氷点下の恐怖! 岡田将生&勝村政信が贈るホラー芝居
岡田将生と勝村政信が英国ホラー演劇の傑作に挑む話題作『ウーマン・イン・ブラック〈黒い服の女〉』が8月7日(金)に東京・PARCO劇場にて開幕する。開幕を目前に控えた6日、舞台稽古が報道陣に公開されるとともに、岡田と勝村が意気込みを語った。
中年の弁護士が、かつて体験した恐怖体験。それは顧客の遺産整理のために訪れた田舎町の屋敷で出会ったもの。今でもその影に悩まされる彼は、若い俳優を雇い、忌まわしき過去を"劇"の形で再現していくことで、その恐怖の呪縛から逃れようとするが......。ロンドンでは今年27年目を数えるロングランを続け、世界でも40余国で上演されている大ヒット作。劇中劇をたくみに利用した構造、照明や音響から直接肌に感じる恐怖に加え、何よりも観客の想像力によって恐怖が倍増されていく、演劇ならではのホラー作品だ。日本では1992年より上演を重ね、今回で7度目の上演。両役とも新キャストとなったが、若い俳優を演じる岡田の爽やかな素直さ、中年弁護士を演じるベテラン勝村の手練れた老獪さのコントラストが、物語の行く末を謎に満ちたものにし、ビビッドな恐怖を生み出した。
会見では、岡田が「今日(舞台稽古で本番用の)照明を全部当てて演じましたが、めちゃくちゃ怖かったです。(結末を)知っているのに怖い。知らなかったらもっと怖い」と語り、勝村も、客席での体感気温は「氷点下でしょうね! 地球全体が凍ってしまうという"全球凍結"に近い瞬間がある」と、そのホラーぶりをアピール。
また舞台出演2作目で、ふたり芝居という難易度の高い作品に出演する岡田は「舞台での立ち方、しゃべり方、一から勝村さんが教えてくださった。色々なことを吸収して、この『ウーマン・イン・ブラック』で成長した姿を勝村さんに見てもらいたい。先輩の足をひっぱらないよう一生懸命くらいつきたい」と意気込み。その岡田を勝村は「将生君は過剰なことをせず、シンプルに色々な表現ができる人。僕ら年配者はどうしてもちょっとずつエンターテインメント寄りに作ってしまったりするので、僕としても勉強になった。...ご覧になってわかるように、身長も顔も、基本的に何も、言うことはないですよね...」と、高く評価している模様。そんな息のあったふたりが生み出す恐怖の物語で、この猛暑を少しひんやりさせてみては。
公演は8月7日(金)から30日(日)まで同劇場にて。その後愛知、新潟、大阪でも上演される。チケットは発売中。
初日直前 囲み取材レポート
ひと足先に<チケットぴあニュース>にてお伝えした、『ウーマン・イン・ブラック〈黒い服の女〉』の開幕ニュースですが、げきぴあでは初日前日にあたる8月6日に行われた、岡田将生さんと勝村政信さんの囲み取材のレポートをもう少し詳しくお届けします!
――明日初日を迎えるにあたっての意気込みを。
岡田「先輩の足をひっぱらないよう一生懸命くらいついて、本番のこの一ヶ月を乗り越えたいなと思います。ふたり芝居で掛け合いも面白いですし、そこから来る恐怖もあるので、ぜひ劇場にきていただけたら嬉しいです」
勝村「この作品はロンドンでもいまだにロングランされていますし、日本でも長い期間上演されてきているもの。先輩たちの作り上げた素晴らしいものに、泥を塗らないようにしていきたい。ふたりでずっと夏を味わうことなく頑張ってきましたので、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います」
――ホラー作品を演じてみての感想は。
岡田「今日(舞台稽古で本番用の)照明を全部当てて演じましたが、めちゃくちゃ怖かったです。本当に一瞬怖くて「はぁっ」て言っちゃいました(笑)」
勝村「その「は」はきこえた...(笑)」
岡田「知ってるのに怖い。知らなかったらもっと怖いです」
――お互いの印象は?
岡田「稽古がはじまる前から終わった後まで、勝村さんがいろいろアドバイスしてくださって、勉強させてもらっています。舞台の立ち方からしゃべり方まで、僕はまだ本当に何も知らないので、そういうものも一から教えてくださっている。色々なことを吸収して、いま僕ができることを一生懸命やっている状態です。こういう風に教えてくださる先輩は初めてで、いい勉強になっています。教えてくださったことを無駄にせず吸収して、こ作品で成長できたら。成長した姿を勝村さんに見ていただきたいなと芝居をしながら思っています」
勝村「もともと稽古に入るまえから他の仕事もいっしょにやっていましたし、私生活でもご飯を食べにいったりしていましたので、非常にやりやすかった。将生君は過剰なことをせずに本当にシンプルに色々な表現ができる人。僕ら年配者はどうしてもちょっとずつエンターテインメント寄りに作ってしまったりするので、そこも僕としては勉強になりましたし、自分がいままで(俳優を)長くやったからって何でもないということが、将生君と一緒にやっているとよくわかりました。何もしなくてもそこに居られ、一番シンプルな感情で舞台に立てているというのが素晴らしいですね。何もしないって本当に勇気がいること。俳優はお客様のために(過剰に)奉仕してしまうのですが、そういう奉仕をしなくてもそこに居られる。...まあご覧になってわかるように身長も顔も、基本的に何も言うことないですよね...」
――この猛暑ですが、作品を観たら体感気温はどれくらい下がりそうでしょう?
勝村「氷点下でしょうね! 地球全体が凍ってしまう"全球凍結"って言葉があるんですけど。全球凍結に近い瞬間あると思います」
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【公演情報】
・8月30日(日)まで PARCO劇場(東京)
・9月3日(木)・4日(金) 名古屋市青少年文化センター アートピアホール(愛知)
・9月6日(日) 新潟市民芸術文化会館 劇場
・9月8日(火)~12日(土) 森ノ宮ピロティホール(大阪)