●よこやまのステージ千一夜●
本日、文学座の代表で 演出家の戌井市郎さんが
肺炎のため94歳で亡くなられました。
今年6月に平田オリザさんの書き下ろし「麦の穂の揺れる穂先に」で
演出をされたばかり。
平田さんとのタッグ第2弾として、
古くて新しい日本人の心を描くこの作品を
紀伊國屋サザンシアターで拝見していたので、
その後入院加療中とは驚きました。
戌井市郎さんといえば、
流山児祥さんが3年間期間限定で立ち上げた高齢者劇団・パラダイス一座でも
劇作家で演出家の瓜生正美さんらとともに
役者さんとしても活躍されていました。
(2006年の段階で劇団の平均年齢79歳......!)
2006年の「オールド・バンチ」では
黒澤映画『七人の侍』と同じあだ名を持つ高齢者集団が銀行強盗を働いたり、
翌年「続オールド・バンチ」ではヒットマンに扮したり......。
ラストの2008年「続々オールド・バンチ~カルメン戦場に帰る」では
戌井さんが終戦直後の東京にゲイバーを開いた名物ママに扮し、戦争(ビルマ戦線)を回想されていました。
大・大・大ベテランのみなさんが舞台に立つだけでも、
自然と物語が立ちあがる。
そんな舞台でした。
ご冥福をお祈りいたします。
戌井さんが心血を注いだ文学座は
2月13日(日)から22日(火)まで、紀伊國屋サザンシアターにて
宮本研さんの「美しきものの伝説」を西川信廣さんの演出で上演します。
チケットはこちら。
演劇好きの方はおや?と思った方も多いでしょう。
そう、「美しきものの伝説」は明日12月16(木)から26日(日)まで
さいたま芸術劇場にて さいたまネクスト・シアターの第2回公演としても上演されます。
こちらの演出は蜷川幸雄さんです。チケットはこちら。
これを機に見比べてみるのもいかがでしょう?