『ミス・サイゴン』#8 市村エンジニア、あと20年はいける!? 初演キャストのサプライズ登場もあった『ミス・サイゴン』初日特別カーテンコールレポート

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■2016年版『ミス・サイゴン』 vol.8■


10月19日に初日を迎えたミュージカル『ミス・サイゴン』
ベトナム戦争を背景に、究極の愛の形と戦争のむなしさと平和への祈りを描き出す、世界で愛され続けるミュージカルの金字塔です。

本日は初日・10月19日の特別カーテンコールの模様をレポートいたします。
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日本では1992年の初演以降幾度となく上演を重ね、2012年には"新演出版"が登場、好評を博している『ミス・サイゴン』ですが、その日本初演より、エンジニア役を務めているのが市村正親さん
今期は、その市村エンジニアのファイナル公演と発表されています。

通常のカーテンコールのあと、市村エンジニアの呼び込みで、キャストが再登場。
プリンシパルキャストが、ひと言ずつ初日挨拶をしました。
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この日のジジ役は、おなじみ池谷祐子さん
「この『ミス・サイゴン』という作品、そしてジジという役に向き合えて、稽古を重ね、初日を迎えることが出来て本当に幸せに思います。感謝を申し上げます。でもまだ始まったばかりです。物語を紡ぐ一部として、ジジという役割をきちんと全うしていきたいと思います。応援よろしくお願いいたします」
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トゥイとしては初登場、藤岡正明さん
「2008年、2009年とクリス役をやらせていただきました。きっと今回は(トゥイ役なのでクリスと違い)キムから...誰からも愛されないんだろうなと思っていたのですが、蓋を開けてみまたら、やっぱり愛されませんでした(笑)。寂しいなと思いますが、今はトゥイとして、新しい『ミス・サイゴン』の発見を日々しているところです。最後に皆さまに覚えて帰っていただきたいことがひとつだけあります。僕はプライベートでは怖くないんで(笑)!」
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こちらも、エレンとしては初登場の知念里奈さん
「プレビュー公演からたくさんのお客さまが劇場にいらしていて、この作品が本当に多くの方に愛されているんだなと感激しながら今日、初日をあけました。私個人としては、(キム役から)役替わりをして初めての、エレンとして見る『ミス・サイゴン』の世界。多くの発見と知らなかったことと、学びがたくさんあります。大千秋楽まで役を深めてまいりたいと思います。最後まで応援よろしくお願いいたします」
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上原理生さんジョンも、もうファンの方にはおなじみですね。
「何も申し上げることはございません、ここからスタートです。これからどんどん盛り上げっていってまいります!...その前に、せっかく立ち位置的にお隣にいらっしゃるので...(市村さんに向かって)お帰りなさいませ。本日はありがとうございました!」
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この日のクリスは、上野哲也さん
「本日は初日をご観劇いただき、ありがとうございます。僕は最近、自分で口癖にしているものがありまして、どんな状態でも「絶好調!」って言うようにしているんです。今日も絶好調だったんですが、明日からも毎日絶好調な公演をしていきたいと思います。千秋楽まで応援のほどよろしくお願いします!」
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そして13年目のキム役、笹本玲奈さん
「まずはここにまたキム役として立たせていただいていること、そして前回、残念ながら途中で降板されてしまった市村さんとまた再びこの舞台に立てていること、すごく幸せに感じています。この舞台を通して、多くのメッセージを皆さまにお届けできるように、頑張っていきたいと思いますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします」
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そして25年目のエンジニア役、市村正親さん
「2年前に胃がんでこの『ミス・サイゴン』を降板させていただきました。その時に本当にたくさんの応援メッセージをいただきました。そのメッセージのおかげで再び『ミス・サイゴン』をまたやろうという気になり、病気も完治して、復活することができました。本当に応援してくださった皆さんに心から感謝です。復活したと思ったら、今回がファイナル公演ということで(笑)。まあ、今日やってみて、かなりイケてたんじゃないかな?(客席から大きな拍手) ...まあファイナルというのは半ば本当で、出来るならば身体の続く限り、健康である限り、この『ミス・サイゴン』のエンジニアは演じていきたいなとは心では思っています(また大きな拍手)。
今から24年前に、初めて帝劇の舞台に立たせていただいた『ミス・サイゴン』で、僕は「アメリカン・ドリーム」を歌いながら、ミュージカル...演劇の夢を掴むことが出来ました。この帝劇にはたくさんの思い出があります。初演は1年半の公演を、よく頑張れたなと今でも思っています。これからも健康に注意して、いつかまた皆さんと帝劇で、許してくれるならば、またエンジニアで皆さんとお会いできるように、これからも精進して、健康に気をつけて頑張っていきたいと思っています。その時はぜひ皆さんまた、劇場でお会いしましょう」
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そして市村エンジニアの初演の写真が舞台上に投影され、さらにサプライズ
初演のキム役・入絵加奈子さん、初演クリス役・岸田智史さん安崎求さん、初演ジョン役・園岡新太郎さんの、初演キャスト4名がお祝いに駆けつけました。
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感激した声で、「うわー、うわー」「みんな変わってないね」と話す市村さんに、「一番かわってないの、いっちゃんだから。今日みていてわかった、あと20年いける!」という岸田さん。
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安崎さんも「ガンガンいってますね。やっぱり全然変わらないですよね。(初演時の写真を見ながら)僕ら、使用前・使用後、みたいになってますが(笑)」

園岡さんも「熟達した演技、勉強になりました!」と市村さんへひと言。

入江さんは、「世界一のアメリカンドリームを見せていただきました。本当に涙が止まらない...。私は『ミス・サイゴン』の初演で、本田美奈子ちゃんとWキャストで立たせていただいたことは、誇りです。どうかみなさんこの素晴らしい作品をいつまでも愛してください。市村さん、世界一の名人芸、ありがとうございます!」と感極まった声で。
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4人に対し市村さんも、「キシ、来てくれてありがとう。感無量だったよ。お前のクリスは良かったなあ。感無量。加奈ちゃんありがとうね。美奈子ちゃんが怪我したときに、おうちのアパートにいてくれて。公演が出来て、あなたのおかげです。ありがとうございました(本番中に本田さんが負傷し、たまたま家にいた入江さんが劇場に駆けつけ、後半のみキム役を代役で務めたのは、有名な話です)。
安崎。本当に最近は悪役が板についてきているけど、今日はありがとうね。しんちゃんも、ありがとうね」と、涙声。
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と話しながらも、「本当にここまで続けるの大変なんだよ。わかるだろろ? 結構大変だけど、まあ俺にとっちゃなんてことないんだけどね!と笑わせるのも、市村さんらしい!
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演出補のJPさん、振付補ベンジャミン・オズボーンさんもカンパニーを労いました。
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最後は全員で、『アメリカン・ドリーム』を大合唱!
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本当に皆さんに愛されている作品だなあ、と感じた、素敵なカーテンコールでした!


取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)


【公演情報】
・10月19日(水)~11月23日(水・祝) 帝国劇場(東京)
・12月10日(土)・11日(日) 岩手県民会館 大ホール
・12月17日(土)・18日(日) 鹿児島市民文化ホール 第1ホール
・12月23日(金・祝)~25日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール(福岡)
・12月30日(金)~1月15日(日) 梅田芸術劇場メインホール(大阪)
・1月19日(木)~22日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

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