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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.7■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作の再演が現在好評上演中です。

父と息子の和解、家族の愛
という普遍的なテーマを、ファンタジックな世界観の中で描いていく物語で、日本では2017年に初演。
今年は《12 chairs version》と冠し、少数精鋭12人で上演する新バージョンになりますが、主人公のエドワード・ブルーム役の川平慈英さん以下、なんと初演の主要メンバーが全員続投という奇跡の再演が実現した、というのは既報のとおり。

初演よりキャストの人数は少なくなりましたが、だからこそ家族の物語がいっそう濃密になり、より心に刺さる舞台になった、と再演版も大きな評判を呼んでいます。

父と息子だけでなく、母と息子の関係もまた、深くなりました。

今回の更新は、エドワードの息子のウィル=浦井健治さんと、エドワードの妻サンドラ=霧矢大夢さん母と息子コンビインタビューです!
東京公演も終盤に差し掛かった某日、本番後にお話を伺ってきました。
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★インタビュー中、物語の展開や、おふたりの演じる役柄について触れています。舞台を未見の方はご注意ください。
 

●ストーリー●
自分の体験をワクワクするような冒険譚にでっちあげて語る父・エドワード。
少年時代に"沼の魔女"から、自分の死期を予言された話。
故郷の洞窟に住んでいた巨人・カールとの友情。
サーカスで最愛の女性・サンドラと出会い、彼女の情報ほしさに団長のエイモスのもとで働いた話。
...幼い頃は、父の語る冒険譚が大好きだったけれど、成長して父の大げさな話に飽き飽きしている息子・ウィルとエドワードの間には、いつしか溝ができてしまっています。
しかし父が病に倒れたことから、ウィルは"父の話の真実"を知りたいと強く思うようになって...。

 

浦井健治×霧矢大夢 INTERVIEW ◆

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●父親と息子だけでなく、母親と息子の関係もグッと来ます


――『ビッグ・フィッシュ』は父と息子の葛藤と和解が軸に描かれていますが、特にこの再演では妻サンドラ、新しく家族になるお嫁さんのジョセフィーンも含めブルーム家の "家族" の物語、というところが色濃くなったな、と思いました。母子の関係性も、さらにグッと来ます。

霧矢「サンドラの曲が変わって(1幕中盤で歌われる『彼の中の魔法』)、私も今回、すごくウィルと向き合っているなと感じています。あと今回私は、ウィルが "お母さんっ子" になった気がします(笑)」

浦井「そうなんですよ。僕自身、慈英さんと霧矢さんを尊敬していて、ふたりが"おとん・おかん"って感じがすごくするんです。本当は "お兄ちゃん・お姉ちゃん" なので恐縮なのですが」

霧矢「いえいえ。健ちゃん(浦井)は息子としての甘えが良い意味で出ているよね。私がツボなシーンは、その『彼の中の魔法』を歌う前、ウィルが『知らない人(Stranger)』を素晴らしく歌い上げた後に、かかってきた電話に「あ、母さん?」って言う声(笑)」

浦井「アハハハハ! 細かいよ~(笑)」
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霧矢「すごく優しい声で、あれがキュンとくる。いや、自分が母に対して「(少しぶっきらぼうに)もしもし、何?」って言ったりしているので......それは母と娘の関係だからちょっと違うというのもあるのですが。でも母親に対して照れてぶっきらぼうになる息子もいるじゃない? そうじゃなくウィルはとても優しく「母さん?」って言う。この子、優しい子だわぁ、すごい母さんのこと大事にしてくれてる子やなぁ、って」

浦井「全力でお母さんを愛してますから。僕はそのガレージのシーンの霧矢さんの背中! 霧矢さんってダンスもトップレベルの人で "踊れる人の体型" なんです。若かりし母親のシーンの背中はすっとしているんですが、ウィルが結婚する年になった時のサンドラになると、姿勢のポジションを変えていらっしゃるんですよ。ちょっと、寂しい感じを出す。その時の背中に本気で「あぁ、母さん、小さくなったなぁ」って思うし、そう僕に思わせる技術を持っていらっしゃる。それを存分に利用させてもらってウィルとしてやっています」

霧矢「...いやいや(照れる)。でも再演であのシーンの曲が変わって、言っている内容はそんなに変わらないのですが、サンドラの苦悩、哀しみも出せるようになりました。エドワードがもうすぐいなくなるしウィルも遠くにいる、しかもふたりがもめている...という悲しさを出せる瞬間です」

浦井「あと、一番泣けるのが霧矢さんのソロ『屋根はいらない』なんです。あれはねぇ、泣く! 歌詞も、描かれているメッセージも素晴らしいですよね。この夫婦、素敵だなって思う。稽古場で一度霧矢さんが、これは泣くと歌えない、でもどうしても(泣いちゃって)ダメだ......って時があったんです。嗚咽に近い感じで声を詰まらせながら歌っているのを見てたら、僕はもらい泣きしていました」

霧矢「そうなんですよね。初演の時にも稽古場で一回、歌えなくなってしまった時があって、これはアカンわと心を鬼にしてやって、初演はちゃんと千秋楽まで乗り越えたんです。そして、再演の稽古が始まって、久しぶりやな......よしよし、きたきた......って(初演の心を鬼にした感覚を思い出しながら)やっていたのですが。慈英さんの身の委ね方などが、やっぱり再演だとまた変わっていて」

浦井「あのシーン、慈英さんも素晴らしいんですよ、本当に」

霧矢「しかもその前のシーンが変わったじゃない?(西部劇風の『Showdown』から再演では『二人の間の川』に)エドワードとウィルがお互いをなじりあい、私とジョセフィーンの苦悩も描かれ、エドワードがもうボロボロになっているんですよ。自分もそういうエドワードを守ってあげなければいけない、強くいなければいけないという気持ちがあるのですが、稽古中にヒュッとそのタガが外れて、一度歌えなくなってしまいました。......でも! そこで自分の感情の満タンがここだってわかったので、そこからは泣かずに歌えています(笑)」

浦井「でもそこまで入り込めるって、本当に尊敬します」

霧矢「いやいや、涙を流しながら綺麗に歌える方とかいらっしゃいますし、私もそれが出来たらいいのですが、出来ないから」

浦井「本物の感情には敵わないですよ! すごい素敵だと思う」
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―― 浦井さんも、ウィルが終盤に歌う『次のこと』。観客としてはあそこは号泣ポイントで、プロの方に失礼ですが、よく泣かずに歌えるなといつも思います。

浦井「あそこのシーン、僕も実は稽古場では泣いてしまって。いまも......でも今では、一番楽しいシーンにもなりました」

霧矢「うん! すごいよね、健ちゃん。私もたまに袖から見ているのですが、最後の歌い上げなんか、どこのロック歌手さんかってくらい(笑)。この物語の中で、エドワードが "動" だとしたらウィルは "静"。終始客観的で冷めたポジションにいる。そのウィルが、飛び跳ねながら歌っているのは、見ていても楽しいし、エドワードの思いを受け継いでいるのがよくわかる」

浦井「また、そのあとに続く慈英さんのソロである『終わり方』の中で、カール(深水元基)、キャロウェイ(ROLLY)、ドンとザッキー(藤井隆&東山光明)、魔女(JKim)と出てくるんですが、みんなが最高の笑顔で、こんなに優しい目をするんだ......っていうほど素敵な眼差しをエドワードに向けているんですよ。それに対して慈英さんも「クー!」って顔して(笑)。涙は止めどなく溢れてくるんですが、なぜか明るい気持ちになるんです。毎回終わると幸せな、ふわふわした感覚で、不思議な奇跡を見ているような感じなんです。白井(晃)さんの演出がとにかく僕の心に刺さるんですよ」
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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.6■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作の再演が現在好評上演中です。

父と息子の和解、家族の愛という普遍的なテーマを、ファンタジックな世界観の中で描いていく物語で、日本では2017年に初演。
今年は《12 chairs version》と冠し、少数精鋭12人で上演する新バージョンになりますが、主人公のエドワード・ブルーム役の川平慈英さん以下、なんと初演の主要メンバーが全員続投という奇跡の再演が実現した、というのは既報のとおり。

そして、皆さんが口をそろえて言うのが、「川平慈英さんのエドワードは、本当にピッタリだった!」ということ。

自分の体験した出来事を、ありえないほど "盛って" ワクワクするような物語に仕立てあげるエドワード。川平さんのチャーミングさ、サービス精神の旺盛さは、まさにエドワードそのものでした。

今回の更新は、そのエドワード=川平慈英さんと、エドワードの幼馴染にして永遠のライバルであるドン・プライス=藤井隆さん、ドンの弟ザッキー・プライス=東山光明さん"幼馴染トリオ" のインタビューです!
稽古も佳境に入った、本番直前の某日にお話を伺ってきました。
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●ストーリー●
自分の体験をワクワクするような冒険譚にでっちあげて語る父・エドワード。
少年時代に"沼の魔女"から、自分の死期を予言された話。
故郷の洞窟に住んでいた巨人・カールとの友情。
サーカスで最愛の女性・サンドラと出会い、彼女の情報ほしさに団長のエイモスのもとで働いた話。
...幼い頃は、父の語る冒険譚が大好きだったけれど、成長して父の大げさな話に飽き飽きしている息子・ウィルとエドワードの間には、いつしか溝ができてしまっています。
しかし父が病に倒れたことから、ウィルは"父の話の真実"を知りたいと強く思うようになって...。

 

川平慈英×藤井隆×東山光明
INTERVIEW ◆

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●《12 chairs version》は総力戦

―― "奇跡の集結" だと皆さんが仰っている再演です。お稽古場はどんな雰囲気ですか?

川平「藤井さんどうですか!」

藤井「やっぱり最初は寂しかったですよね、お稽古場が」

川平「たしかに、前回はもっとわちゃわちゃしてたから」

藤井「はい。ただ今回、再演のお話をいただいたときに、演出の白井(晃)さんと主演の慈英さんが引続きやられると聞いて、絶対に僕も参加させていただきたいと思いました。それは初演の時に慈英さんが作ってくれた座組みの雰囲気が良かったから。物語は悲しい面もあるのですが、すごくお稽古場が楽しかったんです。皆さんお忙しい方ばかりだったので、帰りに一緒にご飯に行って......というような "仲の良さ" ではなかったのですが、稽古場で作り上げている時間が本当に楽しかった。その場所にもう一度呼んでいただけたことがすごく嬉しく、今ふたたび参加させていただいて、とても楽しいです」

東山「僕もすごく思い入れを持って今回の再演に挑んでいます。実は、出演した作品に再演でも出させてもらうってことが初めてなんですよ。それもすごく嬉しくて。今回は12人バージョンということで気持ちも新しく『ビッグ・フィッシュ』に挑ませてもらっています」

川平「楽しくやってますよね。前回は産みの苦しみで、この作品がどう評価されるかまったくわからない状態で作っていたので、白井さんが頭をかきむしって、髪がいつも以上にカーリーヘアになっていた(笑)。でも今回は白井さんもリラックスしているし、みんなが落ち着いています。ただ《12 chairs version》になるので結構、試行錯誤しています。でもある意味正しい "12人の表現方法" だと思う。人数が減ったことを逆手にとって、12人がフル活動。みんな、涙ぐましい努力をしています(笑)」
 
 
―― 公開稽古でやった冒頭のナンバー『ヒーローになれ』から総力戦だなと思いました。

川平「本当に総力戦。初演では健ちゃん(浦井健治)も、ねねちゃん(夢咲ねね)もこのシーンはいなかったけれど、今回はいます。皆さん、実はこんなところにも出ている! っていうトリビアがいっぱいある、だから何回か観た方がいいですよ(笑)。実はあのシーンのあそこに誰々がいる! って見るのも面白いと思います。霧矢(大夢)さんのアレ(※どこを指しているかは舞台をご覧ください)なんか、最高だよね! 全編みんな、フルスロットルですよ」

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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.5■

ティム・バートン監督の傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』が11月1日、東京・シアタークリエで開幕した。日本では白井晃演出で2017年に初演。ファンタジックな世界観の中に家族の大切さをしっかり描き出し、好評を博した。今回はその好評を受け、2年半ぶりの再演。川平慈英浦井健治霧矢大夢夢咲ねねらオリジナルキャストが揃い、夢のように美しくも、観る者が自分の人生と照らしあわさずにはいられない普遍的な作品を紡ぎだしている。
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物語の主人公は、自らの体験談を現実にはありえないほど大げさに盛って語る男、エドワード。小さい頃に魔女に自分の死に方を予言された話、人魚と恋をした話、洞窟の巨人と友だちになった話、サーカスで最愛の女性と出会った話......。その奇想天外な話を聞いて育った息子のウィルは、大人になるにつれ現実味のない父親の話を信じなくなり、さらにはあることをきっかけに父子の間には大きな亀裂が入ってしまう。だがエドワードが病気になり、ウィルは父の話の真実がどこにあったのかを探ろうとする......。
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劇場を初演の日生劇場よりひとまわり小さいサイズのシアタークリエに移し《12 chairs version》と冠するアザーバージョンでの上演となった今年の公演。だが演出の白井晃が「シンプルな空間にしようとは思っていない、初演の空間をできるだけ凝縮した形に」と語っていたように、物足りなさは一切感じない。白井の繊細な演出や、印象的な美しい舞台セットも健在だ。キャストは初演時の22名から12人の少数精鋭となったが、その分キャストひとりひとりが様々なシーンに登場。浦井や霧矢、夢咲らメインキャストも、めまぐるしく衣裳を替え、様々な役に扮する。特に彼らがエドワードが語る冒険譚のキャラクターとして登場することが増えたことから演劇ならではの面白さが増し、さらに劇中劇感が色濃くなったことで"物語を紡ぐ楽しさ"がより強く伝わってくる。これは『ビッグ・フィッシュ』という作品が訴える大きなテーマにも通じる。人生には物語が、夢が大切だ。誰もが自分の人生の主人公だ――。それは、泣きたくなるほどにあたたかく優しく、力強い人生賛歌だ。

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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.4■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作が今年、ふたたびやってきます!

父と息子の和解、家族の愛という普遍的なテーマを、ティム・バートン監督らしいファンタジックな世界観の中で描いていく物語。

10月上旬、時系列としては公開稽古が行われた10月16日より前の稽古場の模様をお届けするレポート、後半です!
稽古場にいるキャストは、川平慈英さん、浦井健治さん、霧矢大夢さん、夢咲ねねさんという2組の夫婦
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前回のレポートから少し場面は進み、2幕。
とはいえ、こちらも「現在」のシーンです。

場所はベッドルーム。
エドワード(川平さん)の病は、ちょっとばかり深刻なようです。

ベッドで西部劇を見ているエドワード。
それを見て「あなた大好きよね、西部劇」と言うサンドラ(霧矢さん)
その言い方が、愛情があって良いんです~!BF4-91_3298.JPG
 

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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.3■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作が今年、ふたたびやってきます!

先日お届けした「顔寄せレポート」「公開稽古レポート」に続き、稽古場レポートをお届け。
取材に伺ったのは10月上旬、時系列としては公開稽古が行われた10月16日より前のものです。

この日の稽古場は、少数精鋭でした。
稽古場にいたキャストは、川平慈英さん、浦井健治さん、霧矢大夢さん、夢咲ねねさん、小林由佳さんの5名。

公開稽古で披露された2曲の新曲、『彼の中の魔法』『二人の間の川』
この曲を含むシーンを作っている最中でした。
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●ストーリー●
自分の体験をワクワクするような冒険譚にでっちあげて語る父・エドワード。
少年時代に"沼の魔女"から、自分の死期を予言された話。
故郷の洞窟に住んでいた巨人・カールとの友情。
サーカスで最愛の女性・サンドラと出会い、彼女の情報ほしさに団長のエイモスのもとで働いた話。
...幼い頃は、父の語る冒険譚が大好きだったけれど、成長して父の大げさな話に飽き飽きしている息子・ウィルとエドワードの間には、いつしか溝ができてしまっています。
しかし父が病に倒れたことから、ウィルは"父の話の真実"を知りたいと強く思うようになって...。


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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.2■


10月16日、ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』の公開稽古が開催されました。
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このイベントでは劇中の3シーンが、報道陣と、倍率10倍以上の中当選した一般オーディエンスの前で披露されました。
『ビッグ・フィッシュ』連載中のげきぴあ、もちろん取材してまいりました!

本日はその模様をお伝えいたします。

 
【ビッグ・フィッシュ2019 バックナンバー】
# 合同取材会レポート
# 白井晃インタビュー
# 顔寄せレポート

 
物語は、自分の体験をワクワクするような冒険譚にでっちあげて語る父・エドワードと、幼い頃は父の語る冒険譚が大好きだったけれど、成長して父の大げさな話にウンザリしている現実主義の息子・ウィル、この父子の確執と和解が縦軸。
ここにエドワードとその妻サンドラ、ウィルとその妻ジョセフィーンというふた組の夫婦像、さらにはエドワードの語るファンタジックな物語が横軸となり、ファンタジーとリアルを行き来する感動的なミュージカルになっています。

まずは演出の白井晃さんから

「ご存じのようにこの『ビッグ・フィッシュ』は、今回が再演です。再演では《12 chairs version》と銘打ち、文字通り "12個の椅子に座っている人たちだけでやる" (※椅子に座っている、は比喩と思われます)ということです。初演は日生劇場で22人のキャストでやっていましたが、12人とコンパクトになった分、ドラマが凝縮されています。ただ12人でやることになったので...ねえ、皆さん(とキャストに呼びかけ)大変なんですよね(笑)? 色々なことをやらなきゃいけないので大変なことになっているのですが、そのぶん、楽しんでやってもらっていると私は思っています。そんなところ(大変さ)も今日、お稽古で見ていただければ。
本当に良いドラマですし、良いミュージカルだと思うので、私たちも再演できて喜んでいます。より多くの皆さんに観ていただければと思っています」
とご挨拶。
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その後「我々もいつもどおり稽古させていただきますので堅苦しくなくご覧いただければ」と前置きし、稽古場披露が始まりました。
 


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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.1■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作が今年、ふたたびやってきます!

父と息子の和解、家族の愛という普遍的なテーマを、ティム・バートン監督らしいファンタジックな世界観の中で描いていく物語。2013年にアメリカで初演されたミュージカル版では、映画版と同じくジョン・オーガストが脚本を手掛け、アンドリュー・リッパによる美しく印象に残る音楽が彩っています。

日本では白井晃演出で2017年に初演。
ファンタジックなシーンはミュージカルならではの華やかさで描き、シリアスな現実シーンは演技巧者の俳優陣がしっかりと登場人物たちの人生を紡ぎだし、夢のようでありながらも心に染みる作品として、多くの観客の心を掴みました。

この作品を愛していたのはファンのみならず、キャスト、スタッフも同じ(それ以上!?)だったようで、主人公のエドワード・ブルーム役の川平慈英さん以下、なんと初演の主要メンバーが全員続投という、奇跡の再演が実現!

先日開催された合同取材会の模様もどうぞ...→

ただし劇場が初演の日生劇場から、ひとまわり小さいシアタークリエとなり、サブタイトルに『12 chairs version』と冠する新バージョン。
演出の白井さん曰く「初演はアンサンブル含めて22人のメンバーだったのですが、今度は主要メンバーだけに絞った12人のバージョン」とのことで、また新しい『ビッグ・フィッシュ』の表情が観られそう。

とはいえ、あの愛すべき物語、そしてキャスト・スタッフ陣の "ビッグ・フィッシュ愛" も、変わりません!
ということで、初演時も9回の長期連載をしたげきぴあ、2019年版も、作品を追いかけたいと思います!!

さっそく10月某日、スタッフ・キャストが一堂に会する "顔寄せ" の現場を取材しました。

初演時の連載は、こちらからまとめてどうぞ →

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■『ビッグ・フィッシュ』vol.9■


日生劇場で好評上演中のミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
とても素敵な世界が広がっています。

作品の魅力に迫ったこれまでの連載はコチラ→

今回は、2月15日の終演後に開催されたアフタートークショーをレポートします。
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出席者は霧矢大夢さん、赤根那奈さん、藤井隆さんの3名。
司会は中山昇さんです。

翌々日は公演の折り返し地点、【中日】というタイミングで行われた、このアフタートーク。
霧矢さんは主人公・エドワードの妻サンドラ、
赤根さんはエドワードとサンドラの息子・ウィルの妻ジョセフィーン、
藤井さんはエドワードの友人ドン・プライスを演じています。
プライベートでは、霧矢さんと赤根さんがともに宝塚歌劇団出身(しかも同時期を同じ月組で過ごしていたこともある)というご関係です。

ちなみに司会の中山さんは、漁師役etcを演じています。


●まずは我らがヒーロー、エドワード・ブルーム役の川平慈英さんについて。

霧矢「はじめからすごく雰囲気のいい現場で。まず川平慈英さんが本当にもう、"ムードメイカー"を通り越して...なんなんでしょうね」

藤井"ムード"ですね!(客席笑)

霧矢「そこに藤井隆さん、ROLLYさんが加わって。皆さん個性的ですし、この作品のために生まれたんじゃないかというキャストが揃って。毎日笑い転げてます」

赤根「慈英さんはお稽古場からフルパワーで、楽しんでいらっしゃるのが伝わってくる。始まってからも、本当にエネルギーが衰えるどころかクレッシェンドしていくんですよ。毎日、カーテンコール終わったあとも舞台袖で繰り広げられるパフォーマンスがあって...

霧矢ミュージカル『グリース』(笑)。慈英さんのカーテンコールの扮装が"それ風"なので、ずっと袖で、そのマネをやって、私たちに見せてくださっている(笑)」

▽ 霧矢大夢さん
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中山「止まっている瞬間がないんですよね~」

藤井「慈英さんがすごく素敵な空気を出してくださって。稽古中でも「ムムっ」とか「クゥー!」とか言ってくださるんですよ(笑)。失敗しても「いいんです!」と親指を立てて言ってくださって。おかげさまで僕、人生でこんなことしたことないんですが、いい癖が出来ました。家でも何かあったら「いいんです」と親指を立てて言うようになりました。あと稽古場で楽しかったのは、霧矢さんがおいしい差し入れをいつも持ってきてくださったこと!カレーパン、ラスク、ドーナツ...それをみんなで食べてみんなで感想言うのも楽しい時間でした」

霧矢「稽古場から本番まで、"どよん"とした空気にになることがほとんどなかったですよね」

...と、カンパニーの素敵な空気が伝わってくるエピソードを披露。

▽ 「いい癖が出来た」という藤井さん
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ちなみに「日生劇場の空間も壁がブルーになっていて『ビッグ・フィッシュ』の世界になっている。素敵」と霧矢さん。

▽ こんなかんじです
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「ROLLYさんがすごく素敵なことを仰っていました。『お魚のおなかの中にいるみたいですよね』って」と藤井さん。

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■『ビッグ・フィッシュ』vol.8■

【開幕レポート】

ティム・バートン監督の傑作映画をミュージカル化した舞台『ビッグ・フィッシュ』が2月7日、東京・日生劇場で開幕した。2013年にブロードウェイで大ヒットした作品で、日本では今回が初上演。前日の6日には、川平慈英、浦井健治ら出演者が意気込みを語るとともに、最終舞台稽古が報道陣に公開された。
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自らの体験談を現実にはありえないほど大げさに盛って語る父親エドワードと、その奇想天外な話を聞いて育った息子ウィル。ウィルは大人になるにつれ父の話が作り話にしか思えなくなり、父子の間には隙間が生まれてしまうのだが......。少しすれ違ってしまっているけれど解りあいたい父と息子のもどかしい現実と、エドワードが語る奇想天外な物語――子どもの頃、魔女に死の様子を予言された話、巨人との友情、サーカスで最愛の女性と出会った話などなど――、イマジネーションの世界とリアルな家族の物語が交互に語られ、めくるめく世界に観客を誘う。その行き来を違和感なく描き出す力があるミュージカルという手法、そして実力派揃いのキャスト陣がしっかりと家族の絆を表現することで、ティム・バートン監督映画に負けない、ファンタジックで心あたたまる素敵な作品が誕生した。
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■『ビッグ・フィッシュ』vol.7■


川平慈英さん主演、ティム・バートン監督映画を原作にしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
日本初演が、いよいよ明日に迫ってきました!

本日2月6日には初日を目前に控えたキャストが舞台衣裳で囲み取材を開催。
舞台にかける意気込みを語りました。
さっそく、そのレポートをお届けします。
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エドワード・ブルーム役:川平慈英さん
「ついにこの日が来たなと、胸がいっぱいです。本当に劇場入っても発見だらけ。思ってた以上に本当にゴージャスな舞台になっています。僕も、申し訳ないんですが、お客さんよりも楽しんじゃう...一番楽しんでやろうかなと思っています。その楽しんでいる僕たちを見て、お客さんの心があたたまってくれれば、感動していただければ、こんな嬉しいことはない。視覚的にも素晴らしいことになっています、セット、照明は世界一なんじゃないかなというくらいゴージャス。音楽は言わずもがな。とにかく来ていただければ幸せに...なるんです!この素晴らしいチームをぜひ観に来てください」
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ウィル・ブルーム役:浦井健治さん
「ティム・バートン監督映画の中でも自分も一番好きと言っても過言でないくらい、愛や人生、色々なものを考えさせられる作品です。とにかく稽古場から、一番出番が多くて大変なのに、川平さんが元気(笑)! ひたすらずっと動いている。本当に"ビッグ・フィッシュ"のようです」
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