【公演レポート】ガラリ刷新、ミュージカル『マリー・アントワネット』11年ぶりに日本上陸
ミュージカル『マリー・アントワネット』 が現在、東京・帝国劇場で上演中だ。遠藤周作の小説『王妃 マリー・アントワネット』を原作に、脚本・歌詞をミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲をシルヴェスター・リーヴァイという『エリザベート』『モーツァルト!』で知られる巨匠コンビが手掛け、2006年に日本で世界初演された作品だ。この作品はその後世界各地での上演を経てブラッシュアップされたが、中でも好評を博したロバート・ヨハンソン演出版(2014年に韓国で初演)が日本初上陸。日本産の大作ミュージカルとしてファンの中で記憶が刻まれている作品が、大胆にリニューアルされ、11年ぶりに日本の観客の前に登場した。
物語は18世紀フランスが舞台。豪華な生活で散財をしている王妃マリー・アントワネットが、やがて巻き起こる革命の嵐の中、王妃としての自分を自覚し断頭台の露と消えていくまでを、家族愛や恋人であるスウェーデン貴族フェルセン伯爵との許されざる愛を絡めながら描いていくもの。マリー像としては、『ベルサイユのばら』など数多の作品で描かれている姿と大きく乖離することはないが、このミュージカルでは王妃と同じイニシャルを持ち、革命に身を投じる貧しい娘マルグリット・アルノーの存在が肝。ふたりの "MA" の生き様が時に対となり、時に重なることで、物語全体に奥深さを出している。
大幅リニューアルとなった今回の上演は "新演出版" と謳われているのだが、実際に観ると、想像以上に初演とは別の作品になっている。入り口と出口は一緒でも、途中の道(エピソード)がまったく違う。追加された曲は16曲、登場するキャラクターも初演時の重要キャラクター数名がカットされ、代わりに別の主要キャラクターが追加されていたり......と、これはもはや、"新版" と銘打った方がいいのではと思える刷新ぶりだ。
2018年10月アーカイブ
いとうせいこうの家に、みなさまをご招待するかのごとく、いとうせいこうとゲストが様々なトークを繰り広げる連続トークイベント企画「せいこうHOUSE」。その第3回が2018年10月15日(月)に渋谷・CBGKシブゲキ‼にて上演された。
歴代のトークゲストとしては第1回が池田貴史、オカモト"MOBY"タクヤ、第2回がみうらじゅんという豪華メンバーが続く中、来る第3回はついに斎木しげるがゲストで登場。いとうせいこうと斎木は「シティーボーイズ」での長年の親交でおなじみだが、こういった形でのふたりでのトークは、はじめて。予測不可能なトークセッションに会場は不思議な期待感に包まれていた。
斎木が登場し、トークが"おもむろ"にスタートすると、話は、中野坂上にあるカフェの話から宇宙の話まで不思議な脈略で展開。魅惑的な声とともに、温水プールに浸かっているような不思議な引力のある斎木のトークに、すかさず入るいとうのエッジの効いた突っ込みで会場は爆笑に包まれた。斎木が、大学生のいとうせいこうと初めて会った時の話など、貴重な話題も飛び出すのもこのイベントならではだろう。
不定期開催の『せいこうHOUSE』であるが次回第4回の開催も発表された。来年2019年2月、トークゲストは金澤ダイスケ、堂島孝平、オカモト"MOBY"タクヤという豪華ミュージシャン達が集う。次回の開催にも期待が高まる。
『せいこうHOUSE vol.4』開催概要
企画・出演=いとうせいこう
出演=
金澤ダイスケ(フジファブリック)
堂島孝平
オカモト"MOBY"タクヤ(Scoobie Do)
日時:2019年2月5日(火)19時開場、19時半開演
会場:渋谷・CBGKシブゲキ!!
チケット代:前売り3,800円 当日4,000円
一般発売:1月5日 (土)
11月に上演される舞台『光より前に~夜明けの走者たち~』の、稽古に先がけ行われたワークショップ&取材会の様子をお届けするレポートその③
→その①/作品の概要&ワークショップ前編はコチラ
→その②/ワークショップ後編はコチラ
本作は、1964年の東京オリンピックで銅メダルを獲得したマラソンランナー・円谷幸吉と、その4年後のメキシコオリンピックで銀メダルを獲得した君原健二という、ライバルであり友人であったふたりのストーリーが初めてドラマ化される舞台です。
今回からは、円谷役の宮崎秋人さん、君原役の木村了さん、円谷のコーチ・畠野洋夫役の和田正人さん、脚本・演出の谷賢一さんが参加した取材会/前編をお届けします!
▲(左から)谷賢一さん、宮崎秋人さん、木村了さん、和田正人さん
*****
――谷さんはどうしてこの物語を書かれたのですか?
谷:円谷幸吉と谷原健二というふたりの男の人生には、たくさんのメッセージが詰まってると思うんです。僕がすごく気になるのは、なぜそこまでして走るのかということ、そしてなぜ片方のランナーは栄光をつかむことができ片方のランナーは死を選ぶことになってしまったのかということ。それになぜ君原健二は一回失意の底に叩き落とされてそこから復活できたのかもそうだし、円谷幸吉のあの有名な遺書の言葉はなぜ出てきたのかということもそうです。興味があることだらけなんですよ。それに、なぜ走るのか、あるいは走っている選手をどうマネジメントしたり導いたりケアすべきなのかということは、現代への教訓になることもあると思う。単純に物語として悲しいものや美しいものがたくさん詰まっていますしね。そのあたりが、"すごく有名なのにドラマとしては埋もれてしまっている人たち"にスポットライトを当てたいと思った理由です。
――今日、実際に俳優の皆さんとお話しされていかがでしたか?
谷:一番「よかった」と感じているのは、みんな既に"走る"ということに関して準備したり、考えたり、動かし始めていたことです。演劇って稽古場に入って言葉で立ち上げていくものですが、その言葉を吐く身体がどういう状態にあるのかで関係性や出てくる言葉が変わってしまうんですよ。だから"ランナーの身体""ランナーの筋肉"だけは稽古前から目指しておかないと、"ランナーの精神"に辿り着くことができないんじゃないかという不安がありました。今日は、そこに対する危機感や目標といったものを、それぞれの目線で既に持ってくれていたことが一番うれしかったです。
――円谷幸吉を演じる宮崎さん、君原健二を演じる木村さんは、実在の人物を演じることをどのように思ってますか?
宮崎:時代劇ではなく、この何十年を生きてこられた方を演じるのは初めてで。僕が演じる円谷さんのライバル君原さんはご存命ですし、(自分が演じる人物を)知っている人がいる状況のなかで演じることに対して「どうしよう」というところは、正直まだあります。役作りに関しては、まず円谷さんがどんな土地でどんな空気を吸って、学生時代や子供時代にどんな道を走っていたのか、そういうものを実際にその場所に行って見てみようという風には考えています。あとは、極力走っている人の精神になれるよう、走ること、そして体づくりですね。
木村:今は、僕が演じる君原さんの著書を読みつつ、どんな方なのかというのを思い描き、僕との共通項を探している最中です。そこでひとつ思ったのは、役者の仕事も孤独といえば孤独であるということ。作品づくりはみんなでやりますが、演じるのは一人だし。マラソンランナーも走っている最中は誰にも頼れないし、くじけそうになっても走り抜けなきゃいけない。そういう共通項があるのかなと思ったりしています。そこと自分を重ねながら、いろいろな方法ですり合わせている状況ですね。
谷:幸吉くんは、僕の今の印象ですが、本当に純朴で真っ直ぐな人だったんだろうなと思うんです。その真っ直ぐさが真っ直ぐすぎて命取りになってしまった人だと思うんですけれども。その気取らない朴訥さみたいなものを(宮崎は)きちんと持っていらっしゃると思うので、そこの部分を出していけたらと思う。彼の持つ愛嬌のようなところを役の中で育てていければ魅力的なんじゃないかな。君原さんに関しては、ワークショップで(木村と)意見が合致してよかったなと思うのですが、君原健二という男は立派だし日本の歴史をつくったランナーだけど、かなり癖の強い人だった。そこの部分を楽しんで一緒につくれるんじゃないかなってことは、今一番楽しみです。人間のネガティブだったり欠点だったり歪んでいたりするところって魅力にも変わるし、それがあるからこそ美点もまた映えてくると思うので。
――この作品は選手とコーチの関係性も描かれますが、そこはどのように考えていらっしゃいますか?
宮崎:まず、僕からすると(円谷幸吉のコーチ・畠野を演じる和田は)本当にコーチなので。走ることに関しても、お芝居に関しても。だから教われることは、とことん教わりたいです。だけど一方的じゃなく、自分も「こいつのためにもっとなんかやりたい」と思わせることができるように、まずは自分がやるべきことをやります。あとはご飯連れてってもらえたら(笑)。
和田:そうですね、ご飯に連れて行く...(笑)。僕は走る役は何度か演じたことがあるのですが、教える側(コーチ役)はあまりやったことなかったので、新鮮な気持ちです。今回、秋人が円谷を演じることになったとき、宮崎秋人という人間のまだまだ使い切れていないエネルギーや葛藤、そういったいろんなものをぶつける場所としてうってつけだと思いました。だから、とことん迷ってほしいし、とことん苦しんでほしい。そこに僕がどう寄り添えるかはまだ想像もつかないですが、秋人がぶつけてきた力と同じかそれを超えるくらいの力を持って向き合ってぶつかっていけたら、何かいいものが生まれるのかなと思っています。だからどっちがどっちというわけでもなく、伴走していかなきゃいけないと思っています。
木村:僕は(コーチ役の)高橋光臣くんとは十数年ぶりの共演です。当時、僕はまだ17、18歳で、クソ生意気だったので(笑)、多分イラッとしてたんじゃないかなって思うんですよ。でもそれって実際のコーチと君原さんの関係性に似てるなと思うので。今回、稽古場でもプライベートでも、甘えるところは甘えてみて、反発するところは反発してみようかなと今は思っています。やさしいのでなんでも受け入れてくれちゃうんですけどね。ちょっとこっちから揺さぶってみようかなって(笑)。もちろんご飯にも連れてってもらいます!
プロデューサー:高橋さんは「天才・木村了との再会、すごい楽しみです」とおっしゃってました。
木村:ちょっとおかしくなってる...。大丈夫かな。
プロデューサー:「彼は子供の頃から演技が天才で、天才・木村了ってみんな呼んでたんですよ」って。
木村:谷さんの前でそれはちょっと...
一同:(笑)
→→次回は、取材会/後編です!
公演は11月14日(水)から25日(日)まで東京・紀伊國屋ホール(※14日はプレビュー公演)、11月29日(木)から12月2日(日)まで大阪・ABCホールにて。
11月に上演される舞台『光より前に~夜明けの走者たち~』の、稽古に先がけ行われたワークショップ&取材会の様子をお届けするレポートその④
→その①/作品の概要&ワークショップ前編はコチラ
→その②/ワークショップ後編はコチラ
→その③/取材会前編はコチラ
本作は、1964年の東京オリンピックで銅メダルを獲得したマラソンランナー・円谷幸吉と、その4年後のメキシコオリンピックで銀メダルを獲得した君原健二という、ライバルであり友人であったふたりのストーリーが初めてドラマ化される作品です。
前回に引き続き、円谷役の宮崎秋人さん、君原役の木村了さん、円谷のコーチ・畠野洋夫役の和田正人さん、脚本・演出の谷賢一さんが参加した取材会/後編をお届けします!
▲(左から)木村了さん、宮崎秋人さん、和田正人さん
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――ワークショップやこの取材会で「何のために走るのか」「ランナーと俳優は似ている」というお話が何度も出てきましたが、みなさんは何のためにこの仕事をされているのでしょうか?
谷:僕は世の中をもっとよくしたいと思っています。この世の中にはまだ、不幸と貧困と戦争がいっぱいあるじゃないですか。ありとあらゆる悲しみを世の中から追放していきたいと思うし、人間はもっと豊かに結びついたり、友情をはぐくんだり、愛を共有したりできるはずだと思うんですね。その割にはみんな苦しそうに生きてますけれども。まだまだ演劇というものを通じて伝えられる感動や教訓は多いと思うんですよ。僕自身が演劇で人生救われた人間なので、これをどんどん恩返ししていけば、少なくとも一人二人三人と、どうやって生きたらいいかわからないと思っている人が減らせると思う。今回みたいな"人生"とか"生きる"ということについて率直に向き合えるいい題材に僕が出会えたのは、本当に巡り合わせだと思うので。この作品をこういう素晴らしいキャストと一緒に、円谷、君原、そして畠野コーチ、高橋コーチという実在した人たちの魂もきちんと背負いながら、お客さんにボールとして投げることができたら、きっと世の中ちょっと良くなると思うし、苦しく生きてる人も生き方についてちょっと新しい知見を選べるんじゃないかと思うので。そういうことのために僕は演劇をやっております。
宮崎:僕は、養成所に通っていた頃に初めて参加した舞台の稽古中に、東日本大震災が起きまして。当時は自重ムードがあって、その舞台もやるべきなのかという話になったのですが、スタッフキャストの皆さんが「やっぱりやろう」って上演を決めて。幕が開くとお客さんも満席でした。そこで初めて浴びた拍手で「こういう状態でも求められてるんだ、演劇というものは」と思って。それで「やりたい」と思いましたし、これからもやっていこうと思いました。求めてもらっているからやってます。
木村:僕は14歳位からこの仕事を始めたのですが、もともとはこの仕事をやるつもりもなく、芸能人になろうなんてことも、芝居をしようなんてことも思ってなくて、"なんとなく始めた"っていうのが最初にあって。でもそれは君原さんも一緒だったと思うんですよ。本を読むと君原さんも「特にやりたかったわけじゃない」「得意であった」ということから始まっているので。でもやっていくなかで面白いなと思うところは、やってもやっても埋まっていかないこと、自分の中で。ひとつの役が終わっても次の役がくるし、役を探求していくとどんどんどんどん掘り下げられるし。知らないことが多すぎることに気付きました。人を演じるのって、その人の人生を生きるってことだから、足りないんですよね、時間が。それをひたすら追求していって、今ここに座っている状態です。これからもそれは続けていきたいなと思うし、それが自分の原動力にもなっています。だから僕はすごく楽しんでこの仕事をさせていただいています。辛いときもありますけどね!
和田:こんな僕でもこの仕事で世の中を豊かにすることに貢献できているという実感です。僕は、夢を実現させようと必死で生きることへの魅力というか、生きている実感というか、そういうものをとことんつきつけてやろうと思っていて。そうすることで、近い人でも遠い人でも、まだ見ぬ人でも、みんなが「自分でもできるだろうか」みたいな、少しでもチャレンジする気持ちを、おこがましい言い方をすると、与えられるのかもしれない。いい仕事だなって本当に思っていますし、そこに遣り甲斐や僕がやる意味みたいなものも感じています。俳優をやるうえで、最初は「もっと自分を表現したい」「もっと活躍する場所が欲しい!」と思っていましたが、それだけじゃやっぱり続けられないので。そこから向き合っていくなかで、そんなことをすごく考えるようになりました。
――では最後に意気込みをお聞かせください。
宮崎:文献もいろいろありますし、いろんな角度から見た円谷さんがいますが、僕はそれはあくまで"周りから見た円谷幸吉"でしかないなと思っていて。だからそこはあくまで参考として、自分がちゃんと円谷幸吉になるために、脚本を通して見えるものを大事にしていきたいです。自分の中から生まれたものをしっかりと皆様にお届けできるよう、カタチにできたらと思います。がんばります!
木村:2020年の東京オリンピックを目前にこの舞台をやるということにもひとつ意味があると思います。円谷幸吉さんという人がいたことを今の若者はほとんど知らない。そして君原健二さんというまだ走られている、ある意味探求し続けている方がいる。そういう人たちのことを今一度こういうカタチで、若い世代の方も観に来られると思いますし、僕らが伝承者になれたらいい。この作品がマラソンへの関心だったり、陸上への関心を広める助けにもなれたらいいなという気持ちです。全力でやらせていただきます。
和田:僕がランナーとして生きてきた、そして今俳優として生きている、そういったものをひとつにまとめた、自分の中で大きな意味を見つけられる作品になりそうだと思っています。だからこそ今回に限っては、自分という存在、在り方、生き様というものを率直に素直にぶつけてみたい。今の日本は2020年に向けてという意識が強いですが、この作品は、そこよりももっと先に先に向けての、演劇もスポーツもさまざまな文化が先に先に進んでいくための何か大切なものが描けそうな予感がしています。そんな"大きな足跡"を残す作品になりそうです。
谷:円谷幸吉の人生は悲劇だと思うんです。ただその悲劇を上回る希望みたいなものだったり、光みたいなものだったりが、彼の物語の周りには付着してると思うんですね。彼を「悲劇の人」だったと思ってる人には、そんな簡単なものじゃなかったんだぞということで見てもらいたいです。そしてある意味では円谷幸吉の悲劇を補填するようなカタチで、君原健二という男はどう生きて走ったのか。このふたりの人生を並べることで、見えることが増えるなと思うんですよね。なので全く知らないという方にももちろん観てほしいですし、ちょっと知ってるよという方にもぜひ観てほしいです。50年近く前の話になりますが、現代を生きるということにうまく接着できるようなお話にしたいなって。僕自身も決してプロのランナーではないですし、ランナーの気持ちがすべて書けるわけじゃないと思うんです。多分、ランナーの人生を借りて、自分が知っている、生きるということ、戦うということ、走るということ、孤独を書くのだろうから、それが現代のお客さんと何かのカタチでうまく出会うことができればいいなと、今思っております。
公演は11月14日(水)から25日(日)まで東京・紀伊國屋ホール(※14日はプレビュー公演)、11月29日(木)から12月2日(日)まで大阪・ABCホールにて。
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人・李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル『SMOKE』 の日本版初演が、現在好評上演中です。
「詩を書く男」=超(チョ)、
「海を描く者」=海(ヘ)、
「心を覗く者」=紅(ホン)
......たった3人の登場人物で紡ぐ、ミュージカル。
海に行きたい、そのための資金が欲しいと、三越デパートの令嬢という女<紅>を誘拐してきたふたりの男、<超>と<海>。
しかしどうやら、彼らの関係性は、もっと複雑なようで......。
サスペンスフルなストーリーを、実力のある俳優たちが迫力いっぱいに展開し、ドラマチックな音楽で盛り上げる。
上質のミュージカルに、中毒者も続出のようです!
出演は<超>に日野真一郎と木暮真一郎のWキャスト。
<海>に大山真志。
<紅>に高垣彩陽と池田有希子のWキャスト。
これまで稽古場レポートなどをお届けしている当連載ですが、今回は<超>役の日野真一郎さん、<海>役の大山真志さんのインタビューをお届けします。
すでに開幕したタイミングでのインタビューですので、作品の内容まで、じっくり伺ってきました!
◆ 大山真志×日野真一郎 INTERVIEW◆
● 4年ぶりの共演です
―― 今回、<超>と<海>を演じているおふたりですが、共演は『ファントム』(2014年)ぶりでしょうか?
大山「はい、『ファントム』ぶりです。ヒッシュは......あ、僕は彼のことをヒッシュと呼んでいるのですが......、ヒッシュはミュージカル出演自体が『ファントム』以来じゃない?」
日野「そうなんです。ショーテイストのものなどを含めると、"ミュージカル" の括りの作品は出ているのですが、芝居に寄った作品は『ファントム』に続いて2本目です。別に仕事を選んでいたわけではないのですが、色々なタイミングで、こうなりました。この久しぶりのミュージカルで、大山さんが共演者としていてくれることは本当に心強かった!」
―― ちなみに、日野さんは大山さんのこと、何と呼んでらっしゃるんですか?
日野「マーシー、です。あとはジャン・クロード(笑)」
※ジャン・クロードは『ファントム』で大山さんが演じた役です。
大山「『ファントム』の共演者からは、ずっと役名で呼ばれているんです(笑)。ヒッシュも、今でも呼ぶもんね。今朝もずっと「ジャン・クロード!」って呼んでてうるさかった(笑)。『ファントム』の時は実はそんなにヒッシュとお芝居をするシーンがなかったのですが、今回は登場人物は3人だけですので、面と向かってお互いの言葉がぶつかりあう。「あ、『ファントム』の時と全然違うな!」って思います。稽古のあいだにどんどん<超>にヒッシュの "色" が出てきたきたのをすごく感じて、もうひとりの<超>の木暮真一郎君ともまったく違うキャラクターになっている。ミュージカル2本目でここまで出来るってすごい。少なくとも2本目の出演作で、俺はここまで出来てなかった。本番が始まってからは、そんなヒッシュと一緒で、本当に安心感があります」
日野「俺、泣きそう。そんなん言われたら(笑)」
大山「これは、本当に思っていることですね」
日野「いやぁ、嬉しいな~」
■『書を捨てよ町へ出よう』#3■
寺山修司の初期代表作『書を捨てよ町へ出よう』 に、マームとジプシーの藤田貴大が挑む話題作、3年ぶりの再演が開幕、現在東京公演が絶賛上演中です。
主人公の「私」に初舞台で挑む佐藤緋美インタビュー、稽古場レポートとお届けしてきたこの連載ですが、3回目の今回は皆さん興味津々の、ミナ ペルホネンが手掛ける衣裳にフォーカス。「衣裳あわせ」の様子をレポートします!
【バックナンバー】
#1 佐藤緋美インタビュー
#2 稽古場レポート
取材に入ったこの日、稽古は少々早めに切り上げ、衣裳あわせが行われました。本作の衣裳を担当する「ミナ ペルホネン」のデザイナー・皆川明さんらスタッフが、少し前に稽古場入り。「あの『ミナ』の皆川明(敬愛を込めて敬称略)が目の前に!」と実はライター、ミーハー心全開で盛り上がっておりました......。皆川さんが代表を務めるミナ ペルホネンといえば、トレンドに左右されない柔らかで優しい風合いのデザイン、素材の洋服を生み出している、オシャレ女子憧れのブランド。舞台衣裳を手掛けるのはまずないことですが、藤田版『書を捨てよ町へ出よう』では初演に続いて衣裳を担当。前作でも日常的でありながら、フワリと日常を超えるようなミナ ペルホネンの世界観は演出・藤田貴大さんの劇空間に驚くほどなじみ、物語を心地よく飛躍させる役割を担っていました。初演では客席通路をランウェイに見立てたファッションショー仕立てのシーンが印象的でしたが、あのシーンも、ミナ ペルホネンの衣裳がもたらすインスピレーションがなければ生まれなかったかもしれません。
▽ 皆川明さん
2015年に宝塚歌劇団を退団後、ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』、『マタ・ハリ』、地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15『ZEROTOPIA』など、話題作で次々と主演やメインキャストを務めている柚希礼音。わずか3年にして、ミュージカル界のトップを走る1人に躍り出た感があるが、彼女が女優業と並行して大切にしているのが、歌とダンスで展開するアーティスト活動だ。『REON JACK』と名付けられたコンサートシリーズも、2016年、2017年と続き、今年で3回目。日本の音楽シーンを賑わすアーティストたちと仕事をしてきたミュージシャンで、プロデューサーでもある本間昭光が、今回も音楽プロデューサーを担当。前回の『REON JACK 2』で柚希と共に"モンスター級"のダンスを見せつけた、大貫勇輔と大村俊介(SHUN)、YOSHIEクリスティアン・ロペスの4人も続投で、大村はステージングと振付も担当する。10月上旬、都内で行われている稽古場を訪れた。
スタジオに入ると、すでに柚希と大貫、大村、YOSHIE、ロペスの5人がアップ中だ。柚希は時折笑顔も見せてリラックスムード。だが稽古が始まり、今回のオープニング・ナンバーの曲が鳴ると、たちまちその身体にエネルギーが満ちあふれるのが分かる。本作のために書き下ろされた楽曲は、リズムが強く響くスタイリッシュなナンバー。柚希は日本人離れした四肢を存分に活かし、ポージングが印象的なダンスを展開していく。
それぞれが主役級のダンサーとして活躍する大村たちだけに、5人がオーラを放ちながら踊るさまは圧巻だ。踊り終わった後、柚希が大村に細かい振付を確認していたが、2人の会話から「(ミュージカルの)シカゴ風......」という単語が漏れ聞こえた。力強く、セクシーなダンスで魅せるオープニング。冒頭からマックスの高揚感が嬉しい。
次の稽古は、日本のアーティストのカバー曲を、柚希が歌いながら踊るシーン。男性ヴォーカルで大人の恋を歌った歌詞だが、柚希が歌うと、そのまま男の視点のようであり、女が歌う"男唄"の味わいもあり。そこに柚希と大貫、大村、YOSHIEが加わり、艶めいた大人のシアターダンスが緩急自在に繰り広げられてゆく。
続いて、大人の憂愁と倦怠を感じさせる洋楽のスタンダード・
ここでもキーワードとなるのは"艶"だ。大村の力強くも繊細な"艶"、タンゴにルーツをもつロペスの"艶"、大貫の若くしなやかな身体から放たれる"艶"と、男役の色気を経て、女優としての陰影を刻み始めた柚希の"艶"が揺らめく。
曲が終わると、すぐに鏡に向かって何度も確認を始める柚希。関西弁でアドバイスしながらリラックスムードを引き出す大村、2人にトコトコと近づいて笑い合う大貫など、全員がどこまでも自然体だ。
休憩を挟んで、今度は日本の女性歌手のカバー曲のシーン。誰もが知る80年代の大ヒット曲も、柚希が歌いながらアンサンブルのダンサーたちと踊れば、また違った世界観が広がる。さらに柚希と大村、または柚希と大貫で組むごとに、異なる関係性に見えるのがダンスの面白さ。
ところが突然、柚希と大貫の場面で「手の置き所が分からない」事態が発生! 女(柚希)が男(大貫・大村)を翻弄する歌詞ゆえに、"女が上で、男が下"というポジショニングもサラリとこなす大村に対し、つい"並んで"手を差し出してしまう柚希と大貫。「すいません~」と謝る柚希と、「??」という疑問符が顔に浮かんでいる様子の大貫。ダンス中の表情とのギャップに、思わずスタッフ席からも笑いが漏れる。
取材中の最後の曲は、9月に発売されたばかりの柚希のセカンド・ミニアルバム「R ing」から、「アラート feat.NAOTO」。本間が作曲を手掛け、ポルノグラフィティの新藤晴一が大人の女性をイメージして作詞した疾走感あふれる曲だ。踊りながら歌う柚希の声は伸びやかで、身体のキレも稽古冒頭から変わらないのは、さすが。
曲が終わり、大村が1人のダンサーに振付を教えている間、柚希は別のダンサーに笑いながら話しかけるなど、稽古場には終始心地よい空気が流れていた。"モンスター級"のダンサーたちが、大人の情感をたっぷりと示す一方、カンパニーとしての一体感もしっかりと生まれつつある稽古場。本番では、進化を続ける柚希の新しい表情が見られそうだ。
☆お知らせ☆
ステージプラン決定により、機材席および見切れ席を開放、追加販売決定!
チケットぴあにて2018年10月12日(金)10:00より販売開始!
11月8日(木)から開幕の大阪公演のチケットも好評発売中!
取材・文/佐藤さくら
こんにちは、ゴジゲン松居です。
もう何を書くかわかってますよね。。
そうです、ゴジゲン開幕しました!!
君が君で君で君を君を君を、という
タイトルがややこしいようで
見たらスンとくるようなタイトルの劇です。
ラブストーリーです。
愛です。
愛とはなんだ。
愛って、なんだよ!
とにかく、愛だろ!!!
なんかそういう劇です。
みんな笑ってくれたり、驚いたり、涙が出たり、様々な感情を愛で受け取ってくれて、
とても嬉しいです。
アンケートで、救ってもらってありがとう、という文面を見たときは、僕が救われました。
そして、出ている僕らは、もう満身創痍です。
体なんて動かなくて、
今日は善雄が首に湿布みたいなのを貼っていて「もう、動かないんだ...」と言ってました。
その後ろで東は頭の左半分の髪の毛が疲労で抜けていってました。
終演した後の楽屋は、楽しい劇をやってたのか不安になるぐらい、燃え尽きてます。
しかしちょうど折り返しまして!
休演日を越えた水曜から、東京後半戦。
そんなわけで、見てほしいです。
ゴジゲン10周年にふさわしい物語だと思ってます。
スタッフワークもすごいよ。
下北沢駅前劇場です。
※あまりお見せできませんが劇の中の一枚。
彼らの視線の先には、愛でしょうか。
※ゴジゲン黎明期を支えた怪優・星野も来てくれた。チェリーボーイやラビットパンチの凄まじさは彼に支えられた。
※ゴジゲン出演本数で言えばダントツのかがやん。今は、北九州で劇を盛り上げていて、熱い魂の持ち主。
来週末には北九州公演!
そんなわけでこのブログを見たあなた、
ゴジゲン見にきてくれー。
もう来てくれしか言えなくて嫌になるよ。
人間はたくさんの言葉が喋れるというのに。
黙っとけよ!いいや!黙らない!
劇場で待ってます!
松居
現在、絶賛上演中のミュージカル『ジャージー・ボーイズ』 。
「シェリー」「君の瞳に恋してる」などで知られるアメリカの伝説的バンド、ザ・フォー・シーズンズの結成から成功への道のり、そしてメンバー間の確執までを彼ら自身のヒット曲で綴っていく作品です。
今回の2018年版は、中川晃教さん扮するリードボーカルのフランキー役以外のザ・フォー・シーズンズのメンバーがWキャストとなる<TEAM WHITE><TEAM BLUE>の2チーム制で上演していますが、<TEAM BLUE>でトミー・デヴィート役を好演しているのが、伊礼彼方さん。
その伊礼さんの持ち込み企画、【イレイカナタ☆プレゼンツ】この人に訊きたい!
『ジャージー・ボーイズ』で共演中の白石拓也さんと山野靖博さんにフォーカスしたインタビューの後編です!
★前編はコチラ
【2018年『ジャージー・ボーイズ』バックナンバー】
# ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート、熱狂の開幕!
# 2018年版『ジャージー・ボーイズ』本格始動! 稽古場レポート
# 稽古場レポート第2弾! WHITEチームの稽古場に潜入
# 稽古場レポート第3弾! BLUEチーム ピックアップ
# まもなく開幕! 初日前囲み取材でキャストが意気込みを語る
● 伊礼彼方 × 白石拓也・山野靖博 インタビュー●
●『ジャージー・ボーイズ』で白石さん・山野さんはどんな役を演じているのか
―― 現在出演中の『ジャージー・ボーイズ』についてお伺いします。白石さん・山野さんは、ずーっと舞台上にいらっしゃいますね。
伊礼「何役やってるの?」
白石「え!?」
山野「数えていないです」
白石「僕も数えていないですね...10いくつか、かな?」
山野「衣裳が11着くらいありますから」
伊礼「コーラスをしながら芝居をするじゃない。あれは大変じゃないの? それに着替えながら歌っていたりもするじゃない」
山野「難しいですよね。僕の中で、ひとつの線引きといいますか、ハウスという僕たちの居場所があるんですが...」
―― ハウス、ですか?
白石「僕らが着替えたりするところを、ハウスと呼んでいるんです。舞台上、客席から見える場所に、アンサンブルみんな、それぞれに「ハウス」があります」
山野「そのハウスにいるときと、オンステージにいるときとでは、コーラスをしながら何かやっていても気持ちは違う」
白石「ハウスにいる時は "自分" でいられます」
山野「そうです。着替えながらコーラスをしていても、自分の中で違和感はありません。(ハウスの上にある)屋根の下に入った瞬間にかわりますね」
白石「着替えながらとか、何かをしながら歌うのは大変ではありますが、歌うことに関しては気持ちが楽ですね」
伊礼「彼らはずっと舞台上にいます、特に1幕はずっと。何かを演じているか、演じていないときはハウスにいるか」
白石「本編中は僕らは(舞台袖や楽屋には)帰らないんです」
伊礼「それが藤田(俊太郎)さんの演出。役者泣かせだよね。でもそれがいい効果になっているんじゃないかな、常に彼ら11人が舞台上に存在しているというのが。11人が一般大衆を担ってるんです。......ハウスでは演出家から「何をしてもいいよ」って許可が出ているんだよね。僕、トミーは2幕の前半で舞台から去るんですが、そのあとに舞台袖から見ていると、ハウスで何か食べていたりするよね。何あれ? グミ?」
山野「グミです(笑)」
▽ 山野さん提供:ハウスからの風景
―― それはリラックス効果とか?
白石「まぁ、居やすい環境づくり、ですね(笑)。でも前回(初演)はそんなことも出来なかった」
山野「そう、前回はそんな余裕がなかったですよね」
白石「初演の時は、今回以上にずっとハウスにいたんですよ。地下室のシーン(秋の章、ザ・フォー・シーズンズのメンバーが言い争う、ジップ・デカルロ邸のシーン)もずっとハウスにいた。でも動くとお客さんの視界に入って、前でやっている芝居の邪魔になるので、ずっと動かず気配を消しつつ、ハウスにいた。今回は、あのシーンは袖に入っていいという演出になりました」
伊礼「うわぁ、それはキツかったね!」
白石「でもこの作品は、ハウスでコーラスをしていても、いわゆる "影コーラス" とは違う。たとえば『Cry For Me』のシーンでいうと、セットの2階部分でザ・フォー・シーズンズの4人が歌っていたら、自分もそこに同調しながら歌っています。ただのコーラスという感覚ではないです」
伊礼「シーンにちゃんと存在してるってことよね、自分が」
白石「物理的に自分が何を表現している、というものではないのですが。そういう意識でコーラスをやりたいなって思います」
伊礼「それはよくわかる。俺も冬の章なんかはまったく出てないけど、アッキー(中川晃教)の芝居を観たいと思うもん。自分が作ったものがどう展開していくのか。あいつがどうこの話に蓋をしていくんだろうって」
現在、絶賛上演中のミュージカル『ジャージー・ボーイズ』 。
東京公演は先日、熱狂の中終幕しましたが、来週からは全国ツアー公演がはじまります!
『ジャージー・ボーイズ』は、「シェリー」「君の瞳に恋してる」などで知られるアメリカの伝説的バンド、ザ・フォー・シーズンズの結成から成功への道のり、そしてメンバー間の確執までを彼ら自身のヒット曲で綴っていく作品。
今回の2018年版は、中川晃教さん扮するリードボーカルのフランキー役以外のザ・フォー・シーズンズのメンバーがWキャストとなる<TEAM WHITE><TEAM BLUE>の2チーム制で上演していますが、<TEAM BLUE>でトミー・デヴィート役を好演しているのが、伊礼彼方さん。
グループを最初に作り上げ、軌道に乗るまで引っ張り続け、そしてトラブルメイカーでもあるトミー。
中心的メンバーであるフランキーのことも、ボブ・ゴーディオのことも、トミーは「俺が見つけた」と言います。
そんなトミーを、まるで地で行くかのような(!?)伊礼さんは、「もっと日本演劇界には素晴らしい人材、スポットライトを当てたい人たちがいる!」と常々思っていたそうで、「ぜひこの人たちを紹介したい!」という伊礼さんの熱い思いから、この企画が生まれました。
今回伊礼さんがおススメするのは、その『ジャージー・ボーイズ』で共演中の白石拓也さんと山野靖博さんです!!
【2018年『ジャージー・ボーイズ』バックナンバー】
# ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート、熱狂の開幕!
# 2018年版『ジャージー・ボーイズ』本格始動! 稽古場レポート
# 稽古場レポート第2弾! WHITEチームの稽古場に潜入
# 稽古場レポート第3弾! BLUEチーム ピックアップ
# まもなく開幕! 初日前囲み取材でキャストが意気込みを語る
●伊礼彼方による前説●
きっかけは『ビューティフル』(2017年)なんです。今までは自分たちが前面に出て曲を歌い、芝居をし、アンサンブルは後ろで "雰囲気" を作る、という作品が多かったのですが、『ビューティフル』という作品は、僕らいわゆるプリンシパルと呼ばれる人たちが作曲家・作詞家といった裏方を演じ、アンサンブルと呼ばれる人たちがスターを演じる面白い構造だったんです。
もちろんそれまでも、この業界でやっているから、アンサンブルを演じている彼ら彼女らが素晴らしい能力の持ち主だってことは知っていた。でもそこで集まったメンバーは特に個性的で、高い技術をもった方たちだった。負けてなるものか、って刺激をたくさん受けたし、彼らがこんなに素敵な人たちだって、こういう作品じゃないと観客の皆さんにも伝わっていかないんだなって俺も改めて思った。だから、彼らをもっと売りたい!って思ったんです。俺、別に彼らのマネージャーでもなんでもないんだけど(笑)。
それに、僕個人として、観客として作品を観るときに、知っている人が出ている方が楽しく見ることが出来るんですね。だから、ひとりでも多くの出演者をお客さまに知ってもらった方が、公演をもっと隅々まで堪能してもらえると思ったんです。チケット代も安く感じるくらいに。そうしたらリピーターも増えるし、彼らのファンも増えるだろうし、作品を作る側も、彼らをまた使っていくだろうし。そう、いい方向に循環していけばいいなと思ったんです。それが、今回の企画意図です。
...ということで、「トミー・デヴィートプレゼンツ!」ならぬ、「伊礼彼方プレゼンツ!」企画、スタートです!!
● 伊礼彼方 × 白石拓也・山野靖博 インタビュー●
● まず、白石拓也さんの人となりについて
伊礼「......ということで、俺は『ビューティフル』という作品をきっかけに、才能あるみんながもっと注目をあびるにはどうすればいいんだろうとずっと考えていたんです。一般的にミュージカルって、アンサンブルは後ろの風景だったり空気感だったりを作る、メインとアンサンブルでパックリ分かれている。『ビューティフル』はそれが逆転する作品だったから、「みんなものすごい能力があるし、全員が全員、メイン張れるじゃん!」って思ったの。そんなみんなの魅力を取り上げたいってずっと思っていた。君たちはその第一号ですよ!」
白石「ありがとうございます!」
山野「それは...大丈夫なんですか、僕たちで(笑)。華やかな女性キャストとかもいる中で」
伊礼「それは今からのふたり次第だからね(笑)」