『おとぎ裁判』第2審 古谷大和×東 拓海×廣野凌大クロストーク

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2018年秋に初演されたオリジナル舞台『おとぎ裁判』の第二弾となる『おとぎ裁判』第2審〜戦慄の誘拐パレード ビッグマウスにご用心♪〜が2020年1月10日(金)から19日(日)まで東京・CBGKシブゲキ!!にて上演されます。

本作は、おとぎの国の奥深くにあるお屋敷の主である裁判官アケチのもとに、おとぎの国の住人たちが毎夜裁判を求めて訪れるという物語。(詳しくはコチラ
神楽澤小虎さんが脚本、キムラ真さんが演出を手がける今作では、「ハーメルンの笛吹き男」の登場人物が裁かれるそうです。

果たしてどんな作品になるのか、初演に続き、裁判官のアケチを演じる古谷大和さん、執事のジュードを演じる東 拓海さん、そして今作で初めて出演し「ハーメルンの笛吹き男」の登場人物を演じる廣野凌大さんにお話をうかがいました。

***

――まずは初演を振り返りたいのですが、古谷さんと東さんはいかがでしたか?

古谷 とんでもない作品を世に打ち出したなと思いました。でも第二弾ができるというのは、そういう作品をお客様が楽しんでくれたっていうことですし、とても幸せなことだと思います。初演で楽しかった部分は今回も大切にしたいです。

――どういうところが楽しかったですか?

古谷 この作品はお客様参加型だったので、本番をやってみて感じることが多くて。アドリブも多かったですし、突然マイクを持って歌い出したりもしたのですが、お客様が一緒に盛り上がってくれた。その反応に救われたし、楽しかったです。
 僕にとってお客様参加型の舞台は『おとぎ裁判』が初めてだったので、ものすごく楽しかったです。度胸がつきました。そのせいで(?)台本にないことを勝手にやり始めちゃって。
古谷 そうだよー!
東 (笑)。毎回古谷さんがきれいにおさめてくれて、楽しかったですね。
古谷 ひどい話ですよ!(笑)

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――廣野さんは初演のアフタートークに参加されましたよね。

廣野 そうです。そのときに観劇したのですが、テンポが良くて観やすかった。ついていけなくなるんじゃないかなってくらいどんどん展開してくのに、ちゃんとついていけるんですよ。そのぶん飽きずに楽しめるし、どんな人でも見やすいんじゃないかな。

――一見、ハードルが高くも見える作品ですが。

廣野 全然そんなことないと思います。キャストのことを知らなくても楽しめるんじゃないかな。そのくらいおもしろかったです。

――そこに役者として参加するのはどうですか?

廣野 そうなんですよね......。
古谷 渋い顔を(笑)。
廣野 第二弾なので、初演から出演されている方とは違うものを出していかなきゃいけないのかなと思っていて。新しい成分になれたらいいなと思っています。

――初演から引き継ぎたい魅力ってどんなものですか?

古谷 脚本の小虎さんが、役や物語にかなり深くて細かい設定を織り込んでくれているのですが、我々は敢えてそこを表に出さず「おとぎ話を裁判しているキャラクター」として存在したんですよ。つまり、裁判そのものが見せるべきものであって、設定は隠し味だったんですね。

――なるほど。

古谷 今回もそこは大事にしたいです。裁判をしっかりとみせたい。その中でお客様が「あのキャラクターが気になる」と思ったときに、よく見ると気付けるものがあるようにというような。そのためには常に丁寧に表現しなくちゃいけないと思います。裁判をしっかり見せたいけど、ただ裁判を見せるだけの話ではないので。

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――この作品はおとぎ話の登場人物が裁判で裁かれる話ですが、初演で描かれた「赤ずきんちゃん」の判決はどう思われましたか?

古谷 おもしろかったです。「赤ずきんちゃん」の話をそういうふうに描くんだというところもあるし、あの判決を見てお客様それぞれが感じること、考えることもあっただろうなと思って。
東 赤ずきんが犯した罪が裁かれるけど、それを犯すに至るまでの過程も描かれますからね。僕も「赤ずきんは悪くないんじゃないかな~」「うわー、アケチ重罪にしてるよ」とか思いながら見てました。みんなが知っているお話を題材にしているのがおもしろいですよね。

――今回は「ハーメルンの笛吹き男」が裁判にかけられるそうですね。

廣野 はい。おとぎ話って、子供の頃に読むのと、大人になってから読むのでは、受ける印象が違う。そういうところが今回の役作りに生かせるんじゃないかと思っています。その多面性が見えるように演じたいです。

――一見シンプルなおとぎ話を深く掘り下げていくことが大事な作品ですよね。

廣野 そうですね。そもそも裁かれる側ってドラマを抱えてないとつまらないと思いますしね。

――廣野さんは、古谷さんの事務所の後輩ですが、廣野さんってどんな方ですか?

古谷 トゲがある。鋭角に物事を見てるし、あまり人が見てないようなところを見て、お芝居で切り込んでいけるような人だと思います。 

――逆に廣野さんから見た古谷さんってどんな人ですか?

廣野 ブラックホールみたいな人だなと、ずっと思ってます。なんでもできちゃうんですよ。

――「なんでもできちゃう」と「ブラックホール」は関係していますか?

一同 (爆笑)
古谷 ほら、鋭角でしょ?
廣野 (笑)。ブラックホールってなんでも吸い込むじゃないですか。大和さんも何でも吸収するんですよ。それで、必要なときにそれを取り出せる......だからこれ、ブラックホールじゃないですね。四次元ポケットです!四次元ポケットを持っています!僕、あんまり人を尊敬しないんですけど......一同 (爆笑)
廣野 大和さんのことは本当に尊敬してます!

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――そんな古谷さんは、東さんと一緒に演じていかがでしたか?

古谷 (東が演じる)ジュードは深い役なんですよ。向き合い方が浅いと、演じることができないようなキャラクターなので。拓海くんは初演でそれを演じ切ってた。今作でもそういうところを見せてくれるんじゃないかなと思います(チラッと東を見る)。

東 プレッシャーを(笑)。

――ジュードという役を作るのは大変でしたか?
東 そうですね。二面性のある役なので、切り替えも難しくて。そこは大和さんのお芝居に引っ張ってもらって、僕は食らいつくような感じで稽古をしていました。ただ本番に入ったらお客様のリアクションがよくて、僕も楽しくなっちゃって、結果的に大和さんを振り回すことに......。
一同 (笑)
 前回やって少し自信がついたので、今回はお客様の想像力をつついていきたいなと思います。アケチとジュードの関係はどうなっちゃうんだろうって。

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――初演の冒頭ではアケチとジュードの関係が<裁判官と執事>だったのが、実は<囚人と看守>であることが最後に明かされましたね。

東 その設定をどこまで出していくか、さらにそれをどう収めるかという事が今回も大事だと思うので、僕たちもアイデアを出しながら作っていけたらと思います。
古谷 でも今、「切り替えも難しくて」とか「初演で自信がついたので」とか控えめに言ってましたけど、初演の、ジュードが執事から看守に変わる瞬間の芝居とかえげつなかったですからね?
 (笑)
古谷 ものすごく素敵にやってましたから。苦手そうに言って、実は得意っていう。もう二面性を出してる。うまいんですよ!
一同 (笑)
古谷 現場でも愛されてたし。凌大も......
廣野 愛します。愛することを誓います!
一同 (爆笑)

――どういうことなんですか(笑)。

古谷 普通に有罪だな。

――東さんから見た古谷さんは?

 カッコいいですよね。
古谷 ......生き地獄だな(笑)。
 でも怖いですよ。中途半端なことをしちゃいけない感じ。大和さんの前に立つのは怖いです!
古谷 語弊がある!
 そのぶん、立ち向かい甲斐のある先輩です。越えたい壁になってます。
古谷 がんばって褒めてくれてありがと...!

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――最後に皆さんの個人的なおすすめポイントを教えてください。

廣野 僕はメロディー役ロッキン(=ヨーコ)さんです。初演では前説もされていて、その時点で目が離せなかった。舞台上でストーリーが展開しているときも、なんか端のほうにいて。
古谷 DJブースね!
廣野 そう(笑)。つい見ちゃうんですよね。
古谷 惹きつける力がある。
廣野 今回は一緒に芝居するので、お客様がロッキンさんに視線を奪われないようにがんばらないといけないです!

――東さんはどうですか?

 裁く側の登場人物は、実はそれぞれ動物がモチーフなんですよ。その動物はなんなのかとか、その動物である理由とか、だからこその関係性とか、推理のしようがめちゃめちゃある。そういう部分にも注目して観ていただけたらよりおもしろいと思います。
古谷 そうだね。今作ではきっとそういうキャラクターのバックボーンがさらに深まって、それを出したり出さなかったりすると思うので、ぜひ楽しんでもらいたいです。でもまずは裁判を楽しんでもらいたい。きっと観終わった後に考えることもたくさん出てくる作品だと思いますし。お客様に前のめりで参加していただけたら嬉しいです!

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舞台『おとぎ裁判』第2審〜戦慄の誘拐パレード ビッグマウスにご用心♪〜は2020年1月10日(金)から19日(日)まで東京・CBGKシブゲキ!!にて。チケットぴあでは10月3日(木)から10月17日(木)23:59まで最速先行を受付中。

取材・文:中川實穗
撮影:川野結李歌

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