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いつまでも観ていたいほどの家族劇
「母に欲す」
日本映画界に衝撃を走らせた「愛の渦」などのビビッドな作品作りに定評があり、時代を、人間の本質を抉り出す、類稀な才能・三浦大輔(ポツドール)。
ロックバンド・銀杏BOYSの峯田和伸と大注目の若手俳優・池松壮亮とタッグを組み、「息子にとっての母親」をテーマに演劇作品づくりに挑む!
そんな大注目の公演に公演レポートが到着しました。
大阪公演は8月2日(土)・3日(日)より。全国の皆様、チェックです。
撮影:引地信彦
感情を強く揺さぶられる
母を亡くした家族の風景
いつまでも、いつまでも、見続けていたい。約3時間10分(途中休憩あり)という上演時間を長く感じるどころか、まだまだ観ていたい、という感情が湧き上がる。そんな不思議な体験ができる舞台『母に欲す』が、まもなく大阪で幕を開ける。7月10日より東京・PARCO劇場で開幕、早々に4本もの新聞劇評が出た。もちろん賛否はある。しかし数多く上演されている現代劇の中から本作を選んでいることで、演劇の目利きたちが「書きたい」「伝えたい」気持ちに駆られたのかが分かる。それほど感情を強く揺さぶられる作品だ、という証しだともいえる。
「マザコン讃歌、マザコン万歳という芝居」と語る作・演出の三浦大輔は「息子にとって母親とは」をテーマに、急に母を亡くした兄弟が、その深い悲しみをどう昇華させていくのかを描いている。この作品、観劇するというよりも「風景を眺める」「感情を空気で感じる」「覗き見る」という感覚で、客席に身を置いて欲しい。すると、あなたにしか見えない景色が見え、あなたにしか分からない感情が生まれるはずだ。胸が締め付けられたり、内臓が震えるような感覚を味わったり、センチメンタルになったり、ノスタルジックになったり、ジリジリと、ザワザワと......それはもう言葉では言い表せないほどの複雑な感情を味わえる。
撮影:引地信彦
峯田和伸・池松壮亮ら
俳優の熱演に心打たれる
その効果を生んでいるのは、やはり兄弟役を演じている峯田和伸と池松壮亮の力が大きい。兄を演じる峯田は、今回初舞台。若者から絶大なる人気を誇るロックバンド「銀杏BOYZ」のボーカルだ。音楽ファンはきっと、芝居よりもライブを願っているだろう。しかし、俳優として舞台に立つことも、ミュージシャンとして歌うことも「表現する」という意味では変わりはない。初めて知る者も彼の熱演を見て、カリスマ性の理由が納得できるはずだ。彼のファンは、1幕終盤に興奮するだろう。また彼が歌う主題歌は、座席から立てなくなるほどの力を持つ。
弟役の池松は、子供のころから映画やドラマで活躍、最近ではドラマ『MOZU』での怪演が話題になった。舞台上の彼のあまりにリアルな演技には舌を巻く。まさにそこに生き、この家族の弟として存在しているからだ。いじらしい弟像が浮かび上がり、愛おしくてたまらない。多くの映画監督が、彼を指名する理由が頷ける。
また、田口トモロヲが作り出す兄弟の父親も秀逸。田口だからこそ、愛嬌のある父親となった。片岡礼子が演じる、新しい母として家族に受け入れられるよう努力する女性の危うさは、観客の男女で意見が分かれるだろう。それが芝居の面白いところだ。
京都造形大学在学中より注目を集める新人女優・土村芳、三浦大輔主宰の劇団ポツドールのメンバーである米村亮太朗、三浦作品には欠かせない古澤裕介の演技も、ドラマに膨らみを与える。この出演者7名全員で緻密な劇空間を作り上げている。
撮影:引地信彦
大友良英の音楽で際立つ
三浦大輔のホームドラマ
また音楽も素晴らしい。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の音楽でも知られる大友良英の劇伴が、登場人物たちの心境を際立たせ、観客へ優しく且つ強く届ける役割を果たしている。
これまでの三浦大輔作品は、舞台も映画も過激な部分を取り上げられることが多かったせいか、敬遠している人は少なくないと思う。しかし本作は、山田太一や向田邦子が描いてきたホームドラマを好む大人たちにも勧めたい。これは現代の日本の家族劇だから。ありきたりな言葉ではあるが、百聞は一見に如かず。なぜ多くの見巧者たちが綴りたくなったのか、なぜ多くの観客たちが涙したのか。大阪でたった2公演という貴重な機会、劇場空間の中に入って確かめて欲しい。大阪公演の幕が下りると、もうこの兄弟に、この家族に会えない......それを考えるだけで寂しい。そんな感傷的な気持ちになったところで筆をおく。
(文=金田明子)
■FBI捜査官の潜入捜査日誌 vol.9■
皆さんお久しぶりの、超大型新人ダラー捜査官(海宝直人)であります!
「Catch Me If You Can」東京公演は皆さんのお陰で無事幕を降ろしたわけですが、
我々はまだまだフランクを追い続けていたのであります!
いざ、新幹線に乗って名古屋へ!
フランクは一体どこに!?
おー! なんだこのひろーい会場は!?
なになに...愛知県芸術劇場...。
ここにフランクが隠れてる??
7月17日東京・シアタークリエで、村井良大、佐々木喜英が主演する舞台『マホロバ』が開幕した。激しいアクションと壮大なストーリー展開でスペクタクルな舞台を創り出し、現在、演劇界で熱い注目を集めている30-DELUXが2004年に上演し、そのクオリティの高さから幻の傑作と呼ばれた作品が、キャスト・演出を一新して10年ぶりに蘇る。
物語は太古の日本が舞台。騎馬と鉄器の国「キバツクニ」の侵略を受けた島国「倭国」で、死肉喰らいの野生児と呼ばれ見世物小屋で虐げられるザッパと、キバツクニの皇子ミズハ、ふたりの少年の友情と運命が、時代の動乱の中、翻弄されていく。彼らが倭国のどこかにあると信じる楽園「マホロバ」は本当にあるのだろうか...。
■FBI捜査官の潜入捜査日誌 vol.8■
皆様ご無沙汰してました、
ハンラティには歯に衣も絹も被せずに意見をする...三バカトリオFBI捜査官のブラントン(鎌田誠樹)です!!
実は私、シアタークリエは初めてなのであります!!
なのでやや緊張気味です(笑)
おおお♪
ここが...
シアタークリエ。
ふむふむ。
この中で、フランク・ウィリアム・アバグネイルjr.が色んな職業になったり、
沢山の名前を騙っては偽小切手を使って大金をもぎ取り、
そして客席をも巻き込んで大変なことになっているという所か!!
よーし!早速、劇場へ潜入だ!!
...っと!
入ったとたん...誰だ!?
【チケットぴあニュース】
東京・電通四季劇場[海]にて上演中のミュージカル『ウィキッド』が7月3日、国内通算上演回数2000回を達成した。同日、記念の特別カーテンコールが行われ、劇場はお祝いムードに包まれた。
2003年にブロードウェイで誕生した『ウィキッド』は、今や世界中で累計観客動員数3600万人を超える大ヒットミュージカル。『オズの魔法使い』の知られざるプロローグを描く内容で、賢いが激しい気性と緑色の肌を持つエルファバ、自己中心的だが美しく人気者のグリンダというふたりの魔女の友情と成長がドラマチックに描かれる。日本では劇団四季によって2007年に東京にて初演。以来大阪、福岡、名古屋と公演を重ね、2013年8月からは再び東京にて上演中だ。
劇団四季『ウィキッド』上演回数2000回突破の続きを読む
昨年12月に東京・シアターブラッツで上演された、原田薫ソロ公演『モノクローム』が、ファンの声に応え、スピード再演となった。日本を代表するジャズダンサーであり役者である原田薫が、積み上げてきた進化を余すことなく発揮した公演で、仕立屋を職業とした女性の日々を、女流演出家・小林香と共に鮮やかに描き出し、観客の瞳の奥にその風景を投影する事に成功した魅力溢れる舞台である。
原田薫ソロ公演『モノクローム』待望のスピード再演の続きを読む
日本で上演されて今年で34年目を迎える、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』。大人も楽しめるエンタテインメントショーをコンセプトにした今回、フック船長に抜擢されたのは人気、実力ともにブレイク中のコンテンポラリーダンサー、大貫勇輔。ミュージカル『キャバレー』で俳優デビューを果たし、今作が2作目のミュージカルとなる彼に話を聞いた。
大貫勇輔が史上初の踊るフック船長にの続きを読む
ミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』が現在、東京・シアタークリエで上演中だ。若くして大金を手に入れた天才詐欺師と、それを追いかけるFBI捜査官の追跡劇を描いた物語。2011年にブロードウェイでミュージカル化され、日本ではこれが初演となる。
スティーブン・スピルバーグが監督し、レオナルド・ディカプリオ&トム・ハンクスが出演したハリウッド映画でも知られるが、元は実際にあった話。主人公である詐欺師フランク・アバグネイル Jr.が鮮やかな手口で様々な職業に成りすましていく様子や、FBIの追跡から紙一重で逃れるスリルなど映画の面白さはそのまま舞台でも楽しめる。だが映画とはひと味違うのが、捜査員に追い詰められたフランクが自らの半生を語るという設定になっているため、作品全体が劇中劇のようになっている部分。その設定を存分に活かし、ショーアップさせた荻田浩一の演出が上手い。暗転がほとんど無く矢継ぎ早に変わっていくシーン展開や、ほとんどのナンバーでダンサーを登場させるきらびやかな演出などがめまいのような感覚を生み出し、観客もフランクの嘘に翻弄された気分になる。同時に、この実話を元にしたストーリーをあえて作り物めかすところに、演劇ならではの面白さも生まれた。
■FBI捜査官の潜入捜査日誌 vol.7■
皆さま、梅雨でジメジメしちゃってる昨今、如何お過ごしでしょうか?
「...まぁ、潤っているから、お肌や声には優しいしー」なんて
能天気な発想になってしまうコッド捜査官(ひのあらた)です。
能天気な発想といえば他にも私、
「手柄より人柄」
「出る杭は打たれても出ちゃう(→わりとしたたか)」
「デスクワークよりチームワーク(宴?)」
「一致団結より一家団らん」等々
(...って、ファイル1より増えてるし、ビミョーに変わっとるやんか!)ありますが、
これはコッド捜査官としてのモットーなのであります。
いわゆるキャラクター・プロフィールの中の1つです。
他にも架空の家族構成や、趣味など、台本には書かれていないキャラクターの見えないプライベート部分を埋めて、
作品のシーンに登場した時の厚みにしようという狙いがあります。
もちのろん、俳優さんによってその手法(キャラクター・ワーク)は様々で、
自分に合ったメソッドを選び、皆さん楽しまれています。
さて、過去の大胆不敵発言は、あくまでもコッド捜査官としての役づくりなんです。
という言い訳も済んだところで、今回のブログ企画を「取り調べ(キャラクター・インタビュー)」にしてみたいと思います。
数人の俳優さんにいくつかの質問をして、ご自分ではなくキャラクターとしてのご回答を頂きました。
勿論、稽古(創造)途中ですので現段階(役の成長過程)での、ということになりますが、
公演をご観劇頂いた際に、合わせて楽しんで頂けたら嬉しいです。(^^)v
では、新企画(シリーズ化は未定だけど...)
「取り調べ(キャラクター・インタビュー)」
ミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』稽古場レポートの続きです!
(part1はコチラ)
げきぴあをご覧になっている皆さまはすでにご存知かと思いますが、改めて。
このミュージカルは、パイロット、医者、弁護士などになりすまし、若くして大金を手にした天才詐欺師と、それを追いかけるFBI捜査官の追跡劇を描いた物語です。
レオナルド・ディカプリオ&トム・ハンクス主演映画でも知られていますが、もともとはなんと、実際にあった話!
嘘のような本当の話、ってまさにこのこと。
主人公である詐欺師、フランク・アバグネイルJr.を演じるのは松岡充さん。
この日の稽古場では松岡さん、冒頭のシーンでコートを脱ぐと...
背中に『キャッチ・ミー...』のチラシが!
取材陣へのサービスでしょうか!?
松岡さんのいたずらっ子な横顔が垣間見えた瞬間でした。