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劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいで新たに創り上げる連続上演シリーズKERA CROSS(ケラクロス)。そのシリーズ第四弾として上演されるのが『SLAPSTICKS』。 サイレント映画からトーキーへ、転換期を迎えるハリウッドにて、激動の時代に映画作りに情熱を注ぐ人々を、映画への愛と希望に溢れる一人の青年を通じて描いた本作。 演出を手がけるのは、幅広い世代から支持を得る最注目の若手クリエイター・三浦直之(ロロ)。 新たに生まれ変わる『SLAPSTICKS』のキャストの皆さんからのメッセージが届きました!

第3回目にメッセージを寄せていただいたのは、、、

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小西遼生さん! 主人公ビリー・ハーロックの18年後、中年になったビリー役を演じる小西さんにお聞きしました!

――Q1.映画撮影所が舞台の「SLAPSTICKS」ですが、最近観た映画でおススメは?

スパイク・リー監督 「American Utopia」

――Q2. ご自身の役どころ・キャラクターを一言で表すと?

サイレント映画とそれを共に創った仲間への愛、過去の自分の無力さへのほんの少しの後悔を持った中年のおじさん

――Q3. ご自身にとっての今年の漢字は?

「心豊」

以上となります!

次回はどなたにメッセージを頂けるでしょうか??

引き続き、ご期待ください!

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<公演情報>
2/3(木)~17(木) シアタークリエ (東京都)

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末満健一が手掛ける TRUMP シリーズの最新作、ミュージカル『ヴェラキッカ』が、1 月 15 日(土)に東京建物 Brillia HALL にて開幕した。

_8070445.JPG撮影:遠山高広


シリーズの原点である『TRUMP』の上演から12年、公演を重ねるごとに熱狂的なファンを増やし、音楽コンサートや展示会、コミカライズ等展開を拡げてきた演劇オリジナルシリーズの最新作となる本作。作品を超えて張り巡らせた伏線回収や考察し甲斐のあるストーリーが評判となっている本シリーズ史上最大規模での公演となり、新章への突入とも明言されているが、その通り、これまでの「悲劇」「絶望的」といったシリーズの印象にとどまらない作品ともなった。

ジャジーな音楽に彩られたコミカルでファンタジックな1幕から一変、2幕では現代を生きる誰しもが心に抱える想いや忘れていた記憶をかすめるような、TRUMPシリーズでなくても心を揺さぶる物語の軸がそこにはあり、それがTRUMPシリーズだからこその芸術性とマッチし、ひとつのエンターテインメントとして昇華されている。

当日券やパンフレットの先行販売、開場時間になるとともに観客が劇場に押し寄せる現象は近年の劇場では滅多に見ることができないが、初日の劇場には感染対策を取りながらもその活気が見受けられた。

その熱気は公演中も冷めることなく、客席内ではすすり泣きや感嘆の声が漏れ、カーテンコールでは鳴りやまない拍手と、熱いスタンディングオベーションが客席から贈られた。

終演後のSNSでは、「わたしに必要な物語だった」「ノラのことを愛してしまった...」「なんてすごい
ものをみてしまったんだ」「このストーリーを考えられるのすごくない?」「もう一度観たい!」「まんまと繭期(吸血種の思春期を表すシリーズ用語から引用されたシリーズファンの呼称)を拗らせまし
た」など、この作品に出会えた喜びをも感じる反響が続々と投稿された。
シリーズファンからは「今回はこれまでの知識がなくても面白いのでは」「珍しくハッピーエンドだった」「あの曲がここで流れるなんて」「シリーズの中でもわかりやすい方なだけに辛さが倍増」など、シリーズを知っているからこその見どころがわかる反響も寄せられた。※反響コメントは一部抜粋のうえ。

この物語の根底には、誰しもが直面するであろう想いが流れている。それが何かは劇場で体感いただきたい。

AA8V0A1479.jpg撮影:遠山高広


なお、TRUMPシリーズはすでに次回作も告知されており、24年に迎えるシリーズ15周年にむけたアニバーサリープロジェクトの第一弾として、シリーズの中でも高い人気を誇る『LILIUM -リリウム少女純潔歌劇-』の再演が23年4月に上演。フルキャストオーディションの開催も発表され、発表当日には200件超の応募が殺到した。

ミュージカル『ヴェラキッカ』は今月23日まで東京・池袋の東京建物 Brillia HALL、2月2日~6日は大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。ぜひこの機会に"TRUMP沼"にハマり、繭期の仲間入りをしてみては。

**********************
◆公演概要
ミュージカル『ヴェラキッカ』
作・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
2022年1月15日(土)~23日(日) 東京建物Brillia HALL
2022年2月2日(水)~6日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

□キャスト
ノラ・ヴェラキッカ:美弥るりか
シオン・ヴェラキッカ:松下優也
カイ・ヴェラキッカ:古屋敬多(Lead)
ジョー・ヴェラキッカ:愛加あゆ
クレイ・ヴェラキッカ:大久保祥太郎
マギー・ヴェラキッカ:斎藤瑠希
ウィンター・ヴェラキッカ:西野 誠
ロビン・ヴェラキッカ:宮川 浩
キャンディ・ヴェラキッカ:平野 綾

養子たち:畑中竜也、山﨑感音、伊藤わこ、金井菜々、千歳ふみ、能勢うらら

□スタッフ
美術:田中敏恵  照明:関口裕二  音響:百合山真人  衣裳:早川和美  ヘアメイク:馮啓孝
歌唱指導:西野 誠  振付:森 紫  演出助手:山﨑総司/加藤由紀子  舞台監督:小野八着
宣伝美術:岡垣吏紗  宣伝写真:中村理生

□あらすじ
ようこそ、秘密に覆われた荘園へ
TRUMP流「人間愛奇劇」、開幕。
名門貴族ヴェラキッカ家の当主ノラ(美弥るりか)は、遠縁の親戚であるシオン(松下優也)、異母弟のカイ(古屋敬多)、シオンの妹ジョー(愛加あゆ)、家庭教師のロビン(宮川浩)、執事のウィンター(西野誠)ら一族の仲間や、クレイ(大久保祥太郎)、マギー(斎藤瑠希)ら養子たちに囲まれて暮らしていた。ヴェラキッカ家の吸血種たちは、全員がノラに強烈なまでの愛情と執着を見せる。そこに新しい養子であるキャンディ(平野綾)が迎えられる。ノラを巡るマウントゲームにキャンディが巻き込まれたことから、ヴェラキッカ家の秘密が暴かれていく。

□公演日程
・東京公演
1月15日(土)18:00
1月16日(日)13:00/18:00
1月18日(火)13:00/18:00
1月19日(水)18:00
1月20日(木)13:00
1月21日(金)18:00
1月22日(土)13:00/18:00
1月23日(日)13:00

・大阪公演
2月2日(水)18:00
2月3日(木)13:00
2月4日(金)18:00
2月5日(土)13:00/18:00
2月6日(日)13:00

※開場は開演の45分前
※公演中、客席にカメラが入る可能性がございます。ご了承ください。

□公演チケット:全席指定・税込
東京:S席11,000円/A席9,000円
大阪:11,000円
□ライブ配信/チケット
1月18日(火)18:00公演 「最前列カメラ」 4000円(税込)
1月22日(土)13:00公演 「全景映像」 2800円(税込)
1月22日(土)18:00公演 「末満健一スイッチング」 4000円(税込)
配信プラットフォーム:PIA LIVE STREAM
取り扱いプレイガイド:チケットぴあ https://w.pia.jp/t/verachicca/ (Pコード:787-599)
□公式ホームページ⇒https://verachicca.westage.jp/
□TRUMPシリーズ公式HP⇒https://trump10th.jp/
□公演に関するお問合せ:ワタナベエンターテインメント 03-5410-1885(平日11:00~18:00)

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劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいで新たに創り上げる連続上演シリーズKERA CROSS(ケラクロス)。そのシリーズ第四弾として上演されるのが『SLAPSTICKS』。 サイレント映画からトーキーへ、転換期を迎えるハリウッドにて、激動の時代に映画作りに情熱を注ぐ人々を、映画への愛と希望に溢れる一人の青年を通じて描いた本作。 演出を手がけるのは、幅広い世代から支持を得る最注目の若手クリエイター・三浦直之(ロロ)。 新たに生まれ変わる『SLAPSTICKS』のキャストの皆さんからのメッセージが届きました!

第2回目にメッセージを寄せていただいたのは、、、

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桜井玲香さん! ビリーの初恋の人であるアリス・ターナー役を演じる桜井さんにお聞きしました!

――Q1.映画撮影所が舞台の「SLAPSTICKS」ですが、最近観た映画でおススメは?

ウルフ・オブ・ウォールストリート。何回か観る映画のひとつ。自分を上げたい時に観ることが多いです。

――Q2. 「SLAPSTICKS」中に1番心が動いたことは?

乃木坂46のライブを観に行った時、後輩が感動して泣いている姿を見て

自分にとっては何でもない日が誰かにとっては忘れられない日でもあるんだ。と凄く奮い立たせられました

――Q3. ご自身にとっての今年の漢字は?

「喜」

自分にとっても、自分の周りの人たちにとっても喜びの多い年にしたいです。

―― 読者の方へメッセージをお願いします!

儚い美しさを纏いつつも、強いメッセージが込められた作品です。

是非劇場でお待ちしております!

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『SLAPSTICKS』扮装組写真.jpg

<公演情報>
2/3(木)~17(木) シアタークリエ (東京都)

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沖縄のコザ騒動のあった一夜を描く『hana-1970、コザが燃えた日-』が、1月9日(日)東京芸術劇場プレイハウスにて開幕した。沖縄本土復帰50年を迎えるにあたり、関係者たちが丁寧に作り上げてきた作品だ。演出は、沖縄へ思いを寄せ続けてきた栗山民也。脚本は、栗山との再タッグとなる畑澤聖悟。出演者である松山ケンイチらも、実際にコザ市(現在の沖縄市)に足を運び、舞台に臨んだ。

初日前のゲネプロには多くの人が集った。開演前、舞台の頭上にはためくアメリカ国旗だけが照明に照らされ、劇場を見下ろしている。そこは米兵相手のパウンショップ(質屋)兼バー「hana」。米軍基地に通ずる通称・ゲート通りに面していて、米兵達は飲み代が足りなくなると持ち物を質に入れるのだ。

12月20日の晩。hanaを経営するおかあ(余 貴美子)と、娘のナナコ(上原千果)、同居するジラースー(神尾 佑)が談笑している。彼らの話す沖縄弁は、慣れない観客には聞き取れないかもしれない。しかし端々から聞こえる単語や、表情や声音に耳を傾けていると理解できる。まるで沖縄の小さなお店に、実際に訪れたようだ。

その晩、久々にhanaに家族が集まってくる。アシバー(やくざ)になったり家に寄り付かなかった長男・ハルオ(松山ケンイチ)は笑顔ながらも攻撃的で、周囲を翻弄する。しかし演じる松山のかすかな表情や大げさなしぐさからは、抱える孤独や痛みが透けて見える。次男で教師のアキオ(岡山天音)は真面目でしっかりしており、周りに気を遣う好青年だ。しかし岡山が時々見せる困ったような顔や震える声からは、不安や去勢も感じられる。ふたりは血が繋がっておらず、顔を合わせばケンカになる。それは、戦争によって傷つき、いびつさを抱えざるをえなかった家族の姿だ。

終戦から25年経っても、沖縄では戦争は終わらない。hanaの店内にはそこかしこにアメリカのものが並び、異国の空気を感じる。日本からもアメリカからも苦しめられてきた沖縄と、そこで暮らす血のつながらない家族。すべては店の中で起こるワンシチュエーションの会話劇だが、彼らの言葉には、戦争によって虐げられた沖縄の、叫びにならなかった叫びが込められているようだった。

公式noteでは台本の冒頭20ページが公開されている。本作は1月30日まで公演後、2月5・6日に大阪で、10・11日に宮城で上演される。

ハルオ役 松山ケンイチ①.jpgアキオ役 岡山天音.jpgおかあ役 余 貴美子.jpg左から アキオ役岡山天音、ナナコ役上原千果、おかあ役余 貴美子、ハルオ役松山ケンイチ.jpg

取材・文:河野桃子 撮影:田中亜紀

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劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいで新たに創り上げる連続上演シリーズKERA CROSS(ケラクロス)。そのシリーズ第四弾として上演されるのが『SLAPSTICKS』。 サイレント映画からトーキーへ、転換期を迎えるハリウッドにて、激動の時代に映画作りに情熱を注ぐ人々を、映画への愛と希望に溢れる一人の青年を通じて描いた本作。 演出を手がけるのは、幅広い世代から支持を得る最注目の若手クリエイター・三浦直之(ロロ)。 新たに生まれ変わる『SLAPSTICKS』のキャストの皆さんからのメッセージが届きました!

早速ですが、第1回目にメッセージを寄せていただいたのは、、、

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木村達成さん! 主演のビリー・ハーロック役を演じます。

――Q1.映画撮影所が舞台の「SLAPSTICKS」ですが、最近観た映画でおススメは?

ラブアゲインは何回見てもいい作品だなーって思います。てかライアン・ゴズリングかっこよすぎ笑笑

――Q2. ご自身の役どころ・キャラクターを一言で表すと!

遅刻寸前の僕。
朝起きて時計を見てあわてんぼうになっているすがたが僕の演じるビリーハーロックにとても似てるんです!

――Q3. 「SLAPSTICKS」中に1番心が動いたことは?

年末年始で牡蠣をたらふく食べました。
公演中はなかなか食べることができないのですが、
大阪公演前まで間がかなり空いたので安心して
たらふく食べました。

――Q4. 自分の役以外でやってみたい役は?

(今回はマギーさんが演じている)マック・セネットです。

――Q5. ご自身にとっての今年の漢字は?

漢!

―― 読者の方へメッセージをお願いします!

観て考えて感じてください。
ちょっぴり笑えてちょっぴり切ないそんなストーリーの虜になって欲しいです。
劇場でお待ちしております。

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<公演情報>
2/3(木)~17(木) シアタークリエ (東京都)

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見かけは全く同じでも、性格は正反対の双子姉妹マーナとマイラ。かなり過激でキワドイ運命の姉妹が激動の時代を駆け抜ける! シス・カンパニー公演「ミネオラ・ツインズ~六場、四つの夢、(最低)六つのウィッグからなるコメディ~」が、いよいよ本日1月7日(金)に開幕する。

写真提供:シス・カンパニー

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本作は、1950年代から1980年代の激動の時代に、女性たちが何を考え何を体験してきたかを痛烈な風刺を込めて描いたダーク・コメディ。その主人公である、ニューヨーク郊外の小さな町ミネオラで生まれ育った一卵性双生児の姉妹マーナとマイラは、見かけは全く同じなのに、性格は正反対。約30年の長い年月の中で、常に「両極」から対する2人の姿は、まさに「激動の時間」。

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日本初上陸となる本作では、作者ポーラ・ヴォーゲルが、この運命の双生児姉妹を、一人の女優がカツラと衣装を目まぐるしく変えながら演じ分けるよう、戯曲の冒頭に指定しており、さらには「常にホルモンの影響による興奮状態で演じて欲しい」とも!
その難題に挑むのは芝居に音楽に活躍する大原櫻子。さらに、この姉妹の狂乱の渦には、小泉今日子八嶋智人という名優2名も参戦。双子姉妹を演じる大原と同じく、小泉・八嶋もそれぞれ二役を演じ、小泉が双子姉妹それぞれの恋人役、八嶋が双子姉妹それぞれの息子役を演じる、という演劇だからこそ味わえる妙味にあふれている。俊英・藤田俊太郎の演出によって展開する「禁断の別世界」に期待が高まる。

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~STORY~
舞台は、ニューヨーク郊外の小さな町ミネオラ。一卵性双生児マーナとマイラ姉妹(大原櫻子)は、全く同じ容貌でありながら性格は全く似ても似つかず、お互いを遠ざけながら生きてきた。
始まりは1950年代。核戦争の恐怖が日常生活にも蔓延るアイゼンハワー政権下。保守的な女子高生マーナは、結婚こそが輝かしいゴールだと、すでにジムと婚約中。一方のマイラと言えば、世間の常識なんかクソくらえ!の反逆児。男の子たちとも"発展的"交際を広げている。
そんな悪評が耳に入る度、お堅いマーナのストレスは爆発寸前!
ある時、素行の悪いマイラを諭そうと、マーナに頼まれて婚約者ジムがマイラの元へと向かったのだが・・・。
そして、時代は、1969年、ベトナム戦争の泥沼にあえぐニクソン政権下から、1989年、ブッシュ政権下の世の中へと移り行き・・・。
ジェンダー、セクシュアリティ、人種、格差・・・ 時代と価値観の変遷の中で、真逆の道を歩んできた双子姉妹が見る夢は?
2人の人生が交錯することはあるのだろうか?

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初日を前に、演出の藤田俊太郎と、出演する大原櫻子、八嶋智人、小泉今日子からコメントが届いた。

【演出:藤田俊太郎 コメント】
上演中、キャスト皆がウィッグ、衣装を矢継ぎ早に変えながら、アメリカの50~80年代を駆け抜けます。
稽古を通して、現代的なテーマを発見する度に驚きました。これはアメリカの話ではない、私達の戦いなのだと感じています。
戯曲の言葉、女性の価値観を大事に、魂を込めて演出しました。観客の皆様には、この魅惑に満ちた悲喜劇を見終えた後に、明日に向かうエネルギーを感じていただけたら幸いです。

【大原櫻子 コメント (双子姉妹マーナ・マイラ)】
稽古が始まる何か月も前から、台本を片時も離さず、この戯曲に向き合ってきました。台本も早々に1冊ボロボロになってしまったほど(笑)。そして、実際に稽古が始まってしばらくは、本当にゴールが見えてくるのか不安で、生みの苦しみと闘っているような毎日でした。でも、小泉今日子さん、八嶋智人さんという心強い先輩たちに支えられ、ようやく光が見えてきました。約1カ月の公演期間中、この特別にエネルギーが必要な「マーナ」と「マイラ」を精一杯生きていきたいと思っています。

【八嶋智人 コメント (マーナの息子ケニー、マイラの息子ベン)】
超保守のマーナとリベラルなマイラ。2人はそれぞれ自己矛盾を抱えています。日本でも、分断や多様性が身近な問題になって、立場や主張が極論化するほど自己矛盾していくのを目の当たりにする、そんな演劇が今だからこそ理解できる。未来に繋ぐ事ができると思うのです。
そしてその真ん中に立つ大原櫻子さんが日に日に役を進化させてゆくさまは本当に凄い!
僕は大原さんの14歳の息子役。無理あるぞと思うでしょ?それも演劇の醍醐味!是非そこも楽しんで下さいませ。

【小泉今日子 コメント (マーナの婚約者ジム、マイラの恋人サラ)】
コロナ禍で様々な現実が可視化された今が、この作品を楽しむベストタイミングだと思います。日本でもジェンダーや多様性について関心が高まる一方で、違う立場の人間同士が分断されがちな風潮もあって。だからこそ異なる立場の二役を一人の俳優が演じる趣向が面白いですね。長い歴史の中で女性の立場は変わっていないとも言えますが、少しずつ変化してきたはず。その過程にあるこの作品をコメディとしてお届けできたらと思います。個人的には、若いジムがオジサンみたいにならないよう頑張らないと!(笑)


<公演情報>
2022年1月7日(金)~1月31日(月)
スパイラルホール

作:ポーラ・ヴォーゲル
演出:藤田俊太郎
翻訳:徐賀世子
出演:大原櫻子 八嶋智人 小泉今日子 ほか

お問合せ:シス・カンパニー
03-5423-5906 (営業時間 平日11:00~19:00)

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2020年、新型コロナウイルスの影響で発令された最初の緊急事態宣言時期を経て、ライブエンタメ界はパタリと動きを止めてしまった。宣言解除後もなかなか再始動しない中の7月、いち早く幕を開けた舞台作品のひとつだったのがミュージカル『BLUE RAIN』。ドストエフスキーの名作『カラマーゾフの兄弟』をベースに、1990年代のアメリカ西部で起きたひとつの殺人事件と、ある家族の愛憎をドラマチックに描き出す作品だ。舞台セットにビニールシートやパーテーションを組み込み、俳優同士の接触も極力抑えた"with コロナ"の演出も話題となったこの作品が2022年1月、早くも再演される。殺害された大富豪ジョンを主とするルキペール家の次男であり、事件の真相を追う弁護士ルークを演じる東山光明、犯人と目される長男テオに扮する大沢健、一家の家政婦であるエマ役の池田有希子の3人に話を聞いた。

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左から東山光明さん、池田有希子さん、大沢健さん


――東山さん、池田さんは一昨年の初演にもご出演されていました。緊急事態宣言が解除されてもエンターテインメント業界は再開していいのか、みんなが迷っている状況だった7月、最初に幕をあけた舞台作品のひとつでしたね。おふたりにとっても特別な作品になったのではないでしょうか。

東山:僕はこの『BLUE RAIN』のお話をいただいた時はまだコロナはなく、こんな大役やるしかない! とめちゃくちゃ意気込みを抱いていました。でも稽古が始まる少し前に緊急事態宣言が出され、『BLUE RAIN』も幕が開くのか、本当に二転三転しました。そんな中でも動き出し、初めてZoomでの本読みなども経験し......。エンタメ業界、どうなるんだろうと不安のある中での上演でした。本当に僕にとって思い入れがある、役者人生の節目にもなった作品です。その作品がこんなに早く再演できるのは喜びですし、初演とはまた違う形でいいものにしていきたいです。

池田:本当に、初演の『BLUE RAIN』に出演していた時は、この経験は一生忘れないと思いました。コロナ禍は今も続いていますが、やはり「役者ってなんだろう」とずっと考えています。当時は、私は役者をやり続けるのだろうか、続けられるのだろうか、辞めざるを得ないのだろうかと考えましたし、そういう究極の状況で、それでも芝居をやらせてもらえることが本当にありがたかったです。私の祖父は漫談師だったのですが、もともとは長唄三味線をやっていて、戦争で食べていけないから長唄をやめて漫談師になっています。そんな彼の人生の遍歴も、「こんな気持ちだったのだろうか」とビビッドに感じたりして......。自分の年齢のことや、友だちが病気になったりしたことも重なって「私のこの仕事は必要なのだろうか」と今も考えていますが、その"悩む時間"はきっと必要なことだと思います。そのきっかけは『BLUE RAIN』でした。ですので、やっぱり忘れられない一作です。

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――お客さま側も一丸となって協力して幕を開けた印象です。初日カーテンコールで池田さんが「開演前アナウンスでインフォメーションが長くて、来てくださったお客さまにこれだけたくさんのことをご協力いただかなくてはいけない状況になってしまったんだなと思うと胸がいっぱい」と話されていたのも記憶に残っています。その分、感動もひとしおでした。

東山:僕らもあの劇場の光景は忘れられない。不安の中で幕を開けたけれど、受け入れてもらえた、またここからやっていいんだなという実感をもらいました。

池田:みんなが我がことのように応援してくれていましたよね。あの高まり、一体感は忘れられない。

大沢:僕はこの初演はいつやったのか聞いて、昨年の7月だと言われて「え、よく完走できたね」と思いました。本当にすごいことだったと思う。

東山:毎公演、これが最後かもしれないと思いながら千秋楽までやりきりました。本当に本番の直前までマスクをしたままの稽古で、というのは今は当たり前になっていますが、僕にとっての初めての経験は『BLUE RAIN』だったな。

池田:すべて戸惑いでしたよね。まだ演劇業界内のガイドライン、ルールもできていない状態。PCR検査も(この時点ではまだ一般的ではなく)なかった。Zoomでの稽古も初めて。

東山:僕は最初の本読みの時、なかなかZoomに入れませんでした(笑)。色々な人を待たせている! と思ったら、よけい焦って、わけがわからなくなってしまって......。

池田:そんな人が何人もいて、初回は始めるまで30分かかったよね(笑)。

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――大沢さんは、今回が初参加。この『BLUE RAIN』という作品の印象は?

大沢:やはりコロナ禍に生まれた作品だというところにグッときました。何が印象的だったと聞かれ、まず浮かぶのは、舞台のセット。ビニールやパーテーションがセットに組み込まれ、しかもそれが物語に合っているんですよね。人間同士の隔たりや、関係性を断ち切る、そういう表現としてこのセットが活きている。一方で、普段の演劇作品にはなかなかないものが舞台上にあるというのは、役者にとっては負荷がかかるものでもあります。その負荷を、なんとか懸命に生きていこうというエネルギーに転換できればいいなと思って、稽古に励んでいます。

――ということは今回もあの舞台セットはあるのですね?

池田:はい。前回の演出を踏襲しています。ただ、少し禁止事項が緩和されてはいます。前回は本当に、俳優同士が接触することも基本的にはなかった。今回はもう少しコンタクトが取れるようにはなっています。

――演出は荻田浩一さん。初演はwithコロナらしい演出が際立ちましたが、その中でも"荻田ワールド"になっていましたね。

池田:荻田さんは、雲の上を行く高さの芸術性をお持ちなのに、なんだかお茶の間でみかんを食べながら話しているような客観性があって。その両極がクセになります。もう、ずっと面白い(笑)。

大沢:比喩が多いですよね。

東山:みんなにわかるように、色々な喩えで説明してくださる。

池田:この前なんて「そこ、スクールウォーズ!」って言ってました(笑)。

東山:でも今日、彩乃(かなみ)さんが「おぎちゃんの喩え、わからない!」って言ってました(笑)。ちょっと心の声が出ちゃってた。

大沢:僕は今年の春、『Same Time, Next Year』で荻田さんと初めてご一緒したのですが、僕が台詞を言いながら動いていたら、荻田さんも台本を見ながら同じ動きをしていて(笑)。あれ、一緒に演じている、と思って。

東山:その人の気持ちになって動いていますよね、荻田さん。

池田:振付もしてくれて、踊ったりもしている(笑)。おぎちゃんって、病みつきになる魅力がある。

東山:今回、歌唱指導が福井小百合さんになったということもあり、荻田さんと小百合さんのチームワークもすごいですよね。音をしっかりとりながら、そこに言葉をどう乗せるか。しっかり食らいついていきたいです。

大沢:小百合さんの指導、すごくわかりやすいです。こちらの心情に寄り添ってくれて、なぜ自分が出来ていないのかをわかった上で「こうしてみよう」と言ってくれるので。今回、目から鱗のことがいっぱいあります。

池田:私、小百合大明神と呼んでます(笑)。ダメ出しは辛辣ですごいのですが、小百合先生の言うことができるようになりたい! と思うもん。「歌、難しい!」と思うのと同じくらい「歌、面白い!」と思います。

――歌の話になりましたが......『BLUE RAIN』はとても綺麗な曲が多いですよね。

大沢:初めて聴いた時、初めて聴くのにかつて聴いたことがあるような気がした。それくらい旋律が"濃い"。この『BLUE RAIN』の世界にぐっと引き入れる力のある音楽ばかりですよね。

東山:確かに。歌、めちゃくちゃ良いですよね。僕も今回の再演の稽古が始まり、久しぶりにこの作品に向き合った時に、テーマ曲の『BLUE RAIN』を聴いて、泣きそうになりました。これこれ!って。

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――改めてそれぞれの演じる役柄について教えてください。

東山:僕の演じるルークは、ルキペール家の次男です。父のジョンが専制君主みたいな人で、ルークは幼い頃に父から虐待を受けていて、その反動で「絶対のし上がるぞ」というエネルギーを持ってNYに旅立ち、弁護士として名をあげてルキペール家に帰ってくる。そこから事件に巻き込まれ、その事件を解決しようと奔走する役柄です。

大沢:僕はその兄、テオを演じます。同じく父ジョンの虐待を受け、テオの方は反抗して家を出て行ってしまった。親の愛情に飢えて育ってきた人間特有の、もの悲しいオーラが出たらいいなと思い、そういうところを大事に作っていきたいと思っています。その瞬間は明るく笑っていても、あとに残る悲しさみたいなものを丁寧に作りたいです。テオという役は僕にとってはちょっと珍しいタイプの役です。でも自分と離れているからこそ、飛べることもある。今回はそういう挑戦をさせてもらっています。

池田:私はルキペール家に長く勤めている家政婦のエマです。住み込みの召使いですね。テオとルークのことは幼いころから見ていて、ふたりが大変な子ども時代を過ごしているのはもちろんわかっているし、自分自身もジョンの暴力の被害者でもある。でもやっぱり暴君の下で育たなければいけない子どもに救いを与えてあげたい、自分が暴力の傘になってあげたいと思うんだけれど......そこまでの力がないという、悩ましい役です。

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※本記事のお写真は同じくご出演の染谷洸太さんに撮影いただきました。染谷さんとの4ショット!


――最後に、この『BLUE RAIN』の好きなところ、素敵なところを教えてください。

大沢:僕はなんだかんだ言って、テーマソングが歌われるシーンが好きだな。クラブで『BLUE RAIN』を歌うヘイドンを見て、テオは「自分はもう必要とされていないのかも」と思ってしまう。あの時のふたりがなんか、いい。若々しくて、なんとも言えない切なさがあって。メロディの性質と、ふたりの悲しい生い立ちと、テオのマイナス思考というか......拗ねている感じが、なんともぐっときます。ストレートプレイだと、これをすべて表現するのに10ページくらい必要になりそうですが、ミュージカルだと歌で全部表現できる。歌の力だなと思うし、好きなシーンです。

東山:テオとヘイドンは、大人のピュアな恋という感じがいいですよね。今回ヘイドンが、初演の水夏希さんから彩乃かなみさんになったこともあり、テオとヘイドンのシーンの演出も少し変わっているんです。前回ダンスをしていたところがお芝居になっていたりもして。ビニールのシート越しに手を触れあったり、口づけを交わすのを僕は後ろから見ているのですが、もう、鳥肌が立つ。ふたりの切なさが、めちゃくちゃ素敵です。

池田:ほんと、ほんと。私は、テオとルークの兄弟が、すごく対立しあうんだけれど、ちゃんと愛し合っているのが伝わるのが好きです。すれ違って、会話はとんでもない方向に行ってしまったりするけれど、そういうことって実生活でもありますよね。兄弟愛があるのに......仲が悪いわけじゃないのに......と思いながら私はふたりを見ていて、切ないです。家族であればこそ、ギクシャクすることはありますし、そういうすれ違いも含め、いい兄弟。あと、客観的に見ていて、描かれる男性が色々なタイプがいて、面白い。ちょっと不器用で粗野なところもあるけれど、実はすごくロマンチックなテオ、頑張っている優等生、秀才タイプのルーク。もうひとり、庇護欲をそそるサイラスという男の子も出てきます。それぞれ違うタイプで、少女漫画的にキュンときますよ!

(取材・文:平野祥恵)

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甲斐翔真のミュージカルコンサート「KAI SHOUMA MUSICAL CONCERT on Christmas Day 2021 Featuring MAAYA KIHO and HIRAMA SOICHI」が12月25日、有楽町・オルタナティブシアターで開催された。甲斐は2016年『仮面ライダーエグゼイド』のパラド/仮面ライダーパラドクス役で注目され、2020年には『デスノート THE MUSICAL』の主役・夜神月役で華々しくミュージカルデビュー。以降『RENT』ロジャー役、『ロミオ&ジュリエット』ロミオ役など、若手俳優なら誰もが憧れる大役を次々と演じてきているミュージカル界期待の新星だ。ゲストに真彩希帆平間壮一という先輩俳優ふたりを迎えた、甲斐にとって初のこの単独ライブの模様をレポートする。

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開催日はクリスマス当日。静寂の中登場した平間の「クリスマスに始める......」というひと言から始まるオープニング。これは物語がクリスマス・イブに始まるミュージカル『RENT』の冒頭を模したもの。甲斐と平間は2020年11月に『RENT』で親友役として共演、だがこの作品は公演期間中盤に新型コロナウイルスの影響で突如中止となり、そのまま再開は叶わなかった。おそらく公演を観ることができなかったファンも多くいただろう。そんなファンの思いを昇華させるかのように『RENT』のオープニング「Tune Up #1~RENT」を平間とともに熱唱。その選曲からすでに甲斐のミュージカルへの、そしてファンへの愛が感じられる。これはファンにとっては嬉しいクリスマスプレゼントだ。

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直後のMCで少し興奮気味に「絶対に(このコンサートは)この言葉から始めたかった」「1年越しで『RENT』をお届けできた」と語り、笑顔を見せる甲斐。そして自身がミュージカル俳優という道を進むにあたり大きな影響を受けたふたつの存在、世界的ミュージカル俳優ラミン・カリムルーと韓国ミュージカルへの思いを話し、韓国ミュージカル『マタ・ハリ』『フランケンシュタイン』の楽曲に加え、韓国で絶大な人気を誇るブロードウェイミュージカル『ジキル&ハイド』の「時が来た」を韓国語で歌唱。さらにラミン・カリムルーの代表作『ラブ・ネバー・ダイ』の「'Til I Hear You Sing」を英語で披露。ミュージカル界屈指のビッグナンバーの数々を堂々と歌い上げ、観客を魅了した。

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続くコーナーでは甲斐がこれまでに出演した作品『デスノート THE MUSICAL』『RENT』『マリー・アントワネット』『ロミオ&ジュリエット』からのナンバーを感情豊かに聴かせたかと思えば、現在映画も公開中の『ディア・エヴァン・ハンセン』のナンバーなど多彩な楽曲を歌っていく。甲斐の出演作以外の楽曲はどうやら本人セレクトらしく、いずれも曲紹介で「この曲を初めて聴いた時に、絶対歌いたいと思った」という思いを語っており、途中で「僕、どの曲にも同じこと(動機)言ってますね......」と苦笑していたが、それだけ甲斐の各作品、各楽曲へ対する熱い思いが伝わってくる。実際、1曲1曲を丁寧に歌う姿が好印象だ。

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ゲストのふたりも、真彩が「スィンク・オブ・ミー」(オペラ座の怪人)で美しいソプラノを聴かせ、平間が次回出演作『The View Upstairs -君が見た、あの日-』の劇中歌「The Future is Great」を一足早く披露するなどソロナンバーで魅了すると同時に、甲斐とのデュエットナンバーでも息のあったところを見せる。

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中でも甲斐の夜神月に対し平間がLのパートを歌った「ヤツの中へ」(デスノート THE MUSICAL)、甲斐&真彩で歌った大ヒット映画『グレイテスト・ショーマン』のデュエット曲「Rewrite The Stars」などはこの日限りであるのがもったいないほどの印象深さ。真彩と平間は少し緊張気味の甲斐をトークでも和ませ、「せっかくクリスマスなんだから」とクリスマスエピソードを甲斐にふってみたりと(ちなみにサンタクロースの存在は甲斐さんは小学校3年生くらいまで、平間さんは中学生の頃まで信じていたそう)、この日のライブを盛り上げていた。

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後半では、先日まで主演していた『October Sky』の楽曲に加え、来年3月に出演が控えている『ネクスト・トゥ・ノーマル』のナンバーも早くも披露。甲斐のミュージカル俳優としてのこれまでを、そしてこれからの未来をも詰め込んだかのようなコンサートになった。2020年1月のミュージカルデビューからわずか2年弱、出演作は5作。まだまだフレッシュ、「これから」を感じさせる伸びやかな魅力がありながらも、ロックナンバーからポップス、クラシカルで重厚なナンバーと多彩な楽曲を歌いこなした甲斐。何より、誠実な人柄と溢れんばかりのミュージカル愛が伝わり、この人は今後、貪欲にミュージカルに対し熱を注ぎ、どんどん成長していくのだろうと感じる。今後の甲斐の未来を頼もしく思うと同時に、これから歩む道に幸いあれと祝福を送りたくなる、輝かしいコンサートだった。

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取材・文:平野祥恵

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ミュージカル『リトルプリンス』が、18()より東京・シアタークリエにて上演される。サン=テグジュペリの『星の王子さま』を原作に、音楽座ミュージカルが1993年に初演して以降、上演を重ねている人気作だ。今回、演出を手掛けるのは、近年『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』『マドモアゼル・モーツァルト』と音楽座ミュージカルのリメイクを次々と手掛けている小林香。主人公の王子を加藤梨里香と土居裕子がWキャストで演じ、飛行士/キツネ役を井上芳雄、ヘビ役を大野幸人、花役を花總まりが務めるという豪華配役で新たに生まれ変わる名作に注目が集まっている。この稽古場を取材した。

この日の稽古メニューは、最初から最後のシーンまでを通す"荒通し"。初めて全シーンを繋げるということで、演出の小林より「目的は流れの確認です。何か危険だなと思ったら止めてください。ケガをしないように」と注意喚起があったのち、スタート。冒頭は井上芳雄扮する飛行士が嵐の中、飛行機を飛ばそうとする場面だ。この物語、本筋は原作の『星の王子さま』から大きく乖離しないが、ところどころ、飛行士の背景に作者のサン=テグジュペリの人生をオーバーラップさせることで、ファンタジックな世界と現実世界をリンクさせる。井上の演じる飛行士は少し厭世的な雰囲気も漂い、この人の抱える悲しみの元は一体何なんだろう? ......と、冒頭から心を掴まれてしまう。

飛行機は砂漠に不時着し、飛行士はそこでひとりの不思議な少年――王子と出会う。王子は子どもらしい純粋さで飛行士を質問攻めにし、絵をねだり、自分の星の話を語り、飛行士を戸惑わせる。取材日の王子役は加藤梨里香。Wキャストのもうひとりの王子・土居裕子は本作の初演でも王子役を務め、そのオリジナルキャストである土居がふたたび王子を演じるということで話題だが、加藤もまだ23歳ながら子役時代から数えキャリアは十分、2016年にはミュージカル『花より男子』で3000人以上の中からオーディションで主人公・牧野つくし役を勝ち取ったスター性と実力の持ち主だ。加藤は目を輝かせて自分の星のことを語ったかと思えば目をまんまるにして驚き、次の瞬間にはこぼれる笑顔を見せる。マスク越しであることすら気にならなくなってしまうほどの、表情の豊かさだ。何よりボーイソプラノのように透き通った健康的な歌声は、王子の純粋さにぴったり。加藤、実は生まれながらの"星の王子さま"なのでは......!? と思ってしまうほどの天然王子っぷり!

王子は飛行士に、これまでにめぐってきた星での出来事を語る。それらをダイナミックなダンスで繋いでいくことで、オムニバスのように語られるエピソードの数々が、王子の旅路という大きな流れにまとめられていく。星々で出会った人々もユニークだ。王様、実業家、呑み助、うぬぼれ屋、点灯夫、地理学者といったキャラクターを演じるのは縄田晋、木暮真一郎、桜咲彩花。童話的でユーモラスな役どころを彼らがめまぐるしく演じていくさまは楽しく、ミュージカルとして盛り上がるポイント。黄花役の加藤さや香の美しいダンスも印象的だ。

さらに王子が星を飛び出る、そして星に帰りたいと思う原動力となる花を演じる花總まりが絶品だ。王子の星に咲いた、たった一輪の美しい花。花總の花は、ワガママだけれど高貴で品があり、まさに"唯一の存在"。そのワガママも、王子の気を引きたいという感情が伝わり、憎めないのだ。花の世話を真剣な表情で懸命にする加藤の王子の可愛らしさも相まって、忘れがたいシーンになりそう。また、妖しい魅力としなやかなダンスで異質の存在感を出していたヘビ役の大野幸人も、インパクト大。井上が二役で演じるキツネも忘れてはいけない。キツネは作中の非常に有名なフレーズ「大切なものは、目には見えないんだよ」という言葉を口にし、また王子に"自分にとっての特別"を気付かせる重要な存在だ。井上の、小道具も巧みに使って演じる芸達者ぶりはさすがで、共演者たちからも笑い声があがる。だがキツネはちょっと今までの井上にはない意外なキャラクターにもなりそうなので、お楽しみに。

宇宙への憧れを歌う『アストラル・ジャーニー』、自分の星への思いを歌う『シャイニング・スター』など、作品を彩る音楽も美しく、心にすっと届くものばかり。王子は星々をめぐり、地球の砂漠で飛行士と旅をする中で、自分の花がほかの花たちとは違う、ただ一輪の花だったことに気付く。同時に、キツネがほかの多くのキツネたちとは違うただ一匹のキツネになり、飛行士は大勢の人間の中のひとりではなく"友だち"になる。それは飛行士にとっても同じで、王子は飛行士にとっての希望となる。"誰か"が、"特別なひとり"であることに気付く旅路を、美しい音楽、夢のようなダンスで詩的に美しく描くミュージカル。美しいのに悲しく、悲しいのに、心が洗われる。なんだか自分の心の奥にたまった澱が洗い流されていくような感覚だ。年明け、"気持ちを新たに"一年を始めるには、ぴったりの作品になりそうだ。

公演は202218()から31()まで、シアタークリエにて上演。2月には愛知公演もあり。(取材・文・撮影:平野祥恵)

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年明け1月より東京・シアタークリエにて上演されるミュージカル『リトルプリンス』。サン=テグジュペリの『星の王子さま』を原作に音楽座ミュージカルが1993年に初演し、数々の演劇賞を受賞している傑作が、装いも新たに登場する。この作品で主人公の王子役を務める加藤梨里香が、『星の王子さま』とその作者サン=テグジュペリをテーマにした「星の王子さまミュージアム」(神奈川県箱根町)を訪問。作品背景やサン=テグジュペリの生涯を学び、作品への理解を深めるとともに、『星の王子さま』の世界を楽しんだ。

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『星の王子さま』といえば、示唆に富んだ奥深い内容や、人生の折々にふと道筋を照らしてくれるような名言の数々とともに、サン=テグジュペリ自身が描いた可愛らしいイラストも印象的だ。ミュージアムに入ると、多くの人が思い浮かべるであろうその表紙のイラスト――小さな星の上にひとり立つ王子の姿――が像となり、来場者を出迎える。この日の天気予報は残念ながら一日中、雨。しかし奇跡的に雨があがり、これは幸先がいいぞと思ったところで、弾ける笑顔で加藤が登場。加藤さん、"持って"ますね!

エントランスから展示ホールへ行く道中は、「出会いの庭」「アジサイの小径」などのヨーロピアン・ガーデン、ローズガーデン、「王さま通り」など、テーマ性がありつつ、思わず写真を撮りたくなる可愛らしいスポットだらけ。特に「王さま通り」は、サン=テグジュペリの生まれた1900年頃のフランス・リヨンの街並みを再現しているそうで、盛りの紅葉とあいまって、"ヨーロッパの秋の風景"といったおしゃれな雰囲気だ。加藤も足取り軽く、楽しそうにキョロキョロとあちらこちらに視線を送っている。

そして館内へ。ここではサン=テグジュペリの生涯が代表作とともに9つのエリアに分けて紹介されている。作家であり、飛行士であったサン=テグジュペリ。少年時代から空に憧れ、陸軍飛行連隊で飛行機の操縦士となり、その後、民間の郵便輸送のパイロットとして勤務した経緯や、砂漠のただ中の中継基地キャップ・ジュビーの飛行場長として13ヶ月を過ごしたことなどを、加藤は展示物を見て、またミュージアム広報担当・都路さんの説明を受けて学んでいく。サン=テグジュペリがキャップ・ジュビーで実際に砂漠のキツネ(フェネック)を飼っていて、それが『星の王子さま』のキツネの原型であることなど、作家本人の経験がこの物語の様々なところに投影されていることも新鮮に受け止めていた模様。特に加藤が胸を打たれたようなのは、サン=テグジュペリの弟・フランソワの死。フランソワが死の直前に言ったという言葉「僕は苦しくなんかない。痛くもない。ただ、どうにもとめられないんだ。これは僕の体がやっているんだ」は、肉体より精神が優位に立つという意味で、『星の王子さま』ラストシーンに大きく影響を与えている、という説明を真剣な表情で受け止めていた。

ほか、『星の王子さま』の献辞がユダヤ人の親友レオン・ヴェルトに宛てられていることから読み取れる戦争の影や、サン=テグジュペリの最期など、ファンタジーの裏側にある時代背景も学び、展示ホールラストの『星の王子さま』エリアへ。ここでは、キツネを見ては「キツネの言葉は大人になっても心に響きます。井上(芳雄)さんがどう演じるのか楽しみ」、バラの花を見ては「花總(まり)さんですね!」と声を上げるなど、自然と加藤の表情も楽し気なものに。ちなみにバラの花はサン=テグジュペリの妻コンスエロがモデル。「王子さまとバラのように、仲違いやすれ違いもあった結婚生活だったようですが、きっと最後まで愛し合ったことでしょう......」という都路さんの説明に感慨深い様子の加藤。

その後も館内・屋外の様々なフォトスポットで写真を撮り、ミュージアムを堪能した様子。ミュージアムショップでも「これ、可愛い!」「楽屋で使えそう」と、何を見ても心惹かれて目移りしてしまうようで、スタッフから「加藤さん、あと10分くらいで......」と言われ慌てるひと幕も。カードに願い事を書けるコーナーでは公演成功のお願い事もばっちり記した。最後に「とっても素敵なミュージアムで、作者の生い立ちや、『星の王子さま』の誕生秘話も学んで、私もより一層『星の王子さま』への理解を深められました。この経験をミュージカル『リトルプリンス』に活かしていきたいと思います。見どころや可愛いフォトスポットもたくさんあるので、皆さまにも遊びに来ていただきたいです」と感想を話した。

ミュージカル『リトルプリンス』は202218()から31()まで、シアタークリエにて上演。2月には愛知公演もあり。なお、王子役は加藤と土居裕子のダブルキャスト。星の王子さまミュージアムは神奈川県足柄下郡箱根町仙石原に位置し、箱根登山バス「川向・星の王子さまミュージアム」バス停下車すぐ。開園時間は10:0018:00(最終入園17:00。第2水曜日は休園 ※3月と8月は無休)。

(取材・文:平野祥恵)

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※写真:Le Petit Prince™ Succession Antoine de Saint-Exupéry licensed by(株)Le Petit Prince™ 星の王子さま™より

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