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■『リトル・ナイト・ミュージック』特集vol.4■


ミュージカル界の大巨匠スティーヴン・ソンドハイムの最高傑作と称されるミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』 が4月に上演されます。

19世紀末のスウェーデンを舞台に、年の差夫婦、大女優と元カレ、年下の義母へ恋する息子、愛人の浮気を本妻に調べさせる旦那......などなど、様々な恋と思惑が入り乱れるラブ・コメディ。

主役の大女優デジレに大竹しのぶ、その昔の恋人である弁護士フレデリックは風間杜夫
この、焼けぼっくいに火がつきそうな元カップルを中心に、様々な恋愛模様が入り乱れていくことになりますが......。

フレデリックを演じる風間杜夫さんにお話を伺ってきました。

大竹さんと風間さん、ともに映像のみならず舞台も多数ご出演されているベテラン俳優ですが、意外なことに共演は27年ぶり、舞台に限って言えば初共演とのこと!
作品や役柄について、そして大竹さんとの共演についてなど、たっぷりお話いただいています。
  

 ◆風間杜夫 INTERVIEW ◆

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●吉幾三とソンドハイムには共通点がある?

――ミュージカル初挑戦ということで、今なぜこのオファーを受けられたかをまずはお聞かせください。

「まずは、僕は師匠のつかこうへいに「日本で一番踊ってはいけない役者」と言われていたわけですけど(笑)、今回は踊らなくてもいいっていうことがひとつ。それから、今回のプロデューサーとは一緒にカラオケをしたことがあって、だいたい僕は吉幾三先生の演歌を歌うんだけど、その歌い方でいいと言われたんですよ。それなら、しのぶちゃんと久々に共演できるのも嬉しいし、やってみようかなと。そんな軽い気持ちで受けたから、今「騙された!」と思ってますよ。吉幾三先生とソンドハイムのどこに共通点があるんだ!ってね(笑)。最初から楽曲を聴いていたら、絶っ対に引き受けてなかったと思います。ははは!」


――踊らなくて良かったはずが、ワルツのシーンもあるとか...?

「そうなんですよ。ワルツの稽古を1時間もやるともう足がつっちゃって、昔買った自動按摩器で毎日ウイーンウイーンって揉まなきゃ稽古場に来られない状況です。もう本当に、満身創痍だね(笑)」


――大竹さんとの共演も決め手のひとつだったとのことですが、27年ぶりに一緒の現場で過ごされてみて、あらためてどんな印象をお持ちですか?

「27年前に映画で共演した時は、僕は30代で、しのぶちゃんは20代。待ち時間になると、ふたりして控室でダラダラゴロゴロしてたことを思い出します。そこはふたりとも、未だに変わっていなくてね(笑)。この間も、しのぶちゃんがソファでゴロっとしながらストレッチをしてたから、「本当はただゴロっとしたいだけなのに、それだと何か言われるかもしれないと思ってストレッチする振りをしてるんでしょ?」って言ったら、「どうして分かるの?」「そんなのお見通しですよ」って(笑)。でも、休憩中はそんな感じなのに、芝居となるとやっぱりすごい。昔も今も、一緒に芝居をするのが楽しい女優さんですね」


――特にどんなところにすごさを感じられるのでしょう。

「立ち稽古の初日から、もちろんセリフは全部入ってますし、すでにデジレっていう女性の目になってるんですよ。パッとスイッチが入った時の芝居の光り方というかね、そういう天才的なところは、若い頃から変わっていないと思います。加えて今は風格も出て、カンパニーをまとめるパワーも持っている。まあそれは、順番的なこともあるのかもしれないですけどね。上の先輩がだんだんいなくなって、最近では僕なんかも"演劇界の重鎮"とか言われちゃってますから。冗談じゃないよ、まだまだチンピラだよって言いたいですよ(笑)」
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■『リトル・ナイト・ミュージック』特集vol.3■


ミュージカル界の大巨匠スティーヴン・ソンドハイムの最高傑作と称されるミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』 が4月に上演されます。

19世紀末のスウェーデンを舞台に、大女優と元カレ、年の差夫婦、年下の義母へ恋する息子、愛人の浮気を本妻に調べさせる旦那......などなど、様々な恋と思惑が入り乱れるラブ・コメディ
主役の大女優デジレに大竹しのぶ、その昔の恋人フレデリックに風間杜夫という、ベテラン俳優の豪華共演も話題です。

3月某日、この物語に出演する蓮佛美沙子さん、安蘭けいさん、栗原英雄さん、ウエンツ瑛士さんの4人にお話を伺ってきました!

蓮佛さんはフレデリックの若妻・18歳のアンLNM2018_03_01_2177.JPG
ウエンツさんはフレデリックの息子である "憂鬱そうな" ヘンリックLNM2018_03_04_0495.JPG
栗原さんはデジレの現在の恋人で "脳味噌は豆粒" と言われてしまうカールマグナス伯爵LNM2018_03_03_0393.JPG
安蘭さんは伯爵の妻であり、アンのクラスメイトの姉でもあるシャーロット
...を、演じます。
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蓮佛美沙子安蘭けい栗原英雄ウエンツ瑛士
INTERVIEW

――『リトル・ナイト・ミュージック』出演の経緯や、出演の決め手となった点などを教えてください。

蓮佛「私は今回初舞台です。2年ぐらい前から舞台をやってみたいなと思っていたんですが、大竹(しのぶ)さんが主演と聞いた瞬間に「やる!」と言ってしまって」

栗原「初舞台、初ミュージカルがソンドハイム! よくチョイスしたなと思う」

蓮佛「選んだつもりはないんです(苦笑)。決め手は大竹さんでした。周りの監督さんとかから「一緒にやってみるといいよ、すごいよ」というお話を伺っていて、同じ空間でお芝居をしてみたいとずっと思っていた女優さんだったので。そうしたら、実はミュージカルだということを後から聞いて、「すごいのを『やる!』って言っちゃった......。でもなんで私にオファーが来たんだろ?」みたいなスタートでした(笑)」

ウエンツ「実際、大竹さんはどう? すごい?」

蓮佛「意外と一緒の空間にいるシーンがなくて......」

ウエンツ「じゃあ、意外とすごくもない?」

蓮佛「そうじゃなくて(笑)! 私が言うのも大変おこがましい話ですけど、やっぱり圧倒されるようなオーラがあります。役に入る瞬間の袖でのオーラの切り替わりだとか、具体的に言葉で表現するのは難しいんですけど、"なんかすごいものを見れちゃっている感" はひしひしと感じています」LNM2018_03_01_2156.jpg

ウエンツ「僕は2、3年前からこの時期にこの作品が上演されるというのは知っていたので、参考になるようなものをいろいろ観たりしていました。一番惹かれたのは、マリア(・フリードマン)が演出っていうこと。マリアについてもいろいろ調べたんです。ジョン・ケアードさんに「彼女は素晴らしいから絶対演出を受けて!」って言われたりもしました。もちろん作品や共演者も重要ですけど、そういう方に演出してもらう機会ってめったにないので、そこが一番にありました」

蓮佛「海外の演出家さんは初めてですか?」

ウエンツ「そう。でも海外のスタッフの方は急に来日できなくなったり、なんてこともあるらしいから、「本当に来てくれるかな」って、蓋を開けるまでドキドキしていたんだけど」

安蘭「私も蓮ちゃん(=蓮佛)と一緒で「大竹さんとならこのミュージカルをやってみたい!」と、出演を決めました。この作品の『Send in the Clowns』という曲は昔から知っていて、すごくいい曲なので自分のコンサートでも歌っていたんです。大竹さんの歌声で、お芝居の中で聴けるのもすごく勉強になるなと思ったし。それに私が演じるシャーロットの曲もすごくいいんですよ」

栗原「すーごくいい!」

安蘭「ソンドハイムの曲ってとにかく全部難しくて、1回聴いて耳に残る曲ってなかなかないんですけど、『Send~』とか私の歌う曲は中でもメロディアスで、聴いてすぐに「いい曲だな」と残る曲だと思います」

栗原「(小声で)お上手だからですよ......」

安蘭「大きな声で言って!」

栗原「(笑)。僕は去年『不信』という舞台をやっているときにお話をいただきました。最初どの役かわからなかったんだけど、カールマグナスと聞いて、劇団四季が日本で最初にこの作品を上演したときに鹿賀(丈史)さんがなさった役だなと。役のイメージはわかったんだけど、途中で「待てよ、ソンドハイムだ!」と気づいたとき、マネージャーに「ちょっと考えさせて」って言ったんです。でもそれから顔ぶれがだんだんわかってきて、大竹さんと風間(杜夫)さんが出演されると。このおふたりというと、僕は『青春かけおち篇』(1987年公開)という映画が印象的なんですよね。役者としては、自分も現場に参加して、憧れていた人と芝居のキャッチボールができたら楽しいだろうなって。だから多少のリスクは努力でどうにかして、これはやるべきだなと思ったんです。それでもソンドハイムはやっぱり難しいですけど(苦笑)」
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今月末に幕を開けるミュージカル『Romale ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』
カルメンといえばビゼーのオペラでも有名ですが、今回はメリメの小説『カルメン』を原作に、演出・振付の謝珠栄が彼女ならではの視点で描き出す、魔性の女と呼ばれたひとりの女性の物語。

主役のカルメンを、元宝塚歌劇団トップ娘役であり、宝塚時代にもカルメン役(1999年『激情-ホセとカルメン-』)を好演した花總まりが扮することも話題です。

稽古が本格スタートしたばかりの2月中旬某日、ともにカルメンに翻弄される男性を演じるホセ役の松下優也さんと、ローレンス役の太田基裕さんにお話を伺いました。
 

松下優也太田基裕 インタビュー ◆

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● 原作小説やオペラの知識がなくても、楽しめます!



―― 今回のミュージカル『Romale』は、有名なカルメンの物語を下敷きにしています。オペラなどでカルメンはとても有名ですが、今回はオリジナル要素も強い、新しいカルメンの物語ですね。

太田「僕、もともとのカルメンの物語、あんまり知らなかったんですよ。お話をいただいて調べたのですが、僕の演じるローレンスは、色々検索しても出てこないから、今回のオリジナルのキャラクターなんだろうな、って思いました」

松下「俺もそんなに知らなかったです。名前を知ってるくらい。有名なのってなんなんだろう、やっぱり『闘牛士の歌』とか? ......けっこう、イメージはあるけれど詳しくは知らない、って人が多いんじゃないかな」

太田「でも、台本はすごく読みやすかった」

松下「うん、すごく読みやすいし、わかりやすい」

太田「だからお客さんも原作小説や、有名なオペラの知識がなくても、楽しめると思います」

松下「そうだね。まぁ、原作とは少し違うお話になっているのかもしれないけれど、これだけ長いあいだ(メリメが小説として発表したのは1845年)、世界で愛され続けている理由はあるんだろうな、って思いました。ストーリーとしては意外とシンプルですし......」

太田「今回のミュージカル版は、展開も「どうなるんだろう」と思わせつつ、最後はきれいに着地していますよ」


―― おふたりが演じる役柄について、教えてください。松下さんが演じるのが、ホセですね。

松下「僕が演じるホセは、あることがきっかけで自分が生まれ育った故郷から離れなければいけなくなってしまいます。その後軍隊に入り、そこで出会ったロマ族のカルメンに恋をします。それまでは真面目に軍人としてやってきたのですが、カルメンと出会ってから、どんどん堕ちていってしまう......。そんな男です。ホセ自身は貴族なのですが、そんなに上の階級ではなく、さらにバスク地方出身。謝先生によると、バスク地方というのは今も民族性が強く、だから結構、(スペインの社会の中ではマイノリティであり)みんなと違う部分もあるというのが重要な部分かな」


―― そして太田さんが、ローレンス。

太田「イギリスの貴族です。たぶん身分的には相当上の方。カルメンに翻弄される男のひとりです。彼も、カルメンには何かある(自分を単純に愛しているとは思っていない)、とわかっているんですが、"恋は盲目" ではありませんが、彼女を愛してしまう。そういう、嫉妬の感情が面白いですね」


―― おふたりは、以前にも共演があるんですよね?

松下「そうです、『黒執事-地に燃えるリコリス-』(2014年)という作品で一緒でした。でもその時は、そんなにたくさん喋ったりはしなかったですよね」

太田「絡むシーンもあまりなかったですし......」

松下「そうそう。でも今回、なんだか一番距離が近い気がします。だって共演の皆さん、ミュージカルをガッツリやっている方たちだし、キャリア的にも経験豊富でしょう......」


―― お互い、なんと呼んでいるんですか?

松下「俺はもっくんです」

太田「俺は...... 優也くん、かな?」

松下「もっくんって、"もっくん" 以外、呼ばれることあるんですか?」

太田「......ないね」

松下「(笑)!ですよね。」

太田「だってもう、自分で「もっくんって呼んでください」って言っちゃってるもん(笑)」
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■夢幻朗読劇『一月物語』特別連載 その3■


芥川賞作家・平野啓一郎の代表作を、音楽・バレエを融合したあたらしい形の朗読劇として上演する夢幻朗読劇『一月物語』 がまもなく開幕します。

作品は、明治の日本・十津川村を舞台に、格調高く流麗な文体で綴られた幻想的な物語。

幽玄の世界と、その擬古典的文体があいまって、「現代の神話」とも称される名作を手掛けるのは 谷賢一
その、谷の演出のもと、元宝塚雪組男役トップスターの水夏希、世界的バレエダンサーの横関雄一郎ら実力派が出演する注目作です。

初共演ながら、作品に対するストイックさや、語る言葉のクレバーさで似通った雰囲気をかもし出している水夏希さん、横関雄一郎さんのおふたりにお話を伺ってきました。

●あらすじ(オフィシャルより)
明治三十年、奈良県十津川村。
神経衰弱の気鬱を逃れ、独り山中をさまよう青年詩人・真拆は、老僧に毒蛇から救われ、山寺に逗留する。
俗世から隔絶された奇妙な時空の中で、真拆は、いつしか現実と夢界の裂け目に迷い込み、運命の女と出逢った。 それは己の命を賭けることでしか成就しない愛、だが、刹那に失われる運命の愛だった......。
古典的風格さえ漂う端麗な筆致で描かれた聖悲劇。

水夏希 × 横関雄一郎 INTERVIEW ●

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●「今まで経験した朗読劇とは、全然違います」(水)



―― 先日読み合わせを拝見しましたがとても面白かったです。横関さんもその時は踊らず、俳優さんたちの語りをずっと聴いていらっしゃいましたね。感想は、いかがですか?

横関「聴いているのが、すごく楽しいです。毎日でもずっと聴いていたい」

「(自身の稽古じゃない時間も)ほとんどお稽古場にいらっしゃいますもんね」

横関「毎日幸せです(笑)。僕、こういった朗読劇への出演は初めてなのですが、演出の谷(賢一)さんが突き詰めていく奥行き、それを演者の方が自分なりに変換していくスピードのはやさ、本当にすごいなと思いながら聴いています」

「稽古を重ね、本当に1回1回すごく変わっていくんですよ」

横関「僕、水さんの「岩棚に腰を下ろす」ってセリフが好きです(笑)」

「あはは(笑)、あそこは谷さんのOKも出ています。"岩棚に腰を下ろす感"が出てる、と」


―― 今回、水さんは "高子" 役と、"地の文" を担当されています。いわゆる鍵括弧のセリフ、キャラクターの発言に感情を乗せて語るのは俳優さんの得意とするところかなと思いますが、地の文はいつもの "演じる" という作業とは、勝手が違うのでは?

「もう、全然違います。地の文を読む朗読ってほとんどやったことがないんですよ。2015年に石丸さち子さんとやった『サンタ・エビータ~タンゴの調べに蘇る魂』では少しありましたが、あの作品は全体がエビータの手記、自分が自分のことを語っているという形でした。今回は別の人の行動や心情を語ったり、状況を語ったりする。さらにその時によって、真拆を揺さぶるように言ったり、真拆のことをクールに解説していたり。はたまた淡々と情景を描写したり、観客に問いかけるように語りかけたり。忙しいです(笑)。ただ、『エビータ~』で「扉代わりになっている布をどけると...」という文章のところで、石丸さんが実演してみせてくれたものが、本当に「扉、今開けた、見えた!」と衝撃を受けたのを覚えています。その後『ヴォイサリオン』(2016年)で声優の方々とご一緒した時も、あの方たちは声のプロですから、もう声だけで「振り向いた」とか、わかるんですよ。そういうものは意識しますし、経験値となっています」


―― 地の文というのはひとりで何役もやっているようなものですね。平野啓一郎さんの原作も、日本語の美しさや装飾的な言葉が地の文に表れていて、まさに地の文が主役という感じがしました。

「そうなんです。ただ、最初はそう思わず、「これ、真拆の物語だな、高子が全然出てこないな」って思っていました(笑)。何度か読んで、地の文の重大さに気付きました」


―― 特に今回の『一月物語』は典雅で普段遣いではない日本語も多い。でも水さんの朗読がとても豊かで、するすると耳に入ってきました。

「ありがとうございます! 谷さんには「もっと、もっとやって」って言われています(笑)」


―― おふたりとも最初にこの物語に触れたとき、どんな印象を受けましたか?

「私はこういう摩訶不思議なストーリーが大好きなので、「この話、良い!」と思いました。出演のご相談をいただいたときには「すごくいいと思う!」と即決です。怖くて、おどろおどろしくて、ちょっと官能的で、でも夢があって......という、人間の世界を超越した物語、みたいなところが大好き」

横関「読むごとにちょっとずつ印象が違うんです。その日の自分のコンディションや感情で、印象が変わっていく。日によっては "ロミジュリ" っぽさを強く感じたり、日によっては「(真拆と高子の)ふたりは、これでよかったんだ」と思ったり、日によってはすごく泣けたり......。多面性を持つお話だなと思いました」


―― いま "ロミジュリ" という言葉もありましたが、谷さんの演出も面白いですね。真拆と高子はロミオとジュリエットだ......と仰っていたのも、面白い解釈だなと思いました。

「そうそう、"薄っぺらく言うと"、ロミジュリだと仰っていました(笑)。お話をきいていると、谷さん自身が真拆と似ている気がするんです。文学青年で、情熱的だけど実は繊細、というところが。ご自身でも、真拆の情熱や何かを突き詰めるところ、突き詰めた上で行き場のなくした情熱......そういう思いがすごくわかると仰っていました。キャラクターの心情を解説していただいて「なるほど!」と思うことがたくさんあります。またこの物語の舞台になった十津川にもひとりで行かれていて、熊野古道の闇や音のない感覚、真拆が感じたであろう孤独といった感覚も伝えてくださって、そのお話にこちらも想像力がかきたてられるんです。谷さん、本当に面白いです」ichigetsu03_05_1094.JPG

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大阪・寺田町にあるIKSALON表現者工房が企画する市民参加型のリーディング公演。これまでにも東京を拠点に活動するタテヨコ企画・横田修、アトリエ・センターフォワードの矢内文章、KAKUTA・成清正紀らが、現代戯曲、古典作品を演出してきた。その第6回公演の演出に、劇団柿喰う客七味まゆ味が挑戦する。

俳優であり、昨年には自身のユニット「七味の一味」で演出家デビューも果たした七味が上演するのは、自身の劇団で2012年に初演され、第57回岸田國士戯曲賞の最終候補作品にも選出された『無差別』だ。昨年、同劇団が異なるアプローチで上演した『無差別』を見て「この作品をリーディングとして、声だけで聴くとどうなるのかなと興味を持ったんです。今回集まってくださった方の年齢層が幅広い。リーディングって、人の声で奏でていくイメージなので、いろんな響きが『無差別』で聞けたら楽しそうだなと思います。また、戦時中の話で、神様とか差別とか、重い題材を扱っているので、私たちがやったときよりも年齢の高い方に一緒に作品を作ったら、学べるものがあるのではと思ったんです」と七味。

女優としては、時にはアグレッシブに、時には繊細に、変幻自在の堂々たるパフォーマンスで魅せる七味。しかし実は臆病な一面もあるという。「いい現場でありたい、いい作品を作りたいという気持ちは強いのですが、失敗することを考えちゃうときもあって、意外と怖がりなんです(笑)。特に演出をするときはドキドキする。今回はリーディングという制約があるからこそ、面白いアイデアが生まれることもあるんじゃないかなと思っていて。言葉の響きとか音で、どう面白く見せられるか。リフレインでやってみたり、いろいろ探ってみたいと思います。お客様にも楽しみにしていただきたいですね」

役者が台本を手にし、言葉を届けるリーディング公演によって『無差別』がどう立ち上がるのか、楽しみにしたい。

<プロフィール>

七味まゆ味(しちみまゆみ)●劇団『柿喰う客』の、女優・副代表。 主役・脇役・飛び道具、老若男女に化け物から宇宙人まで、舞台上で七色の魅力を放つトリックスター。 動きのキレや存在感で注目されがちだが、中性的なコケティッシュさ、しなやかさ、その声音で自由自在に演じ分け、繊細な芝居にも定評があり、客演も多い。コミュニケーション力が良好で、フットワークが軽く、地方や海外でも活動の幅を広げている。

<公演データ>

IKSALON 表現者工房
市民参加「現代戯曲・リーディング」 VOL.3
『 無差別 』

【作】中屋敷法仁(柿喰う客)
【演出】七味まゆ味(柿喰う客/七味の一味)
【公演日時】3 月 3 日(土) 14:00/19:00
     3 月 4 日(日) 13:00/18:00
     3 月 5 日(月) 15:00

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■夢幻朗読劇『一月物語』特別連載 その2■


芥川賞作家・平野啓一郎の代表作を、音楽・バレエを融合したあたらしい形の朗読劇として上演する夢幻朗読劇『一月物語』 が3月に上演されます。

作品は、明治の日本・十津川村を舞台に、格調高く流麗な文体で綴られた幻想的な物語。

幽玄の世界と、その擬古典的文体があいまって、「現代の神話」とも称される名作を手掛けるのは 谷賢一
その、谷の演出のもと、元宝塚雪組男役トップスターの水夏希、世界的バレエダンサーの横関雄一郎ら実力派が出演する注目作です。

この作品で音楽を担当するのが、ミュージカル、ストレートプレイ、コンサートと幅広く活躍するかみむら周平

たんなる「朗読劇」の枠を超えた作品になりそうなこのステージ、音楽も非常に重要な存在であると伺い、かみむらさんにお話を伺ってきました。

●あらすじ(オフィシャルより)
明治三十年、奈良県十津川村。
神経衰弱の気鬱を逃れ、独り山中をさまよう青年詩人・真拆は、老僧に毒蛇から救われ、山寺に逗留する。
俗世から隔絶された奇妙な時空の中で、真拆は、いつしか現実と夢界の裂け目に迷い込み、運命の女と出逢った。 それは己の命を賭けることでしか成就しない愛、だが、刹那に失われる運命の愛だった......。
古典的風格さえ漂う端麗な筆致で描かれた聖悲劇。

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● かみむら周平 INTERVIEW ●

 
●「お客さまの想像を膨らませるために、音楽が言葉と相乗効果にならないといけない」



―― 今回の作品では、かみむらさんが作る音楽が非常に重要になってくるとおききしました。まだお稽古が始まる前ですが、現時点の構想をお伺いできればと思います。

「基本、生のピアノ一台で演奏しようと考えています。いわゆるノイズだったりというものをシンセサイザーで用意はしているのですが、それは音響さんとのコラボレーション、レイヤーで入れていくイメージです。演出家(谷賢一さん)も "音楽を効果的に使う" と話していて、「攻めよう」とは言ってました(笑)。僕の中では「こんなイメージかな」というものがあって、昨日、3曲デモを作ったところ。まさに今日、谷さんとお話するんです」


―― 「3曲」ということは、独立した楽曲がいくつもあるってことなんですね。

「そうです。台本に「ここに音楽が入る」とすでに書かれています。谷さんの方で曲のタイトルもつけられています。『予感』とか」


―― そもそも生演奏の、しかも朗読のバックで流れる音楽......もちろん時にはバックではなく、音楽が表に出てくることも含めですが、そういう作品の音楽とは、どの程度が決まっていてどの程度がアドリブなのかな、という疑問があります。

「アドリブでやろうとは思わなくて、基本的には決まってくるはずです」


―― 劇中音楽はこれまでもたくさん手掛けていらっしゃいますが、朗読での劇中音楽ということで、気をつけていらっしゃることは。

「朗読劇は、観る方の目の前で、俳優さんが衣裳を着て動くわけではありません。俳優が発する言葉を聞き、お客さんが頭の中で想像をする。その想像を膨らませるために、音楽が言葉と相乗効果にならないといけないと思っています。そのあたりを一番気にかけますね。どういうハーモニーがいいのか、もしくはもっと音を減らした方がいいのか。どうしても音楽を作るときは自宅でひとりで作るじゃないですか。作る時って、やっぱり不安なんです。明るい状態で作ると、不安だからどんどん、(余白を)埋めていってしまう。だから、部屋を真っ暗にして確認するんです。そうするとどんどん、(埋めていったものが)うるさいものになる。ピアノをポーンと叩いて、音が減衰していくあいだにもっと考えられるじゃん、といった意識が出てくるんですよね。今回もきっとそういうことが出てくるんじゃないかな」
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いまや日本ミュージカル界に欠かせない存在である藤岡正明
今年も『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート『不徳の伴侶』『タイタニック』と出演作が次々と発表になっています。fujioka08 15th_1447.jpg

藤岡さんにそれぞれの作品について、そして、俳優として、ミュージシャンとして......様々なお話を伺ってきました!

今回は【後編】として、『不徳の伴侶』『タイタニック』、そしてTV番組『カラオケ☆バトル』のお話までお聞きしています。

★『ジャージー・ボーイズ』イン コンサートや、ご自身のライブツアーについて語った前編はコチラ★



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●朗読ミュージカル『不徳の伴侶 infelicity』(5/29~6/3 東京)


―― 『ジャージー・ボーイズ』イン コンサートのあとは、『不徳の伴侶』が5・6月にありますね。作・演出を荻田浩一さんが担当される作品です。

「僕、荻田さんの演出作に再演から参加したり、ミュージカルコンサートでご一緒したりはしているので、厳密に "お初" ではないのですが、イチから芝居を作り上げる現場でガッツリまともに向き合ったことが、実はないんです。もともと荻田さんのことはよく知っていて......まぁ、主に飲みの席で、なんですが(笑)。ただ、そのコンサートの演出で少しだけ触れた演出家としての荻田さんは、ちょっと怖いと思うくらいの真面目な目をしていました。言葉も、普段は柔らかい方なのに、違うものは違うとハッキリ言う。荻田さんが思い描くビジョンが、佇まいから伝わってくるんです。ですので、"荻田さんとガッツリ演劇をやりたい!" という気持ちですね」


―― 特に今回の作品は荻田さんの「自主公演」ですので、こだわりもひとしおではないかと想像しています。

「そうなんですよ、荻田さんが10年温めてきた題材だそうです。普段、とても大きな劇場などでもたくさん演出をしている方ですが、今回はこういった小劇場(赤坂RED/THEATERの座席数は200弱)。変な話、ここでお金儲けをしようとかじゃないですよね。この作品は、荻田浩一の情熱でしかない!ってことです。その情熱に、僕も乗りたいな、と思いました。まだ稽古も先ですが、面白くなるといいなと思っていますし、そういうものを、僕も欲しているのかも」


―― そういうもの、とは、商業的なあれこれを抜きにして良い作品を、という?

「そう、やりがいが見出せる作品。もちろんお金を稼ぐことも重要ですが、自分自身が夢を見ていたいなと思うんです。やっぱりこの仕事が好きでやっているから。そこに情熱を120パーセント注ぎこめたら、生きてる心地がするんだろうなって思って」

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3月3日(土)より、東京国際フォーラム ホールCにて開幕する『ジキル&ハイド』。主役のジキル博士&ハイド氏をミュージカル界の貴公子 石丸幹二が引き続き演じるのに加え、新たなキャストでの待望の再演に早くも期待が高まっています。2012年と2016年の過去公演では、純白のエマ役で出演していた笹本玲奈さんもその一人。昨年一年の産休を経て、今作では180度と違ったルーシーとして、ミュージカルの舞台に舞い戻ります。

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復帰を待ちわびた多くのファンの期待を背負って新境地に挑む玲奈さんに、今回の意気込みや女優としての転機について、そして、一度離れて改めて感じたミュージカルへの愛をたっぷり語ってもらいました。

―同作ではエマ役として、過去に2回出演されています。今回は役柄がガラッと変わりますね。

「私の中で、ルーシーは濱田めぐみさん(2012年・2016年上演)のイメージが強いです。めぐさんのルーシーは、しなやかで妖艶で、大人の女性という印象でした。それでも、ルーシーのナンバーは自分のコンサートではよく歌ってきたこともあり、いつかやってみたいという思いもありました。原作では出てこない役なのですが、それってすごく有難いことだなって。年齢設定や生きてきた背景など自分が考えてきた形で役作りができる部分もあるんですよね。これまで演じられてきた方とはまた違ったルーシーができるといいなと思っています」

―笹本さんの考えるルーシー像とは?

「2年前の上演から、ルーシーの言葉でとても印象に残っているセリフがあって...。ヘンリーのことを『あの人は私に優しかった』って言うんですけど、その言葉がすごく悲しいし、切ないですよね。彼女の今までの人生すべてを表していると感じたというか、たった一言優しい言葉をかけられたことで内面がガラッと変わるくらいに、これまで計り知れない苦労をして、残酷な人生を歩んできたんだなって。具体的にどんなことがあったかっていうのは今から紡いでいく部分だとは思うんですが、きっと親の愛も受けてこられなかったのかなとか、男性に心底愛されるってこともなかったんじゃないかなとか...。娼婦ですので体を求められても、心を見てもらえない。想像できない人生ですよね」

―そんな役柄へのアプローチにあたって、大切にしたいことは?

「苦しい人生を送ってきた彼女ですが、ピュアな部分を持ち合わせている女性だとも強く思うんです。いくら男性に体を売っても、芯の部分ではとても純粋で、少女のような心を持っている。今までガチガチに鍵をかけられていた、そんな彼女の純真さがヘンリーの優しさによって解かれていく。そこを大切に表現したいです」

―言葉や態度の奥にあるものですね。

「口では、『私は人生を捨てたの、どうでもいいの』って言いながら、憧れや夢を固い箱に閉じ込めて何十年も生きてきたんだなって。そういう部分を見せられたらって思いますね。『あんなひとが』や『新たな人生』という歌も、彼女がピュアな部分を持ち合わせているからこそ出てくるものだと思うので」

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―19世紀ロンドンの過酷な社会背景の中で生きるルーシーですが、時代や環境は違えど、同じ女性として通じる部分もあるかもしれませんね。

「女性って誰しもがどこかで、愛されたい、とか、寂しさを埋めてもらいたい、とか多かれ少なかれ思っているんじゃないかなって。ルーシーにもそういうところがあって、そこが共感を呼ぶのかなって思います。物語は史実ではないですが、この時代の労働者階級の人たちがどういう暮らしをしていたのか、当時の娼婦の人がどれくらいのお給金をもらっていたのかとか、そういう時代背景にまつわる本や資料も今見ているところです。階級によって話す言葉、話し方も違うと思うので、そういったことも参考になるんじゃないかなと思っています」

―今回は歌うナンバーの印象もガラリと変わります。ワイルドホーンの楽曲にはどういう印象をお持ちですか?

「一言で言うと...役者泣かせですね(笑)。本当に大変な曲が多くって、喉に負担がかかります。『ミス・サイゴン』『レ・ミゼラブル』などでは、自分の音域にぴったりの曲をやらせてもらっていたのですが、今までのようなあどけなさが残る歌い方じゃダメですし、もっとねちっこくというか、情念のようなものを出していかなくてはならない。でも、音楽の力に乗せられてどんどん感情が溢れてくるんです。転調が多いので、気持ちがどんどん乗っていくし、演じる方も観る方も心を掴まれる。音を聞いているだけで感動させられるような力強さが魅力です」

―エマからルーシーへ。女優としても一つの"転調"となりましたね。

「階級社会の頂点にいる女性と底辺にいる女性。180度違う人生を背負っているなと感じています。ただ、そんなエマとルーシーにも共通点があります。育った環境や考え方は違っても、人を見た目で判断しない。うわべだけじゃなく、純粋な気持ちで心の中を読み取れる。そういう部分は唯一の共通点じゃないかなって。だから、劇中でも2人のデュエットがあって、同じ曲を一緒に歌えるんじゃないかなって」

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―人間の持つ純粋さ、複雑さ、残酷さ、弱さ。ルーシーを始め、登場人物の心の動きにドキッとさせられる作品ですよね。

「そう思います。でも、人間ってそうですよね、心で思っていることすべてを口に出して言えるわけじゃない。ルーシーも頭と心では、『この人に引っかかっちゃいけない』ってわかっているけれど、体が言うことを聞かないというか。そういう一致しない部分はハイドっぽいというか、二面性を感じる部分。一言で言うと、人間の本質をついた作品ですよね」

―自分すら知らない、二面性に気づいてしまうかもしれない...。

「殺人が絶対にいけないことというのは大前提ですが、ハイドが罪深い人達を殺していくところは、ちょっと爽快だったりもするんですよね。『自分もジキルであり、ハイドなのかもしれない』とか、『自分はもしかしたら、今思ってる自分じゃないのかな』ってちょっと怖くなることもあります。そんな気持ちに、楽曲の素晴らしさが相乗効果で響いていく。観終わった後に、『さあ、あなたはどうですか?』って、投げかけられているような...」

―ちなみにですが、笹本さんにも意外な一面はありますか?

「そうですね、二面性とはまた違うかもしれませんが、今までは子どもがいる生活がどんなものかなんて、考えたことがなかったんです。でも、出産して、自分の中の大きな変化を感じました。生まれた瞬間に価値観がガラリと変わったというか...」

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―どんな風に変わったのでしょうか?

「私生活を仕事に持ち込むことはもちろんダメだと思っているんですが、生活する上ではやっぱり子どもを優先することが多くなって。それに伴って、この先子供が育っていく中で、世の中がどのように変化していくのか、未来のことを考えるようになりました。今までは自分の今のことだけ考えていたのに(笑)」

―産休を経て、復帰。ミュージカルや女優業に対する心境の変化は?

「13歳でデビューしてから去年まで、ありがたいことにお休みなく仕事をいただいて、自分自身が話している時間よりも、役柄として話している時間の方が長いんじゃないかっていうくらい、女優として充実した日々でした。そんな中で、長い休みが欲しいなって思ったこともありましたし、自分を見失いそうになる時期もありました。でも、この一年間は、誰でもない"笹本玲奈"として生きてみたんです」

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―なるほど。

「今更ながら、『あ、自分ってこうだった』っていう発見もありました(笑)。でも、休めば休むほど、ミュージカルへの想いは大きくなって、その愛が再確認できた期間でもありました。こういう風に離れる時間って大事だったと思えましたね。そうじゃないと自分を見失って、もしかしたら、舞台も嫌いになっていたかもしれない。一度距離を置いて、外からミュージカルという世界を見つめた時に、改めて自分にとってのかけがえのない場所を見つけた気がしました。そう感じてからは、一刻も早く復帰したい! 歌いたい!という気持ちでいっぱいになって、今回はそういう思いが爆発すると思います(笑)」

―1つの転機を経験された笹本さんの復帰作、楽しみにしています! 最後に復帰を待ち望んだファンにメッセージをお願いいたします。

「昨年は結婚、妊娠、出産と1年ほど現場からは離れていましたが、その間もインスタグラムなどを通して、コメントやメッセージを頂く中で『こんなにも待っていてくださる方がいるんだ』とものすごく励まされましたし、とても感謝しています。支えてくださったみなさんに期待以上のものをお見せできる様にしたいと思っていますので、楽しみにしていてください」

取材・文:杉田美粋

撮影:イシイノブミ

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■ミュージカル「メリー・ポピンズ」特集(6)■

いよいよ開幕が近づいてきたミュージカル「メリー・ポピンズ」。3月4日(日)には浅田真央さん出演の特別番組(詳しくはこちら)も決定し、開幕に向けますますの盛り上がりを見せています!

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げきぴあメリーポピンズ特集第6弾は、ジェーンとマイケルの父であるジョージ・バンクスを演じる駒田一さん山路和弘さんの対談をお届け。家庭でも規律と秩序を重んじる、厳格な銀行員であるジョージ。「この2人がWキャスト?」と言われるというお2人それぞれの役に向けた意気込みをお伺いしました。

真面目な堅物だけではない、何かプラスアルファを出せたら(駒田)

堅い人物であればあるほど、表面的で、実は泣き虫だったりする(山路)

――『メリー・ポピンズ』との出合いは?

駒田 小さいころからもちろん映画は観ていましたし、曲自体すごく親しみがありますからね。でもまさか舞台になるとはこれっぽっちも思っていなくて。人が空を飛ぶ、なんてね。でもそれが現実となり、さらに自分が父親役をやることになるとは...。そういう年齢に僕もなったんだなと、今しみじみ感じています(笑)。

山路 僕は子供のころに映画館で観ているんですよ。特に具体的な記憶は残っていませんが、不思議な夢の世界に連れて行かれたなという感覚は強烈に覚えていて。そんな僕もなんと父親役、というかおじいちゃん役でもいいような年齢になってしまったことに、これは困っちゃったなと今少し焦っているところです(笑) 。

――オーディションは非常に長期間にわたったと聞きました。

山路 いやぁ、長かったですね。呼ばれる度に「また? もういいんじゃない?」と思っていましたから(笑)。

駒田 僕はこのマッキントッシュ・カンパニーの作品は3作目ですが、これまでの2倍、3倍は長かったですね。最後の方はもう楽しんでいたくらい(笑)。

山路 その境地までいった!?

駒田 ええ。これでダメならしょうがないし、やれることはやったなと。だから正直決まった時は、「本当にやるんだ!?」と驚きましたし(笑)、じわじわと喜びが込み上げてきた感じです。

山路 僕は何回目かのオーディションの時、「キチッとした格好を見てみたい」と言われたんですよ。で、たまたま『アンナ・カレーニナ』のカレーニンの衣裳を引き取っていたので、「これでどうだ!」くらいの気持ちで着て行ったんです。でも反応は芳しくなくて...。ついに終わりかなと思っていたらこうなったので、不思議なものですよね。

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――演じられるジョージ・バンクスについて、現段階ではどんな人物として捉えていますか?

駒田 真面目な堅物という印象ですよね。でも僕がやるからには、それだけではない何かプラスアルファをうまく出せたらなと。もちろん演出家や稽古場の雰囲気にもよると思うんですが、ただ堅い人というのでは面白くないと思っていて。

山路 僕も堅い人物だとは思うんですけど、それって結局表面的なものだったりしますよね。堅い人物であればあるほど泣き虫だったり。うまくそのへんを出せればとは思っているのですが...、そういう自分の色みたいなことって、向こうのスタッフには許されるものですか?

駒田 正直な話、どんどんやった方がいいです。絶対に怒りませんし、必ず許してくれる。決めつけることは決してしないので。だから今回も、いろいろ試せる稽古場であると信じているんですけどね。

山路 なるほど。

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――では駒田さん、山路さんならではのジョージとは、どういった部分に表れてくるのではないかと思いますか?

山路 それは自分ではわからないですね。周りには、「このふたりのWキャストっていうのもなかなかないですね」とはよく言われますが。

駒田 それ、僕もよく言われます。だからこそ面白いと思うんですよ。ある意味で本当のWキャストだと思うので。同じようなタイプの役者だと、僕なんか「どっちかでいいんじゃない?」と思ってしまうので(笑)。

山路 そもそも僕はプロになってから初のWキャストなんですよ。

駒田 あっ、そうですか!? 僕の中で山路さんってすごく渋い、ニヒルな印象があるんですけど、そういう意味でも赤と青くらいの違いが出るのかなと。さらにお互いの演じ方、お客さまの捉え方によってももちろん変わってきますから。

山路 僕は駒田さんがWキャストでいてくれることはすごく心強いですよ。稽古中も横にピタッと、ずっと寄り添っていきますので(笑)。

駒田 やめてくださいよ!(笑)

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取材・文:野上瑠美子

撮影:イシイノブミ

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いまや日本ミュージカル界に欠かせない存在である藤岡正明
今年も『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート『不徳の伴侶』『タイタニック』と出演作が次々と発表になっています。

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藤岡さんにそれぞれの作品について、そして、俳優として、ミュージシャンとして......様々なお話を伺ってきました!



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●「役者・藤岡正明」と「ミュージシャン・藤岡正明」?

―― 去年末はその武器である歌を使わないストレートプレイ『欲望という名の電車』でも大役を果たされていて、その前の『ビリー・エリオット』も芝居色の強い役柄を演じていました。もともとの出発点は音楽活動だと思いますが、最近は俳優としての藤岡さんを見る機会が多い。ちょっと今日は、「役者・藤岡正明」「ミュージシャン・藤岡正明」を語っていただければと思っているのですが......。

「『欲望という名の電車』は、自分でもなんで僕にあの役が来たんだろうと最初は思いました(笑)。まず、ミッチという役は "180何センチの大男" ですしね。たしかに、そういう意味では去年は "役者" に寄っていて、歌をガンガン歌うということもあまりなかったし、自分の音楽活動というものもほとんどなかったですね」


―― 一転して今年は、コンサート『TENTH』からはじまり、ミュージカルが何本も決まっていて、さらにライブツアーもある。2018年は「歌う藤岡正明」の年なのかな、と思ったのですが、これは狙ってのことですか?

「いえ、狙ってでは、まったくないです。ただ自分としては、"刺激的でありたい" と思っているんです。自分自身が「ここ!」と思える、この仕事をやる上での縁を感じられるところには、どんどん出ていきたい。ただ、いま「狙ってではない」と言いましたが、最近ちょっと、役者としてだけでなく、歌手としてムラムラしてきました(笑)」


―― ムラムラですか(笑)。

「だから久しぶりにミュージシャンとして、3月にライブツアーもやります。ここ最近は自分のオリジナル曲をやって、普通にギターを弾いてポップスを歌うってことをあまりしてこなかったんです。だから、オリジナルライブは2年半ぶりかな? でも実は、そのやっていない間に、ギターばかりいっぱい買っちゃって。何本増えたんだろう? ってくらい。それで、家でギターを弾くという時間が、ある意味忘れていたものを思い起こさせてくれる時間だったんです。役割としてのミュージシャンではなく、自分の部屋でビールでも飲みながら、ただひたすらギターを弾いているという行為が「俺にとって音楽ってなんなんだろう」みたいな......。そんなことから、最近ふつふつと、やっぱり音楽をやりたい! って思うようになったんですよね」

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