ヒラノの演劇徒然草の最近のブログ記事

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■『レベッカ』特別連載vol.7■
 
 

『エリザベート』『モーツァルト!』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』で知られるミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビが手掛けたミュージカル『レベッカ』 、東京公演が8年ぶりに開幕しました!


物語は、ヒロインの「わたし」がイギリスの大金持ちである上流紳士のマキシムと恋に落ち結婚するも、彼の所有する広大な屋敷 "マンダレイ" に色濃く落ちる前妻・レベッカの影に追い詰められていき......というもの。
アルフレッド・ヒッチコック監督映画でも知られる名作ですが、このミュージカルではサスペンスフルな展開に、巨匠リーヴァイ氏の流麗な楽曲がマッチし、独特の世界を生み出しています。

この作品、日本初演は2008年。前年に開場したシアタークリエのこけら落としシリーズとしての上演で、クリエでの3作品目、ミュージカル作品としては1本目の登場でした。
そんな記念すべき作品が、10年ぶりに同劇場に帰ってきました!
(2010年の再演は帝国劇場での上演でした)


今回は1月4日に行われた、<初日前会見>の様子をレポートします。
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初演から主人公マキシムを演じている山口祐一郎さんは次のように意気込みを。
「この3人(大塚、平野、桜井)のエネルギーに圧倒されないように......できれば楽日まで生き残れるように(笑)。そんな意気込みで頑張っています。ミュージカルをご存知の方も、あまりミュージカルを観たことのない方も、ぜひこの3人が一体どういうことになるのか観に来て欲しい。むしろそちらの方が楽しみなんじゃないかなと思っています(笑)」REBECCA2018_07_11_3177.JPG


ヒロイン「わたし」は、今回はトリプルキャスト。
まずはこの方、初演から同役を演じている大塚千弘さん
「ドキドキハラハラします。8年ぶりに同じ役をやらせていただいていますが、やりながらこんなにドキドキハラハラする作品だったんだなって改めて思います。皆さんにも、「わたし」の目線になって、新年からドキドキハラハラ一緒に楽しんでいただけるのではないかと思っています。私はこの作品に本当に思い入れがあります。8年経って、同じ役をやらせてもらうということは本当にまれなこと。より新鮮に、(初演・再演を)経験した分、豊かにできるように頑張りたいです」REBECCA2018_07_12_3186.JPG


近年、ミュージカルで重要な役を次々任されている平野綾さんは「わたし」役に初挑戦。
「最初にこの『レベッカ』という作品を知ったのは小説からだったのですが、映画にもなっていますし、初演が10年前ということでたくさんの方に人気のある作品です。サスペンスの要素ももちろんあるのですが、その中ではぐくまれる愛など、みどころ満載です。自分としては、(山口に向かって)ミュージカル界の世界遺産って言われてましたよね?祐さん。(山口「そうなんだ?」)なんかそんな感じのことを市村さんから言われた気が......。そんな山口さんと夫婦役、相手役をさせていただけるのが本当に夢のようなので、その時間を大切にしたいなと思っています」REBECCA2018_07_13_3155.JPG


普段は乃木坂46のメンバーとして活躍している桜井玲香さんも「わたし」役初挑戦......どころか、翻訳ミュージカル初挑戦!
「ミュージカルの華やかさもありつつ、ミステリーですので、キャラクターの心情も絡まりストーリーも複雑。観れば観るほど毎回色々な感情が湧きますし、色々な目線で色々なストーリーが見えてくるような、深いミュージカルです。私は今回翻訳ミュージカルに初めて挑戦させていただいているのですが、皆さんにすごく助けていただきながら、どうにか踏ん張って毎回舞台に立っているような状態です。少しでもこの機会に成長できるように頑張りたいと思います」REBECCA2018_07_14_3190.JPG

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2016年に上演されたブロードウェイ版は、翌年のトニー賞で最多12部門ノミネート。
大きな話題となったミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』が、日本初上陸を果たします。

その稽古場レポート、後半です!
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前回は、その特殊でスペシャルな劇場構造の紹介に終始してしまいましたので、今回は物語の中身についてお伝えします。comet1812_2_02_2599.JPG

★稽古場レポートPart1はコチラ
 

  
物語はロシアの文豪トルストイの傑作『戦争と平和』が原作。
ロシア文学なんて難しそう、理解できるかな......、そうお思いの方もいるのでは。
確かに、物語は簡単とはいえないし、ロシアの人名は長いし慣れない!

......でも、このミュージカルを作ったのはブロードウェイ、アメリカです。
おそらくアメリカ人たちも、我々日本人の大半が抱く思いと同様に、「ロシア文学って難しそう」「ロシアの人名、全然覚えられない!」と思っているのではないでしょうか。

冒頭1曲目はまさにそんなナンバー。
「あらすじを理解したかったら売店でプログラムを売っているよ」
「ロシア人、名前が9個もあるもんね」といった内容。
なんだか安心します。

そしてもう少し進むと、そのロシア的名前を羅列するような楽曲もあります。
つまりこのミュージカルの作者は、ロシア文学ってヤヤコシイよね、ロシア人の名前ってこんな長いんだよ(笑っちゃうよね、だからそこまで覚えなくてもいいよ)......と暗に言っている......のでは、ないでしょうか。


とはいえ、あらすじをざっくり覚えてから観る方が、理解しやすいのは事実です。
ということで、今回のレポートでは登場人物とその関係性などもご紹介していきましょう。

<登場人物相関図(公式サイトより)>
※クリックで大きくなりますstory_zu_l.jpg

 
舞台背景は、19世紀初頭モスクワ。ナポレオン戦争(フランスの皇帝ナポレオンがロシアに侵略してきた)の時代です。原作ではなんと559人のキャラクターが登場する群像劇ですが、このミュージカルでは、その中の一部分(全4巻中、2巻の一部)を描いています。

井上芳雄さん扮する主人公ピエールは、伯爵の私生児。
父の財産を継いで大金持ちになっていますが、育ちは暗い。
そして今風に言えば「ひきこもり」的なところがあるようで。
井上さん、いつものプリンスオーラは消して、ちょっとモサい男性になってます!
劇中では「リッチな変人」「猫背で寂しそう」と歌われていました。そして「いい人」とも。comet1812_2_12_2638.JPGcomet1812_2_11_2783.JPG

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2016年に上演されたブロードウェイ版は、翌年のトニー賞で最多12部門ノミネート。
大きな話題となったミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』が、日本初上陸を果たします。
出演は、井上芳雄生田絵梨花ほか。comet1812__2593.JPG

物語は、ロシアの文豪トルストイの傑作『戦争と平和』が原作です。

......と聞くと、ちょと難しめな、お堅いお芝居だと思ってしまいそうですが、実は正反対。

ブロードウェイ版(及びオリジナルのオフ・ブロードウェイ版)では、むしろ「革新的」な面こそが賞賛された作品です。

大きな特徴としては、その劇場構造。
ブロードウェイ版、オフ・ブロードウェイ版では、一般的な劇場、つまりプロセニアム・アーチをはさんで舞台と客席が対面する形の劇場ではなく、客席の間を縫うようにアクティングエリアが作られ、そこで俳優たちが演技をするというものでした。
近年増えてきている、観客があたかも作品内に取り込まれるように感じる「イマーシブ・シアター」という形式です。

そして日本版では、そんな「イマーシブ(没入)」な体験の中にも、ストーリーの奥深さ、文芸作品ならではの感動が伝わるミュージカルになりそう!


......ということで、前置きが長くなりましたが、『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』、稽古場を取材してきました!

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■『レベッカ』特別連載vol.6■
 
 

『エリザベート』『モーツァルト!』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』で知られるミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビが手掛けたミュージカル『レベッカ』 が、現在8年ぶりに上演中です。

▽ 山口祐一郎、大塚千弘REBECCA2018_06_01_29B_0309ohtsuka.jpg
▽ 左から大塚大塚、保坂知寿REBECCA2018_06_02_29A_0539hosaka.JPG


物語は、ヒロインの「わたし」がイギリスの大金持ちである上流紳士のマキシムと恋に落ち結婚するも、彼の所有する広大な屋敷 "マンダレイ" に色濃く落ちる前妻・レベッカの影に追い詰められていき......というもの。
アルフレッド・ヒッチコック監督映画でも知られる名作ですが、このミュージカルではサスペンスフルな展開に、巨匠リーヴァイ氏の流麗な楽曲がマッチし、独特の世界を生み出しています。

これまでもキャストインタビュー、稽古場レポートなどで本作品をご紹介しているげきぴあ、今回はフランク・クロウリー役の石川禅さん、ジャック・ファヴェル役の吉野圭吾さんのインタビューをお届けします。

2008年の初演、2010年の再演でも同じ役を演じているおふたりならではの深い役の解釈や、2018-19年版の見どころなどをじっくりお話くださっています!

 

◆ 石川禅×吉野圭吾 INTERVIEW ◆

▽ フランク役、石川禅REBECCA2018_06_11_29A_0031.jpg
▽ ファヴェル役、吉野圭吾REBECCA2018_06_12_29B_0350.jpg

● 初演から10年経ちました

  
―― 初演が2008年。再演を経て三度目の『レベッカ』ですが、おふたりは10年前の初演にも出演されているオリジナルキャストです。

石川「初演、10年前だよ......、若かったよね、ふたりとも(笑)。でも、10年経った感じがしないよね?」

吉野「そうですね......10年かぁ......。でも今回、僕はファヴェルをとても自然にやれている気がします。彼は自分の欲のためにガンガン行く男なのですが、今までは年上の方を相手に若造が頑張ってるってところがちょっとあった。でも今回その感覚があまりない。やっとファヴェルをやれる年になったのかな、と思っています」

石川「圭吾ちゃんの芝居を見ていても思うけど、やっぱりみんな、大人になっていますよね。今回、すごく大人の雰囲気を感じます。皆さん10年分の経験を踏まえて新たに挑んでいるから、作品全体が、しっとりと落ち着いている。「......いいじゃない、リアルで」って頷いちゃうような、そんな進化を遂げていますよ」


―― 石川さんがフランク・クロウリー、吉野さんがジャック・ファヴェル。今回の公演が発表になったときにおふたりのお名前があって喜んだファンは多いと思います。

石川「本当ですか(笑)」

吉野「でも祐さん(山口祐一郎)が出るなら、僕らもやりますよね!」

石川「うん。大塚千弘さんや、2010年から参加している涼風真世さんと、ほかにも続投メンバーも多いし、目に映る風景は10年前と同じだよね、みんな平等に年をとっているから(笑)」

吉野「なんというか、みんながそれぞれ10歳大人になって、改めてこの『レベッカ』と対峙すると、ものすごくシンプルになりましたよね。内容も、それから舞台セットとかも」

石川「なりましたねぇ。大変シンプルです」

吉野「レベッカってこれでいいんだ、って感じがする。ドーン!と派手に見せるだけじゃなくて。ミュージカルなんだけど、ストレートプレイっぽい部分もある作品だなって今回、思っています」

石川「初演の時は、(オリジナルである)ウィーン版の絢爛豪華さに対抗するために、あえて日本的な侘びさびの世界で表現する、ってところがあったけど、今回はウィーンとの比較じゃないよ、っていう。作品にシンプルに向き合って、シンプルに研ぎ澄ましたら、こんな美しいやり方があるんだ......っていうのが今回の日本版。美術も演出も、とっても素敵だと思います」

吉野「振付、ステージングも変わって。それもまた、良い方向に作用していますね」
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注目の若手俳優、木内健人さん&百名ヒロキさんが主演するACT×DANCE『ダブルフラット』の稽古場を取材してきました。
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創世記第四章、いわゆる「カインとアベル」の物語をベースに、兄弟の愛憎を繊細な筆致で、そして多彩なダンスと素敵な音楽で描いた作品。

2017年の初演も話題でしたが、キャストを一新し、待望の再演が今月末に開幕します。

タイトルに「ACT×DANCE」とあるように、身体表現もふんだんに使う作品ですので、主演のふたりをはじめ、5人のキャストは踊りまくり!

少数精鋭のキャストが集中してまっすぐに作品と対峙している、気持ちのよい稽古場でした。
ちなみにダンス公演というわけではなく、オリジナル曲・カバー曲あわせ歌もたくさんありますので、ミュージカルファンにもぜひ注目して欲しい作品です!


舞台には、白い積み木のような箱がいくつか。
これをキャストが動かし、形を変えることで、シーンが変化していきます。DoubleFlat10_2290.JPG

 

兄・カイ=木内健人さん。
好奇心旺盛で、目に映るものすべてが不思議でならないピュアな気持ちを持っています。
兄は弟に「なぜなぞ」という問題を出すのが日課のようです。
演じるのは、近年めきめきとミュージカル界でも注目度急上昇中の木内さん。
『グランドホテル』『パジャマゲーム』『タイタニック』とトム・サザーランド作品常連、ほかにも『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』『グレート・ギャツビー』などの話題作に次々と出演。実力の証!
しかし、こんなに踊る木内さんを見られるのも、珍しいと思います!

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弟・ベル=百名ヒロキさん。
ひたすらピュアで、まるで天使のようなベル。そしてカイのことが大好きなベル。
百名さんも『マタ・ハリ』、『タイタニック』をはじめ、ミュージカル、ストレートプレイと話題作で鮮烈な印象を残す注目株。
イノセントなベルは百名さんにピッタリです。DoubleFlat12_2322.JPG

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■『レベッカ』特別連載vol.5■
 
 

『エリザベート』『モーツァルト!』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』で知られるミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビが手掛けたミュージカル『レベッカ』 が8年ぶりに上演されます。

物語は、ヒロインの「わたし」がイギリスの大金持ちである上流紳士のマキシムと恋に落ち結婚するも、彼の所有する広大な屋敷 "マンダレイ" に色濃く落ちる前妻・レベッカの影に追い詰められていき......というもの。
アルフレッド・ヒッチコック監督映画でも知られる名作ですが、このミュージカルではサスペンスフルな展開に、巨匠リーヴァイ氏の流麗な楽曲がマッチし、独特の世界を生み出しています。

主人公である大富豪、マキシム・ド・ウィンターを演じるのは、初演から変わらず、山口祐一郎

「わたし」を優しく包み込むようでいて、謎めいたところもある上流紳士のマキシム。
8年ぶりにマキシム役に挑む、山口さんにお話を伺いました。
 

◆ 山口祐一郎 INTERVIEW ◆

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―― 8年ぶりの『レベッカ』です。ずいぶん久しぶりの上演ですね。

「本当に光栄なことだと思います。よく生きてこの日を迎えることが出来ました、という感じでしょうか(笑)。また皆さんとこの『レベッカ』という作品を通じて、劇場空間で、時をともに過ごせる。それは一体どんなことが起こるんだろう、そういう思いでいます」


―― 日本初演は2008年4月。シアタークリエのオープニングシリーズでした。何か思い出深いことはありますか?

「人の鼓動をマイクを通じて聴いた......という、生まれて初めての体験をしました。どなたのかは、申し上げられませんが」


―― それは......何らかの効果ということではなく?

「いえいえ、偶然の産物です。でもサスペンスなので、それもアリかもしれません。その時は、マイクって人の鼓動まで拾うんだな、と思ったのですが。今考えるとその心臓の音が、この作品に命を吹き込む何かの合図だったのかもしれません」
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■『レベッカ』特別連載vol.4■
 
 

『エリザベート』『モーツァルト!』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』で知られるミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビが手掛けたミュージカル『レベッカ』 が8年ぶりに上演されます。

物語は、ヒロインの「わたし」がイギリスの大金持ちである上流紳士のマキシムと恋に落ち結婚するも、彼の所有する広大な屋敷 "マンダレイ" に色濃く落ちる前妻・レベッカの影に追い詰められていき......というもの。
アルフレッド・ヒッチコック監督映画でも知られる名作ですが、このミュージカルではサスペンスフルな展開に、巨匠リーヴァイ氏の流麗な楽曲がマッチし、独特の世界を生み出しています。

これまでも桜井玲香さん、保坂知寿さん、平野綾さんのインタビューを掲載してきた当連載ですが、今回は稽古場レポートをお届けします!

▽ 左から 山口祐一郎、大塚千弘
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◆ 稽古場レポート ◆

 
稽古場に伺ったのは11月上旬の某日。
まだ初日まで20日以上あるタイミングのため、脚本の理解をキャストみんなで共有したり、ステージングをひとつひとつ確認したりという段階で、いわば作品の土台を作っている最中......というところか。

この日、まず最初にあたっていたのは、2幕後半・マンダレイの「書斎」のシーン

『レベッカ』という作品は、山口祐一郎扮するマキシム・ド・ウィンターの前妻・レベッカの死の謎が全編を覆っており、そもそもその死は事故死とされていたが、物語後半、レベッカのヨットが発見されたことで、話は大きく舵を切る。マキシムは「レベッカの事故死を再調査する予備審問」に召集され、そこで、レベッカの死の真相に迫る重大な事実が発覚する。

事故死でないとしたら、自殺か殺人か。
殺人だとしたら、誰が犯人か。


▽ 左から 山口、平野綾REBECCA04_31_0599.JPG

▽ 左から 山口、桜井玲香REBECCA04_32_0656.JPG

 
9月の東京・シアタークリエ公演よりスタートした2018年版ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が、11月11日、神奈川県民ホールで大千秋楽を迎えました。
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演出の藤田俊太郎さんによると、「のべ4万7千人のお客さまにご観劇いただきました」という大盛り上がり、各地で大旋風を起こした『ジャージー・ボーイズ』。
げきぴあでは8月初旬の稽古場から、キャストインタビューまで、様々な角度からこの作品を追ってまいりました!

【2018年『ジャージー・ボーイズ』バックナンバー】
# ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート、熱狂の開幕!
# 2018年版『ジャージー・ボーイズ』本格始動! 稽古場レポート
# 稽古場レポート第2弾! WHITEチームの稽古場に潜入
# 稽古場レポート第3弾! BLUEチーム ピックアップ
# まもなく開幕! 初日前囲み取材でキャストが意気込みを語る
# イレイカナタ☆プレゼンツ:白石拓也&山野靖博インタビュー(前編)
# イレイカナタ☆プレゼンツ:白石拓也&山野靖博インタビュー(後編)
 
大千秋楽のカーテンコールの模様は東宝チャンネル公式ですでに上がっておりますが、げきぴあでも連載最後の記事として、記しておきたいと思います。

 

★前編

★後編

 
 
●演出の藤田俊太郎さんは、次のように、まず出演者たちに感謝を。

「いま舞台上にキャストは15人いますが、昨日千秋楽を迎えたWHITEチームの3人あわせると18名のキャストがいます。本当にこのキャストでなければ、この2018年の『ジャージー・ボーイズ』は作れなかったと思います。ひとりひとりを愛しておりますし、このメンバーだからこそ作れた公演に誇りを持っています。今日思いました、これから先もこの18人を守っていきたいと。この18人がこれからも輝ける場所を作っていけるような演出家になりたいと今日改めて思いました」

さらに
「たくさんのファミリーと呼べるようなカンパニーのスタッフと一緒に作ってきました。この世界最高のスタッフのみなさんは、僕たち私たちは当たり前の仕事をしただけだよ、というかもしれない。でもこの世界最高のスタッフとカンパニーだから作れた公演なんです。最後に、そのひとりひとり、劇場の色々な場所にいるスタッフにカンパニーに、大きな拍手を!」
とスタッフにも謝意を伝えます。
 

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■『レベッカ』特別連載vol.3■
 
 

『エリザベート』『モーツァルト!』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』で知られるミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビが手掛けたミュージカル『レベッカ』 が8年ぶりに上演されます。

物語は、ヒロインの「わたし」がイギリスの大金持ちである上流紳士のマキシムと恋に落ち結婚するも、彼の所有する広大な屋敷 "マンダレイ" に色濃く落ちる前妻・レベッカの影に追い詰められていき......というもの。
アルフレッド・ヒッチコック監督映画でも知られる名作ですが、このミュージカルではサスペンスフルな展開に、巨匠リーヴァイ氏の流麗な楽曲がマッチし、独特の世界を生み出しています。

主人公である大富豪、マキシム・ド・ウィンターを演じるのは、初演から変わらず、山口祐一郎。その相手役である「わたし」は、初演からこの役を演じている大塚千弘に加え、平野綾桜井玲香が新たな風を吹き込み、初のトリプルキャストで上演されます。

孤児で、どこかおどおどしていて、気弱な女の子が、上流階級の紳士と恋に落ち、大邸宅の奥様になる......。
それだけだとシンデレラ・ストーリーに思えますが、彼女を待っていたのは、甘く幸せな結婚生活ではなく、リアルな痛みが伴う複雑な人間関係と、謎めいた事件の影。
観客は「わたし」の視点を通し、大邸宅 "マンダレイ" で起きた事件を追体験していきます。


今回は、そんなヒロイン「わたし」に初挑戦する平野綾さんのインタビューをお届けします
 
 

◆ 平野綾 INTERVIEW ◆

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●「『レベッカ』が大っ!好き!! で、めちゃくちゃやりたかったんです」

 
 
―― 近年ミュージカル界でひっぱりだこの平野さんですが、『レベッカ』には初参加です。これは「やってみないか」というお話があったのでしょうか?
 
「はい、オーディションのお話をいただいたことからスタートしていますが......実は内心、めちゃくちゃやりたかったんです! この作品が大っ!!好きでしたので。もう、オーディションのお話が来た時点で「やったー!」と喜びました。ただ、そのオーディションが『ブロードウェイと銃弾』(2018年)の最中だったんです。この時のオリーブという役は、かなり特徴的な声を出していましたので、オリーブから「わたし」に切り替えるのが大変で。あの発声をずっとしていると、ほかの声がすぐには出ないんですよ。これで落ちたらオリーブのせいだ、と思いながら(笑)......もちろん冗談ですが。でもかなりプレッシャーを感じながら、挑みました」
 
 
―― 平野さんは色々なところでミュージカル愛を語っていらっしゃいますし、おそらくこの作品もお好きなんだろうな、と勝手に想像していました! 案の定で嬉しいです。『レベッカ』のどこに惹かれていましたか?
 
「私は、昔から推理小説ばかり読んでいたんです。ですので、洋書の推理小説にハマっていたときに手にして、もともと小説として読んでいました。構成が面白くて、「こういう書き方もあるんだ」って、まずは作品自体に惹かれました。そのあとに映画、ミュージカルの順で観ていきました。ミュージカル版は、後半は "レベッカの死の真相" という謎解きのような展開にもなりますが、それまでは「別に犯人探しをしているわけでもないのに、登場人物みんな怪しい」という不思議な状態が続きます。「わたし」も、「そんなこと知りたくないのに...」という情報をずっと聞かされていく。そして、どうなっていくんだろうとぐいぐい物語に引き込まれていったのに、急にシャットアウトされ、新たな展開を生むところが、小説を読んだ時と同じ感覚で、上手いなぁ~! と思いました」
 
 
―― 具体的にどのあたりか、教えていただけますか?
 
「例えば2幕で「わたし」がダンヴァース夫人に追い詰められるところ(『レベッカIII』~『ほんの一歩で』)などは、「どうなっちゃうの、どうなっちゃうの!?」と前のめりになる気持ちで観ていると、ある音が鳴ってその気持ちが遮断されますよね。それが、小説を読んで感じていたものと同じだったんです。自分のペースで読んでいたはずなのに、突然断ち切られる感覚が......」
 
 
―― たしかに。あの緊張感と、そのあとの我に返る感覚はとても印象的です。
 
「そうなんです。「いいタイミングで...!」って思いますよね。それに、サスペンスなんだけれどホラー要素もあるし、そのホラーも海外モノというよりは日本寄り。ひたひた忍び寄ってくる怖さがあります。ダンヴァース夫人の存在がもう、そんな感じですよね。あの黒い服が闇にまぎれて、いまもそのカーテンの後ろにいるんじゃないか? というような......。上手くできてるなぁ、って思います」
 
 
―― ちょっと話を戻しますが、オーディションは何を歌ったのですか?
 
「『永遠の瞬間』です。「わたし」の最初のビッグナンバーです。「わたし」が結婚するマキシムは、初演からずっと山口祐一郎さんが演じていらっしゃるのですが、私にとって祐一郎さんとの出会いはとても大きいんです。初めての共演は『レディ・ベス』(2014年)で、その時は祐一郎さんはロジャー・アスカムという、私の演じたベスの先生役でした。実際にお芝居のこと、歌のこと、本当にたくさんのことを教えていただいて、私の中で祐一郎さんは、父のような兄のような、先生のような大きな存在です。教えていただいたことも、一緒にお芝居をさせていただいた時間も私にとって本当に大切なもので、そういったものを「瓶に詰めたい」と思って歌いました。ですので、割と自分の心情、そのままでやりました」
(※『永遠の瞬間』は、「わたし」がマキシムと出会って過ごした思い出を瓶に詰めて残しておきたいと歌うナンバー)

 
 
―― その後も『モーツァルト!』『エドウィン・ドルードの謎』と共演されていますが、夫婦役は初めてですね。
 
「初めてです。緊張します~! 歌も、『レディ・ベス』で1曲一緒に歌わせていただいただけですし。『モーツァルト!』では一切、絡むシーンはなかったですし。すごく緊張しています。祐一郎さんからは「今までで一番大変な役だよ」って言われて、「心して頑張ります」とお伝えしました」
 

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各地でチケット完売続出、大盛り上がりのミュージカル『ジャージー・ボーイズ』で、"天使の歌声"フランキー・ヴァリ役を好演中の中川晃教さん
ご存知のとおり、日本ミュージカル界を牽引する俳優であり、シンガーソングライターでもあります。

中川さんが脅威のハイトーンボイスを駆使し、フランキー・ヴァリを演じる『ジャージー・ボーイズ』は11月11日(日)の神奈川県民ホール公演まで続きますが、その大千秋楽を終えた直後、11月16日(金)にはソロコンサートである中川晃教コンサート 2018「I Sing ~Wonderful Wonder~」を開催!

「I Sing」は、中川さんが2013年よりコンスタントに開催しているシリーズで、オリジナル曲はもちろん、ミュージカルナンバーも織り交ぜ、その時々の中川さんの"今"が伝わるコンサート。

このコンサートにかける思いを、中川さんに伺ってきました。

 

◆ 中川晃教 INTERVIEW ◆

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●「最近の経験は自分でも「素晴らしいじゃん!」って思うことばかり」
 
 
―― 今日は11月16日のコンサートについてお伺いします。今回は『I Sing』シリーズ、中川さんが2013年から定期的に開催しているコンサートシリーズですね。

「はい。1年に1~2回のペースでやり続けているコンサートが『I Sing』です。なぜこのタイトルを掲げているかというと、歌を歌うということ、声を届けるということに集中したものにしたい、だからぜひ僕の歌を聴きにきて欲しい......そういう思いを込めて、潔く「歌う」というタイトルにしたんです。音楽って、今の自分が表現することであり、自分が感じている、思っていることである。等身大のものをダイレクトに伝えられる。しかも世界に向けて伝えられる。例えば今の僕は、ミュージカルという表現を経験したことによって、ブロードウェイやウエストエンドという世界が見えたりしています。だからミュージカルで歌う僕を知って興味を持ってくれた人も、そうでない人も、色々な経験があるからこその今の僕、目標を掲げて進化し続けていける自分、それを歌を通して聴いて欲しい。そんな思いでやっているコンサートシリーズです」
 
 
―― 今回のサブタイトルは『Wonderful Wonder』となっています。これはどういう心境でつけたのでしょう。

「この『I Sing』シリーズは、たとえば前回は誕生日前後にやったり、ほかにもデビュー何周年というタイミングだったりというタイミングで開催することも多いのですが、今回はそういう意味では何か特別な発表があるというわけではないんです。ただ、2年前に読売演劇大賞最優秀男優賞をいただいた『ジャージー・ボーイズ』が2年ぶりに再演になったり、BSの番組で司会させていただいたり(NHK-BSプレミアム『こころの歌人たち』)、韓国のミュージカルフェスに初めて呼んでいただいたり(2018スターライト・ミュージカル・フェスティバル)、今の僕は今までとはまた少し違うところに行くことができているなって自分でも思うんです。それを包括すると何だろうと考えて、パッと浮かんだのが「Wonder」でした」
 
 
―― では、今のご自身の活躍は「驚き」であり「素晴らしい」ことだと。

「そうですね、自分でも「素晴らしいじゃん!」ってことを経験させてもらっている。いま、すごく楽しいです。プライベートでも音楽と向き合う時間がすごくあるんですよ。それに、たとえば人のことを愛おしいと思ったり、たとえばクリスマスが近付いてきて街が華やいできたり......そういう日常って、僕にとっては音楽に通じるんです。それを改めて思い返させてくれることが多くて。誰かを思うことって、特別なことじゃないんだけど、時としてすごく特別なことになる。そういう感覚は言葉では説明しにくいのですが、ピアノや歌を通してだとあふれ出る。さらに、音楽と向き合う時間がいっぱいある俺の日常って、それ自体がもう、最高に「ありがとう!!」じゃないかな、って思いもあり......。すべてひっくるめて「素晴らしいじゃん!」です(笑)」
 
 
―― 中川さんにとって音楽は、仕事じゃないんですね。

「仕事じゃ......ないですね。「仕事」と思う点があるとすればひとつだけ、「こういうところを目指したい」と考えることだと思います。仕事というか、プロとして、かな? この間も韓国にいって、べらぼうに歌が上手い人たちを目の前にしたのですが、どうしてもそれは目標になります。でもそう考える時以外は、本当に好きだから音楽をやっている。本当に好きだから、ピアノを弾いているうちに朝になっちゃった、とか、そんな日々です(笑)」
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―― では、そんな最近のWonderな体験の中からピックアップして、今のお話にも出た韓国のミュージカルフェス『2018スターライト・ミュージカル・フェスティバル』(10月20日、仁川)の感想をお伺いしたいです。
 
「『I Sing』ではセットリストの中にミュージカルのナンバーを毎回入れているのですが、今回は『フランケンシュタイン』のナンバーを入れようと思っています。それはやっぱり、こないだの韓国での経験の影響がある。あの時、「次に歌う曲は、フランケンシュタインの『偉大な生命創造の歴史が始まる』です」って言った瞬間に沸き起こった歓声と拍手が凄かったんです! それで、この曲を日本でもまた歌いたいなって思った。なので、実は急遽セットリストに入れることにしました」
 
 
―― 曲紹介の時の歓声もですが、中川さんが歌い終わった時の歓声も凄かったですよ! ...と、読者に向けて付け足しておきます(笑)。フェス自体は、楽しかったですか?

「はい。韓国の方はみなさん本当に歌が上手いって聞いていて、もちろん上手いんだけど、一番感じたことはそれを楽しんでいるお客さんの熱狂です。聞くところによると、ミュージカルを観る層が、日本より20歳くらい若いらしいですね。わかりやすく説明すると、ちょっとアイドルのコンサートに近いノリだった。ミュージカルを好きな世代が若いからこそ、あの熱狂になるんだと納得しました。ああいう、自然にミュージカルで高揚する人たちが1万人規模で集まるフェスって、きっと世界でも珍しいだろうなって。そしてそこに自分がいる、呼ばれたってことで、「ここで俺、生まれ変わるのか?」ってくらい、気持ちが開放されたんです!」
 
 
―― 中川さんにとって、そこまでの体験だったんですね!
 
「韓国にいるのに、もっとグローバルな "世界" を感じた。日本の国外にいる自分に、またさらにその先の世界が見えました。実際、出演されている方も、韓国系だけどオランダ国籍の方だったり、アメリカ国籍だったりと、グローバルで。韓国にいるんだけど世界が見える開放感があって、そのハクハクするような、ドキドキワクワクする感覚は、日本で味わったことがないものだった。素直に「すごいな!」って思ったし、楽しかった。それに、『モーツァルト!』の『愛していればわかりあえる』を韓国の女優さん(キム・グンナさん)と韓国語でデュエットしたのですが、日本語より発音しやすかった感覚があるんです。歌として発声しやすい。韓国語という言語に触れたことで、また歌の表現、発声の仕方も勉強することが出来た。韓国にいるあいだ、何ひとつとして無駄なことがなかったんです。そこに、素直に驚きました」
 
 
―― 韓国の経験はもちろんですが、最近、中川さんの視野がどんどん広がっているなと感じます。今年の『ジャージー・ボーイズ』に際してのインタビューなどでも、世界を意識した発言が多かったような気がします。

「もちろん世界を意識するというのはずっと感じていたことだし、言ってきたことなんですが、確実にいま、それが具体的に一歩踏み込んだ思いになってきています。自分がミュージカルをやっていて出会ったお客さまがコンサートに来て僕の歌を聴いてくれて「こういう歌を歌うんだ」「また聴いてみたい」と応援してくれる。そういう方たちが「中川晃教はどこへ向かうんだろう」と思ってくれるタイミングがあるとしたら、それは今なんだろうなって思う。僕、11月5日に36歳の誕生日を迎えます。コンサートの日には36歳になっている。30歳をすぎた時に、5年ごとに目標を持ってやろうと決めて、36歳から40歳の5年は、世界に向けて準備をする年だって漠然と思っていたんです。実際にその年齢になり、本当にそう思うようになっています」
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