『ビッグ・フィッシュ』2019 #6 幼馴染トリオ登場!川平慈英&藤井隆&東山光明 インタビュー

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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.6■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作の再演が現在好評上演中です。

父と息子の和解、家族の愛という普遍的なテーマを、ファンタジックな世界観の中で描いていく物語で、日本では2017年に初演。
今年は《12 chairs version》と冠し、少数精鋭12人で上演する新バージョンになりますが、主人公のエドワード・ブルーム役の川平慈英さん以下、なんと初演の主要メンバーが全員続投という奇跡の再演が実現した、というのは既報のとおり。

そして、皆さんが口をそろえて言うのが、「川平慈英さんのエドワードは、本当にピッタリだった!」ということ。

自分の体験した出来事を、ありえないほど "盛って" ワクワクするような物語に仕立てあげるエドワード。川平さんのチャーミングさ、サービス精神の旺盛さは、まさにエドワードそのものでした。

今回の更新は、そのエドワード=川平慈英さんと、エドワードの幼馴染にして永遠のライバルであるドン・プライス=藤井隆さん、ドンの弟ザッキー・プライス=東山光明さん"幼馴染トリオ" のインタビューです!
稽古も佳境に入った、本番直前の某日にお話を伺ってきました。
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●ストーリー●
自分の体験をワクワクするような冒険譚にでっちあげて語る父・エドワード。
少年時代に"沼の魔女"から、自分の死期を予言された話。
故郷の洞窟に住んでいた巨人・カールとの友情。
サーカスで最愛の女性・サンドラと出会い、彼女の情報ほしさに団長のエイモスのもとで働いた話。
...幼い頃は、父の語る冒険譚が大好きだったけれど、成長して父の大げさな話に飽き飽きしている息子・ウィルとエドワードの間には、いつしか溝ができてしまっています。
しかし父が病に倒れたことから、ウィルは"父の話の真実"を知りたいと強く思うようになって...。

 

川平慈英×藤井隆×東山光明
INTERVIEW ◆

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●《12 chairs version》は総力戦

―― "奇跡の集結" だと皆さんが仰っている再演です。お稽古場はどんな雰囲気ですか?

川平「藤井さんどうですか!」

藤井「やっぱり最初は寂しかったですよね、お稽古場が」

川平「たしかに、前回はもっとわちゃわちゃしてたから」

藤井「はい。ただ今回、再演のお話をいただいたときに、演出の白井(晃)さんと主演の慈英さんが引続きやられると聞いて、絶対に僕も参加させていただきたいと思いました。それは初演の時に慈英さんが作ってくれた座組みの雰囲気が良かったから。物語は悲しい面もあるのですが、すごくお稽古場が楽しかったんです。皆さんお忙しい方ばかりだったので、帰りに一緒にご飯に行って......というような "仲の良さ" ではなかったのですが、稽古場で作り上げている時間が本当に楽しかった。その場所にもう一度呼んでいただけたことがすごく嬉しく、今ふたたび参加させていただいて、とても楽しいです」

東山「僕もすごく思い入れを持って今回の再演に挑んでいます。実は、出演した作品に再演でも出させてもらうってことが初めてなんですよ。それもすごく嬉しくて。今回は12人バージョンということで気持ちも新しく『ビッグ・フィッシュ』に挑ませてもらっています」

川平「楽しくやってますよね。前回は産みの苦しみで、この作品がどう評価されるかまったくわからない状態で作っていたので、白井さんが頭をかきむしって、髪がいつも以上にカーリーヘアになっていた(笑)。でも今回は白井さんもリラックスしているし、みんなが落ち着いています。ただ《12 chairs version》になるので結構、試行錯誤しています。でもある意味正しい "12人の表現方法" だと思う。人数が減ったことを逆手にとって、12人がフル活動。みんな、涙ぐましい努力をしています(笑)」
 
 
―― 公開稽古でやった冒頭のナンバー『ヒーローになれ』から総力戦だなと思いました。

川平「本当に総力戦。初演では健ちゃん(浦井健治)も、ねねちゃん(夢咲ねね)もこのシーンはいなかったけれど、今回はいます。皆さん、実はこんなところにも出ている! っていうトリビアがいっぱいある、だから何回か観た方がいいですよ(笑)。実はあのシーンのあそこに誰々がいる! って見るのも面白いと思います。霧矢(大夢)さんのアレ(※どこを指しているかは舞台をご覧ください)なんか、最高だよね! 全編みんな、フルスロットルですよ」

―― となると、川平さんは主役ですからエドワード役のみですが、藤井さんと東山さんは初演とは違うところにも出演されているってことですよね。ぜひお二方の見どころも教えてください。

川平「今回ドラゴンが......(笑)」

東山「ドラゴン(のシーン)で藤井さんが主演を......(笑)」

藤井「違います!」
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川平「いや、前回あって、今回はなくなったシーンがあるのですが、そこで藤井さんが演じていたキャラが実は復活しています!」

藤井「もちろん、初演をご覧になっていない方が観てもなんの問題もない作りにはなっていて、初演を観ていただいていた方がもし気付いてくださったら御の字、ってくらいなんですけど......。私はその場面はとても気に入っています! ほかには例えば水になったりとか、親子の関係の象徴として出たりもします。映像では "水の役" はやらせてもらえないでしょ。そういう役をやらせてもらえるのは舞台に出る醍醐味のひとつなので、難しくて大変ですがやりがいがあります」

東山「そうですね」

川平「東山君は、産婦人科医をやってるね!」
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―― あ、もしかして藤井さんがお好きだという......。

藤井「そうです!」

東山「藤井さんが好きな歌って有名なんですね(笑)」

川平「隙あらば役をとってやろうかって言ってるよ(笑)」

藤井「いえいえ(笑)、マジメな話をすると、エドワードさんが最後のシーンで歌うメロディを義理の娘であるジョセフィーンが歌うっていうのが、すごく好きなんです(このシーンのメロディはラスト近くのナンバー『終わりかた』の1フレーズ)。ジョセフィーンはすごく、エドワードの理解者だと思う。その彼女が、子どもが生まれるんだ......っていう歌詞を、お父さんのメロディで歌うのが初演の時からすごく好きで。今回はしかも、ねねさんが色々な役を演じていらっしゃるのが相まって、さらに心が動きます。お父さんとのふたりの場面もすごく楽しそうだし、だんなさん(ウィル)に対しての「お父さんをなんでもっと理解してあげないの」っていう気持ちもより強調されていて、よりぐっときます」

川平「うん、ジョセフィーンは一番エドワードを信じてくれてるよね」

藤井「だからあの歌のシーン、本当は僕があっち(東山さんの方。藤井さんも同じタイミングでステージ上にはいます)にいきたいんです!」

東山「......すみません、それは、僕がやってるんで!」

藤井「あの歌のありがたみ、わかってへんやろ!」

東山「ちょっと待って(笑)!」

川平「ワハハハハ! あとふたりともサーカスも出てるよね」

東山「はい、サーカスのシーンは、前と違う役で出ています。苦労というか、楽しんでやっていますが......」

川平「ジャグリングがね! 白井さんが意外とレベル高いことを要求してくるよね。上(天井)にあてろとか(笑)」

東山「"わざとらしく落とさない" っていうのが一番難しいんですよ」
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川平「サーカスの場面は、"アラバマの子羊" たちの人選もすごいよね。(鈴木)蘭々も今回はめちゃくちゃ踊ってる、ダンサーになってる!」

藤井「蘭々さん、すごい踊ってますよね~!」

東山「前回はそんなに踊っていらっしゃらなかったから、びっくりしました」

川平「少数精鋭でみんな汗かいて、汗かいて。ひーひー言ってやってます。魔女のJKimさんも色々な役やってる、楽しみでしょう!?」
 
 
―― 楽しみです! 魔女のシーンといえば、幼馴染3人の名シーンですよね。あそこは今回もありますよね?

川平「あります! ケンカのシーンも、(大学で)ドンが泣いて退場するシーンも、もちろんあります」
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● 幼馴染3人の関係

―― 改めて、川平さんが演じるのがエドワード、藤井さんがドン、東山さんがザッキー。少年時代も、大学生でも、大人になっても、エドワードが語るどの時代においてもドンとザッキーがライバルとして登場しているのがすごく素敵な関係だなと思います。永遠のライバルという感じで。

川平「実は自分も、最後にドンと握手するシーンがすごく好きなんです。3・4秒なのですが、「ああ......」って温かい気持ちになる。この作品、そういう瞬間が色々なところにあるよね。お互いを温めあうような」

藤井「......がんばります......!」

川平「いや、普通にやって(笑)」
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―― 年代ごとに、お互いに対する感情は変わってくるんですか?

藤井「エドワードさんは幼なじみとして変わらず接してくれますが、こちらは複雑な思いややっかみもあるので変化してると思います」

川平「(東山に)どお?」

東山「ザッキーは、お兄ちゃんとエドワードのふたりの関係をずっと見ている感じですので......」
 
 
―― 何歳差くらいの設定なんですか?

東山「2~3歳でしょうか」

藤井「そんなに離れてないよね」

東山「そう思っています。でもふたりはずっと敵対しているけれど、本当はお兄ちゃんはエドワードのことを認めている、というところを僕は信じながらやっています」

川平「東山君は実際にお兄さんがいるもんね」

東山「はい、僕もそんな感じでした。兄とは5歳離れているんですが、お兄ちゃんの友だちと遊んだりというのは、よくしていた。だから "お兄ちゃん慣れ" はしている......かな(笑)」

川平「俺も兄貴ばっかり追いかけてたなー。どちらかというとすぐ上の兄貴よりも、離れているジョンの方につきまとっていた。年齢が離れているほうが「しょうがないな」って可愛がってもらえるのかな。俺、兄貴のデートにもついていったもん」

東山「デートに!?」

藤井「えぇ!?」

川平「兄貴もよく弟を連れていったよね(笑)。でも彼女は喜んだらしい、ジェイ君ジェイ君!って。だから兄貴も「お前がいると楽」って(笑)。めっちゃ、ついて行ったもん」

東山「僕はさすがにそれはなかったです、すごいですね(笑)」

藤井「でも俺、今回(ドンとして)堂々としていられるのは、東山さんのおかげです」

東山「(突然褒められ)ちょっと勘弁してください......」

藤井「普段から兄弟として接してくれるので、なんとなく強気でいられる」

東山「いや本当に、いつも勉強になっています。僕はずっと藤井さんの後ろで金魚のフンみたいについていく役なので。藤井さんのお芝居、表情を一番近くで僕が見られるんです」

川平「プライベートでもふたりでボケツッコミやってるよね(笑)」

東山「ほんまに(笑)」

川平「コンビだよね~」

藤井「期間限定ですけどね!」

東山「ちょっ......、ほんまお願いしますよ! 公演終わったら終わりですか!」

藤井「あたりまえですよ、そんなもんですよ。東山さんだってもう次の作品に気持ちがいってらっしゃるでしょう」

東山「いってないですよー!」

藤井「稽古場でも、代表作のスヌーピー(『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』)のTシャツ着てるし」

川平「『ビッグ・フィッシュ』のは全然着てくれないよね」

東山「もう、ちょっと勘弁してください、本当に......!」
 
 
―― (笑)。藤井さん、ドンはエドワードにどんな思いを抱いていますか。

藤井「自分は自分の町から出ていけなかったので。エドワードは若い頃から出ていこうとしていたし、実際出ていったし、しかも自分たちを助けてくれた。子どもの頃は勝ち負けを考えていて、大きくなってからはもう勝ち負けじゃないとは思いつつ、もう全然負けている、っていうのはやっぱり感じているんです。アシュトンの町が水没するときに、町を出なかった自分を水没する町に重ねています。だからその時に初めて弟に助けてもらう......ザッキーの肩を借りる瞬間があるんですよ。あそこでエドワードに対する気持ちも、ザッキーに対する気持ちも、一番大きく変わります」
 
 
―― ドンもザッキーも飛び飛びに登場しますが、ちゃんとそれぞれの人生があるのが伝わってきます。

藤井「けしてつまらない人生じゃないんですよ。映画の方のドンはちょっと可哀想だけど」

川平「映画はちょっと不遇だよね、ドンは。でも舞台はいいよね。お互い和解して......ね」
 
 
―― でも、エドワードの語る物語の中にしょっちゅうドンとザッキーが出てくる、ってことは、エドワードもふたりのことが特別なんでしょうね。

川平「むちゃくちゃ、好きなんでしょうね。エドワードはもっとドンにつっかかってきて欲しい、そうじゃなきゃおまえじゃない! って思っている。よし来た、もっと来い! って。そんな思いを抱くことすら、楽しんでいるんじゃないかな。だからドンが市長になったって時は「おめでとう」って心からの言葉が出てきます」

藤井「やっぱり初演とは、こまごまと全然違うんですよ。エドワードさんに対しても、初演の時はただ見て、追いかけていたんですが、最近は奥様(サンドラ)のことを見ていたり、蘭々さん(ジェニー・ヒル)を見ていたり、息子さん(ウィル=浦井健治)を見ていたりする自分がいます。違う楽しみが出来ている。初演をなぞるのではなく新しい楽しみがあって、楽しみながらいま出来るのも、ひとえに白井さんの優しさと慈英さんの明るさがあるということに尽きます。ここにいらっしゃるのに言うのは照れくさいんですが、すべてはエドワードさん......慈英さんがいるからって感じがします。もちろん幕が開いたら "お客さまのために" ということなのですが、いま稽古をしている段階では、慈英さんのために頑張ろうってみんな思っていると思う、本当に」
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● 川平さん=エドワードの存在のありがたみ

―― やはり日本版『ビッグ・フィッシュ』を語る上で、川平さんの存在は欠かせない。初演の時も絶賛されていました。

藤井「座長という言葉で片付けるとあまりに陳腐だし、"誰のために" というのも無粋なのですが、慈英さんが気持ちよく歌っていただくためにって、たぶんスタッフさん含め、みんなが思っている。というか、慈英さんが真ん中にいらっしゃるから、みんなが頑張れるんです」

川平「泣いちゃうなー」

藤井「だって、平均年齢を出したらけっこう高い現場ですよ!? 足痛いとか膝痛いとか、台本見えへんとか......」

川平「結構みんなボロボロだもんね(笑)」

藤井「東山君はヤングチームなのに、急に「大変っすよね......」ってこっちに寄ってこようとするし! もっと転換手伝えば!って思います。セット運べばいいのに!」

東山「運びますって(笑)!」

川平「前回はアンサンブルで若い子がいたけれど、今回は本当に大人だよね。満身創痍のからだを労わりあい(笑)。言葉遣いも丁寧だし、付き合い方もリスペクトにみちあふれている」

藤井「今回ROLLYさんも本当に素敵なんですよ。ROLLYさんは存在感がすごくて個性的でいらっしゃいますが、再演で色々な役をやることに対して、誰よりも細やかに、出ている意味や、キャラクターの心情を悶々と考えていらっしゃる。それを稽古でトライしていく姿を近くで拝見できて、ティーンの頃から好きな人のひとりなんですが、好きで良かった! って思いました。慈英さんと稽古場で龍角散を分け合っている姿もいい(笑)。慈英さんとROLLYさんというふたりの先輩が、誠実に作品に向かい合っている姿を見ていると、背筋が伸びます」

川平「ROLLYさんも素敵だよね~!」

藤井「全体的に大人になった分、今回はしっとりしていますよね。だからこそ、最後にエドワードさんがなんでああいう選択をしたのかっていうのが、余計に染みてくる」

川平「うん、ストーリーがより、色濃くなった。前回は人数の多さで華やかさを出したりしていたところを、しっとりと。ストーリーテリングな『ビッグ・フィッシュ』になっているよね」
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―― さらに泣いちゃいますね。

藤井「ムムッ!」

東山「ムムムムッ!」

川平「いやぁでも、これ俺が言うのも何なんだけど、毎回稽古場でマジ泣きしちゃうんです。オープニングの音楽を聴くだけで、泣く。パブロフの犬状態。魔女が出てきて、カール(深水元基)が出てきて、エイモス(ROLLY)が出てきて......ってところでファーストスイッチが入ります。みんなまだジャージだし、音楽もピアノだけなのに泣いちゃう! でもね、初演の時もそう感極まって歌が出てこない、自分の感情をコントロールできずに恥ずかしい、悔しいって思ったら、白井さんがひとこと「オッケー」って言ってくれたのが嬉しかったんです。「慈英、その感情を使って。(声が)出なかったら出ないで、ただ前に進んで」って。そのひと言で、肩の力が抜けました。本当は、本番を迎えるのが怖いんです。やっぱり絶対的にやらなきゃいけないタスクが多い分、自分がトップギアでパフォーマンスできるコンディションを保たなければいけない、というプレッシャーもありますし」

東山「そうですよね」

川平「でも毎日稽古場に行くときに「今日も『ビッグ・フィッシュ』に携われるんだ」「今日もみんなと一緒にいられるんだ」って、幸せな気分になる。普通、あんまりないんですよ(笑)。やっぱり稽古は大変ですから......いやどの作品も、始まれば幸せなんですけどね、稽古の時点でこんなに幸せな作品はない。稽古場でも通し稽古を終えると「ありがとう」って気持ちになるし、すごい充実感がある。なんでしょうねこの多幸感は。本当に『ビッグ・フィッシュ』は特別な作品です。僕、これが108本目の舞台出演なんです」

藤井「すごい!」

川平「こんなにたくさんやっているのに、(慣れとかは)関係ないんだね。むしろ年をとればとるほど、舞台の危険性や持続する難しさを感じる。やっぱり観る方からお金をいただいて立つ舞台で、自分がフルスロットルで出来るかどうか、というのは怖い。だから年を重ねて「舞台はもういい」ってテレビに行く人の気持ち、すごくよくわかる。でも舞台に立つと「やっぱコレだよ......!」って高揚感があるんだよね~」

東山「すごくそれは、わかります。でも慈英さん、稽古場では一切そういう気持ちを見せていらっしゃらないので、いまびっくりしました」

川平「くっだらないことばかりしゃべってるんです。下ネタとか大好き!......って、子どもか!」

藤井「だから頑張ろうって思うんですよ(笑)」

一同「(笑)!」

川平「でもエドワードのいいところって、邪気がないところだと思うんです。それが息子にとっては、面倒くさいところ。もうちょっとダークな面があった方が「ああやっぱり親父もそうなんだ」って思うじゃない? だからウィルが浮気を追求しようとするのは、自分が安心したいからだと思うんだよね。親父の負の部分を探したかった。結局そうじゃなく、 "どこまでもいい人" だったわけですが......いい人って実は面倒くさいよね」

藤井「面倒くさい、わかります! だからそこが慈英さんがエドワードと違っていいところですよね、ダークな面もありますもん(笑)」

川平「俺、腹黒いなんてものじゃないからね(笑)」

藤井「(笑)。本当は腹黒くないんだと思うんですよ、でもそういう面を混ぜてくださるので楽しいです。慈英さんは本当にエドワードにぴったりなんですが、エドワードと地続きの人だったら、会話も表面上のものになっていると思いますよ」
 
 
―― お三方はもちろんカンパニーの素敵な関係性が伝わってきました。ところで皆さんが本当に舞台上で大忙しで大変なのはわかるのですが、私は『ビッグ・フィッシュ』はこの先も上演を重ねて欲しいと思っています。

藤井「だから今回、ちゃんと成功させて、今度はまた日生劇場で初演メンバー22人全員揃ってやりたいですよね!」

川平「いいですねぇ!」

藤井「(初演時にヤング・ウィルだった)鈴木福くんも、りょうた君も、今度は"ミドル・ウィル"として出てもらって(笑)」

東山「ミドル・ウィル(笑)!」

藤井「ミドル・ウィルじゃない、ボーイ・ウィルか!」


川平「エドワードもさ、絶対俺じゃなくてもできる人いっぱいいるから! ダブルキャスト、トリプルキャストでいいからこの作品が続いていってくれるといいね。まずは今年、僕ら3人幼馴染としてハジけますので! よろしくお願いします」
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取材・文・撮影:平野祥恵

 
【ビッグ・フィッシュ2019 バックナンバー】
# 合同取材会レポート
# 白井晃インタビュー
# 顔寄せレポート
# 公開稽古レポート
# 稽古場レポート Part1
# 稽古場レポート Part2
# 公演レポート

 
【公演情報】
11月1日(金)~28日(木) シアタークリエ(東京)
12月7日(土)・8日(日) 刈谷市総合文化センター 大ホール(愛知)
12月12日(木)~15日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

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