2018年版『ジャージー・ボーイズ』まもなく開幕! 初日前囲み取材でキャストが意気込みを語る

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2016年に日本初演され、その年の演劇賞を総なめしたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』 の2年ぶりの再演が近付いてきました。
 
初日を目前にした9月5日、WHITEチーム、BLUEチームの「ザ・フォー・シーズンズ」のメンバーが一堂に会し、演出の藤田俊太郎とともに、囲み取材会を行いました。
そのレポートです。
 

【2018年『ジャージー・ボーイズ』バックナンバー】
# ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート、熱狂の開幕!
# 2018年版『ジャージー・ボーイズ』本格始動! 稽古場レポート
# 稽古場レポート第2弾! WHITEチームの稽古場に潜入

# 稽古場レポート第3弾! BLUEチーム ピックアップ
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<TEAM WHITE>
中川晃教/中河内雅貴/海宝直人/福井晶一(右から順に)11WHITE_7888.JPG
 
<TEAM BLUE>
中川晃教/伊礼彼方/矢崎広/spi12BLUE_7886.JPG

―― 初演は大評判となった。その作品に再演としてふたたび向き合う気持ちは。

中川「稽古場から、新たに加わったメンバーと、初演のメンバーとともに作り上げていきました。初演の経験というのは、再演をするにあたって、すごく力になっています。この作品が感動する理由のひとつとして、関わるすべての人たちがひとつになって生まれてくるものがあるということがあります。再演も熱い『ジャージー・ボーイズ』になっているので、多くの方々にこの作品を観に来ていただければと思います」01中川_7954.JPG
 

―― WHITEチームは初演に続いての出演。今の心境は。
 
中川「WHITEチームは初演の時から安定感があり、今回は関係性も築けているところからのスタートでしたので、稽古場も楽しくやれました。といっても、それぞれにこの2年間、それぞれのフィールドの中で確実に1歩1歩前に進んできていていて、そのメンバーがWHITEチームとしてまた集まり、初演よりもっといいものにしようという向上心のようなものも感じています。和気藹々としていますが、いい意味でピリっとした緊張感があります」
 
中河内「初演では自分はこの作品の難しさを痛感していました。皆さんの足をひっぱらないように、ただ一生懸命にがむしゃらにこの作品と向き合っていたのですが、今回は余裕も持てるようになっていて、より研ぎ澄まされた "白米" のように......(笑)、なっています。白チームだけに!(一同笑)
でもこのチームは久々に会ってお仕事をしても、見えない絆と深い愛情で繋がっているのが稽古場からひしひしと伝わる、とてもやりやすいメンバーです。またこのお三方と一緒に共演できるのはすごく嬉しかったですし、さらにブラッシュアップして、レベルアップして、いいものをお客さまにお届けできるようなチームになっています」02中河内_7894.JPG
 
海宝「2度目なのですが、昨日・一昨日と舞台稽古していて、初演は必死でとにかく音のことやハーモニーのこと、お芝居に必死にくらいついていたという感じだったのですが、今回改めて同じセットの中に立ってみて、「あ、こんな景色が」「こんなことがここで起きているんだ」とか、新しい発見もたくさんあります。そういう意味では何か違ったことをやってやろうということではなく、それぞれがやってきた経験が自然とステージ上にまた出るんじゃないかな、きっとまた新しいものを受け取ってもらえるんじゃないかなと思っています。ですので、期待して見に来ていただけたらなと思います」03海宝_7898.JPG
 
福井「初演は演出の藤田さんの頭に描いている図がよくわからなくて...(笑)。大変な思いをしたのですが、今回は一度作り上げたものがあるので、より、演出を僕らの中でも熟させて、また新たに色々なものが見えてくるんじゃないかなと思います。またこのWHITEチームで一緒に出来るというのは、温かい、ホームに帰ってきたような気持ちです。この作品は音楽ありきなので、まずその音楽にどれだけ寄り添って味方にできるか。その音楽を、最高のハーモニーを皆さんに届けられるか。そこを、このチームで磨き上げて、いい音楽、いいドラマをお届けしたいと思います」04福井_7903.JPG
 

―― 新チームであるBLUEチームの魅力は?
 
中川「一筋縄ではいかない感じがあるんですが(一同笑)。この作品は、物語が4つの季節に分かれていて、この4人のメンバーがどういう風にザ・フォー・シーズンズ...僕たちのことを思っていたのか、というのが語られていきます。この脚本の良く出来ているところと、4人が体当たりでそれぞれの役にぶつかっていくところがリンクしたときに、この作品は感動に繋がっていくんだなあということを、稽古場から体験しています。また、福井さんが仰ったように、音楽がこの作品の主役といっても過言ではない作品です。なので、ハーモニーというところに、今まさに僕たちも向き合っているところ。そこがBLUEの、今やっていて楽しくも、まだまだ上る山が目の前にあるなというのを実感しています」

 
―― 矢崎さんは前回REDチームでの参加に続いて2度目の出演ですが、今の心境は。
 
矢崎「僕は前回、REDチームでやらせていただきました。2年前の初演があったからこそ、今回の方が僕は、いい意味で緊張感のある現場だったなと思っています。また、その気持ちがあるがゆえに、気張りすぎて、よくない方向にも作用してしまう場面もありました。そういうときに助けてくれたのが伊礼さんとspiさん。やっぱりチームも変わって人も違って、生まれるものが変わってきます。そしてこの『ジャージー・ボーイズ』という作品はそれが如実に出る作品で、こうやって稽古を終えて劇場に来て思うのは、WHITEともREDとも違う新しいチームが出来上がったなと思っていて、僕自身、どんな風にお客さまに見てもらえるのか、楽しみです。再演の難しさと楽しさと興奮と期待を感じています」06矢崎_7916.JPG
 

―― 伊礼さんとspiさんは初参加で、この作品と向き合った感想を。
 
伊礼「僕、初演は客席から観させてもらっています。とても魅力的で、トミーをやりたいなと思ったんです。個人的には作品を立ち上げるという役を今までやったことがないんです(※トミーは冒頭の「春」の章を担う)。そういう意味では非常に難しく、大変な役。どんないい作品もそうなんですが、客観的に見て面白い作品は、実際に中に入ると思った以上に責任重大で、エネルギーが必要だったりパワーが必要だったりします。もっと周りが見えていなきゃいけないんだなと実感しています。ガウチ(中河内)が「初演の時はがむしゃらで...」と言ってましたが、まさに僕らが今そう。がむしゃらで、彼ら(WHITE)は今、高みから俺らを見下ろしているんですよ(笑)! それを見ながら、いつかあそこにたどり着いてやろうと思っていますが、まあBLUEにはBLUEのカラーがあって、とてもクールでスタイリッシュに出来上がっているんじゃないかと思ってはいます。僕としても、同じ脚本なのに、ここまで役者によって解釈が違う、これだけ動きが違うのかって思っています。スタッフさんたちは大変だと思うんです。動きがだいぶ違うので。そこを皆さんが支えてくれています。シングルキャストの皆さんもね。なので僕も自由にやって、彼(中川)が2年前に取った賞を僕も取りたいなと! ......ただ僕はトミーなんで、最低男優賞という賞があったら取れるんじゃないかなと...」
 
中河内「最低...男優賞(笑)?」
 
中川「最低、ね? まだホラ、見てない方もいるから、ちょっとウケなかったね!見ていただいたらちゃんとわかる」
 
伊礼「......まあ見ていただければ、たぶん中指をあげたくなるような役になってると思いますので。最低男優賞を取れるように、ワタクシ、頑張りたいと思っています!」05伊礼_7921.JPG
 
spi「毎日本当に、伊礼さんのおかげなのかすごく楽しくやらせていただいています(笑)。愛情の溢れる作品で、僕も必死に作品にくらいつく気持ちでやらせてもらっています。この愛情とか楽しさがお客さんに伝わればいいなと思って稽古しています」07spi_7938.JPG


―― 藤田さん、今回のポイントは。

藤田「2016年に初演し、たくさんのお客さまに好評をいただき、熱狂を持って受け入れていただきました。たくさんの評価もいただきました。(演劇賞各賞の)受賞はとても嬉しいことですが、でも甘えはまったくありません。甘えからスタートするつもりはまったくなく、新しい地平へカンパニーでたどり着こうと思いました。もう一度台本を読み直す、もう一度このハーモニーを追求する。この作品の意義や形づくっているものはどこにあるんだろう。WHITEチーム、BLUEチームそれぞれに追求しました。その結果がいまこのシアタークリエの中に詰まっています。もちろんメンバーは素晴らしい最高のメンバーです。晃教さんの素晴らしい歌声。WHITEチームは、さきほど中河内君が白米のようと言いましたが、まとまりのWHITEはいつのまにまとまりを飛び越え、それぞれが荒くれ者になりました。それぞれの個性がまるでぎゅっとした白米のように粒だっています。海宝君の輝ける魅力、福井さんのいつでもどっしりと周りを支える存在感も、素晴らしいです。とても素晴らしいです。早く見て欲しい。WHITEチームはとても新しい場所にたどり着きました。11WHITE_7907.JPG

チームBLUEは、新しい風を伊礼さんとspiさんが持ち込んでくれました。見ていただいてわかるように、空気感が日本人離れしていて、まるで違う国からやってきたよう。それにアッキーさん(中川)はワールドワイド。僕はアッキーさんはもともとアッキーさんという国から生まれた方だと思っています。それくらい、身体能力と歌唱力と存在感と、アーティストとして突出していますよね。そこに、誇り高き東北・山形出身の矢崎君がいます。矢崎君は東北出身の誇るべき演劇人です。この4人が集まったとき、新たなハーモニーが生まれました。もちろんこれからたくさんの努力をしていきますが、この4人が作り出す音楽のハーモニーと演技のハーモニーをぜひ皆さんに楽しんでいただきたい。12BLUE_7953.JPG

さらに、ここにはいませんが、ザ・フォー・シーズンズ以外の、11人の誇り高きキャストたち、そしてご自分の仕事をこのカンパニーで誇りをもって仕事をしているすべてのスタッフの皆さん。この作品に関る、すべての誇り高きカンパニーが支えています。控えめに見て、世界中の劇場どこに持っていっても恥ずかしくない作品を作りました。皆さん楽しんでください」
08藤田_7905.JPG

―― 最後に意気込みを。
 
中川「ミュージカルはいま本当に熱くなってきています。ここに集まってる皆さん、幅広いフィールドからこの作品に集まっています。ミュージカルがなぜ熱いのか。それは劇場に足を運んでいただいて体感していただけたら、わかっていただけると思います。音楽、芝居、そして何よりもライブ感。劇場でしか味わうことのできない醍醐味が、ミュージカルをここまで熱くさせているんだと思います。そして、私たちもそのミュージカルがさらに盛り上がっていくように頑張っていきたいと思っています。ミュージカル好きな人も、ミュージカルを見たことがない人も感動していただける作品になっていますので、ぜひ劇場に足をお運びください」

   
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)00集合_7863.JPG

 

【『ジャージー・ボーイズ』バックナンバー】
●2016年
# 『ジャージー・ボーイズ』で"天使の歌声"フランキー・ヴァリに!&10年ぶりのスタジオ録音CDリリースも決定――中川晃教インタビュー
# 日本版『ジャージー・ボーイズ』誕生! PV撮影の裏側をちょっと見せ!!
# 日本版『ジャージー・ボーイズ』ついに始動! 記者会見レポート

●2018年

# ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサート、熱狂の開幕!
# 2018年版『ジャージー・ボーイズ』本格始動! 稽古場レポート
# 稽古場レポート第2弾! WHITEチームの稽古場に潜入
# 稽古場レポート第3弾! BLUEチーム ピックアップ
 
【公演情報】
9月7日(金)~10月3日(水)シアタークリエ(東京)
10月8日(月・祝)大館市民文化会館(秋田)
10月17日(水)・18日(木)日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール(愛知)
10月24日(水)~28日(日)新歌舞伎座(大阪)
11月3日(土・祝)・4日(日)久留米シティプラザ ザ・グランドホール(福岡)
11月10(土)・11日(日)神奈川県民ホール 大ホール(神奈川)

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