2021年2月、シアター711にて小沢道成のEPOCH MAN『夢ぞろぞろ』(第31回下北沢演劇祭参加作品)の上演が決定。本作は2019年に上演された、田中穂先(柿喰う客)と小沢道成による二人芝居の待望の再演となる。

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小沢道成といえば自粛明け本多劇場が再始動する舞台となった本多劇場グループPRESENTSDISTANCE」でのパフォーマンスが記憶に新しい。6月の一人芝居『夢のあと』、そして8月の峯村リエ(東京公演)、寺田剛史(北九州公演)との二人芝居『みんなの宅配便』ではベテラン勢に混ざって圧倒的な存在を示した。

現在はシアタートラムにて上演中のキ上の空論『脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。』に出演中だ。

『夢ぞろぞろ』は駅の売店を舞台に、売店で働く60歳の女性と、ある日突然電車に乗ることができなくなった青年が繰り広げる物語。

初演時は、「仕事に通う途中、いつも同じ場所にいてくれる"売店のおばちゃん"の人生をずっと描きたいと思っていた。」と語る小沢。そんなとき飛び込んできた樹木希林さんが亡くなったというニュース。憧れだった樹木希林さんと売店のおばちゃんの姿が重なり、物語にしっかりとした強い芯が入り「優しくも力強い、前に進める物語を書いてみよう」と劇作がスタートした。

自身で舞台美術も手掛ける小沢は、初演では駅の売店をくるくると回転する仕様に仕上げ、さまざまなシーンが劇的に展開していく。見ているだけで楽しくなるような舞台美術や仕掛けで、現在と過去、現実と夢の境界線を飛び越えて、小沢の〝演劇を遊ぶ心〟が炸裂する。

夢なのか、夢じゃないのか、駅の売店が見たはなしーーー

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小沢道成/田中穂先

◼︎公演情報

第31回下北沢演劇祭参加作品

EPOCH MAN『夢ぞろぞろ』

作・演出・美術: 小沢道成  音楽: オレノグラフィティ

出演: 田中穂先(柿喰う客) 小沢道成

《公演期間》2021年2月19日(金)〜2月28日(日)

《劇場》下北沢・シアター711(〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15)

《一般発売日》2021年1月9日(土)10:00~

◼︎ストーリー

寂れた駅の風変わりな売店で働く厄介な60歳の女性と、その駅から毎日仕事に通うある日突然電車に乗ることができなくなった青年の、夢をもたないふたりによる、やがて輝くための、もしくは諦めるための、とある駅で起こった愛しい数日間の物語。

◼︎小沢道成コメント

2020年6月、本多劇場グループPRESENTSDISTANCE」企画で一人芝居の依頼を受けました。

家に閉じこもり期間真っ只中だった僕は本番を約2週間後に控え、今出来ることを考えた結果、『夢ぞろぞろ』に登場した駅の売店で働く60歳の女性の〝その後〟を描いた一人芝居『夢のあと』を新たに書き、上演しました。今の世界でも起こっている〝大切な場所を無くした〟ある女性、という設定です。

書いている時に、『夢ぞろぞろ』を上演した当時のことを思い浮かべていました。

この物語を書くきっかけになったのは樹木希林さんが亡くなられたことだったことや、夏の日に仲間と舞台美術を創作したこと、相手役の田中穂先くんとの稽古の日々、劇場から帰っていくお客さんの表情、多くの大切な記憶を思い出しました。

そして、そのことを思えば思うほど、不思議な温かい気持ちがこみ上げてきます。その後の物語には、穂先くんもいません。くるくると回る売店・舞台美術も何もありません。ですが、物凄く温かい、力強い気持ちが湧いてきたのです。

昨日起こった出来事を思い返すと、ふと笑いがこみ上げ、よし、今日もやったるか!という気持ちになるような。例えば、忘れられない大切な思い出が頭によぎる時、涙がでそうになりながらも温かい気持ちになるような。

この作品には、不思議とそういった前に進みたくなるような力があるのかもしれません。

前に進むことができなくなった青年の話なのにです。過去から離れられない女性の話なのにです。

純粋な再演をやってみたい気持ちはありますが、おそらくそうならない気がします。

2021年を力強く進むために、年明け後の2月、懐かしいのに新しい『夢ぞろぞろ』をお届けします。

小沢道成

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9月13日(日)、世田谷パブリックシアターにて、ケムリ研究室no1『ベイジルタウンの女神』が開幕した。

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ケムリ研究室は、劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)と女優・緒川たまきが新たに立ち上げたユニット。第一回公演となる今公演では、仲村トオル水野美紀山内圭哉吉岡里帆松下洸平尾方宣久菅原永二植本純米温水洋一犬山イヌコ高田聖子など力強いキャストが集い、ステージングには小野寺修二、映像に上田大樹、音楽に鈴木光介、と演劇界のトップクリエイターが集合し、大きな期待を受け前売りチケットは即日完売状態だ。

KERAは、今年既にコロナ禍により『桜の園』『欲望のみ』という2つの公演中止を経験している。

ようやく演劇公演で観客と対峙できる日が戻って来た。

今回の公演では、新型コロナウイルスの感染予防対策上、客席数を制限し、劇場入口でも消毒、サーモグラフィ検査、入場時の直接接触を避ける自動発券機導入など、カンパニーは多方面に渡る感染症対策を施し、観客を劇場に招き入れた。

来場客も、観劇前の来場者事前登録や「感染症対策のお願い事項」、劇場入口での感染症対策など、通常の観劇では求められない手間や手順に協力し、開演のつつがない進行をサポートしている。

その向こうには夢の劇場空間が待っている。

今回の作風は、近年の『グッドバイ』や『キネマと恋人』といったKERA作品にみられるような、幅広い層が楽しめるロマンティック・コメディ。

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物語は、大企業ロイド社の社長であるマーガレット(緒川たまき)と、ライバル企業のソニック社の社長タチアナ(高田聖子)という因縁めいた旧知の二人が、通称「ベイジルタウン」と呼ばれる貧民街の再開発を巡って火花を散らすことから端を発する。そこである賭けをすることになり、マーガレットはベイジルタウンにやって来た。そこでマーガレットを待ち受けていたのは、不思議なあだ名で呼び合う貧民街の住人たち、王様(仲村トオル)、ハム(水野美紀)、サーカス(犬山イヌコ)ドクター(温水洋一)、ヤング(松下洸平)、そして彼らと交流を持つ娘スージー(吉岡里帆)などなど。マーガレットとベイジルタウンの人々、ロイド社の社員、タチアナ率いるソニック社などの思惑を巡り、思いも寄らない出来事が巻き起こってゆく...

個性豊かな登場人物たちの生き生きとしたセリフの応酬と、緒川たまき演じるマーガレットやそれぞれのキャラクターのなんとも愛おしい様子に目が離せない贅沢な饗宴だ。久しぶりの劇場での笑いの感覚が染み渡ってくるようだ。

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今回は「来場できない状況の方にもご観劇頂ける機会を」というKERAの思いもあり、9月22日(火・祝)18時開演の追加公演回が生中継配信されることも決定している。

劇場で、それぞれの場所で、ベイジルタウンの世界を堪能してほしい。

公演は、9月東京、10月に兵庫と北九州で上演される。

また、配信は「PIA LIVE STREAM」でも視聴可能。チケットは発売中。

PIA LIVE STREAM」は、チケットぴあで視聴チケットを購入。「PIA LIVE STREAM」配信では、公演生配信に加え、キャスト座談会映像を収録配信予定。

公演詳細はキューブHPで確認してほしい。

< 『ベイジルタウンの女神』公演詳細情報 >https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/kemuri_no1

また、「ケムリ研究室」は、来年2021年夏に、第二回公演『砂の女』(原作:安部公房 上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)を上演することを発表した。来年も楽しみは続く。

『ベイジルタウンの女神』初日開幕に際し、主宰のKERAと緒川たまきからコメントが届いた。

  • ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント

    胸を張ってエンゲキだと言える公演を、緒川さんとのユニットの旗揚げで開幕することが出来ました。今年3本目のはずだったのに、1本目になってしまいました。それでも幕を開けられて、本当に、本当に良かった。カンパニーの皆さんの尽力とお客さんのおかげです。
    カーテンコールでの盛大な拍手には感無量でありました。客席と舞台で3時間半を共有できることの幸せ。
    『ベイジルタウンの女神』は間口の広い作品です。今日観劇してくださったある演劇ライターの方は早速「海外の長編児童文学を読むような、ドキドキワクワクが詰まった、夢と希望に溢れた、大人も子どもも一緒に楽しめる物語。」とツイートしてくださいました。こんなに誰でも楽しめる作品を、次回いつ書くかわかりません。
    マスクだ消毒だとご不便をおかけしますが、そして定員半減に伴い入場料も割高ですが、どうぞ観に来てください。お待ちしてます。

  • 緒川たまき コメント

この作品のために集まってくださったキャスト、スタッフの愛情がこの作品にはたっぷりと詰まっています。完成するまでの過程はすでに感動の連続でしたが、初日を迎え、劇場にいらしゃって下さったお客様に更なるお力をいただきました。これからは、観てくださる方それぞれの無数の『ベイジルタウンの女神』が誕生していくのだと思います。ぜひ『ベイジルタウンの女神』に会いに来てください。劇場でお待ちしております。

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ケムリ研究室 no.1ベイジルタウンの女神

<スタッフ>

作・演出  ケラリーノ・サンドロヴィッチ

振付    小野寺修二

映像    上田大樹

音楽    鈴木光介

<キャスト> 

緒川たまき 仲村トオル 水野美紀 山内圭哉 吉岡里帆 松下洸平

望月綾乃 大場みなみ 斉藤悠 渡邊絵理 荒悠平 髙橋美帆

尾方宣久 菅原永二 植本純米 温水洋一 犬山イヌコ 高田聖子

(※髙橋美帆の「髙」は、はしご高になります)

<公演日程>

【東京公演】9月13日(日)〜27日(日) 世田谷パブリックシアター

【兵庫公演】10月1日(木)〜10月4日 (日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

【北九州公演】10月9日(金) 〜10月10日(土) 北九州芸術劇場 中劇場

https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/kemuri_no1

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シス・カンパニー公演「わたしの耳」が9月9日(水)に新国立劇場 小劇場にて開幕した。
本作は、「エクウス」「アマデウス」の作者としても有名な英国の劇作家ピーター・シェーファーによる男女3人芝居で、この後、9月22日(火・祝)より開幕する「あなたの目」(出演:小林聡美、八嶋智人、野間口徹)と対を成す作品だ。

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まず先陣を切って開幕した本作には、1年半に及ぶ英国演劇留学から帰国後第1弾の舞台出演に挑むウエンツ瑛士、多くの舞台や映像作品でその実力を高く評価されている趣里、コントを得意とするお笑いコンビ「かもめんたる」メンバーであり、「劇団かもめんたる」で演劇活動も展開している岩崎う大が登場。ロンドンのある屋根裏部屋を舞台に、男女3人が過ごすある夜の出来事を描いた本作を、マギーによる上演台本・演出にて上演する。

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<「わたしの耳」あらすじ>
内気な青年ボブ(ウエンツ瑛士)の至福の時間は、狭くみすぼらしい屋根裏部屋には似つかわしくないオーディオセットでクラシックレコードを聴くこと。ある日、クラシックコンサートで隣に座った女性ドリーン(趣里)に一目ぼれ。勇気を出して、自宅のディナーに招待するまで漕ぎつけた。まさに一世一代の大勝負なのだが、女性に不慣れなボブは、明るく経験豊富な会社の先輩テッド(岩崎う大)に助けを求め、助っ人として料理とホスト役を担当してもらうことに...。ディナーの準備を進めるボブとテッドだったが、そこに、いよいよ可愛らしくお洒落をしたドリーンがやって来た。たどたどしいながらもぎこちなく会話を続けるボブ。饒舌になるのは、自分が愛してやまないクラシック音楽の一方的な話題のみ。そんな中、テッドが持ち前の社交性でその場を盛り上げるのだが。。。屋根裏のアパートの一室で、男女3人に起きる一夜の出来事とは...?

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【演出家+キャスト コメント】
上演台本・演出:マギー
登場人物それぞれがまっすぐで滑稽なほど不器用で愛おしくほろ苦い。3人の若者のチャーミングな魅力が劇中どこを切っても溢れています。半世紀前に英国で書かれた戯曲は、今の時代の誰もが共感できる人と人の心の距離感を描いています。そして今回、さらに物理的な距離感にも気を配り演出しました。ソーシャルディスタンスと演劇表現のひとつの解答としても、どや!と全世界に問いたい。そんぐらいの鼻息です。

出演:ウエンツ瑛士(うえんつえいじ)
どんな時代でも期待値なしにありのままの相手を見つめる事は大変難しい。予期せぬ相手の言動を目の当たりにした時、それを単なる「失望」と受け取るのか。それとも自分が見誤ったのか。人生を振り返ってみるとゾクゾクする事ばかりが思い出されますが、それでもなお「青い」っていいなーと思います。いやいや、私も未だに青いな。

出演:趣里(しゅり)
男性陣の普段の会話がとても楽しくて居心地がいい稽古場でした。それに刺激的な現場です。この戯曲は生の感覚が大切な会話劇。そのリアクションが嘘にならないよう心がけているので、皆さんが作る空気感は本当に有難いんです。人間の感情や距離感の取り方、男性二人の間に入る 20 代の女の子の感情の動きなど、最後まで目が離せない舞台です!素敵な時間をご一緒しましょう!

出演:岩崎う大(いわさきうだい)
1960年代のロンドンで暮らす25歳のテッドを、中野区在住41歳の僕がどれだけ演じきれるか?これが今回の個人的テーマでした。人としてよくわからない所の多いテッドで、僕が彼と会話したら軽い喧嘩になると思います。ですが、演じていてとても面白い人間でもあります。僕が気付かないテッドの魅力を見つけてもらえたら幸いです。あの後、テッドがどんな風に家に帰ったのか?興味深いです。

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アメリカが誇る20世紀最大の喜劇作家 ニール・サイモンによる『23階の笑い』を、日本を代表する喜劇作家である三谷幸喜が演出を手がけ、2020年12月に世田谷パブリックシアターにて上演されることが発表になった。

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出演は瀬戸康史、松岡茉優、吉原光夫、小手伸也、鈴木浩介、梶原善、青木さやか、山崎一、浅野和之と三谷作品常連のベテランあり、初めての顔合わせありと多彩な顔触れがそろった。

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ニール・サイモンといえば、その作品だけでなく、脚本家・三谷幸喜の原点を知る上で欠かせない存在として語られることが多い喜劇界の巨星。大学在学中に見た舞台『おかしな二人』(演出:福田陽一郎)が、その作家人生のきっかけのひとつだったという三谷幸喜は、敬愛の念が強いがゆえにニール・サイモン戯曲演出は長く封印してきたという。三谷が初めて"恩師の作品"を演出したのが2013年上演の『ロスト・イン・ヨンカーズ』。それから7年ぶりとなる今回、2度目のニール・サイモン作品の演出に向き合う。

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『23階の笑い』は1993年から1994年にかけてブロードウェイで上演された作品だが、物語の舞台は1950年代のテレビ業界の裏側。
作品に自伝的要素を盛り込んできたニール・サイモンらしく、この作品も彼が実際に大物コメディアン シド・シーザーの下で放送作家・コメディ作家として下積みの時期を過ごしていた体験がリアルに描かれていると言われている。マンハッタンの高層ビルの23階に構えた事務所に行き交うテレビマン、人気コメディアン、若手作家たちが織り成す人間模様、人情の機微、そして何よりも渦巻く笑いの数々。上演を期待せずにはいられない。

<現状の公演概要>
作品名:23階の笑い
(原題:Laughter on the 23rd Floor)
作:ニール・サイモン
演出:三谷幸喜
翻訳:徐賀世子
上演時期:2020年12月
会場:世田谷パブリックシアター (東京公演のみ)
出演:瀬戸康史 松岡茉優 吉原光夫 小手伸也 鈴木浩介 梶原善 青木さやか 山崎一 浅野和之
一般前売開始:2020年11月頃予定

9月12日放送『ミュージックフェア』は、ミュージカルの名曲が勢ぞろいし、新鮮なコラボレーション、演出で新たな光を当てて贈られることがわかった。

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フジテレビ提供


8月に帝国劇場で開催された『The Musical Concert at IMPERIAL THEATRE』で、帝劇で生まれた自身主演のオリジナルミュージカル作品(『ローマの休日』『風と共に去りぬ』『十二夜』)のナンバーを歌って客席を大いに沸かせ、10月から『おかしな二人』でニール・サイモンの喜劇に初挑戦する大地真央
その大地が、2003年以来、17年ぶりに『ミュージック・フェア』に登場。

BR3C4664.JPGフジテレビ提供


大地が演じたミュージカルでの代表曲を、舞台とは異なるアレンジで披露し、トークでは海宝直人宮澤エマ田村芽実ら若手キャストと初めて顔合わせする。


大地は、過去の『ミュージックフェア』で西城秀樹、藤井フミヤらと共演したが、今回も音楽性を追求する同番組ならではの演出と、番組の音楽監督武部聡志氏のアレンジにより、名曲を新たな表現で披露する。
大地が歌唱するのは、宝塚歌劇団トップスター時代の代表作『ガイズ&ドールズ』から「Luck Be a Lady」(訳詞岩谷時子)と、1990年から2010年まで主役イライザ役を演じた『マイ・フェア・レディ』から「踊り明かそう」の英語詞メドレー。
武部氏が大地とのディスカッションを経て施した大人なムードのアレンジにも注目だ。

また『サウンド・オブ・ミュージック』から「私のお気に入り」を、田村芽実とのデュエットにて披露予定。2003年放送の『ミュージックフェア』で大地は故・本田美奈子氏と「私のお気に入り」を披露したが、くしくも田村は本田氏と同じ事務所の女優。大地が収録の合間に「ふとした瞬間が本田美奈子さんに似ている」と思わず口にする、奇跡的なコラボレーションとなった。

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フジテレビ提供


大地真央コメント
「久しぶりのミュージックフェアでしたが、音楽をとことん追求する番組のスタンスも変わらず、楽しくも緊張感のある時間を過ごしました。ミュージカルとも、先日の帝劇コンサートでの歌唱とも違う演出で私が大好きなミュージカルナンバーをお届けします。お楽しみに!」

海宝直人は、ブロードウェイの実力派女優イディナ・メンゼルのトニー賞主演女優賞受賞作『ウィキッド』の「Defying Gravity 自由を求めて」を珍しく男性バージョンで歌唱。宮澤エマは、ミュージカル・コメディ映画『紳士は金髪がお好き』から、マリリン・モンローが歌った「DIAMONDS ARE A GIRL'S BEST FRIEND」を披露する。


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フジテレビ提供

<歌唱曲一覧>
「私のお気に入り」(「サウンド・オブ・ミュージック」より) 大地真央×田村芽実
「EDELWEISS」(「サウンド・オブ・ミュージック」より) 海宝直人×宮澤エマ
「DIAMONDS ARE A GIRL'S BEST FRIEND」(「紳士は金髪がお好き」より) 宮澤エマ
「ポピュラー」(「ウィキッド」より) 田村芽実
「Defying Gravity 自由を求めて」(「ウィキッド」より) 海宝直人
「Luck Be a Lady」(「ガイズ&ドールズ」より) 大地真央
「踊り明かそう」(「マイ・フェア・レディ」より) 大地真央

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ミュージカル『ローマの休日』が104日(日)から28日(水)まで東京・帝国劇場にて上演されます。

本作は、オードリー・ヘプバーン主演の名作映画『ローマの休日』('53年)を原作に、'98年に日本で製作されたオリジナル・ミュージカル。

公式HP▶▶https://www.tohostage.com/romanholiday/

とある国の王女がヨーロッパ歴訪の途中で立ち寄った"永遠の都・ローマ"で手にした、一日だけの自由な時間と、そんな王女のプライベートをスクープしようとローマ観光をエスコートする新聞記者との交流、そして、生涯忘れえない恋とのめぐり逢いを描いたストーリーで、初演はアン王女を大地真央さん、新聞記者のジョー・ブラッドレーを山口祐一郎さんが演じました。

20年ぶりの再演となる今回もスタッフは初演と同じ、脚本・堀越 真、演出・山田和也、音楽・大島ミチル、作詞・斉藤由貴という布陣。そこに新たなキャストを迎え、装いも新たに生まれ変わります!

そんな本作で主演を務める朝夏まなとさん(土屋太鳳さんとのWキャスト)にお話をうかがいました。

★ 朝夏まなと INTERVIEW ★

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*****

――朝夏さんは公式HPに「帝国劇場の舞台に立つことが夢だった」というコメントを出されていましたね。

「はい。帝国劇場は長い歴史があり、選ばれた人しか立てない場所だと思っていました。だから、演劇をやっている者としては、いつかは立ってみたいなと思っていました」

――その作品が『ローマの休日』であることは、どのように思われていますか?

「嬉しかったです。あの『ローマの休日』ですか!?と聞き返したくらい。誰もが知っている物語ですし、アン王女をまさか自分ができるなんて思いもしていなかったので。夢みたいでした。信じられない感じ」

――「アン王女をまさか自分が」というのは、オードリー・ヘプバーンの役だからですか?

「それもありますし、大地真央さんが初演で演じられたことを知っていたので、ええ!?って」

――大地さんが演じられた役を演じることは、朝夏さんにとって「ええ!?」なのですね。

「そうですね。今思えば、『マイ・フェア・レディ』('18年)のイライザ役も真央さんが演じられた役ですし、そういう意味ではある種のご縁があったのですが、それでもやっぱり『いいんですか!?』という気持ちが大きかったです」

――では、今一番大きな意気込みというと、何になりますか?

「先日出演した帝国劇場の『THE MUSICAL CONCERT』(8月1425日)Program Cで真央さんとご一緒させていただいたときに感じたことでもありますが、真央さんは『ローマの休日』だけじゃなく、『十二夜』だったり、いくつもの日本のオリジナル・ミュージカルに出演して、イチからその作品をつくられていました。それを"受け継ぐ"ということが、自分の中では一番大きいです。海外ミュージカルが数多く上演される中で、日本でもこれほどのミュージカルをつくることができ、これだけ大きな劇場でできるということを、また後に再演されるように受け継いでいきたい。その流れの中に今、立たせてもらっているんだということを思っていて。そこが一番の使命だと思っています」

――映画『ローマの休日』も大好きな作品だとうかがいましたが、どのようなところが好きですか?

「まずオードリー・ヘプバーンがかわいすぎるし、グレゴリー・ペックがカッコよすぎて(笑)。ふたりが、立場ではなくて人として惹かれ合っていく様も素敵です。でも最後は自分のいるべき場所に戻るんですよね。いろんな経験をして、アンが王女として成長していく。そこはミュージカルでも丁寧に描かれている部分ですが、感動します。ふたりの恋にキュンキュンするし、ベスパでローマの街を走るところなんかはワクワクするんですけど、最後はホロッとしてしまう。そういうところを演じられたらなと思います」

――『ローマの休日』は多くの人が知る作品だと思いますが、客席にいる人までもが先の展開をわかっている中で演じるというのは、大変なことだなと思ったりもします。演じる側は何が大事になるのでしょうか。

「舞台上で起きることを新鮮に感じることです。その人物にとっては初めて起きることなので、いかにリアルな反応ができるかが大事かなと思います。これはどんな作品においてもそうですけどね。あとはこのミュージカルと映画版との大きな違いに、歌が入るところがあります。映画で『ここに曲が入ったら面白いのに』と思うところには全部曲が入っているので、それは、映画をご存知の方でも新鮮に観ていただけるはず。その情景にピッタリ合う、素敵な曲ばかりですから」

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――少し脱線しますが、朝夏さんは映画を観ながら「ここに曲が入れば面白いのに」と思われるのですね。

「髪の毛を切るところとかとてもワクワクして、『これ、ミュージカルナンバーだったらな』とか思いました。この作品は、そこが本当にミュージカルナンバーになっているので。すごく面白い曲なんですよ。美容師との掛け合いとかあって」

――歌稽古が始まったばかりだそうですが、歌ってみてどうですか?

「日本で作られたミュージカルなので、言葉とメロディがピッタリ合ってるんですよね。無理がなくて歌いやすいです。あと、メロディがシンプルなので、すごく印象に残ります。頭の中でリフレインするような、キャッチーな曲ばかりです」

――しかも踊るんですよね?

「そうそう、ローマの街でアンがお買い物をしている曲とか。けっこう踊りますよ」

――アン王女を演じるうえで楽しみにしていることは?

「王女だから自由な時間がなくて、常にスケジュール通りに動かされているアンが、ローマの街で、自分の意志を持って、初めての体験をたくさんするんですけど、それを自分もアンとして体験できるのが楽しみです。あとは、ジョーさんがどれだけキュンキュンさせてくれるのかも楽しみです(笑)」

――そうですよね!

「ジョーさん、おふたり(加藤和樹さん・平方元基さんのWキャスト)いらっしゃるので。それぞれどういうアプローチで来られるのかすごく楽しみですね。だって自分がやりたいことを叶えてくれる相手ですよ?」

――最高ですよね。

「最高ですよ!カフェ行きたいって言ったらカフェに連れて行ってくれるし、シャンパン飲みたいと言ったら飲ませてくれるし(笑)」

――(笑)。ジョーを演じる加藤和樹さんと平方元基さんはタイプが違うおふたりですね。

「全然違いますね。和樹くんはまだ全貌が見えないんですよ。一見、すごく寡黙でクールな感じに見えるじゃないですか?でもなんか『俺は本当はこんなんじゃない』みたいなことを言っていたので。どんなの?どんなの?みたいな(笑)。けっこうお茶目な方らしいので、そういう和樹くんが大人のジョーをどうつくるのかなっていうのは楽しみです」

――平方さんはどうですか?

「平方さんもお茶目なので(笑)」

――『マイ・フェア・レディ』で共演されていますよね。

「はい。でもそのときはお芝居を一緒にするシーンはほとんどなかったです。平方さんって弟みたいなキャラなんですよ。だけどジョーってアンよりも大人な役なので。どうやって引っ張ってくれるのかなっていう楽しみはありますね」

――なんだか現場が楽しそうですね。

「年齢が近いんです、ふたりとも。和樹くんは同級生だし、平方さんは一歳下で。普段からワイワイしています。部活ノリにならないようにがんばります!」

――(笑)。土屋太鳳さんとは。

「まだお会いしてないです。でもテレビで拝見すると、がんばりやさんなイメージがありますよね。きっとまた違うアンになるんだろうなと思っています」

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――演出の山田和也さんとは『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』('19年)ぶりですが、作品について何かお話されましたか?

「ちょうど昨日、久しぶりに再会できたのですが、作品についてはまだお話しできてないんですよ。山田さんは真央さんの公演も演出していらっしゃるので、今回どんなふうにしていただけるのかなっていう楽しみがあります。お芝居にとても熱くて、だけど役者がどう思っているかも聞いてくださる柔軟な方なので、稽古場でのディスカッションを楽しみにしています」

――2度目のタッグになると、安心感がありますか。

「はい。今回は、山田さんもそうですし、今までの作品で知り合えた方が多い現場なんです。だから安心して委ねられるので、楽しみです」

――今のお話もそうですが、朝夏さんは'17年に宝塚歌劇団を退団されて、'18年の芸能活動再開からさまざまな作品に出演して来られました。今をどんなふうに感じていますか?

「"慣れてきた"という言い方も違うかもしれないですが、物怖じしなくなったというか。最初は、どういうスタンスでいればいいんだろうというのがありました。宝塚時代の私のことを知ってくださっている方もいるけど、全く知らない方もいますから、『この子、何者なんだろう』と思っている方もきっといるだろうなと思いながらお稽古とかしていたので。でも、自分がやるべきことをちゃんとやっていたら、周りの方も認めてくれるし、知り合いも増えていって、最近は現場でやっとちょっと居場所ができた感じもしています」

――活動再開から2年経って、表現の仕方が変わったりもしましたか?

「(宝塚では男役だったので)女性の役をやるうえで気を付けないといけないことが減っていってるなと思います。仕草を意識しないと女性っぽくならなかったんですよ。役の内面的なことで意識しなくちゃいけないことはあまりないのですが、外見ですよね。歩幅が大きすぎるとか、足を広げてしまうとか、そうしないように意識していたことが、ちょっとずつ身についてきたと思います」

――逆に変わらないものはありますか?

「やっぱり毎公演、新鮮にやることです。慣れてしまわないこと。さっきも話したことですが、その人物にとっては初めて起きていることなので、集中して、聞き逃さないように、感情が動くキューを逃がさないように」

――集中力なんですね。

「そうです。想像力と集中力です、この仕事は。そこは変わらないですね」

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――『ローマの休日』は、アン王女が別人のような1日を過ごす作品ですが、朝夏さんが別人になれるとしたら、どんな人になりたいですか?

「えーなんだろ!迷う!これは1日考えたいな(笑)。うーん......男性の俳優かな」

――どなたのイメージですか?

「綾野剛さん!今、『MIU404』を観てますから(笑)。あのドラマ、最高じゃないですか?」

――私も観てます。最高です!

「いいですよね! 綾野剛さんは以前、『モニタリング』でカメラマンのふりをする企画も面白くて。バラエティ番組の企画とは思えないくらい、役作りがハンパなかったんですよ。ああいう方々の仲間に入ってみたいです」

――仲間になりたいんですね。

「そう(笑)。あとは......(自分で)まだあるんかい!」

――(笑)。聞かせてください。

「ハリウッドで大人気の女優さんに1日だけなってみたいですね。映画の現場を体験してみたいです」

――ハリウッドに進出したいという気持ちがあるのですか?

「そういう願望はないです(笑)。でも見てみたい。ハリウッドの現場とかブロードウエイの現場とか。1日でいいけど(笑)」

――開幕が楽しみです。

「先日、『THE MUSICAL CONCERT』のときに、お客様側も、スタッフ側も、劇場での対策がだんだん明確になってきているなと感じました。もちろん手間もかかりますし、皆さん大変な思いで劇場に来てくださっていると思うのですが、それでも『観たい』とか『やりたい』という思いが勝っているから、できているんだと思っています。大変な時ですが、お客様には、劇場にいる間だけはそういうことを忘れられるようなものを、私たちはお届けするのみです。もちろん無理はしてほしくないですが、こちらの対策はできるかぎりやっているので、そこは信じて来ていただけたらと思います」

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取材・文=中川實穂
写真=南方篤
スタイリスト=加藤万紀子
ヘアメイク=根津しずえ

ミュージカル『ローマの休日』は104日(日)から28日(水)まで東京・帝国劇場にて上演。12月、1月と愛知、福岡公演あり。

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オリジナルミュージカルや韓国発のミュージカルを製作してきたatlasによるミュージカルコンサート「"atlas" musical collection 〜meets friends〜」。9月24日(木)・25日(金)よりオンライン配信を予定している当コンサートの収録が8月下旬、東京・COTTON CLUBにて行われた。歌われるミュージカルナンバーは、『あなたの初恋探します』『Indigo Tomato』『SMOKE』『最終陳述』『カリソメノカタビラ』『アンクル・トム』、そして最新作『BLUE RAIN』の計7作の劇中歌。それぞれの作品に出演していた彩吹真央池田有希子上口耕平大山真志木暮真一郎坂元健児新納慎也東山光明水夏希山田元吉野圭吾が顔を揃え、MCとして駒田一が盛り上げた。この収録の模様をレポートする。

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会場は大人の空間・COTTON CLUB。本来、観客が入るスペースには複数台のカメラが立ち並び、カメラレールも敷かれている。12人の出演者たちはラグジュアリーな会場の雰囲気にふさわしく、フォーマルな装い。ただ、流れる空気はフランクで楽し気。実際には共演経験のない間柄のキャストもいるが、それを感じさせない和やかさがあるのは、atlas製作の特徴だろう。

収録はブロックごとに分けて行われた。オープニングはatlas製作ミュージカルの記念すべき第一作『あなたの初恋探します』より。MCも務める駒田一が本作品のプロローグでもある「DESTINY」を軽快に歌う。ノリの良さそのままに『Indigo Tomato』の「Brain Man」で大山真志がカッコよく決め、『最終陳述』より「ブルーノ」を山田元がしっとりと歌い上げる。本編を未見の方もご安心を。MCコーナーでは、これらの作品がどういった内容のものなのか、駒田が巧みに聞き出している。

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続けて水夏希が主演したオリジナルミュージカル、『カリソメノカタビラ』のコーナー。デオン・ド・ボーモン役の水、ボーマルシェ役の坂元健児がムーディに、めくるめく歴史絵巻へといざなう。斉藤恒芳が手掛けた楽曲の美麗さも、改めてかみしめる。さらに、本編では出演していなかった彩吹真央がマリー・アントワネットに扮し、水のデオンとデュエットする楽曲も。ここでしか聴けない組み合わせはミュージカルコンサートならではの"お楽しみ"だ。水と彩吹の仲良しコンビはトークコーナーでも気の合ったところを見せていたので、そちらも乞うご期待。

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その後、吉野圭吾&新納慎也が出演はしていない意外な楽曲で踊りまくったり......とファン仰天&垂涎のナンバーなどを挟み、第一部のクライマックス『SMOKE』コーナーへ。『SMOKE』はこれまでに三たび上演を重ねる、atlasミュージカルの代表作。ミステリータッチのストーリー展開の中、芸術家の業や生きることの苦しみと希望を描き出すディープな3人ミュージカルだ。本作に出演経験のある大山真志、池田有希子、木暮真一郎、彩吹真央が劇中ナンバー5曲を続けて披露。本編上演時、俳優たちの魂を削るような熱演も評判だったが、ナンバーがかかるとその時の感覚を思い出すのか、コンサートでもみな火花を散らしあい、大熱唱。浅草九劇バージョンの超:大山真志とシアターウエストバージョンの紅:彩吹真央という、組み合わせを超えたデュエットも披露。ラストの「翼」の高揚感、開放感もひときわ心地が良かった。なお『SMOKE』トークコーナーでは人数が多いためこのご時世らしくパーテーションが登場。しかし構成を手掛ける広崎うらんが「でもこれ、SMOKEの世界よね!」と発言したのを皮切りに、パーテーションを劇中に登場する鏡に見立ててマイムをしてみたり......と、あくまでもポジティブなキャスト陣。ちなみにここのトークも本番中に起きたハプニングのエピソードなど楽しい話題満載だったのでお楽しみに。

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続いて第二部の収録へ。二部は『最終陳述』コーナーよりスタート。こちらは昨年上演されたふたりミュージカルで、半年後にはコンサート版も上演された人気作。本作からはガリレオ・ガリレイを演じた山田元が登場。今回は大山真志、坂元健児が加わり、温もりのあるチャーミングな作品の風を伝えた。

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ふたたび『あなたの初恋探します』のナンバーを挟み、クライマックスは『アンクル・トム』と最新作『BLUE RAIN』のリミックス。"雨"をキーワードにリンクする2作品、計10曲、約30分ノンストップのパフォーマンスだ。『アンクル・トム』出演経験者は新納慎也、上口耕平、池田有希子、山田元。『BLUE RAIN』からは吉野圭吾、水夏希、東山光明、池田有希子。『BLUE RAIN』では水が扮するクラブ歌手ヘイドンがクラブで歌うタイトルナンバーがこの日の会場であるCOTTON CLUBで歌われる圧倒的リアリティ、『アンクル・トム』で老人役に挑戦した新納が、衣裳やメイクはそのままに声色だけで役柄を蘇らせた迫力、精神的に追い詰められていく役柄を演じた『アンクル・トム』の上口と『BLUE RAIN』の東山がステージ上でクロスする演出......。見どころ多数、「これが見たかった!」と「そうきたか!」がミックスされた憎い構成になっているので、2演目のファンは楽しみにしていてほしい。

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公演から時間がたっていても、それぞれの俳優の肌に役がしっくりなじんでいるのだろう、鮮やかにその役が蘇る。数曲のピックアップでも、一気に当時の作品、当時の役に入り込む俳優陣の熱演・熱唱にワクワクしたり、ホロリときたり、胸がキュッとしたり。7つのミュージカルをギュッと濃縮した"いいとこ取り"のコンサート、フィナーレは全員登場、ちょっと意外な作品からのナンバーをみんなで踊りまくり、5時間超にわたる濃密な収録は終了した。コロナ禍という状況の中オンライン配信という選択がなされた本コンサート。もちろん生の楽しさは何物にも代えがたいのは百も承知。ただ、「最後のキメはこのカメラに向かって」といった普段のステージでの演出ではありえない指示や、"あえてカメラの前を横切る"といった演出もつけられていたので、「完成映像はどんなカッコいいものになっているんだろう!?」という期待感も生まれた。今だからこそ実現したオンラインコンサート、7つの作品のファンはもちろん、広くミュージカルファン必見のものになりそうだ。(取材・文:平野祥恵)

ミュージカルコンサート「"atlas" musical collection 〜meets friends〜」は配信はPIA LIVE STREAMINGにて。視聴チケットは9月18日(金)発売予定。視聴期間や内容の詳細は公式ホームページ(http://g-atlas.jp/amc/)にて。

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生駒里奈さんが主演を務める『かがみの孤城』の通し稽古が、開幕初日を約10日後に控えたタイミングで報道陣に公開されました。げきぴあ編集部はこれまで、主人公・安西こころを演じる生駒さんにインタビュー。作品や役柄のイメージを膨らませる稽古前の心境に耳を傾けました。

【ぴあニュース】生駒里奈、役に自分重ね「いじめの経験あるからこそ発信したい」

作家の辻村深月さんが2017年に刊行し、翌年の本屋大賞を獲得した本作。同級生の悪意に傷つき、家に閉じこもる中学1年生のこころはある日、自室の鏡を通じて見知らぬ城がそびえ立つ異世界へ引き込まれてしまう。そこで出会った6人の仲間と望みが何でも叶う"願いの鍵"を見つけようと奔走するうちに、彼らは自分たちが城に集められた理由を目の当たりにして──。

脚本・演出は、同じく辻村さんの『スロウハイツの神様』(2017年初演)を舞台化した成井豊さん。キャストは他に溝口琢矢さん、野田裕貴さん(梅棒)、前田航基さん、原田樹里さん、河内美里さん、渡邊安理さん、多田直人さん、木村玲衣さん、石森美咲さん、稲田ひかるさん、澤田美紀さんが名を連ねています。

*     *     *

稽古スタートから21日目を迎えたこの日、通し稽古が行われるのは2度目。前日の"初通し"を終えた仲村和生プロデューサーのツイートには「演出家からは1回目の通しとしてはとてもよい、と高評価」とあって、いやがおうにも期待が高まります!

新型コロナウイルス感染症の影響もあって、稽古場は常にソーシャルディスタンス仕様。キャストは全員、マスクの上から透明のマウスシールドを装着し、飛沫防止策を徹底していました。セリフをそらんじるキャスト、段取りを確認しあうスタッフの中で、生駒さんは通し稽古前のわずかな時間を使って黙々とダンスシーンの振付をさらうなど準備万端です!

通し稽古は、こころが"かがみの孤城"で過ごした記憶をたどるモノローグで開幕。同級生からの執拗ないじめを機に心身に不調をきたし、こころが部屋から出られなくなった瞬間、For Tracy Hyde「繋ぐ日の青」のイントロが流れ、オープニングのダンスシーンへ突入します。人がくぐり抜けられるサイズの大きな姿見を効果的に用い、こころと城で出会う6人が揃い踏みするステージング。これから始まる物語の世界観を伝える、印象的な幕開けでした。

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インタビューで「いじめられた経験がある自分だからこそ、役に説得力が出る」「同じ悩みを抱えている全ての方に向けて発信したい」と述べていた生駒さん。周囲へ心を閉ざし、不登校になったこころの"戸惑い"を、マスクをしていてもわかる視線越しの繊細な表情で立ち上げます。孤城の仲間と出会い、母(渡邊安理)やフリースクールの喜多嶋先生(原田樹里)の理解を経て"成長"していく様子も必見です。

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城に集められた他の中学生と境遇は異なるものの、「学校へ通いたかった」気持ちが人一倍強いリオン。演じる溝口さんは、通し稽古後に行われたダンスシーンの確認でリーダーシップを発揮していました。一緒に踊るキャストを代表して段取りを質問すると、振付を手がける川崎悦子さんから「呑み込みが早くて助かるわー!」の声が。潤滑油として稽古場に貢献する舞台裏を覗かせてくれました。

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野田さんは、公演パンフレットの座談会インタビューで見せたご自身の温厚な人柄を役に投影。東京に転校してから学校へ行けなくなってしまったものの、6人をなだめる大らかなスバルとして存在感を示していました。梅棒のメンバーだけあって、ダンスシーンをリードする姿にも注目です。

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前田さんは、ご本人いわく「優しい両親から甘やかされて育ったであろう」ウレシノ役。惚れっぽい性格で、孤城で出会う女性陣の中で恋愛対象をどんどん変えていく節操のなさをチャーミングに造形しました。中学生キャスト最年少だけあって、学ラン姿が誰よりも似合っていたことを伝えておきます(笑)。

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ウレシノから強すぎる気持ちをぶつけられ、困惑するフウカを演じる河内さん。母親の「娘をピアニストに」というプレッシャーに押しつぶされそうになる役どころです。メガネ姿でおとなしそうなフウカが、孤城の仲間に出会って自分らしく青春の日々を取り戻していく様子には心が温かくなりました。

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稲田さんが扮するのは、家庭環境に問題を抱えるアキ。ご本人が「強がったり本心を隠したり、偽りの自分を演じているようにも見える」と分析するように、朗らかなキャラクターながらもアンバランスな一面を覗かせます。それが結実する回想シーンの激情は見どころ。感情を爆発させ、現実に立ち向かう姿には思わず手に汗を握ってしまいました。

それぞれ複雑な事情を抱えつつも、やっぱり学校へ行きたい──。7人の切実な思いが丁寧に描かれるからこそ、彼らが城へ集められ、出会った必然性が浮かび上がります。救いのラストに向けて加速する展開はもちろん、原作を尊重しながら舞台化する成井さんのクリエーションも健在。ところどころに挟まれるFor Tracy Hydeの涼しげな女性ボーカルも、登場人物の心象風景を効果的に彩っていました。

通し稽古の初期段階から高い完成度を見せ、関係者を魅了した『かがみの孤城』カンパニー。音楽・美術・照明・振付・衣裳といったスタッフワークも加わった本番では、どのようなステージを見せてくれるのでしょうか。開幕が非常に待ち遠しくなりました!

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公演は、8月28日(金)~9月6日(日)に東京・サンシャイン劇場にて。その後、18日(金)~20日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、22日(火・祝)に愛知・刈谷市総合文化センター 大ホールと巡演する。

また本作はPIA LIVE STREAMを通じて、収録映像を後日視聴できる「ディレイ配信」と9月6日(日)に行われる東京千秋楽公演の「生配信」が実施されます。


ディレイ配信

[配信公演]2020829日(土)18:00開演回

[視聴期間]202091日(火) 19:3026:30

生配信

[配信公演]202096日(日)13:00 東京千秋楽公演

[視聴期間]202096日(日)13:0023:59

※いずれも開始30分前から配信ページに入場可能となります

2学期が憂鬱な学生さんをはじめ、コロナ禍や猛暑に疲れた大人の皆さんも、劇場での鑑賞と配信サービスで"クールダウン"してみては。

取材・文:岡山朋代

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NAPPOS PRODUCE 舞台「かがみの孤城」

2020828日(金)~96日(日)

東京・サンシャイン劇場

2020918日(金)~20日(日)

大阪・サンケイホールブリーゼ

2020922日(火・祝)

愛知・刈谷市総合文化センター 大ホール

[原作]辻村深月「かがみの孤城」(ポプラ社刊)

[脚本・演出]成井豊

[出演]生駒里奈、溝口琢矢、野田裕貴、前田航基、原田樹里、河内美里、渡邊安理、多田直人、木村玲衣、石森美咲、稲田ひかる、澤田美紀、山本沙羅

※出演予定でした木津つばささんは降板となり、代わりに山本沙羅さんが出演されます。詳しくは公式サイトをご確認ください。http://napposunited.com/kagaminokojo/

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My Story
--素敵な仲間たち--

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『レ・ミゼラブル』『エリザベート』『ローマの休日』『モーツァルト!』 『レベッカ』『ダンス オブ ヴァンパイア』・・・
帝劇で様々な大作ミュージカルに出演し、神秘的な歌声と圧倒的な存在感で、観客を魅了し続けている「ミュージカルの帝王」山口祐一郎が、コロナ後初めて帝劇の舞台に立つ!

題して『 My Story -素敵な仲間たち 』

歴史上初めてとなる帝国劇場で本格的なトークショー公演が決定した。

構成・演出は『ローマの休日』ほか数多くの山口主演ミュージカルの演出を手掛けてきた山田和也

山口と山田のオンライン打ち合わせでは、初トークショー挑戦にもかかわらず、山口から「MCは必要ない」との驚きの言葉が・・・!
90分の上演時間をどのように構成していくか、構成すること自体が可能なのか・・・・乞うご期待!
また、山口が共にミュージカルを創り上げてきた"素敵な仲間たち"が各公演替わりで登場し、共演の思い出やミュージカルの素晴らしさを語り尽くすスペシャルな内容にも期待したい。

【浦井健治&保坂知寿】
2004年に『エリザベート』ルドルフ役で帝劇に初めて出演して以来、山口との共演を重ねつつ、スターダムを駆け上がり、現在 シアタークリエで主演を務めている浦井健治 。
劇団四季時代に数々のミュージカルで共演し、2009年に帝劇で初主演ミュージカル『パイレート・クィーン』で山口と共演し、その後も数多くのミュージカルやコンサートで共演した保坂知寿。
12月のシアタークリエ公演『オトコ・フタリ』で共演する3人が息の合ったトークを展開します。


【加藤和樹&平方元基】
ミュージカル『ローマの休日』 初演(1998年青山劇場 2000年帝国劇場 山田和也演出)で山口祐一郎が演じた ジョー・ ブラッドレー(新聞 記者 を20年ぶりに演じ継ぐ、加藤和樹と平方元基が参加 。 『レディ・ベス』などでの共演もある、3人のブラッドレー記者が語らう回にご期待ください!


【中川晃教】
2002年に『モーツァルト!』日本初演タイトルロールで華々しくミュージカルデビューを遂げ、今月も『ジャージーボーイズ i n コンサート』に主演した中川晃教。『モーツァルト!』でヴォルフガング と対立する コロレド大司教を演じた山口との13年ぶりの共演となります。饒舌な二人の止まらないトークにご期待ください!

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『My Story 素敵な仲間たちー』 構成・演出:山田和也


<公演期間・会場>
公演期間:

9月17日(木)
 13時: 山口祐一郎& 浦井健治&保坂知寿

 17時: 山口祐一郎& 加藤和樹&平方元基


9月18日(金)
 13時: 山口祐一郎& 中川晃教

 17時 山口祐一郎& 中川晃教

会場:帝国劇場
 ※上演時間は各回90分を予定

<チケット料金> ※客席は千鳥配列50%稼働

 S 席¥8,000

 A 席¥5,000

 

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鞘師里保さんが主演する<shared TRUMPシリーズ>音楽朗読劇『黑世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』が920日(日)から東京・大阪にて上演&配信されます。

HP▶▶https://trump2020.westage.jp/

本作は、劇作家・末満健一さんがライフワークに掲げ、2009年から展開する人気演劇公演「TRUMPシリーズ」の新しい試みとなる「shared TRUMPシリーズ」の第一弾。

ひとつの世界観を複数の作家が共有して創作する"シェアードワールド"の手法を用いた短編アンソロジー形式での公演となり、今回は

<雨下の章>中屋敷法仁(劇作・演出家、劇団柿喰う客 代表)、降田天(小説家・推理作家)、宮沢龍生(小説家)/末満健一

<日和の章>岩井勇気(お笑いコンビ・ハライチ)、葛木英(脚本家・演出家・俳優)、来楽零(小説家)/末満健一

という面々が脚本を手掛けます。

作家の詳しい情報は▶▶こちら

描かれるのは、TRUMPシリーズ2作目『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』('14)の主人公・リリーが不老不死のあてなき旅の中で出会う<雨下の章>と<日和の章>のふたつの物語。二作同時上演です。

そもそもTRUMPシリーズとは?▶▶こちら

本作で、『LILIUM』に続き出演する鞘師さんと、脚本・演出を手掛ける末満さんにお話をうかがいました。

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*****

――おふたりは舞台『ステーシーズ 少女再殺歌劇』('12)、『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』('14)ぶりのタッグとなりますが、会われたのは久しぶりですか?

末満 この作品のビジュアル撮影が5年ぶりの再会でしたね。

鞘師 そうですね! 最後にお会いしたのがNAPPOS UNITEDTRUMP』('15)を観劇したときだったので。

――今作『黑世界』は、TRUMPシリーズ最新作として本来やるはずだったミュージカル『キルバーン』がコロナの影響で上演が難しくなり、生まれた作品だそうですね。

末満 はい。舞台上のソーシャルディスタンスをはじめとするいろんな条件を考えると、朗読劇は一つの手段だとは思ったのですが、僕、もともと朗読劇に対して食わず嫌いなところがあったんですよ。お手軽感のようなものが出ちゃったらいやだなと思って。なのでこの機会に、自分がやる朗読劇というものを探ってみようと思いました。

――リリーを主人公にした"音楽"朗読劇にしたのはなぜですか?

末満 『キルバーン』がミュージカルの予定だったので、歌ものではありたいなと思って。その中でいろいろと考えたときに、シックで落ち着いた世界観のイメージが自分の中に浮かび、リリーのロードムービー的なお話が合うんじゃないかと思いました。TRUMPシリーズではいろいろな時代を描いていますが、『LILIUM』のその後の時間軸は描いたことなかったですし。そういう、いろんな状況に導かれるようにして行き当った作品ですね。

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――鞘師さんは'15年にモーニング娘。を卒業されて、海外留学も経験され、久しぶりの舞台となりすますが、どうして出演を決めたのですか?

鞘師 "決めた理由"というより"迷うことなく"という感じです。もちろんブランクがあるので、尽くさなきゃいけないことがたくさんあると思いますが、やりたいと思いました。

――それは『LILIUM』の経験もあってのことですか?

鞘師 そうです。『LILIUM』という作品は、モーニング娘。として活動をさせていただく中でやらせていただいたもの(作品にはモーニング娘。'14選抜メンバー、スマイレージ、ハロプロ研修生が出演した)ではあるのですが、「新しい一面を見せる」みたいに単純に語れるような出来事ではなかったというか、自分の中ではすごく大きな出来事だったんです。TRUMPシリーズのファンの方に観ていただけましたし、歌や表現に対する考え方も変わるきっかけになった作品だったので。自分にとってすごく大きな経験になっています。

――そんな場所に鞘師さんが6年ぶりに戻ってこられる『黑世界』ですが、まず、<雨下の章><日和の章>というタイトルはどういうことでつけられたのですか?

末満 これ、実はもともと、<100年後編><200年後編>という予定だったです。『LILIUM』の100年後の話、200年後の話、という意味で。それで作家さん達から届いた脚本を読んだら、<100年後編>の話はどれも雨が降っていたんですよ。それで、だったら<雨下の章>とつけようかな、と。『LILIUM』も雨が降っているお話だったので、その名残もありつつ。逆に<200年後編>は雨が降らない世界ということで<日和の章>なんですけど、内容的にも割とハートウォームな感じなんです。TRUMPシリーズって悲劇的な話が多いし、今作でもそういう要素がないわけでもないんですけど、<日和の章>は太陽が温かい感じがある。なので、この世界を楽しむための新しい見え方としてアリかなと思ってつけました。

鞘師 そういうことだったんですね。 実は今、台本を覚えている途中で。新良エツ子さんと会話するシーンが多いので、最近ふたりでリモートで読み合わせをしているんです。

末満 そうなんだ。ひとりでやるより覚えやすいもんね。

鞘師 その読み合わせの初日に、ふたりで「<雨下>と<日和>は対照的な話だね」と話して、悲しいお話が多い<雨下>のほうを先に覚えようってことになったんです。未来に明るいことがあるほうがいいで。「日和が待ってる!」みたいな感じで。

末満 ははは!

――ちなみに『LILIUM』は6年前の作品ですが、新良さんと読み合わせをされる中で感覚はスッと戻るものですか?

鞘師 いえ、最初は舞台に立っている想像もできませんでした。でも読み合わせをしたり、過去の作品を観させてもらって、TRUMPの世界観や空気感を今、身体に取り入れている感覚です。

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――末満さんが現時点で「ここは大切にしてほしい」ということはありますか?

末満 特にないです。

鞘師 (笑)

末満 でも、6年の歳月がもたらすものは確実にあるだろうから。過去作品を観てもらうのもありがたいけど、どちらかというと、自分が経験してきたものを大事にしてもらえたらいいなと思います。

鞘師 はい!

――脚本は読んでいかがでしたか?

鞘師 読んでいてすごく楽しいです。短編アンソロジー形式で、どんどん話が変わっていきますし。お客様には新しい見応えを感じていただけるんじゃないかと思います。

――本当に多種多様なストーリーが楽しいですよね。そしてそれによってTRUMPシリーズの器の大きさも感じられました。岩井さんの脚本なんて、TRUMPの世界観でここまで笑うことできます!?って。

鞘師 たしかに(笑)。

末満 10年やってきましたからね。10年かけてしっかりした土台ができていったんだなと思います。でも実は、岩井さんの最初の脚本はシリアスなラブストーリーだったんですよ。だけど先入観で、僕、それをコメディだと誤読してしまって。

――ええ(笑)。

末満 それで、最初の脚本もすごくよかったんですけど、他にもシリアスなラブストーリーがあったので、岩井さんに「僕はこのラブストーリーをこういうふうに誤解したんです」とお伝えして、その方向で書き直していただいて、今の脚本になりました。だから最初とはガラッと変わったんですけど、僕も読んで、「ちょっと待てよ、これ。おもしろい」って(笑)。TRUMPの設定をうまく利用したコントになってますよね。

――皆さんそれぞれにすごく魅力的な脚本でしたね。

末満 できあがった脚本を最初に読んだ時、「そうそう、こういう俺からは出ないものが欲しかったんだ!」という気持ちでした。宮沢さんのお話は優しいヒューマンドラマだったし、来楽さんのシリーズの設定を巧みに使ったラブストーリーもうまいなと思ったし、降田さんのお話は流石ミステリー作家という驚きもあって。葛木さんのお話は観念的な罪悪と贖罪に関する物語で、お客さんによって捉え方が違うみたいな作品に仕上がっていて、僕はどうしてもわかりやすく書きがちなので、これをこの世界観の中で成立させられたら面白いなといました。中屋敷さんのお話は中屋敷さんワールドでぶっ飛んでいるし(笑)。純粋に読者として、読むのが楽しかったです。

――そして末満さんの書かれた脚本が大きな軸になっていました。

末満 一本の軸として僕の脚本がありながら、他の作家さんの脚本が振れ幅を出してくれるという感じですよね。いろんなストーリーがあるので、キャストたちのいろんなお芝居を観られる楽しみもあるだろうなと思います。

――そのキャストの皆さんもバラエティ豊かですよね。(キャストはこちら

鞘師 私はキャストの皆さんのお名前を拝見してから、考えないようにしています。プレッシャーになるので(笑)。稽古では前のめりに勉強させてもらいたいという気持ちもありつつ、「『LILIUM』に出させてもらった」という気持ちもどっしり持って、やりたいです。

末満 ミュージカルにしても、僕が関わっている2.5次元作品にしても、TRUMPシリーズにしても、「なんかこの顔ぶれよく見るよね」とか「この人はいつもいるよね」みたいなことって見かけると思うんですけど、今回は、そういうことがない、あまり見たことのないようなキャストの並びにしたいなと考えました。ミュージカル俳優もいれば大ベテラン俳優もいて、声優もいて、芸人もいて、モデルもいて......とバラバラになりました。今回、他の作家さんに脚本をお願いしたのもそうですが、TRUMPシリーズを10年やってきて、物語を完結させるまでには多分あと最低10年くらいかかりそうな見通しなので、今までやってきたことをなぞるだけでは、これからの10年を自分の中で楽しめないなと思って。ここまでに固まってきたものを未来でまた強く固めるために、一旦ほぐしたい。今回はそれができる面白い顔ぶれが集まったから、このゴリゴリに固まった世界をかきまわして、また違った見え方を、お客さんにもそうだし、僕自身にも見せてくれるんじゃないかなという期待感があります。

――その中心に立つ鞘師さんは。

鞘師 私は変わらないほうがいいんですかね。

末満 うん。真ん中、中心軸だからね。自然と変わっている部分もあるだろうから、そこは大切にして、無理に変わろうとはしなくていい。

――音楽はどのようなイメージですか?

末満 どちらかというと、落ち着いた大人な雰囲気の楽曲世界になるんじゃないかな?と思っています。極力、生演奏にしたいんですよ。打ち込みも流すとは思いますが。ただ、そういうクラシカルな中でも、ロックのイメージがある松岡充さんに合う曲も、アイクさんが歌うラップの曲もある予定です。作曲の和田さんに「クラシカルな中でそういうことってできるの?」って聞いたら、「できます!」と言っていたので(笑)。

――ちなみに鞘師さん、末満さんってどんな印象ですか?

鞘師 なんか......親戚のおじさんみたいな(笑)。

末満 (笑)

鞘師 撮影で5年ぶりにお会いできたときに、「やっと会えたー!」みたいな気持ちになりました。実は休業していた間も、ファンの方からメッセージをたくさんいただいていて、その中に「もう一回TRUMPシリーズに出てほしい」というものが多かったんです。だからずっと頭の片隅には常に末満さんとTRUMPシリーズのことがあり、やっと会えた気持ちになりました。

末満 『ステーシーズ』で初めて会った頃、鞘師は1314歳とかだったよね?

鞘師 そうです!

――当時はどんな印象でしたか?

末満 僕はアイドルとお仕事するのは『ステーシーズ』が初めてだったんですけど、やっぱり皆さん、何万人、何十万人に見てもらう世界で生きてる人たちなので、自己表現やキャラが飛び抜けている印象でした。でもその中で鞘師はなんか......嵐の中でそこだけ風が吹いてない、みたいな。落ち着いた子でした。

鞘師 本当ですか!

末満 さっきも"中心軸"みたいな話をしたけど、『LILIUM』のときも、鞘師が中心にいると組み立てやすかった。周りのキャラを濃くしても、芯(鞘師)がしっかりしてるから、作品が崩れないなっていうのがあって。でも当時、鞘師は「私、大丈夫ですか?」みたいなことを言ってたよね。

鞘師 え、覚えてないです(笑)。

末満 だから「そのままでいいから」みたいな話をした。鞘師がいると軸が通るというか。その軸があるからこそ、『LILIUM』の凛とした情緒のある世界観ができあがった。だから逆にサブにて暴れる鞘師もいつか見てみたいとも思ってるんだけど。今回は怪物みたいな表現者がゴロゴロしているので(笑)、鞘師を真ん中に置けば一本筋が通るなという安心感があります。

鞘師 今のお話を聞いて、余計なことを考えずにがんばろうと思いました。

――本番を無事、迎えられることを祈っています。

末満 感染者を出さないように気を付けながら。ただ、どれだけ予防しても、かかるときはかかっちゃうので。最大限予防しつつ、運に委ねつつ。

鞘師 こういう時だからこそ楽しみにしてくださっている方もたくさんいらっしゃると思うので。無事に開幕に辿り着けたらいいなという気持ちでいっぱいです!

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920日(日)から104日(日)まで東京・サンシャイン劇場、1014日(水)から20日(火)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。

ライブ配信は922日(火・祝)、26日(土)、27日(日)、103日(土)、4日(日)の10公演。

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