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残暑お見舞い申し上げます。

人畜無害な相談役。三度の飯より金が好き。

ひょっとこハム二郎ことオレノグラフィティでございます。

西洋わさびをたっぷりつけたローストビーフを口いっぱいに頬張りたいハム!


先日はOFFICE SHIKA PRODUCE「竹林の人々」にご来場誠にありがとうございました!

大阪公演も全日程終了し、幸せなまま幕を下ろせたようです。

でもまだ終わらない!

俺たちの戦いは、これからだ!!

<鹿殺し先生の次回作にどうぞご期待ください。>


というわけで劇団めばち娘旗揚げ公演「ツチノコの嫁入り」のお稽古がもう始まったみたいです!

また音楽をばりばり作るのですよ!

そして役者としては今月25日から虚構の劇団「ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG 〜スナフキンの手紙Neo〜」に出演なのです!

その忙しさ師走のごたる!

というわけで僕は相棒であり先輩である入交星士を頼るのであった。

この人!


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仮面の下にはネット弁慶のナイーブな素顔が隠されております。

口をアナーキーにアナーキーに尖らせながら、鼻歌交じりで曲を作ってくれる事でしょう。

俺も色んな者を尖らせていくぞ!鉛筆とか!


あ、そうそう。「ツチノコの嫁入り」のアフタートークが決まりましたよー!

9月18日(金)19時の回:田口トモロヲ×丸尾 丸一郎

9月19日(土)19時の回:山本裕典×菜月チョビ

9月20日(日)14時の回:阿部丈二×菜月チョビ

9月22日(火/祝) 19時の回:峯田和伸×丸尾 丸一郎


俺も出たかったんですけど、「ホーボーズ・ソング」で東京を離れてさすらっているため、気持ちだけ参戦!

あ、虚構の劇団のアフタートークには出演するのでそちらも是非!


8/27(木)19時〜の回:根本宗子 × オレノグラフィティ × 小沢道成 × 鴻上尚史

根本宗子と鴻上さんとミッチーというこの一年間、公私ともに仲良くしてくれた御三方とのアフタートークです。

グータンヌーボーみたいな話ができるかもね。


さ!雨にも負けず深淵の魔王にも負けず、がむばる!

そういう人に、俺はなる!(ドン!)

またね〜。

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劇団めばち娘 旗揚げ公演「ツチノコの嫁入り」

2015/9/17(木) ~ 2015/9/27(日)

CBGKシブゲキ!!

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氷点下の恐怖! 岡田将生&勝村政信が贈るホラー芝居

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岡田将生勝村政信が英国ホラー演劇の傑作に挑む話題作『ウーマン・イン・ブラック〈黒い服の女〉』が8月7日(金)に東京・PARCO劇場にて開幕する。開幕を目前に控えた6日、舞台稽古が報道陣に公開されるとともに、岡田と勝村が意気込みを語った。 
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中年の弁護士が、かつて体験した恐怖体験。それは顧客の遺産整理のために訪れた田舎町の屋敷で出会ったもの。今でもその影に悩まされる彼は、若い俳優を雇い、忌まわしき過去を"劇"の形で再現していくことで、その恐怖の呪縛から逃れようとするが......。ロンドンでは今年27年目を数えるロングランを続け、世界でも40余国で上演されている大ヒット作。劇中劇をたくみに利用した構造、照明や音響から直接肌に感じる恐怖に加え、何よりも観客の想像力によって恐怖が倍増されていく、演劇ならではのホラー作品だ。日本では1992年より上演を重ね、今回で7度目の上演。両役とも新キャストとなったが、若い俳優を演じる岡田の爽やかな素直さ、中年弁護士を演じるベテラン勝村の手練れた老獪さのコントラストが、物語の行く末を謎に満ちたものにし、ビビッドな恐怖を生み出した。 
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会見では、岡田が「今日(舞台稽古で本番用の)照明を全部当てて演じましたが、めちゃくちゃ怖かったです。(結末を)知っているのに怖い。知らなかったらもっと怖い」と語り、勝村も、客席での体感気温は「氷点下でしょうね! 地球全体が凍ってしまうという"全球凍結"に近い瞬間がある」と、そのホラーぶりをアピール。 

また舞台出演2作目で、ふたり芝居という難易度の高い作品に出演する岡田は「舞台での立ち方、しゃべり方、一から勝村さんが教えてくださった。色々なことを吸収して、この『ウーマン・イン・ブラック』で成長した姿を勝村さんに見てもらいたい。先輩の足をひっぱらないよう一生懸命くらいつきたい」と意気込み。その岡田を勝村は「将生君は過剰なことをせず、シンプルに色々な表現ができる人。僕ら年配者はどうしてもちょっとずつエンターテインメント寄りに作ってしまったりするので、僕としても勉強になった。...ご覧になってわかるように、身長も顔も、基本的に何も、言うことはないですよね...」と、高く評価している模様。そんな息のあったふたりが生み出す恐怖の物語で、この猛暑を少しひんやりさせてみては。 

公演は8月7日(金)から30日(日)まで同劇場にて。その後愛知、新潟、大阪でも上演される。チケットは発売中。


初日直前 囲み取材レポート


ひと足先に<チケットぴあニュース>にてお伝えした、『ウーマン・イン・ブラック〈黒い服の女〉』の開幕ニュースですが、げきぴあでは初日前日にあたる8月6日に行われた、岡田将生さんと勝村政信さんの囲み取材のレポートをもう少し詳しくお届けします!


――明日初日を迎えるにあたっての意気込みを。

岡田「先輩の足をひっぱらないよう一生懸命くらいついて、本番のこの一ヶ月を乗り越えたいなと思います。ふたり芝居で掛け合いも面白いですし、そこから来る恐怖もあるので、ぜひ劇場にきていただけたら嬉しいです」

勝村「この作品はロンドンでもいまだにロングランされていますし、日本でも長い期間上演されてきているもの。先輩たちの作り上げた素晴らしいものに、泥を塗らないようにしていきたい。ふたりでずっと夏を味わうことなく頑張ってきましたので、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います」
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■『トロイラスとクレシダ』vol.7■


男女の愛と裏切り、そして国と国の戦いの物語、『トロイラスとクレシダ』
シェイクスピア戯曲の中でも"問題劇"と呼ばれ、上演機会も非常に少ないこの作品に、演出家・鵜山仁と、浦井健治ソニン岡本健一渡辺徹吉田栄作江守徹ら名優たちが挑み、先日千秋楽を迎えた東京公演も、大評判&大入りとなっていました。

げきぴあではキャストインタビューや演出の鵜山さんのインタビュー、会見レポート等、その魅力を多角的に追っていますが、今回は、シェイクスピア研究者であり、本作の翻訳も手がける小田島雄志さんを講師に迎え開催された朝日カルチャーセンターの講座「『トロイラスとクレシダ』と現代」の模様をご紹介。
ゲストは演出の鵜山仁さんと、主演の浦井健治さん!
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講義では、作品を深く味わえそうな、非常に興味深いお話がたくさん飛び出していました。

講義ということでしたので...受講ノート風にレポートしましょう。
以下、小田島先生のお話の要約です。


●問題劇とは何か(小田島さん)

シェイクスピア作品の中で、男女の名前を重ねたものを題名としているものは
『ロミオとジュリエット』『アントニーとクレオパトラ』『トロイラスとクレシダ』
の3本のみ。
前者ふたつははっきりとした"ラブ・トラジェディ"、愛の悲劇ですが、『トロイラスとクレシダ』だけ分類が難しく、19世紀頃から"問題劇"と言われています。

悲劇とは、主人公が死ねばだいたい悲劇になります。
トロイラスもクレシダも最後まで死なないので、愛の悲劇というのはあてはまらない。

一方でヨーロッパの演劇界で"問題劇"と言えば、だいたいがイプセンの問題劇を指します。
社会問題を扱った芝居を"問題劇"と呼ぶ、というのが演劇界の常識。
ただし、シェイクスピアで言うところの"問題劇"は少し違う。

「僕自身が一番わかりやすかったのは、あらゆる芸術家というのは、いい芸術作品を作りたいという欲望をもつ。絵描きはいい絵を描きたいし、作曲家はいい曲を作りたい。劇作家もいい芝居を書きたい。それぞれ芸術家としての意識がある。
ところが、芸術家といっても人間なので、人間として生きている以上、色々な問題に遭遇する。
その時に、芸術家としていい作品を作りたいという意識と、人間とは何かという問題意識と、どちらが上回るか。
シェイクスピアも、人間としての問題をどう考えればいいのかということを考えた。
そしていい作品を書こうという欲望を抑えて、それ以上に人間とは何かを考えたくなったのが、問題劇。いい作品を書くよりも、仮に作品としてめちゃくちゃになっても、問題を強く打ち出していく。
シェイクスピアの問題劇とはそういう性質のもの、というのが僕には一番わかりやすい」と小田島さん。
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『夜への長い旅路』麻実れいインタビュー

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ノーベル賞作家でもある、アメリカを代表する偉大な劇作家、ユージン・オニールの『夜への長い旅路』がこの秋上演されます。
"演劇史上最高の自伝劇"と呼ばれる本作は、ユージン自身の凄まじい家族関係を赤裸々に描いたもの。
オニール自らが「涙と血で刻みつけた、古い悲しみの原稿」と記し、死後25年間は発表することを禁じたほどの作品です。

キャストもこの傑作に相応しく、実力派の俳優たちが揃います。

麻薬中毒の母・メアリーに麻実れい
かつてシェイクスピア俳優であったが近年は金のために商業演劇で同じ役ばかりを演じている父・ジェイムズは、益岡徹
酒に溺れ自堕落な生活を送る兄・ジェイミーに田中圭、そして肺結核に冒された弟・エドマンド(オニール自身)に満島真之介

さらにこの戯曲を、2010年の『おそるべき親たち』以降、手がける作品すべて大きな話題となっている気鋭の演劇人・熊林弘高が演出します。

このキャスト・スタッフのお名前を見ただけでも、素晴らしい演劇体験が出来そうな、そんな予感がひしひしとしてきます!


この作品でメアリーを演じる麻実れいさんにお話を伺ってきました。


◆ 麻実れい インタビュー ◆

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"ユージン・オニール"には、到底近寄れない何かがある


――『夜への長い旅路』はアメリカ近代文学の巨匠、ユージン・オニールの自伝劇です。まず最初に戯曲を読まれて、どんな印象を受けましたか?

「つい先日、ラフな本読みをして、まだ"ほんのはじまり"なのですが(※取材時は7月上旬)。出版されている翻訳本で読んだ時は、あまりのセリフの多さと、古い言葉が多かったので、大変だなと思いました。でも今回、木内宏昌さんが新たに翻訳されて、いま暗記する作業に入っているのですが、どんどんこの作品に惹かれています。
やはりユージン・オニールという響きは...先日やった『海の夫人』(今年5月、新国立劇場)のイプセンもそうなのですが、自分の中で、進んでは入らなかった気がするんですよね。例えばシェイクスピアだと今までも何作か出演していますし、すんなり入れるのですが、オニールやイプセンはもっと"離れた"印象で、何か異質の圧力みたいなものを感じていました。でも今回、今まで外から抱いていた印象と、脚本の中に入って少しずつ物語を感じている今とでは、全然違うなと感じました。やはり作品の大きさ、そして作品の持つ豊かさ、深さがすごいなと思いますし、今この作品に出会わせていただいたことに感謝をし、緊張していますが、なんとか素敵な作品として皆様の前にお出ししたいな、という気持ちがどんどん強くなってます」


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恐怖!寝汗に次ぐ寝汗!
自宅にクーラーがないので今年の夏はデトックスサマーと決めておりますオレノです。
毎朝五時半には暑さと日差しで目が覚めるという高齢者的生活!
あばばばば。ばあ。

でも汗とよだれ垂らして白目剥いてるばやいじゃないんです。
作曲最後の追い込み中のOFFICE SHIKA プロデュース「竹林の人々」はもうすぐ開幕ですし、
お稽古始まりたての虚構の劇団「ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG 〜スナフキンの手紙Neo〜」は東京大阪四国を回る楽しいツアー公演ですし、
9月5日に映画公開を控えた、OFFICE SHIKA×映画「ピース オブ ケイク」劇団めばち娘旗揚げ公演「ツチノコの嫁入り」もいよいよ動き出しましたし、
あー!!!!長い!!!!

一応全部URL貼っときますねー。
うふふ。ワンクリック詐欺のよう!!

竹林の人々 特設サイト:http://shika564.com/chikurin/
虚構の劇団HP:http://kyokou.thirdstage.com
ツチノコの嫁入り 特設サイト:

特にめばち娘はヴィジュアル公開もしたのですけど、見てこの画像。

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あの台風の中撮影したらしいのですが、ジョージ朝倉先生の漫画の中から呼ばれて飛び出て来たかのような2.5次元っぷり。
天ちゃん役の山本裕典さんは色気が半端ねーし、千葉役の阿部丈二さんの曲者感も圧巻だし、
劇団員とオーディション合格者の皆さんの多彩さも相まって、サイケでポップでディープな作品を作ること必至。
面白くなる予感しかないのだすよ。
もちろん映画「ピース オブ ケイク」もめちゃくちゃ素敵なので、二つ合わせて見るのが良いのだす!
ダスキン!うるさい!!!

さ!「エキセントリック少年ボーイ」みたいな音楽作るぞー!
したらな!!

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●OFFICE SHIKA PRODUCE「竹林の人々」
2015/7/30(木) ~ 2015/8/9(日) 座・高円寺
12015/8/13(木) ~ 2015/8/16(日) HEP HALL

●劇団めばち娘 旗揚げ公演「ツチノコの嫁入り」
2015/9/17(木) ~ 2015/9/27(日)
CBGKシブゲキ!!
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30-DELUX『新版 義経千本桜』本読み稽古レポート

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30-DELUX(サーティーデラックス)の新たな挑戦、歌舞伎三大狂言のひとつを斬新に再構築する『新版 義経千本桜』
先日レポートした<顔合わせ>に続き、<本読み>稽古の様子も取材してきました!
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『新版 義経千本桜』、これまでもご紹介していますが、源平合戦の時代が舞台で、平氏を滅ぼした源義経が主人公。
勝利大将でありながら兄・頼朝から謀反を疑われている義経が、その追っ手を逃れながら、壇ノ浦の戦いから逃れた平氏方の大将たちの行く手を探す中で起きる様々な物語を描いていきます。
この源平の戦いは当の武士たちのみならず様々な階級にも影響は及び、朝廷・武士・庶民、そして人外のモノ...多様なドラマが生まれるのです。

<本読み>は各演者が座ったままで自分の役のセリフを読み進めていくのですが、30-DELUXの場合、演出助手さんが<ト書き>の部分を読む形で進めていくようです。
そしてこの脚本、その<ト書き>の部分までカッコいい!
体言止めの多い、淡々とした言葉が、逆に雰囲気を盛り上げ、時代ものならではの熱量を伝えていきます。
これは...テンション上がります!!

そんな、いかにもカッコいい雰囲気の中、義経役=水夏希さんの凛々しい声がさらにカッコよく空間を切り裂きます。
アルトの落ち着いた声で語られる七五調のリズムが心地よく、「されど」とか「ならぬ」とか、時代劇ならではの言葉遣いも、ピシッと決まります。
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30-DELUX『新版 義経千本桜』顔合わせレポート

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迫力の"アクションプレイ"で魅せ、"笑って、泣けて、考えさせられて、かっこいい"演劇を作り出している30-DELUX(サーティー・デラックス)の新作、『新版 義経千本桜』
歌舞伎でもおなじみの演目を斬新な解釈で再構築、オリジナルのストーリー展開も織り交ぜ、30-DELUXらしいスペクタクルな歴史劇を描き出します。

主人公・義経は、元宝塚トップスター水夏希

この注目作の<顔合わせ>現場を取材してきました!
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顔合わせとは、稽古はじめに、キャスト・スタッフ・関係者一同が顔を揃えるイベントです。
出演者を中心に、こんな感じで進められています。
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音楽劇『ライムライト』稽古場レポート Part2

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■音楽劇『ライムライト』vol.3■


石丸幹二ら名優たちの手でチャップリンの名作が蘇る、音楽劇『ライムライト』
げきぴあでは顔寄せ、本読み稽古とご紹介していますが、もう少し日にちが進んだ稽古場にもお邪魔してきました!



この日公開されたのは、ちょうど前回・本読み稽古の記事でご紹介した冒頭のシーン。
名曲『エターナリー』も美しく響いています。
演出の荻田浩一さんが豊かな語彙で語っていた情景が、立体的になっているのがダイレクトに伝わってきます!
作品が息づき、動き出していく段階を目の当たりにするのは、ワクワクしてしまいますね。


物語は、石丸幹二さん扮する老芸人カルヴェロと、野々すみ花さん扮する足が動かなくなった若きバレリーナ・テリーの恋が軸ですが、1910年代のロンドンの暗い世相、舞台芸術へ情熱をかける人々の思い、といったものが複層的に織り込まれた作品になりそう。
そしてやっぱり、古き良き時代の映画のような、ノスタルジックな手触りがどこかにあります。

カルヴェロを演じる石丸さんからは、そんな"ノスタルジー"が、伝わってくる気がしますし...
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テリー・野々さんは、透明感があるとともに、なんだか悲しみも湛えているようで。
前回、荻田さんが話していた「行き場のないふたりが出会ってしまった」という切なさがある、ふたりなのです。
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■『トロイラスとクレシダ』vol.6■


トロイ戦争を背景に、さまざまな人々の思惑や駆け引き、そしてトロイの王子トロイラスと神官の娘クレシダの愛と裏切りを描く『トロイラスとクレシダ』
シェイクスピアの問題作と呼ばれるこの戯曲にこの夏、演出家・鵜山仁と名優たちが挑みます。

げきぴあではキャストインタビューや会見レポート等、この作品の魅力を多角的に追っていますが、今回は演出を手がける鵜山仁さんのインタビューをお届けします。

休む間も無く傑作を生み出し続けている鵜山さん。2015年だけでも『リア王』(文学座アトリエ)、『ペリクリーズ』(加藤健一事務所・本多劇場)、『小林一茶』(こまつ座・紀伊國屋ホール)、『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(ロズギル上演委員会・OFF・OFFシアター)、『廃墟』(劇団文化座+劇団東演・東演パラータ)、『トロイラスとクレシダ』(世田谷パブリックシアター+文学座+兵庫県立芸術文化センター)、『マンザナわが町』(こまつ座・紀伊國屋ホール)、『桜の園』(新国立劇場)...と、演出作は8本も!

この中にもシェイクスピアが3本ありますが、これまでにもシェイクスピア作品を数々手がけている演出家でもあります。
そんな鵜山さん、会見で本作の上演の意図を次のように話しました。
「基本的に愛とか信義とか名誉とか、良きものが壊れていく時、どのくらいのエネルギーを出すかというのが見どころだと思っています。崩壊エネルギーを極大に感じられた時、おそらくそこから先、崩壊後を生きるために何が必要か、何が支えになるのか...そのあたりを描いた作品なのではないか。
実に様々な価値観が混在し、衝突する。そういう混沌の中からどんな未来が見えてくるのか。これは現代を生きる我々の問題でもあるし、その辺にも触れることができたら」

※詳細はこちらの会見レポートにてどうぞ。

インタビューでは、『トロイラスとクレシダ』という作品の魅力から、鵜山さんが考える"演劇のチカラ"まで、じっくりと伺ってきました。


◆ 鵜山仁 ロングインタビュー 

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――まず最初に、なぜこの物語をやろうと思われたのかを教えてください。

「外枠の話をすれば、僕は文学座に所属しているのですが、一方で劇団外でも色々な出会いがあり、今に至っている、ということがあります。(世田谷パブリックシアター、兵庫県立芸術文化センターのような)公共劇場はそういう、様々な出会いを画策することができる場であり、それが実現する場所ですから、今までの出会いの集積を思い切って"ぐしゃっとした形"で実現したいなと思っています。
似たような例で言えば、新国立劇場で『ヘンリー六世』(2009年)、『リチャード三世』(2012年)の上演がありますが、それは一応、百年戦争、薔薇戦争期という流れの中でのストーリー展開でした。これをさらに"ぐしゃっと"クラッシュさせたような世界を、世田谷パブリックシアターの舞台に乗せられればいいな、と。この作品には、村的な世界観と町的な世界観――地方とインターナショナルの衝突といった問題も内在している気がします。世田谷区の道のように...とは言いませんが(笑)、スケールとしてもロケーションとしても、この劇場でやるのは面白いと思っているんですよね」


――地方とインターナショナル、というのは、トロイとギリシャ、ということですよね?

「はい。世界史的な意味でも、ギリシャは都市国家の集まりで、色々な利害が入り混じった、言ってみれば多国籍軍。トロイ側も色々な都市が集まって様々な利害のぶつかり合いがあったという説もありますが、小アジアの一国家です。それは、ちょうどいま中東で起こっていることとダブるところもありますよね。そもそも人間の対立・戦いを考えた時、必ず村かか...という争いはあったと思いますし、現在もそういうものを引きずっていまだ究極の解決は見ていない。そういった永遠の課題がこの作品には含まれているのではないかなと思っています」

音楽劇『ライムライト』稽古場レポート Part1

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■音楽劇『ライムライト』vol.2■


チャップリンの名作が舞台の上に蘇る...。
不朽の名作映画『ライムライト』が世界で初めて、音楽劇として舞台化されます。

落ちぶれた老芸人カルヴェロと、足が動かなくなった若きバレリーナ・テリーの心の交流を中心に、1914年ロンドンの世相、舞台人たちの舞台へかける思い...等々が描かれていく、美しい物語。

この物語を紡ぎだすのは、演出家・荻田浩一と、8人の俳優たち。
チャップリンが演じたカルヴェロは石丸幹二テリーは野々すみ花
さらに良知真次吉野圭吾植本潤保坂知寿佐藤洋介舞城のどか という確かな技術を持つベテランが揃います。

今回は、先日お伝えした<顔寄せ>のあとに行われた<本読み稽古>の模様をお届けします。
稽古は荻田さんを囲み、こんなスタイルで行われていました。
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キャストの皆さんが揃って、頭から脚本を読み合わせていくという作業。
物語全編が俳優さんの声で語られる、最初の機会です。
だいたいどの作品でも稽古初期段階で本読みというのは行われますが、そのスタイルはさまざま。
ひたすらせりふを読み進めていく稽古場も多いですが、荻田さんの場合は、どんどん止めて解説や状況説明が入り、時には「こんな風に」と演出も入っていくようです。

こちらがその、演出・荻田浩一さん。
最初に、そして稽古中何度も「これはミュージカルではなく、音楽劇です」と話します。
おそらく綺麗に歌うことよりも、芝居であることに重点を置く...ということでしょうか。
重ねて、「音の中でも動きや出ハケがある」というようなことも。
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さて、舞台は1914年のロンドンです。
荻田さんからは「大都会なのに、8人しかいません(笑)。石丸さんと野々さんはずっとカルヴェロとテリーなので、実質6人ですね。ロンドン100万の民衆を、6人で演じてもらいます」という宣言が。
そして「細かい部分で誰がどの役をやるのかは、その場で決めていきますね」「皆さんは<一座の人>みたいな感じ。基本的にずっと舞台上にいてもらい、『舞台上はこの役を演じています』といった風にみせていきます」というような話から、少しずつ、どんな舞台になるのか、輪郭が見えてくるようです。

石丸幹二さんが演じるカルヴェロは、かつて喜劇俳優として大名声を得ていたものの、今は落ちぶれ仕事にもほとんどありつけていない老芸人。
昔の仲間たちからも同情の目が向けられていて、物悲しい
そんな石丸カルヴェロに、荻田さんはさっそく、「だいたいカンペキ」の言葉!
ちなみに荻田さんと石丸さんは初顔合わせ、だそう。
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