいです。とにかく皆さんに迷惑をかけないようにしたいんですけど、でも、あほなことに真剣に取り組むって、やる側も楽しいですけど、観ていただくとめちゃくちゃ楽しいと思うので。楽しんでいただけるようにがんばりたいです!

取材・文 中川實穂
撮影 川野結李歌

LIVE ミュージカル演劇『チャージマン研!』R-2 は、10月10日(土)から18日(日)まで東京・新宿 FACEにて上演予定。

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