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世界中に熱狂的なファンを持つ『ブラスト!』。パーカッション、金管楽器を中心とした60種類の楽器を演奏するマーチングバンドと、フラッグやバトンを操るダンサーたちによって構成されたエンターテインメント集団です。

その魅力はコンサートとも違い、またミュージカルでもなく、まるで自分も参加しているような気分になる圧倒的な興奮に包まれる喜び。入団20年目を迎え、これまでブラストを牽引してきたパーカッショニストの石川直さんは「ホームパーティのよう」と表現してくれました。

日本には2003年に初上陸。毎回、テーマを変えて壮大なショーを繰り広げており、今年は、国境を越え、世代を超えて愛されているディズニーの名曲をひっさげた『ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー』を開催。7月10日より全国ツアーが開幕し、ますますの注目を集めています。

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8月20日(火)には、待望の東京公演がスタート。会場の東急シアターオーブは、小さなお子さん連れのファミリーから学生さん、若いカップル、熟年夫婦まで文字通り老若男女が集まり満員御礼。スペシャルサポーターとしてツアーを盛り上げてきた武田真治さんと小島瑠璃子さんも会場に駆けつけ、渋谷にブラストフィーバーが巻き起こりました。

楽曲は、不朽の名曲「星に願いを」を筆頭に、大ヒット作「美女と野獣」「アラジン」「リトル・マーメイド」「パイレーツ・オブ・カリビアン」のほか、昨年公開された「メリー・ポピンズ リターンズ」のテーマ曲。さらに「ジャングル・ブック」「ターザン」「ファンタジア」といったデイズニーファンにはたまらない名曲もしっかり盛り込まれたコアファンも大歓喜のラインナップです。

さて、幕開けは「星に願いを」をBGMに登場したバトンパフォーマーとともに。スクリーンに映る流れ星と戯れる姿はティンカーベルそのもの! 自由気ままにステージを駆け回り、バトンを魔法のステッキのごとく操りかざして観客を魔法の世界に誘っていきました。

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第一幕では9曲を披露。注目は1950年に公開された映画「シンデレラ」の挿入歌「夢はひそかに」です。近代的なアレンジで生まれ変わった楽曲に、ブラストの代名詞であるフラッグを使ったパフォーマンスは、まさに華麗の一言! 空中で優雅に翻るフラッグがやがて舞踏会で舞い踊る貴族たちのドレスのイメージと重なってくるから不思議です。

そんなスペクタクルに満ちた会場にドカンと衝撃が刺さるのが前半戦のクライマックス「Storm」。入団20年目を迎えるパーカッショニスト石川直さんたちによる、迫力に満ちたオリジナルメドレーです。

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スクリーンに映るのは降りしきる雨。そこに石川さんのカウベルが最初は静かにポツポツとリズムを刻み、徐々にリズミカルになり、やがて肉体の限界かと思われるまでたたましく鳴り響き、その間、神聖な時間が流れていきます。やがてメンバーが1人、2人と加わり、ステージいっぱいに伸びたドラムを一斉に打つ鳴らす圧巻のパフォーマンスが始まると、今度はあまりの迫力に脳が痺れだし、爽快感ときたら!

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第2幕のスタートは、現在、新作公開中の「ライオン・キング」のテーマ曲。サバンナをイメージしたセットに登場する金管楽器奏者たちのパフォーマンスは、ミュージカルさながらの楽しさ。シンバが登場するあの有名な一コマをトロンボーン奏者が「命」のポーズで登場したり、ウサギたちが岩間からぴょこぴょこと顔を出すシーンをトランペットで再現したり、ディズニーファンならずとも思わずクスリと笑ってしまう演出がいっぱいでした。

もちろん、演奏も超一流。魂が震える荘厳なメロディーが会場に響きわたると観客たちは自然にリズムを奏で、パフォーマーが客席後部から登場するやムードはすっかりカーニバル! ステージと会場の垣根を超えて大興奮に包まれました!

その他の楽曲もどこを切り取っても見所ばかり。「魔法使いの弟子」では、フルート奏者がミッキーマウスさながらに大立ち回りをしたり、「ラプソディー・イン・ブルー」はニューヨークの町並みを切り取ったようなモダンな演出にワクワク。リトルマーメイドでは深海を漂う魚になったようなロマンティックな演出にうっとりし、他にもコミカルなトランペットソロ、かっこいいドラム対決と、ここで書き尽くせないほどの次から次へと素晴らしいパフォーマンスが続きます。例えるなら、なかなか終わらないエレクトリカルパレードを目の前で見ているかのよう!

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そして、東京公演初日のアンコールには、スペシャルサポーターの武田真治さんがミュージシャンとして登場。オフィシャルTシャツをご自身でアレンジした上腕二頭筋をあらわにしたスタイルで高らかにサックスを響かせると興奮のボルテージは頂点に。いつもバラエティ番組で見せるお茶目な姿とは大違いなクールダンディな魅力を振りまいていました。

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その様子に、小島瑠璃子さんもうっとり。

小島「ただただかっこよかったですね〜。金管楽器の中にサックスがいらっしゃらないので、登場された時、雰囲気が変わってすごくかっこよかったです!」

武田「今回は、決められた尺の中で自由に演奏していいといっていただいたのでアレンジもさせてもらったんです。ただただ贅沢な時間でした」

こうして約2時間の公演が終了。世界で愛されるディズニーミュージックを近代的にアレンジした華やかなパフォーマンスに、子どもも大人も満面の笑みに。コンサートでもない、ミュージカルでもない、ブラストだけの華麗なエンターテインメントショーに、誰もが感無量の思いで会場を後にしていきました。

ちなみに、最後の最後までブラストのおもてなしは続き、ロビーには楽器を手にしたメンバーがお客さんと触れ合う姿を発見。「至れり尽くせりだな!」という声がどこからか聞こえてきて、思わず「ウンウン」とうなずいてしまった筆者でした。

『ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー』東京公演は、東急シアターオーブにて9月1日(日)まで。その後、神奈川、兵庫、奈良、長崎、熊本、宮崎、鹿児島をめぐり、9月16日(月・祝)に福岡公演でフィナーレを迎えます。チケットはぴあにて好評発売中。

撮影・取材・文:浅水美保

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.9■
 
 
昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽でたちまち話題となり、多くの熱狂的ファンを生み出したミュージカル『SMOKE』
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされたミュージカルで、たった3人のキャストが、ミステリアスで奥深い世界を作り上げていきます。

初演から1年で早くも再演となった『SMOKE』ですが、今年は6月の池袋・東京芸術劇場バージョンを経て、初演の地・浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンが現在好評上演中!

浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンは、3つの役どころそれぞれがトリプルキャストです。
」...大山真志、日野真一郎、木暮真一郎
」...大山真志、日野真一郎、木内健人
」...池田有希子、高垣彩陽、元榮菜摘
※初演で「海」を演じた大山さんと、「超」を演じた日野さんは、今回は「海」「超」の二役を演じます


濃厚な三人芝居を、その日ごとのキャストが魂を叩きつけるように熱演している九劇版『SMOKE』。
そんな皆さんの開幕後のリアルな心境や、ちょっと突っ込んだ内容をお伺いしたく、インタビューを数回にわけてお届け中。

初演は「海」をシングルキャストで演じ、今回は「海」と「超」の二役に挑戦中の大山真志さんをホストに、出演者の皆さんの現在の心境、作品に対する思いなどをお伺いする通称「真志の部屋」、第3弾は木暮真一郎さんとの対談です。

初演は「海」を演じ、現在は「海」「超」の二役を演じている大山さん、初演・再演をとおし「超」のみを担っている唯一の存在である木暮さん。お互いへの信頼が伝わる、興味深い内容のインタビューとなりました!

▽ 大山真志(海)SMOKE2019-09-01_9198.JPG

▽ 木暮真一郎(超)SMOKE2019-09-02_8980.JPG

 

◆ about『SMOKE』 ◆

李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル。
イ・サンは、才気ほとばしる作風が讃えられる一方で、その独自性と難解さゆえに酷評もされた、両極端の天才詩人。結核をわずらった後、日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で27歳の若さで亡くなります。

このミュージカルでは、彼の精神世界を謎めいた筆致で描き、誰も想像できなかった物語が繰り広げられます。
登場人物は、
 詩を書く男「(チョ)」、
 海を描く者「(ヘ)」、
 心を覗く者「(ホン)」
の3名のみ。 俳優の実力も問われる、スリリングな作品です。


★インタビュー中、一部ストーリーの展開に触れています。ご注意ください。
 

大山真志木暮真一郎 INTERVIEW ◆

 

●上演回によって印象が変わる『SMOKE』。まずはこの日の公演の感想戦から...

 
―― 今日の大山さんの「海」はちょっと大人っぽくみえました。
※このインタビューは木暮超、大山海、池田紅の組みあわせの公演後に行われました。

大山「ああ、そうです、そうです」


―― それは今日の気持ちですか? それとも木暮さんの「超」や池田さんの「紅」との相性ですか?

大山「昨日も同じチームだったんですよ。昨日はもうちょっと大人っぽく作って、今日はそれよりは少し幼く「海」を作ったんですが。ありがたいことに、この連載で共演のみんなとマンツーマンでじっくりお話できる時間が増えたことで、自分でも改めて考えるきっかけになっています。今日もこぐ超(=木暮)の「超」とだったら、ゆっこさん(=池田有希子)の「紅」とだったら、こういう方向でもいけるんじゃないかな? ってところからスタートした「海」でした。...昨日はもうちょっと、(超と海が)友だちっぽかったよね」

木暮「そうですね。でも僕はマーシーさん(=大山)をめちゃくちゃ信頼していて。なんといっても去年の初演をシングルキャストで「海」を演じていらした、"大きな幹" 感がすごくあって。もう、何千年の大木だ!? みたいな(笑)。ついつい甘えちゃうんです。だからそれが出ちゃって、マーシーさんの「海」の前だと余計に自分の「超」は若くなってしまう。昨日はそれで、若くなりすぎてしまったところがあったので、今日はもうすこし「超」として「海」を引っ張ろうとしました」
 
 
―― ただ、その木暮さんの「超」の、ちょっと若く見えるところから、逆にピンと張り詰めた危うさも感じます。ほかのふたりの「超」とも全然違って面白い。...ところで普段から大山さんは木暮さんのことを「こぐ超」って呼んでいるんですか?

大山「そうです。超はもちろん役名の「超」です」
 
 
―― この作品を卒業しても大山さんは木暮さんをその呼び名で呼ぶんでしょうね、まさに出会いの作品ですね。

大山「そうでしょうね~」

木暮「ふふふ(笑)」

▽ 木暮真一郎(超)SMOKE2019-09-12_8627.JPG
▽ 大山真志(海)SMOKE2019-09-11_9201.JPG

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.8■
 
 
昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽でたちまち話題となり、多くの熱狂的ファンを生み出したミュージカル『SMOKE』
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされたミュージカルで、たった3人のキャストが、ミステリアスで奥深い世界を作り上げていきます。

初演から1年で早くも再演となった『SMOKE』ですが、今年は6月の池袋・東京芸術劇場バージョンを経て、いよいよ7月25日に初演の地・浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンが開幕しました!

浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンは、3つの役どころそれぞれがトリプルキャストです。
」...大山真志、日野真一郎、木暮真一郎
」...大山真志、日野真一郎、木内健人
」...池田有希子、高垣彩陽、元榮菜摘
※初演で「海」を演じた大山さんと、「超」を演じた日野さんは、今回は「海」「超」の二役を演じます


濃厚な三人芝居を、その日ごとのキャストが魂を叩きつけるように熱演している九劇版『SMOKE』。
そんな皆さんの開幕後のリアルな心境や、ちょっと突っ込んだ内容をお伺いしたく、インタビューを数回にわけてお届け!

初演は「海」をシングルキャストで演じ、今回は「海」と「超」の二役に挑戦中の大山真志さんをホストに、出演者の皆さんの現在の心境、作品に対する思いなどをお伺いする通称「真志の部屋」、第2弾は日野真一郎さんとの対談です。

2019年バージョンでは「海」と「超」の二役に挑戦しているふたりの、ディープな対談をどうぞ!

▽ 大山真志(超)、日野真一郎(海)SMOKE2019-08-01IMG_8388.JPG

▽ 日野真一郎(超)、大山真志(海)SMOKE2019-08-02_9129.JPG

 

◆ about『SMOKE』 ◆

李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル。
イ・サンは、才気ほとばしる作風が讃えられる一方で、その独自性と難解さゆえに酷評もされた、両極端の天才詩人。結核をわずらった後、日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で27歳の若さで亡くなります。

このミュージカルでは、彼の精神世界を謎めいた筆致で描き、誰も想像できなかった物語が繰り広げられます。
登場人物は、
 詩を書く男「(チョ)」、
 海を描く者「(ヘ)」、
 心を覗く者「(ホン)」
の3名のみ。 俳優の実力も問われる、スリリングな作品です。


★インタビュー中、一部ストーリーの展開に触れています。ご注意ください。
 

大山真志日野真一郎 INTERVIEW ◆

 

●「超」と「海」、どっちが大変?

 
―― 初演は大山さんが「海」、日野さんが「超」を演じ、この再演ではふたりとも「海」と「超」の二役に挑戦しています。おふたりの対談は初演の時にもやっていて、その時も「大変な作品」とお話していたかと思いますが、大変さが2倍になったのでは。

大山「ひとつ言っていい?......「思い知ったか」って思ってるよ(笑)。キツイよね!? 「海」やったあとって、プール上がったあとの感覚に似ているよね、小学校とか中学校の」

日野「本当にそう思う...」
※このインタビューは日野さんが「海」、大山さんが「超」をやった公演のあとに実施しました
 
 
――「海」の方が大変ですか?

大山「百倍くらい大変!」

日野「俺は...体力的には「海」の方が大変だけど、精神的にキツイのは「超」だな。「超」をやるとちょっと病んじゃうもん...。苦しみや苦痛を全部背負っているから。俺の「超」の作り方が特にそうなんだと思う」

大山「まじかー。ちょっと意外」

日野「もちろん「海」は出ずっぱりで、そういう意味では大変なんだけどね。「超」は、ひきずる。家に帰っても「はぁ...」ってなっちゃう」

大山「俺の場合は、俺の「海」の作り方かもしれないけれど、結局「超」も全部「海」なわけで。だから、「全部自分のせいだ」って背負い込むのが「海」だと思っていたから。やっているときの精神面では、そこが一番くるかな。あと「超」は「紅」に甘えられるところは甘えられるってのもある」
 
 
―― 日野さんは二役やるのは初めてですか?

日野「初めてです」
 
 
―― 楽しいですか?大変ですか?

日野「いや、今は楽しいです。でも稽古中は僕、本当に毎日 "プール上がり" でしたね(笑)。もちろん、一度「超」をやっていたので、初めて作品に挑むよりは免疫はついていたと思うんですが。でも最初に「海」をやっていたほうが、理解するのは早かったのかな。どうなんだろう(笑)」

大山「どうだろうね。ただ俺は、いま「超」をやっていて、「海」の時に思い描いていた、こうであってほしい「超」像を演じている感じなの。そういうところない? 自分の思い描いていた「海」像を投影してやっている、みたいな」

日野「あー、なるほどね。どうかなあ...。でも自分が二役やることで、「こういえば刺さるな」「こう言えば超はなびくな」というのがわかる。二役やる良さはそういうところにあるなと思います。前回「超」だけをやってた時は、あくまでも「超」としてしか反応していなかったから。逆に言えば、あの時のこの言い方ではたぶん「海」には伝わってなかったな、とか、けっこうある。今回はそこをなくしてやれていると思う。でも相手によっても、日によっても違うから、毎日同じ言い方をしてももちろんダメだし。ただ、根本的なものがわかれば、それをベースに「今日はこっちの方向でいってみよう」とか、そういうセッションが出来ますよね。だからいま、二役やれてすごく楽しいです」
 
 
―― 大山さんは逆に、前回はシングルキャストで「海」をやっていらした。俺だけの「海」だったのに...みたいなところはないでしょうか(笑)。

日野「いやあるよ、絶対あるでしょ(笑)!」

大山「あーーー...、でも今回「海」役が3人になりましたが、それこそひとりでやっていた時は、作品自体を俯瞰的に見れなかったんですよね。そういう意味でも作品への向き合い方が変わったし、今回、ひとのやる「海」を見て、やっぱり自分にないものや表現方法を学べてよかった。...悔しいと言えば悔しいですけどね(笑)! でも、今回の37公演、シングルでやれって言われたら「無理です!」って言うと思う(笑)」
 
 
―― でも前回、全36公演をひとりでやっているじゃないですか。

大山「いや、これは正直、いまだから言える話ですけど、15公演目くらいで「死のう」って思いました(笑)」

日野「ははは! 頑張ったよね~」

大山「本当にもう辛くて。体力的はぜんぜん大丈夫だし、俺、たぶん風邪ひいても、明日死ぬような病気だったとしても『SMOKE』は絶対やるって言ってると思うんですけど。でものど的に辛かった...。前回は正直、自分ののどが持つか、持たないかってところで戦っちゃっていた部分がある。これだけたくさんの人に来ていただいて、しかもすごく作品を愛してくださるお客さまが多く、この劇場で同じ時間を共有したいと思ってくださっている方たちに対して、その状況が申し訳なくて。今回は1日1公演全力投球でお客さまと向き合ってやれている、見ている方の心に響くか、響かないかってところで勝負できている。役者として幸せなことだと思いながらやっています」

日野「いやー本当、よくやったよね、ひとりで。えらかったよねー。だってこの前、「本番を初めて観る」って言ってて! 今までいっぱい機会あったじゃんって言ったら「シングルだったから、観れなかったんだよ...」って」

大山「そうなんです。初めて客席から『SMOKE』を観て、楽しい~!って思いながら(笑)」
 
 
―― どうでしたか? 初めて観た『SMOKE』の感想は。

大山「あの...人がのたうちまわってる姿って楽しいなって思いました(笑)」

日野「わははは!」

大山「でもその姿に心打たれるんだよ。伝えたいことがあるじゃない、やっぱり。大劇場の良さもあるけれど、この(浅草九劇の)距離だから伝えられるものがある。本気でもがき苦しんでいる人間の姿を伝えられるって、なかなか贅沢な空間だなって思いました」

日野「みんな全力でやってるから、伝わるものがあるんだよね」

大山「あとは、お客さんがどこで何を感じ取っているのか、というのは、やっぱり演じている側では把握しきれていない部分もあって。それを肌で感じて、感動しました。嬉しかった」
 
 
―― 前回やっていた大山「海」、あるいは日野「超」に影響されちゃったり、引っ張られちゃったりする部分はないですか?

大山「芝居はあまりないけど...歌が(笑)!」

日野「そうだね(笑)」

大山「前回やってた譜割と今回の譜割が実はちょっと違っていて、これは前回のインタビューでもお話したのですが、前回歌っていた「海」のメロディは実は「超」のメロディだったりするので。それをオリジナルのパターンに戻した今回、もう、ぐちゃぐちゃになっちゃって...」

日野「自分のパートがわからなくなったり、同じ歌でも(役によって)歌詞が違うので、混乱する(笑)」

大山「相手のセリフ言っちゃったり。そこは大変でした(笑)」

▽ 大山真志(超)、日野真一郎(海) SMOKE2019-08-21_8163.JPG

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.7■
 
【開幕ニュース】

ミュージカル『SMOKE』が7月25日(木)、東京・浅草九劇で開幕する。3人の俳優のみで、ひとりの天才詩人の苦悩と葛藤をドラマチックに描き出すミュージカル。昨年日本初演され、その濃密な世界がまたたく間に話題となったが、今年は6月の池袋・東京芸術劇場バージョンに続き、初演の地・浅草九劇に再登場。大山真志、日野真一郎ら日本オリジナルキャストを中心とした若手実力派俳優たちが、魂の叫びを聴かせる。7月23日に行われた最終稽古及びプレビュー公演を取材した。SMOKE2019-07-01_8338.JPGSMOKE2019-07-02_8795.JPGSMOKE2019-07-03_9405.JPG


物語は、20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされた内容。「海へ行きたい、その資金を手に入れたい」とふたりの青年・超(チョ)と海(ヘ)が、三越デパートの令嬢だという紅(ホン)を誘拐してくるところから始まる。ミステリアスな物語はやがて、自分の才能に絶望し、苦悩し、その中でもひと筋の光を掴もうとするひとりの天才詩人の内面を描き出していく......。予想もつかない方向へ物語が転がる面白さに加え、すべてが明かされるわけではない余白もあり、その奥深さが中毒者が続出する要因のひとつでもある。

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.6■
 
 
昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽でたちまち話題となり、多くの熱狂的ファンを生み出したミュージカル『SMOKE』
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされたミュージカルで、たった3人のキャストが、ミステリアスで奥深い世界を作り上げていきます。

初演から1年で早くも再演となった『SMOKE』ですが、今年は6月の池袋・東京芸術劇場バージョンを経て、いよいよ7月25日に初演の地・浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンが開幕しました!

浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンは、3つの役どころそれぞれがトリプルキャストです。
」...大山真志、日野真一郎、木暮真一郎
」...大山真志、日野真一郎、木内健人
」...池田有希子、高垣彩陽、元榮菜摘
※初演で「海」を演じた大山さんと、「超」を演じた日野さんは、今回は「海」「超」の二役を演じます


濃厚な三人芝居を、その日ごとのキャストが魂を叩きつけるように熱演している九劇版『SMOKE』。
そんな皆さんの開幕後のリアルな心境や、ちょっと突っ込んだ内容をお伺いしたく、インタビューを数回にわけてお届け!

初演は「海」をシングルキャストで演じ、今回は「海」と「超」の二役に挑戦中の大山真志さんをホストに、出演者の皆さんの現在の心境、作品に対する思いなどをお伺いしていきます。

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シリーズ初回は大山真志さんと「紅」役の池田有希子さんの対談です。
満席の客席の中、大盛り上がりに盛り上がった公演直後にお話を伺いました。

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◆ about『SMOKE』 ◆

李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル。
イ・サンは、才気ほとばしる作風が讃えられる一方で、その独自性と難解さゆえに酷評もされた、両極端の天才詩人。結核をわずらった後、日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で27歳の若さで亡くなります。

このミュージカルでは、彼の精神世界を謎めいた筆致で描き、誰も想像できなかった物語が繰り広げられます。
登場人物は、
 詩を書く男「(チョ)」、
 海を描く者「(ヘ)」、
 心を覗く者「(ホン)」
の3名のみ。 俳優の実力も問われる、スリリングな作品です。


★インタビュー中、一部ストーリーの展開に触れています。ご注意ください。
 

大山真志池田有希子 INTERVIEW ◆

 

●再演は「やりたくて仕方なかった」

 
―― おふたりは昨年の初演にも出ていた、いわば日本のオリジナルキャストですね。1年ぶりの『SMOKE』が開幕したばかりですが、まずこの再演に際しての心境は?

池田「(食い気味に)心待ちにしていました!」

大山「(笑)。俺もめちゃめちゃ、やりたくて仕方なかったですよ」

池田「この作品って、全員が、全身全霊すべて使って使って使いきるんです。満身創痍になって「もう動けない!」ってところに到達して、初めて得られるものがある。作品の構造上、どん底に到達するしかない。でもそこから上がるんです。落ちるところまで落ちたら、もう蹴りあがるしかなくて...それが最終的に多幸感に満ち溢れているんです。私たちが上がることで、観ているお客さんの気持ちも上がってくれる」

大山「そうですね」

池田「私たち、お客さまと役者との "共犯関係" ってよく言っているんですが。その関係が密になればなるほど、最後に到達できる空があります。良く書けている脚本ですし、こんな素晴らしい作品に出演できるってことは、私たち役者にとっての贈り物です。『SMOKE』は特別。だからこそ今回の再演もすごく楽しみにしていました」
 
 
―― 『SMOKE』の何がそんなに、特別なんでしょう。

大山「飾らなくていいんですよね」

池田「"マッパ" です」

大山「そうですね。僕らよく話しているんですが、真っ裸にならないと嘘になる。もともと舞台芸術って、嘘のものを本物に見せるものなんですが、でもこれはそうじゃない...もう、僕ら自身が丸裸にならなきゃいけないんです」

池田「お芝居って、自分ではない入れ物(役)を借りてやっているのに、やっぱり "自分" を使わないとダメなんです。この作品で描かれている李箱は芸術家であって、そこは我々も同じ(俳優という芸術家)じゃないですか。その彼が悶々と、自分の作品が認めてもらえず死んでしまいたい...と苦悩する姿は、自分の芝居が認めてもらえないという気持ちに繋がります。その気持ちは死ぬ気で、本心から掴まないと」
 
 
―― 芸術に携わるものとして、コアな部分に共感する...ということでしょうか。

池田「しますね~。しかも彼は志半ばで亡くなっていますから。実際の彼が死ぬ間際に、私たちが劇中で歌う最後のナンバーのような到達点までいけていればとても嬉しいのですが...。でも、たぶん、そうじゃなかった気がするんです。ものすごい失望とともに亡くなった方なんじゃないかなと思っていて。だからこそなおさら、ラストの曲は空高く飛ばしてあげたいとも思います」

▽ 大山真志(超)、池田有希子(紅)smoke6-07_8417.JPG 

井上芳雄さんがホストを務め、日本ミュージカル界のレジェンドたちをゲストにトークをする「レジェンド・オブ・ミュージカル」

鳳蘭さんをゲストに迎え、6月23日に開催された「vol.4」のレポートをお届けします。
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このシリーズは井上さんが「昨今ミュージカルブームと言われて久しく、東京に限らず様々なミュージカルが上演されています。ありがたい状況なのですが、逆に言えばなぜ今、こういう状況なのか? と考えます。才能ある若いミュージカル俳優もどんどん出てきていますが、未来を考えるためには過去を知らないといけない。日本のミュージカルの創生期はどういう雰囲気で、どういう方々がどんな苦労と喜びを持ってやっていらっしゃったのか知りたいと思って」と自ら企画し、はじめたもの。
その趣旨のもと、第1回は草笛光子さん、第2回は宝田明さん、第3回は松本白鸚さんをレジェンドとして迎え、先人の苦労やエピソードを紐解いてきました。

 
そして第4回のこの日、迎えたレジェンドは鳳蘭さん。

★鳳蘭★
1964年に宝塚歌劇団に入団。1970年に星組トップスター就任。1976年『ベルサイユのばら』、1977年『風と共に去りぬ』など今に続く名作に主演し、1978年に宝塚退団。

その後1980年に『ファニー・ガール』で東宝作品に初出演、今年も冬にミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の出演が控えており、40年にわたり第一線で活躍し続けています。

 
井上さんも「とにかく "華がある" ミュージカル俳優の代表格。僕もけっこう「華がある」と言われるんですが(笑)、僕なんかの華はたいしたことないんだなと思い知らされました」と語るほどのスターであり、宝塚の"トップ・オブ・トップ"。

そんな鳳さんを迎えてのトークは、名MC・井上芳雄ですら制御不能!? な、爆笑の鳳蘭劇場となりました。
 


 
● スター星のもとに生まれたふたり!?

 
鳳さんのプロフィールを紹介した後、ご本人を呼び入れた井上さんに対し鳳さん、第一声は「お話上手ですね! 美貌があってスタイルも良い、歌うまい、お芝居うまい、お話上手。悪いところ、なに!?」
対して井上さん「悪いところ...ちょっと口が悪い?」

...と、しょっぱなから「新たな名コンビ誕生か!?」という掛け合いを見せてくれるおふたりですが、これまでに共演経験はなく、この日がほぼ「初めまして」状態だそう。
ただ鳳さん曰く、「文学座にいってる下の娘(女優の荘田由紀さん)があなたのすごいファンなんですよ。あんまり娘が『芳雄さま、芳雄さま』言うから、どんな方なんだろうと思っていて」という縁があるそうです。

井上「そうですか、お嬢さんが」

 「いい趣味しているなって思います」

井上「僕もそう思います(会場笑)(由紀さんも)素晴らしい女優さんですよね」

 「まあ、そりゃ私のDNAが」(客席大盛り上がり)

井上「謙遜というのを知らない人種ですね...! でも僕も同じ系です! それにしても、先ほど華々しい経歴をご紹介しましたが...」

 「本当に、華はあると思います(客席爆笑)。すれ違う人はだいたい、バっと振り返るんですよね。そのたびに、また私の華にやられたな~、って思って!」

開始早々、鳳さんのスター☆な人となりが炸裂です!
先に宣言しますが、この日のトーク、終始、この調子です。
その後、お互いを「芳雄ちゃん」「ツレさん」と呼び合うことが決定し...。

井上「生まれ持ってるんですね」

鳳 「私、目の前にいる人がニコニコ笑っているのが好きなんです。悲しそうにしていると、どうやってこの人を明るい気持ちにしようと思っちゃう。今日はすごくいいですよ、みなさん笑っているから。異常なサービス精神の持ち主なんですね。とにかく、前にいる人が幸せでないと嫌なの

井上「もう最初から...宝塚に入る前からそうですか?」

 「生まれつき? 子どもの頃の写真をみたら、妹がまじめな顔をしている隣で満面の笑顔でこんなことをして(↓)私が写っています。本当に...スター星(に生まれついた)?」(客席笑)

井上「あぁでも、わかります。僕もちょっと同じ星...スター星の方面の人間なので(笑)。人前に出ると、やっぱり皆さんに笑ってほしいですよね」

▽「こんなことをして」のポーズ
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鳳さんの小気味よいトークに、いつもの当シリーズでは少し緊張気味の井上さんも、今回ばかりは爆笑モード。ツッコミも冴えます!

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.5■
 
 
昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽でたちまち話題となり、多くの熱狂的ファンを生み出したミュージカル『SMOKE』
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされたミュージカルで、たった3人のキャストが、ミステリアスで奥深い世界を作り上げていきます。

今年はキャスト・劇場を変え、6月と7~8月の2パターンで上演中ですが、ひと足先に上演された"大人SMOKE"こと池袋芸術劇場バージョンを経て、いよいよ浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンも始動しています!

その稽古場を7月某日、取材してきました。
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◆ about『SMOKE』 ◆

李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル。
イ・サンは、才気ほとばしる作風が讃えられる一方で、その独自性と難解さゆえに酷評もされた、両極端の天才詩人。結核をわずらった後、日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で27歳の若さで亡くなります。

このミュージカルでは、彼の精神世界を謎めいた筆致で描き、誰も想像できなかった物語が繰り広げられます。
登場人物は、
 詩を書く男「(チョ)」、
 海を描く者「(ヘ)」、
 心を覗く者「(ホン)」
の3名のみ。 俳優の実力も問われる、スリリングな作品です。

 

浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンは、3つの役どころそれぞれトリプルキャストです。
」...大山真志、日野真一郎、木暮真一郎
」...大山真志、日野真一郎、木内健人
」...池田有希子、高垣彩陽、元榮菜摘
その組み合わせ、なんと27通り!
初演で「海」を演じた大山さんと、「超」を演じた日野さんは、今回は「海」「超」の2役を演じます
これはお稽古も大変そう!

 
その3×3×3の稽古場、どう進めているのかというと、(少なくともこの日は)シーンごとにキャストが入れ替わり、全員でリレーするように、全体を通していました。
 

メインで取材していた時間帯は、「超」=大山さん、「海」=日野さん、「紅」=元榮さんの組み合わせ。
大山さん、日野さんは初演も出演していましたが、初演とは違う役どころを演じているところをちょうど拝見できました!
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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.4■
 
 
昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽でたちまち話題となり、多くの熱狂的ファンを生み出したミュージカル『SMOKE』
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされたミュージカルで、たった3人のキャストが、ミステリアスで奥深い世界を作り上げていきます。

このミュージカルが早くも今年、再登場!
しかも今年はキャスト・劇場を変え、6月と7~8月の2パターンで上演。
つまり、今年は2バージョンの『SMOKE』を観られるわけです!

そこで現在、池袋 東京芸術劇場で上演中の〈NEW CAST〉バージョン〈海〉役である藤岡正明さんと、
7~8月に浅草九劇で上演される〈ORIGINAL CAST〉バージョン〈海〉役である木内健人さんインタビュー!
作品や役柄についてから、俳優として役に向き合うことについてまで、とっても深い〈海〉対談となりました。

※〈ORIGINAL CAST〉バージョンの〈海〉は、大山真志さん、日野真一郎さん、木内さんのトリプルキャスト。

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◆ about『SMOKE』 ◆

李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル。
イ・サンは、才気ほとばしる作風が讃えられる一方で、その独自性と難解さゆえに酷評もされた、両極端の天才詩人。結核をわずらった後、日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で27歳の若さで亡くなります。

このミュージカルでは、彼の精神世界を謎めいた筆致で描き、誰も想像できなかった物語が繰り広げられます。
登場人物は、
 詩を書く男「(チョ)」、
 海を描く者「(ヘ)」、
 心を覗く者「(ホン)」
の3名のみ。 俳優の実力も問われる、スリリングな作品です。

 

藤岡正明 × 木内健人 INTERVIEW ◆

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●池袋の〈海〉と浅草の〈海〉、ふたりの関係性


―― おふたりは普段から仲が良いとか。

藤岡「つい先日もご飯食べにいきました。ずっと、飯食いにいこうよって話していたんですが、なかなかタイミングがなくて。共演としては、『グランドホテル』(2016年)が最初か。去年は『宝塚BOYS』と『タイタニック』2本一緒だったね」

木内「そう考えると、まだ3本なんですね。結構ご一緒している感じがあるのですが」

藤岡「でもそれで言ったら、付き合い自体は健人が二十歳か、21歳くらいの頃からあって。ライブを観に来てくれたんだよね? それで紹介されて、じゃあこのあと打ち上げあるから来いよ! ...みたいなところから」

木内「そうなんです。僕がまだ若い頃から知っていただいていて。すごく良くしてくださっている。兄貴です!」

藤岡「いやいや(照)」

木内「(自分を指して)舎弟です!」

藤岡「僕のおもちゃです(笑)」


―― そんなおふたりが、同じ公演ではないけれど、池袋と浅草で連続上演される『SMOKE』で、同じ〈海〉役を演じる。木内さん、藤岡さん出演の"大人SMOKE"のお稽古場にもいらしていましたね。

藤岡「何回来てた?」

木内「稽古場は、4・5回伺っています」


―― ではもう結構、作品の雰囲気や構造とかは、理解されている?

木内「それ、結構言われるんですが(苦笑)。4・5回ではまだまだ、です」

藤岡「そりゃそうだ(笑)。でも、観てみて感想はどう?」

木内「僕、去年浅草でやった初演を観て、そのあと(出演が決まって)台本をもらって、読んで、マサ君(藤岡)たちのを観た...というところなんですが。浅草で観たもともとの作品のイメージがあって、台本を読んで「こういうことなんだろうな」と思って稽古場に行ったら、まったくの別物感がありました。〈海〉にしても、マサ君がやると僕が思っていたより大人にもなるし、(初演で)大山真志君が演じていた〈海〉とも違うイメージもあるし、「わっ、僕はどうすればいいんだろう...!」って今、アタマの中で迷宮に入り込んでいます(笑)」

▽ おふたりが手にしているのは、実際に舞台で使われている「絵筆」と「ペン」。
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ピピン-3.jpg©GEKKO

「旅の彼方に探す"生きる意味"を...Got to find my corner of the sky(この空のどこかに自分だけの場所があるはず)」
志高く、一人旅にでる若者の心情を描いたスティーブン・シュワルツの名曲『Corner of the Sky』。ジャクソン5を始め、世界中のアーティストによって歌い継がれるこのナンバーこそ、ブロードウェイミュージカル『ピピン』の主役・悩める王子ピピンのテーマだということをご存知だろうか?

1972年の初演から1944公演のロングランを記録した『ピピン』。2013年にダイアン・パウルスの手によってリバイバル上演され、トニー賞4部門を受賞したこともミュージカルファンなら記憶に新しい。

そんな『ピピン』日本版公演が6月10日、東急シアターオーブにて開幕した。ピピンを演じるのは、ミュージカル界の王子・城田優。演出はダイアン自身が行い、セットもブロードウェイで使用されたもの。幕があがると同時に、目の前に広がる魔法のようなきらびやかな光景に客席は沸きに沸いた!

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©GEKKO

本作は、神聖ローマ帝国初代皇帝の息子・ピピン王子の旅と成長を描いた物語。大学を卒業した彼は、自分が特別な存在であることを証明すべく戦争に赴くが失態を晒し、生きる目的を探す旅へとむかう。享楽、陰謀、革命、焦燥、虚無...。様々な感情に翻弄される彼だったが、農場で暮らす未亡人と出会い感慨深い結末を迎える。そして、この壮大なストーリーをサーカス一座がアクロバティックに表現するのが、本作最大の魅力である。

ピピン-4.jpg©GEKKO

「この作品のジャンルは"ピピン"。ミュージカルを超えた大作です。実際にやってみないと成功するかどうかもわかりません。そこを含めてお客さんに楽しんでいただくのが、この演出の意図なんだとダイアンさんに言われました。僕の言ってる意味、見ればわかります!」

そう熱く語るのは城田優。その言葉通り、登場シーンから奇想天外! なんとサーカス一座の中央、高く掲げられた紙が貼られたフープを突き破って、輪くぐりでステージに降り立ったのだ。見事な着地を決めると会場は拍手喝采。続いて熱くて甘い『Corner of the Sky』が響きわたると、熱気は一気にヒートアップした。

ピピン-2.jpgのサムネイル画像©GEKKO

さて、そんなピピンを導く進行役、リーディング・プレイヤーを務めたのは本作でミュージカルデビューを果たすCrystal Kay。

開幕直前、城田はこう明かした。「今回、演出したのはシルク・ド・ソレイユ出身のアーティストやトニー賞を受賞したクリエイティブスタッフたち。そんな世界的権威のある人たちに、僕らはブロードウェイの上のレベルを求められたんです。僕も頑張りましたが、彼女は本当に凄いです。見事にその要求を超えてきていますから!」

その言葉は大げさではない。彼女が、フォッシースタイルと呼ばれるダンスで悩めるピピンを誘う姿は実に悩ましく、空中ブランコの上で華麗に舞い、熱唱する姿には圧倒される。そればかりか本格的なイリュージョンを次々連発するのだ。アーティストから世界的エンターティナーへ、秘めたる才能の爆発に興奮が止まらない!

さらに、見どころは続く。祖母を演じる中尾ミエと前田美波里(Wキャスト)も、空中ブランコを披露。もちろん命綱はなく、ただただ妖艶な姿に言葉を失った。そして、継母を演じる霧矢大夢の魔性のダンスにはため息が止まらず、未亡人役の宮澤エマの愛くるしさには頬が緩みっぱなしに!

ほか、チャールズ王に今井清隆、サーカスアクロバットはブロートウェイの出演者が来日し、手に汗握るパフォーマンスを繰り広げる。公演は6月10〜30日まで。以降、7月6~7日(名古屋・愛知県芸術劇場)、12~15日(大阪・オリックス劇場)、20〜21日(静岡市清水文化会館マリナート)にて上演。6月17日と22日はぴあ貸切公演も。チケット発売中。

取材・文:浅水美保

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.3■
 
 

石井一孝、藤岡正明、彩吹真央が出演するミュージカル『SMOKE』が、6月6日、東京芸術劇場 シアターウエストで開幕した。昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽に多くの中毒者が生まれた作品。大作ミュージカル常連の実力派3名で贈る今バージョンはファンの間では"大人SMOKE"と呼ばれているようで、彼らならではの力強く美しいハーモニーと、繊細かつ熱い芝居で、劇場をどこか浮遊感のある不思議な色合いに染め上げた。

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作品は、20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされた内容で、超(チョ/石井)と海(ヘ/藤岡)が、三越デパートの令嬢だという紅(ホン/彩吹)を誘拐してくるところから始まる。このサスペンスフルな誘拐劇をハラハラした気持ちで見つめていると、物語は予想もつかない方向へ。彼らは一体何者なのか? 何が目的なのか? ドラマチックな展開を見守るうちに観客は、結核をわずらった後日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で亡くなった李箱本人の心の葛藤を旅していくことになる。
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