ヒラノの演劇徒然草の最近のブログ記事
宝塚歌劇宙組公演『王妃の館 -Chateau de la Reine-』『VIVA! FESTA!』の制作発表が10月26日、都内にて行われました。
ひとあし先に<チケットぴあニュース>でもお伝えしたこの会見、げきぴあでは詳細レポートをお届けします。
先月まで『エリザベート』を上演していた宙組。
小川友次 歌劇団理事長によると「やはり(人気作の)『エリザベート』の後なので、どんな作品が相応しいか皆で考えた。そんな中、朝夏が以前『メランコリック・ジゴロ』でジゴロを演じた時、彼女はコメディも上手い、と感じたので、このアイディアが出てきました」ということで、この作品になった...とのこと。
つまり『王妃の館 -Chateau de la Reine-』、コメディです。
原作は人気作家・浅田次郎による小説。
水谷豊主演で映画化もされていますね。
会見は、宙組トップコンビ、朝夏まなとさん&実咲凜音さんによるパフォーマンスからスタート。
ふたりの衣裳のインパクトもさることながら、なんだか醸し出す空気感が...すでに面白い!
朝夏さんが演じるのは、セレブ気取りの恋愛小説家・北白川右京。
そして実咲さんは、弱小旅行代理店の女社長 兼ツアーコンダクター、桜井玲子を演じます。
場所はパリ。ツアーコンダクター桜井さん、なにやらトラブル発生?
...というより、トラブルの元といいますか...。
実は経営難に陥ってる高級ホテルとタッグを組み、高額の"光ツアー"と格安の"影ツアー"、それぞれに同じ客室を利用させるというダブルブッキングツアーを敢行しているのです!
さて、このツアー、どうなりますか...。
■2016年版『ミス・サイゴン』 vol.8■
10月19日に初日を迎えたミュージカル『ミス・サイゴン』。
ベトナム戦争を背景に、究極の愛の形と戦争のむなしさと平和への祈りを描き出す、世界で愛され続けるミュージカルの金字塔です。
本日は初日・10月19日の特別カーテンコールの模様をレポートいたします。
日本では1992年の初演以降幾度となく上演を重ね、2012年には"新演出版"が登場、好評を博している『ミス・サイゴン』ですが、その日本初演より、エンジニア役を務めているのが市村正親さん。
今期は、その市村エンジニアのファイナル公演と発表されています。
通常のカーテンコールのあと、市村エンジニアの呼び込みで、キャストが再登場。
プリンシパルキャストが、ひと言ずつ初日挨拶をしました。
この日のジジ役は、おなじみ池谷祐子さん。
「この『ミス・サイゴン』という作品、そしてジジという役に向き合えて、稽古を重ね、初日を迎えることが出来て本当に幸せに思います。感謝を申し上げます。でもまだ始まったばかりです。物語を紡ぐ一部として、ジジという役割をきちんと全うしていきたいと思います。応援よろしくお願いいたします」
トゥイとしては初登場、藤岡正明さん。
「2008年、2009年とクリス役をやらせていただきました。きっと今回は(トゥイ役なのでクリスと違い)キムから...誰からも愛されないんだろうなと思っていたのですが、蓋を開けてみまたら、やっぱり愛されませんでした(笑)。寂しいなと思いますが、今はトゥイとして、新しい『ミス・サイゴン』の発見を日々しているところです。最後に皆さまに覚えて帰っていただきたいことがひとつだけあります。僕はプライベートでは怖くないんで(笑)!」
こちらも、エレンとしては初登場の知念里奈さん。
「プレビュー公演からたくさんのお客さまが劇場にいらしていて、この作品が本当に多くの方に愛されているんだなと感激しながら今日、初日をあけました。私個人としては、(キム役から)役替わりをして初めての、エレンとして見る『ミス・サイゴン』の世界。多くの発見と知らなかったことと、学びがたくさんあります。大千秋楽まで役を深めてまいりたいと思います。最後まで応援よろしくお願いいたします」
宝塚歌劇団星組の東京公演『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』『ロマンス!!(Romance)』が10月21日、東京宝塚劇場で開幕した。
本公演は星組トップスター・北翔海莉、トップ娘役・妃海風の退団公演。『桜華に舞え』は、西郷隆盛の右腕と呼ばれ、明治維新の立役者となりながらも、己の"義"を大切にし"避けられぬ宿命"西南戦争へ身を投じていく桐野利秋(中村半次郎)を主人公に、"最後の侍"の生き様を描く作品。北翔にぴったりな優しさ、温かさと頑なさを持つ桐野の姿、そして次期トップスター紅ゆずる扮する衣波隼太郎に次の時代を託す場面なども盛り込まれ、北翔の退団を意識した作品になっている。とはいえ、観終わったあと、悲しい涙よりも明るい笑顔が胸に残るのもまた、北翔に似合う。
後半のショー『ロマンス!!(Romance)』は演出家・岡田敬二によるロマンチック・レビューシリーズの19作品目。伝統的な宝塚らしさに満ちた、華やかで美しいステージだ。こちらでも、歌もダンスも芝居も何をとっても天下一品、当代きっての芸達者トップスター・北翔の魅力が存分に味わえるとともに、妃海との息の合った歌声やダンス、そして勢いのある星組スターたちの熱いパフォーマンスが息つく暇なく展開され、目が奪われる。
北翔の19年の宝塚生活のピリオドとなる2作品。舞台上には北翔からの愛が、そして北翔への愛が溢れ、幸せ空間となっていた。
==『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』==
==『ロマンス!!(Romance)』==
初日にさきがけ10月21日には、北翔海莉、妃海風が取材に応じ、現在の心境を語りました。
北翔海莉&妃海風 囲み取材
北翔「星組の北翔海莉でございます。わたくし事ではありますが、今回『桜華に舞え』『ロマンス!!』、卒業公演となりました。宝塚大劇場での公演を無事に終え、残るは東京のみ、ファイナル公演です。待ったなし、ノンストップでまいります。とにかく全員が怪我をせずに揃ってゴールできることを目標に、そして進化し続ける舞台を目指して、頑張りたいと思います」
妃海「星組の妃海風でございます。私もご一緒に退団させていただくことになりました。大劇場公演もとってもとっても、毎日充実していて楽しかったので、東京公演も、瞬間瞬間を大切に過ごしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
△ 囲み取材で自分の名前を名乗るトップスターさん&トップ娘役さん、珍しいです...!
■2016年版『ミス・サイゴン』 vol.7■
ベトナム戦争を背景に、普遍的でありながらも究極の愛の形と、戦争のむなしさを描き出すミュージカル『ミス・サイゴン』。
ベトナム人少女キム、アメリカ兵クリスの悲恋を中心に、何をしても生き延びてやるという貪欲さで混乱する状況下を泳ぎ渡るエンジニアら、さまざまな人々の思いや思惑が交差しくさまを、『レ・ミゼラブル』を作ったアラン・ブーブリルとクロード=ミッシェル・シェーンベルクの美しい音楽が包み込んでいく、大作ミュージカルの金字塔です。
日本では1992年の初演以降幾度となく上演を重ね、2012年には"新演出版"が登場、好評を博しました。
この作品が2016年もまた、新たなキャストを迎えて上演されます。
多くの俳優によって引き継がれていく『ミス・サイゴン』ですが、今年も多くの新キャストを迎えるほか、日本初演からエンジニアを務めてきた市村正親が、今回をもって作品を卒業するのも話題。
市村さん、日本での上演回数1368回のうち、809回の舞台に、エンジニアとして立っています!
10月15日にはじまったプレビュー公演を経て、いよいよ10月19日に初日を迎えるこの『ミス・サイゴン』。
19日の初日前、市村正親さん、キム役の笹本玲奈さん、クリス役の上野哲也さんによる囲み取材が行われました。
△ 会見は、劇中『アメリカン・ドリーム』のシーンのセット、自由の女神像&キャデラックの前で行われました。
――まずはひと言どうぞ。
市村「ようやっと初日が来ました。頑張ります」
笹本「8月のあたまからお稽古していたので、私もようやく舞台に立てたと、楽しみで仕方ないです」
上野「今回僕は2回目なんですが、演出家(海外から来る演出補)も変わり、自分の中のキャラクターもけっこう変わっているので、前回とは違う緊張感と高揚感があります」
――市村さん、復活ですね。
市村村「こないだ(2014年の前回公演)は胃がんで降板しましたからね。復活と同時にファイナルです。でも次の再演の時、元気だったらやっちゃうかもしれないけど(笑)! 一応ファイナルということで、頑張ろうと思ってます。体調は非常にいいんですよ。万全です! でも人間明日のことはわからない。僕、3年先までスケジュールは決まってるけど、4年後は決まってないんです。体調次第ですね、明日のことはわからないから。次はもし元気だったらリターンするからね!「本当の復活!」とか(笑)」
11月に日本初演を迎える『ミュージカル★マーダー・バラッド』の製作発表会見が10月10日、都内ライブハウスにて行われました。
2012年、NYマンハッタンのシアタークラブで上演され大ヒット。
翌年には早くもオフブロードウェイに進出した「90分ノンストップ」「全編歌の"ソングスルー"」「4人ミュージカル」が、日本初上陸します。
全編歌...とのことで、もちろん歌唱力が重要になってきますが、挑むは日本ミュージカル界が誇るこちらの皆さん。
中川晃教、平野綾、橋本さとし、濱田めぐみ。
これは期待大ですね!!
物語も、愛憎と裏切り、そして殺人事件...と、ミステリアスでセクシーで、とっても気になるんです。
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●STORY●(公式サイトより)
ナレーター(濱田めぐみ)が歌う。「聖人と罪人の歌が聞こえる。美しい炎は引力がある、でも触ってはいけない」。
ニューヨークに住むサラ(平野綾)とトム(中川晃教)は、出会い燃え上がるような恋をする。サラは歌手を、トムは俳優を夢見ていた。だが、あまりに熱い恋は時がたてば冷めるもの。トムとサラは別れてしまう。トムを失ったサラはダウンタウンのバーで酒におぼれる日々。そんなある日、酒に酔いふらつきながら帰える途中、詩の博士号を持つマイケル(橋本さとし)と出会う。マイケルは傷つきボロボロになっていたサラを抱きしめ、二人は恋に落ち、結婚する。
アッパーサイドに家を買い、家庭を築き、娘のフランキーが産まれる。だが、サラはいつしか、毎日同じことの繰り返しの日々にうんざりとしていた。育児と家事に疲れたサラは、かつて燃え上がる恋をしたトムを懐かしく思い出し、トムがダウンタウンに新しくオープンしたクラブ<キングス・クラブ>を訪ねてしまう。サラと別れたことを悔やんでいたトムは、再会したサラを手放したくはなかった。結局二人は越えてはならない一線を越えてしまう。だが時間がたつにつれ、後悔の気持ちばかりが大きくなるサラ。一方のトムは嫉妬の気持ちばかりが強くなっていく。やがて、マイケルも二人の関係に気がつく。
トム、マイケル、サラ・・・・ついにキングス・クラブに3人が揃う。
ナレーターが歌う。「クラブ、ダイヤ、スペード、ハート 勝負の決め手は自らの選択と、運命!」。
そして、キングス・クラブで未解決殺人事件が起きた。殺したのは誰か?
会見は、ミニライブから始まりました。
「自由に生きる男」トム役:中川晃教
宝塚歌劇月組公演 ミュージカル『アーサー王伝説』が10月14日、東京・文京シビックホールで開幕した。月組の新トップスターに就任したばかりの珠城りょうが主演する作品。初日に先立ち13日、通し舞台稽古が公開されるとともに、珠城らが会見を開いた。
『アーサー王伝説』は、近年日本でも人気を博すフランス生まれのミュージカル。『太陽王』『1789 -バスティーユの恋人たち-』と同じくドーヴ・アチア氏の脚本・作詞・作曲による最新作の、日本初演だ。「岩に突き刺さった剣を引き抜いた者が王となる」という伝説でも有名な、イギリス・ケルトに伝わる騎士道物語をもとに、キャメロットの王・アーサー、その妻グィネヴィア、アーサーの異父姉にして彼に恨みを持つモーガン、そして王に忠誠を誓う円卓の騎士らの物語がドラマチックに綴られていく。自身の出生の秘密や異母姉との確執、そして王妃と部下の不義に悩みながらも、王として歩んでいくアーサー王の姿が、これからトップスターとして月組をひっぱっていく珠城の姿にも重なるよう。珠城自身も「きっと潤色・演出の石田昌也先生も、これから月組の未来を担っていく私と重ねて書いてくださった部分もあるんじゃないかなと思います。それをご覧になるお客さまが、珠城りょうと重ねて観てくださるのなら、とてもありがたいこと」と話す。
この日はアチア氏も観劇。「日本語はまったくわからないのですが、時々目に涙が浮かぶほど大きな感銘を受けました」と感想を。さらに主演の珠城についても「彼女から、王としてのカリスマ性をすごく感じました。素晴らしい役になった」と笑顔で話した。
珠城は入団9年目という近年まれにみるスピードでトップ就任したことも話題になっているが「私自身も、そして月組も、のびしろをお客さまに感じていただけるような舞台人でありたい、そういう舞台を作りたいと常に思っています。ですのでやはり、エネルギッシュで力強く、そして明るくいれたら」と新生月組をアピール。また、珠城の相手役となるトップ娘役・愛希れいかは「アーサー王には寛容で寛大な心がある。そこが珠城さんと同じだなと感じています。とても大きな心ですべて受け止めてくださる」と話していた。
東京公演は10月19日(水)まで同劇場で上演。10月28日(金)から11月9日(水)には梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでも上演される。
▽ 『アーサー王伝説』より。アーサー:珠城りょう、グィネヴィア:愛希れいか
▽ 『アーサー王伝説』より。モーガン:美弥るりか
▽ 『アーサー王伝説』より。ランスロット:朝美絢
▽ 『アーサー王伝説』より。
げきぴあでは、珠城りょうさん、愛希れいかさん、ドーヴ・アチア氏が登壇した、公開舞台稽古後の囲み取材の模様を詳しくお伝えいたします。
ドーヴ・アチア氏は、フランスオリジナル版のプロデューサー。
彼が手がけた作品は、宝塚で上演された『太陽王』『1789 -バスティーユの恋人たち-』のほか、日本では『十戒』『ロックオペラ モーツァルト』も上演されています。
珠城りょう
「今回、大劇場でのお披露目の前に『アーサー王伝説』で主演男役として初めて舞台に立たせていただきます(大劇場でのお披露目は来年1~3月の『グランドホテル/カルーセル輪舞曲』)。お話を伺ったときには、『1789』(2015年)を月組が上演したこともあり、すごくご縁を感じたのと、素晴らしい楽曲の数々に挑戦させていただく期待、それを実際に自分にこなせるのかという不安...両方の気持ちが同時に押し寄せてきて、しばらく心臓がドキドキしていました。でも今の月組の皆さんと一緒に、ひとつの作品を作り上げるということはどういうことなのか、ひとりひとりの力がどれだけ大きいのかということを日々感じながら、お稽古に励んできました。いま出来る自分の精一杯の舞台をお客さまにお届けできればいいなと思いますし、この新しい、ケルト音楽がベースになっているフレンチロックの音楽もお客さまに楽しんでいただけたらと思います。また、今回から愛希を相手役としてトップコンビとして組ませていただきますので、そこも楽しんで頂ければ」
愛希れいか
「『1789』に引き続きフランスのミュージカルをやらせていただけると訊いてすごく幸せで光栄に思いましたし、また月組で公演できることに、私もすごくご縁を感じました。音楽もとても難しいロックミュージカルですし、お稽古場では苦労する点はたくさんあったのですが、いま舞台稽古を終えてみると、やはりこの作品を出来ることがとても幸せに感じました。宝塚らしくフィナーレもついています。新たな月組のスタートに、私もしっかり力になれるよう精一杯がんばりたいと思います」
『シェルブールの雨傘』など、数々の名曲を生み出しているフランスの巨匠ミシェル・ルグランの、美しくもどこか哀愁もある流麗なメロディ。少し不思議で可笑しく、そしてロマンチックな物語。
パリ・モンマルトルの空気を感じる小粋でおしゃれなフレンチミュージカル『壁抜け男』が、現在東京・自由劇場にて上演中です。
物語は20世紀ごろのパリ・モンマルトルが舞台。
郵政省に務める役人で、趣味はバラの手入れと切手集めという平凡な男・デュティユルは、ある日突然、壁を抜ける力を手にしてしまいます。
戸惑いながらも自分の"特技"を活かし、"怪盗ガルー・ガルー"として義賊さながらの壁抜け泥棒となったデュティユル。そんな彼が薄幸な人妻・イザベルへの恋心から、ある決意をして......。
わずか11名のキャストが時にコミカルに、時に切なく贈る、愛に溢れた温かなミュージカル。
この作品で主人公・デュティユルを演じている飯田洋輔さんに、お話を伺ってきました。
その美しいバリトンボイスを武器に、『美女と野獣』の野獣役や、『キャッツ』アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ役、オールドデュトロノミー役など劇団四季を代表する作品の主要な役どころを数々演じている飯田さん。
デュティユル役は2012年から務め、いまや『壁抜け男』の"顔"となっています!
【開幕レポート】
◆ 飯田洋輔 INTERVIEW ◆
――飯田さんが当サイトにご登場いただくのは初めてですので、まずは飯田さんご自身についてお伺いさせてください。現在、劇団四季のさまざまな作品で主要キャストを務めていらっしゃいますが、もともとミュージカル俳優を目指していらっしゃったんですか?
「いえ、もともとはただ歌が好きで。特に小さいころからミュージカル俳優に...! という夢があったわけではありませんでした。子どもの頃は、パイロットになりたかったんです。今もなりたいですけど(笑)。ほかにも歯医者さんとか、なりたいものは色々あったんですが、中学2年生の時に、授業で『キャッツ』のLDを観て。ロンドンのものだったんですが、それに衝撃を受けたんです。そうしたらその作品がちょうど名古屋でやっていたんですよ。それで、当時住んでいた福井から名古屋まで、ひとりで行って。今思えば中学生がすごいな、と思うんですが...運命というか、惹かれたんでしょうね。その時は"行きたいから、行く!"という感覚で、親に頼んでチケットを買ってもらったんです。そこで生でみた舞台は、さらにいっそうの衝撃がありました。田舎でしたから、それまで舞台芸術に触れる機会はあまりなかったですし、最初に観たロンドン版のLDと違って日本語なので、ダイレクトに心に来た。そこからですね。ミュージカルをやりたいと漠然と思って、ミュージカルに出るにはどうしたらいいのかなと。それで"音大に行って四季に入れば『キャッツ』に出られるんだ"みたいな人生プランが出来ました(笑)」
――飯田さんといえば、やはり歌のイメージがあります。入団前に弟の達郎さんとアカペラグループを組んでいたのも有名ですよね。
「結局、なぜ歌を突き詰めようと考えたかというと、『キャッツ』をはじめミュージカルに出ていらっしゃる俳優さんたちのプロフィールを見ると「3歳からバレエを始めた」「5歳からダンスを始めた」とか書いてあるんですよ。これは無理だ、もう自分には遅いじゃないか、じゃあ何ができる、歌しかない!...みたいな(笑)。それでもういちど出演俳優さんたちのプロフィールを見ると、皆さん音大を出ていらっしゃる。音大というものがあって、そこで専門的に学べばミュージカルが出来るんだ! ...というところから、本格的に歌を始めたんですよ(笑)。高校2年生くらいまでは、先生にもついておらず、本当に趣味の延長で歌っていましたから」
――歌は身近にあった少年時代だったんでしょうか?
「両親がもともと合唱をやっていたので、そこの練習に週に1・2回、強制的に連れて行かれて。といっても僕らは絵を描いたりして遊んでいるんですが、傍らで両親たちが練習している合唱が耳に入ってくるんです。あとはドライブに行くときなども、両親は発表会に向けて車の中で練習をしているんです。それに合わせて、僕らも一緒にハモったり。そういったことを、自然とやっていました。だから入団前にアカペラ番組に兄弟で出演したりしたのも、その影響です。ハーモニーを作ることが楽しすぎてしょうがない。今も『壁抜け男』をやっていますが、実はメインボーカルを歌うより、ハーモニーを作りたくてしょうがないんですよ(笑)。だから、携帯で多重録音するアプリで、ひとりアカペラをやったりしています。そんな趣味があるんです(笑)」
――そうなんですね! そして今出演されている、『壁抜け男』について。この作品との出会いは?
「これも高校3年生の時に、地元の福井で観ました。ツアー公演で。ちょうど声楽を学び始めてしばらくした頃だったので、音楽の魅力にまず感動しました。それにちょっと、小洒落た感じがありますよね。そこがすごく魅力的でした。当時出ていたVHSビデオも買って、達郎とふたりでずっと観ていました。達郎もハマっていたと思います」
今月開幕する、注目のミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』。
王政に対する不満を民衆が爆発させ、その怒りを動力に革命を成功させた「フランス革命」をテーマにした作品は数あれど、この作品は、権力を得た民衆側が暴走し、元貴族らを次々と処刑していく中、無実の彼らを救おうと立ち上がったイギリス貴族側の視点で描かれた、いわば"裏から見たフランス革命"の物語です。
以前、主役パーシー・ブレイクニーに扮する石丸幹二さんのインタビューを掲載しましたが、今回はそのパーシー率いる"スカーレット・ピンパーネル団"の団員より、上口耕平さん・駒木根隆介さん・廣瀬智紀さんのインタビューをお届けします!
すでにカンパニーは絶賛お稽古中ではありますが、稽古前に行ったインタビューのため、3人の初々しい(?)感じも、お楽しみください。
【バックナンバー】
◆上口耕平×駒木根隆介×廣瀬智紀 インタビュー◆
――お互いまだ敬語ですが、みなさん、共演自体は初めてですか?
全員「はい。初です」
廣瀬「僕は一番年下ですし...」
駒木根「いきなりフランクには、ねぇ(笑)」
――しかも、駒木根さんと廣瀬さんは、初ミュージカル出演でしょうか。
廣瀬「初なんですよ~」
駒木根「音楽劇は何度かあるんですが。ミュージカルというのは初めてかもしれないです」
――そうなんですね。しかも今回は"グランド・ミュージカル"と呼ばれる、大掛かりなものですよ。
駒木根「...完全に初めてですね、ミュージカル、俺、初めてです!」
上口「早めに切り替えましたね、"完全に"って言葉がつきましたよ(笑)」
――そんなミュージカル暦はそれぞれ、な皆さんですが。『スカーレット・ピンパーネル』という作品はご存知でしたか?
駒木根「いや、知らなかったです」
廣瀬「僕も、知らなかったです」
上口「僕は、タイトルは知ってました」
駒木根「日本だと宝塚歌劇団がやってるんでしょ?」
上口「そうです、今までは宝塚でしかやっていなくて」
駒木根「それをちょっと、映像で観たりはしましたけど」
廣瀬「僕、DVDを探したんですが、なくて。あったらスタッフさんに宝塚版のDVDをお借りしたいな、って思っているところです」
上口「僕はたまたま知り合いが持っていたので、それを借りて観ました。でも今回共演する安蘭けいさんが主演している星組公演(2008年)じゃなくて、月組公演(2010年)を」
今年で第70回を迎えた世界最高峰の演劇賞、トニー賞。
今年は超話題作『ハミルトン』が席巻したのも、記憶に新しいですね。
その授賞式の模様を毎年生中継しているWOWOWが、開局25周年記念イベントとして、日本初のトニー賞公認のミュージカル・コンサートを行うことが決定!
出演は、昨年渡辺謙との共演が話題になったブロードウェイミュージカル『王様と私』で第69回トニー賞ミュージカル主演女優賞を受賞したケリー・オハラ、
日本でも大ヒットしたアメリカTVドラマ『glee/グリー』のウィル・シュースター先生役で人気を博し、『ライト・イン・ザ・ピアッツァ』で第59回トニー賞ミュージカル部門助演男優賞にノミネートされたマシュー・モリソン、
そして、日本ミュージカル界のトップスターであり、第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞(演劇部門)他、多数の賞を受賞している、我らが井上芳雄!
日米トップ・ミュージカルスターの夢の競演で、トニー賞を彩った歴代のミュージカルの名曲の数々が披露される夢のコンサートになること間違いなしです!
■2016年版『ミス・サイゴン』 vol.6■
1989年9月20日にロンドンで世界初演された『ミス・サイゴン』は、2014年に25周年を迎えました。
ご存知"新演出版"も登場し、評判を呼んでいるこの作品。
2014年9月、ロンドンのプリンス・エドワード・シアターで上演された25周年記念公演が、待望の映画化になります。
映画はこの特別な一夜を最新の技術を駆使し撮影、さらに公演後には映画のために観客を入れずに撮った追加撮影も加った(通常ではありえないアングルも!)圧倒的な迫力の映像で、臨場感ある『ミス・サイゴン』の世界を切り取っています。
そして25周年記念スペシャル・フィナーレには、特別ゲストとしてオリジナルキャストであるジョナサン・プライス(エンジニア役)、レア・サロンガ(キム役)、サイモン・ボウマン(クリス役)が登場。新旧キャストの共演で行われたこのプレミアムなショーも、もちろんこの映画には収録!
日本では2017年3月よりTOHOシネマズ 日劇での公開が発表されているこの映画『ミス・サイゴン:25周年記念公演inロンドン』が、10月2日、日本最速プレミア上映として公開されました。
この上映を記念したトークショーに、10月19日より開幕する日本版『ミス・サイゴン』より、ダイアモンド☆ユカイさん、キム・スハさん、中野加奈子さんが登場。
スハさんと中野さんは、このロンドンの25周年記念公演に出演しています!
本日はそのトークショーンの模様をレポートします。
この映画、みなさんはひと足先にご覧になったとのことで、感想をユカイさん、
「自分もエンジニア役を10月からやりますので、楽しみに観ました。『ミス・サイゴン』は25年以上の歴史がありますから、やっぱり初演の(エンジニア役の)ジョナサン・プライスのイメージが強い。日本だと市村正親さんと...本田美奈子.さんのイメージが強いかな。でもこの映画を観て思ったのは、今まで思っていたイメージよりも、『ミス・サイゴン』自体が、時代とともに進化しているんだなということ。ロックバンドで言うとローリングストーンズみたいなね! そのくらい、毎回進化している。その進化の一番新しい姿をこの映画で観られる」
と語りました。
ちなみにユカイさん、この25周年記念公演でエンジニアを演じているジョン・ジョン・ブリオネスさん(フィリピン出身の51歳。舞台デビューは1989年のロンドンオリジナル版『ミス・サイゴン』)をリスペクトしているとのことで...。
「エンジニアを演じるということで、YouTubeとかで歴代のエンジニアを見たり、色々リサーチしたんですよ。やっぱり初代のジョナサン・プライスはすごい。そのイメージがガンっとあって、でもその中でジョン・ジョンを見たときに、これは新しい、何か今までのイメージを塗り替えるパワーと実力があり、"こんなこともやっちゃうの?"ということをやっていて、魅力がある。そこに勇気付けられました。自分はロックンローラーですから。帝劇では20何年も『ミス・サイゴン』を観ていらっしゃる方がいる中で、(僕のエンジニアは)「なんだアイツ」というか(笑)、賛否両論もあると思うんですが、ジョン・ジョンを見ると、やっぱり新しい風を吹かすくらい、思い切ってやってみようと前向きな気持ちになりました。大ファンですよ」と、その魅力を話します。
▽ ダイアモンド☆ユカイさん。この日の上映は「日本最速上映ですよ!3倍速で流れますよ!」というジョークを(笑)。