『君の輝く夜に』稽古場レポート【後編】/鈴木聡&佐山こうたインタビューあり!

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喜劇作家・演出家の鈴木聡とジャズピアニスト・作曲家の佐山雅弘、そして主演は稲垣吾郎という強力タッグで大きな話題を呼んだ大人のためのミュージカル、〈恋と音楽〉シリーズ。

昨年、シリーズの決定版とも呼ぶべき『君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~』が京都劇場で上演されましたが、今秋、いよいよ東京・日本青年館ホールで開催されます。

ショウシーンを大幅にリニューアルして"東京版"ともいうべき〈ショウタイム〉を盛り込んだ今作。

 

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ショウ稽古の様子と、キャストのコメントをお伝えした稽古場レポート【前編】に続いて、【後編】では、芝居の稽古の様子に加え、演出の鈴木さんと、音楽担当の佐山雅弘さんの息子で、今回のバンドマスター(以下バンマス)とピアノを担当する佐山こうたさんの対談をお届けします!

 

***

 


物語は夏の終わり、海の見えるダイナーに、ジョージ(稲垣)がやってくるところから始まります。ドアを開けて少し謎めいた男ジョージが入ってくると、ダイナーの女主人ライザ(北村岳子)がたちまち色めきだす様子が、なんともおかしい!

 

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......ちなみに本作の舞台は日本なので、登場人物も当然日本人の名前なのですが、ライザ・ミネリファンの自称"ライザ"が、ジョージや、のちほど登場するビビアン(安寿ミラ)、ニーナ(中島亜梨沙)にもそう呼び名を付けたので、物語はこの名前で進みます。

 
さて、ジョージは誰かを待っている様子。外を眺めながら物想いにふける稲垣さんの横顔に、さまざまな想像がかき立てられます。

そんな観る側の気持ちを代弁するかのように、「女性を待っているのね」「もしかして、今日会う約束をした昔の彼女?」などとストレートに聞くライザには、共感しかありません。

 
"圧の強い(笑)"ライザをさりげなくいなしながらも、尋ねられたら自然体で答える姿は、稽古前にスタッフたちと和やかに話していた稲垣さんそのまま。

一方、ズケズケとした物言いで、隙あらばジョージに迫ろうとするライザを嫌味なく演じられる北村さんは、普段から稽古場のムードメーカーだからこそなせる技。鈴木さんの"あて書き"の魅力を改めて感じました。

  

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稲垣さんと北村さんのやりとりにスタッフ陣から笑いが漏れるなか、ダイナーの上にあるモーテルに宿泊しているニーナ(中島)が釣りから帰ってきます。

無邪気でとびきり美人のニーナの登場に、「夜まで待つことになるかもしれないし、僕も泊まろうかな......」などと、ポーカーフェイスで言いだすジョージ。

  

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さらに、ミステリアスな美女ビビアン(安寿)が店にやって来ると、ひとしきり会話を交わした後に「年上もいいかもしれない」と呟くジョージ。

 

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様子を見ていたライザは「昔の恋人を待ってるんでしょ!?」とクギを刺しつつ、ジョージも、そして当のライザも、男性が魅力的な女性に心動かされるのは(もちろんその逆も!)世のことわりと認めているところ。

"大人のためのミュージカル"たる本作の魅力は、こんなところにあるのかもしれません。

理屈ではなく、人生のエッセンスとして体現できるのが稲垣さんであり、北村さんや安寿さん、中島さんが"自立した女性のたたずまい"を持っているからこそ成立するように感じます。

 

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女性たちにいいところを見せようと、ニーナの持ってきたアジでジョージがフライを作る、通称「アジフライの歌」を皆で歌い踊る頃には、いつしか稲垣さんがジョージなのか? ジョージが稲垣さんなのか? と、役柄とご本人の境界線が曖昧になるような不思議な感覚に陥りました。
 

***

 

本作では、大人の男女がバーや部屋でリラックスして聴くような、ジャズやポップスのスタンダードナンバーが多く登場するのも、大きな魅力のひとつです。

稽古場では佐山こうた(ピアノ)、高橋香織(バイオリン)、バカボン鈴木(ベース)、三好"3吉"功郎(ギター)、仙波清彦(パーカッション)という豪華ミュージシャンが本番同様の生演奏でシーンを盛り上げていました。

 

〈恋と音楽〉シリーズを最初から手がけてきた佐山雅弘さんは、残念ながら昨年の上演後に急逝されました。その遺志を受け継ぎ、息子でジャズピアニストの佐山こうたさんが今作ではバンマスを担当します。

 

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演出の鈴木さんは「佐山(雅弘)さんなくしては、このシリーズは出来なかった」と偲びつつ、「稽古場で改めて、佐山さんの音楽は今もピチピチと"生きている"と感じます」と言います。

 

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こうたさんも、「本当に、普通のミュージカルの音楽の付け方とは違うんですよね。なんじゃこりゃ?と言いたくなるような」とうなずきます。

鈴木さんは「たとえば、あるシーンの音楽が10曲ぐらいのメドレーになっていて、これに歌詞がつけられるんだろうか? と思ったり。このロマンチックなシーンにはシャンソン風の曲が付くのかなと思っていたら、歌謡曲風の音楽になって驚いたり」と、佐山さんとの創作の現場を明かします。

「でも実際にそれで進めてみると、すごくピッタリなことに気づくんですよ(笑)」と鈴木さん。

こうたさんはそんな父・雅弘さんの意図を、「鈴木さんなら大丈夫、面白くしてくれると思って、いろいろ音楽的な試みをやっていたと思う」と解説。

 

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鈴木さんも、「佐山さんの"挑戦状"は常に感じていましたね。それは僕がどう歌詞をつけて、稲垣さんならどう歌ってくれるのかっていうことでもあって。だから本当にこの〈恋と音楽〉シリーズは、佐山さんと僕と稲垣さんの3人で、現場で作ったものなんですよ。昨年は、その歯車がガチッとはまったな、という手応えを感じた公演でした」と振り返りました。

 
***

 

"東京版"では、佐山さんが遺した劇中曲はそのままに、1幕と2幕の間にある〈ショウタイム〉を10分拡大。

曲目は大幅に変更したものの、やはり昨年同様、「マック・ザ・ナイフ」「フォー・ブラザーズ」など、小粋なスタンダードジャズの名曲がそろいました。

  

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「個人的に古いジャズが好きなので、こうたくんの家でふたりで決めました」と鈴木さんが言うと、こうたさんも「ふだんジャズを聴かない人にも、ぜひ楽しんでほしくて」と笑顔で語ります。

 

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「だからショウの雰囲気もそういう風にしたくて、衣装も自然と燕尾服になりました」という鈴木さん。

礼服である燕尾服を颯爽と着こなしている稲垣さんを想像して聞くと、「彼なら、そういう古き良き時代の立ち振る舞いも、ジョージのような少しかっこ悪いところのある役も、なんでも素敵にやってくれると信頼しているんです」という答えが。

 

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今回、初めて披露される楽曲もあります。「いま稽古をしていても、父は好きなように曲を書いて渡していたんだなと感じています」とこうたさんが言えば、鈴木さんも「そうでしょう。複雑な曲を渡しても、稲垣さんは耳で覚えてすんなり歌ってくれるもの。逆にベテランの北村さんのほうが、『こんなの初めて!』って戸惑っているんだよね」と、楽しそうに笑いあっていました。

 

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一流のスタッフとキャストで創り上げる大人のためのエンターテイメント。
もうじき初日の幕が開きます!!

 

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取材・文:佐藤さくら

撮影:松谷祐増  

 


 

【公演概要】

日程 2019年8月30日(金) ~ 9月23日(月祝)
会場 東京・日本青年館ホール
席種 S席 10,000円 A席 8,000円

 

 

★タイトル'輝く夜に'に因んだ夜公演だけのスペシャル企画★

 

【ナイトスペシャル】特典①

夜公演にご来場をいただいた方全員にクリアファイルをプレゼント!!!
クリアファイルの絵柄はA~Cまでの全3種類あります。
ステージにより配布されるデザインが決まっています。

詳しくはこちら⇒ チケットぴあ

 

【ナイトスペシャル】特典②

オープニングスペシャルナイトとして、終了後に舞台セットでの記念撮影ができるスペシャルイベントを実施いたします!ご来場をいただいた方から抽選でご招待! 舞台『君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~』の世界観に浸って撮影を楽しんでください!

■イベント実施公演日時

・9月3日(火)19時00分~公演終了後

・9月4日(水)19時00分~公演終了後

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