【書を捨てよ町へ出よう #3】ミナ ペルホネンの衣裳にも注目!<衣裳あわせ>レポート

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■『書を捨てよ町へ出よう』#3■
 
寺山修司の初期代表作『書を捨てよ町へ出よう』 に、マームとジプシーの藤田貴大が挑む話題作、3年ぶりの再演が開幕、現在東京公演が絶賛上演中です。

主人公の「私」に初舞台で挑む佐藤緋美インタビュー、稽古場レポートとお届けしてきたこの連載ですが、3回目の今回は皆さん興味津々の、ミナ ペルホネンが手掛ける衣裳にフォーカス。「衣裳あわせ」の様子をレポートします!
 

【バックナンバー】
#1 佐藤緋美インタビュー
#2 稽古場レポート
 


 

取材に入ったこの日、稽古は少々早めに切り上げ、衣裳あわせが行われました。本作の衣裳を担当する「ミナ ペルホネン」のデザイナー・皆川明さんらスタッフが、少し前に稽古場入り。「あの『ミナ』の皆川明(敬愛を込めて敬称略)が目の前に!」と実はライター、ミーハー心全開で盛り上がっておりました......。皆川さんが代表を務めるミナ ペルホネンといえば、トレンドに左右されない柔らかで優しい風合いのデザイン、素材の洋服を生み出している、オシャレ女子憧れのブランド。舞台衣裳を手掛けるのはまずないことですが、藤田版『書を捨てよ町へ出よう』では初演に続いて衣裳を担当。前作でも日常的でありながら、フワリと日常を超えるようなミナ ペルホネンの世界観は演出・藤田貴大さんの劇空間に驚くほどなじみ、物語を心地よく飛躍させる役割を担っていました。初演では客席通路をランウェイに見立てたファッションショー仕立てのシーンが印象的でしたが、あのシーンも、ミナ ペルホネンの衣裳がもたらすインスピレーションがなければ生まれなかったかもしれません。

▽ 皆川明さんshosute3_0107.JPG

稽古が終わると、ハンガーラックに掛かった衣裳たちがガラガラと稽古場に運び込まれてきました。まず、主人公の妹役を演じる青柳いづみさんら、女性キャストの衣裳あわせ。彼女たちは、再演のために新たに製作された衣裳を着る予定。お店でも買えない、舞台でしか見られないオリジナルです!

▽ 青柳いづみさんshosute3_0159.JPG

ミナ ペルホネンの洋服の特徴といえば、ストーリー性のある柄や色。なので、画像を見て「?」と思う読者もいると思うのですが、この生成の衣裳はまだ仮縫いのもので、色柄をのせた生地での本縫いはこれからの作業。ですが、繊細なプリーツや大胆なカットが施された素敵に凝ったデザインは、まっさらな色の仮衣裳にも既に息づいています。壁に貼られたデザイン画を見ながら、皆川さんらスタッフはサイズをさらに調整したり、別の着方を試したり。たとえばこのサーモンピンクのスカート風のボトムスは、足を出す場所が2パターンあり、どちらから出すかで印象がずいぶん異なります。また、「動きがあると空気をはらむので......」と皆川さん。ひとつひとつの衣裳を丹念に見ていた藤田さんも、「全然表情が違いますね」と感心しきり。皆川さんが衣裳の一部だけつまみ上げてアンバランスさを持ち込むだけでも、印象がガラリと一変します。実際に演じる俳優に着てもらったことで、皆川さんの中にインスピレーションがまたいくつも生まれたようでした。

▽ 足を出す場所が2パターンあるという衣裳shosute3_0175.JPG

▽ こちらは川崎ゆり子さん。shosute3_0148.JPG▽ キャストが衣裳を身につけると、各セクションのスタッフが一斉に撮影をします。本番に向けて、それぞれの想像をふくらませていきます。shosute3_0151.JPGshosute3_0154.JPG

余談ですが......仮衣裳のままだと、ギリシャ神話でも始まりそうな雰囲気。この写真(↓)なんて、タイトルをつけるなら「女神たちの戯れ」!? 藤田演出のギリシャ悲劇、ちょっと興味アリです。shosute3_0166.JPG

閑話休題。女性キャストは仮衣裳でしたが、主役の佐藤緋美さんの分は用意されているとのこと。ミナ ペルホネンらしいプリントのシャツ、2パターンを見ることができました。ひとつはストライプと水玉のコンビという、ありそうでない柄。ずーっと眺めていると、葉脈を流れる水やDNAのらせん構造のようにも見えてきたり......。1枚のシャツからなんとも大きなイメージが浮かんできます。

▽ 佐藤緋美さんshosute3_0131.JPG

もうひとつは墨汁のごとく深い黒をベースに、和紙をちぎったような不規則な図形が白く浮いて見えるもの。こちらも、個人的には宇宙のイメージ。袖の折り返しに、葉っぱがさりげなく描かれているのがかわいいです! パンツは、遠目からはオーソドックスなアイボリーのチノパンにも見えたのですが、近寄ってみてびっくり。鱗のようなものが全体に浮いていて(後から佐藤さんに聞くと、コーデュロイとのこと。でも普通のコーデュロイのように規則的な縦うねではなく、まさに鱗のように"うね"が不規則)、意外にもテロンと感じる素材でした。本当に、どの衣裳にも大小の驚きが詰まっている! 客席通路を用いたり、至近距離で観るチャンスの多い作品なので、本番では衣裳に込められた思いもぜひ受け取っていただきたいです。shosute3_DSC0592.jpg

充実の衣裳あわせは1時間30分ほどで終了。終始ご満悦の様子だった藤田さんの言葉で本レポートを締めたいと思います。「イイ感じだよね。ほんとにイイ感じ!」





  

取材・文:武田吏都
撮影:平野祥恵・藤村英枝(ぴあ)

 
 
【公演情報】
10月7日(日)~21日(日) 東京芸術劇場 シアターイースト
10月27日(土)・28日(日) 上田市交流文化芸術センター 小ホール(長野)
11月3日(土・祝)・4日(日) 三沢市国際交流教育センター(青森)
11月7日(水)・8日(木) 札幌市教育文化会館 小ホール(北海道)

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