■『ダンス オブ ヴァンパイア』vol.6■
2006年の日本初演の千秋楽には、当日券を求めファンが1200人以上並んだという人気ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』が4年ぶりに帰ってきます!
主役のクロロック伯爵は日本初演からこの役を務めている山口祐一郎。
伯爵と対決する、アブロンシウス教授は石川禅。
続投するこのふたりに加え、サラ役に神田沙也加と舞羽美海、
アルフレート役に平方元基、良知真次が初参加!
8月11日、この作品の製作発表記者会見が開催されました。
会見の会場となったのは、なんと教会。
クロロック伯爵にとっては"敵地"ではないですか...!
みんなのアイドル、こうもりのリー君(←この作品を宣伝してくれる愛すべきキャラクターです)の姿も。
十字架に怯む、クロロック伯爵。
十字架攻撃をしているのは...
アブロンシウス教授と平方アルフレート。
(平方さん、会場への登場第一声も「プロフェッサ~~!」でした)
そんなこんなで、舞台衣裳のキャストが揃い、華やかかつ賑やかに会見はスタートしました。
まずは、リー君を引き連れて登場した演出の山田和也さん。
意気込みを問われ「僕は出演者じゃないので、意気込みはありません...」とすっとぼけつつ。
「見どころは...伯爵様の衣裳がおニューになりました!」
衣裳がリニューアルされるということは、演出面ももしかしたら...?という質問には
「今年『エリザベート』が大きく変わって話題になっていますから、我々も大きく変えようかと思ったのですが...ちょっとアイディアがなかったので、今までどおり(笑)。...(変えるといったら)今までのものをご覧になって、また観たいなと思っていらっしゃる方が「え、変わっちゃうの」と思うこともおありな気もしますので。ほんのちょっと変わりますが、大きくは変わらないです。"エリザベートみたいには変わらないよ"くらいに思って、ご期待ください」
というお話でした。
ちなみに山田さんがお話しているあいだ、リー君のお世話係は良知さんに。
そういえば山田さん、前回2011年公演の製作発表もリー君と同席していた記憶が...。
そして初演からクロロック伯爵を演じている山口祐一郎さん。
「ヴァンパイアは昼間は何もできないのですが、わざわざ教会でこうやって皆さんにお会いできるかと思うと本当に嬉しくて。しかもニンニクがいっぱいぶらさがっていて(※会見場ではそこかしこにニンニクが!)、とっても僕にとって過ごしやすい、いい場所」と、ヴァンパイアの敵陣である教会での会見に、なぜかニコニコ笑顔です。
また新しい衣裳・ウィッグについては
「(気分は)変わりますよ。このカツラもどんどんなじんできて、普段もこの頭でいこうかなと思うくらい、ちょっと不思議な何かが乗り移ってくる。そういう意味では衣裳やカツラにずいぶん助けられます。今回、またどういう風になるのか、自分でも楽しみにしています」
と感想を。
またこれだけ愛されている理由について問われると「初演の時も、山田さんと「どうしたんだろうね」とびっくりしていたのですが、たぶんプレイヤーもスタッフも、結果がこういうことになると知らずに一生懸命やっていた、その結果ではないかと思います。だから今回もそういう(人気作だという)ことを考えずに、楽しい素敵な作品になるよう、みんなで作ることができればと思います」と話していました。
さて、サラ&アルフレートの若者コンビは全員新キャスト!
まずヒロイン・サラ役の神田沙也加さん。
「『ダンス オブ ヴァンパイア』が大好きで、初演からずっと拝見してきました。サラを演じることが自分の中でも目標でしたので、こうしてこの場にいることができて非常に嬉しく思っています」と心境を。
その目標だったサラ役に決定した瞬間は「ほんっとうに! 喜びました。(その報せは)車内で聞いたのですが、後部座席で足をバタバタさせながら「やったーやったー!」とハイテンションで喜びました」と話していらっしゃいました。
同じくサラ役の舞羽美海さんは、元宝塚雪組トップ娘役。
帝国劇場初出演でサラ役を掴みました。
「私もいまこの瞬間、ここに居られることが本当に幸せ。とにかくお客様に楽しんでいただけるよう精一杯がんばります」との意気込み。
そして舞羽さんも、サラ役に決定した瞬間のことを「私も本当に嬉しくて、飛び上がる思いでした。反面、その瞬間に、山口さんはじめ本当に素晴らしい方とご一緒する...頑張らなければという身の引き締まる思いでいっぱいにもなりました。両方の気持ちが一気にきました」と話しました。
アブロンシウス教授の助手で、サラに恋をする青年アルフレートもWキャスト。
平方元基さんは
「僕は4年前に『ロミオ&ジュリエット』でミュージカルに初めて出させていただいたのですが、その時、良知先輩も一緒だったのですが、(前回公演でアルフレートを演じた)浦井健治さんと山崎育三郎君もいて、その舞台を観たいと思って『ダンス オブ ヴァンパイア』の大阪公演を拝見しに行ったんです。その時は自分がそのあとミュージカルをやっていくということも思っていなかったので、責任感なく、おなかを抱えてずいぶん笑わせていただきました。そうしたら縁あって今回、この作品にめぐり合うことができましたので、今度はやる責任を感じながら一生懸命楽しんでやりたいと思います」とご挨拶。
ちなみにその大阪公演を観にいった時に「浦井さんにも育三郎君にも、「元基は絶対この役、似合うと思うんだよね!」と言われて。その理由はちょっとわかりそうでわからないフリをしていたんですが(その理由?はコチラの平方さんインタビューでどうぞ!)。決まった時は「ついに来たか」と思いました。先ほど山田さんも「君にはぴったりだ!」と言ってくださったので、期待を超えられるように一生懸命頑張りたいです。でも(決まったときは)とにかく嬉しかったです。軽いガッツポーズはしました」というエピソードも...。
そしてその話を聞いたもうひとりのアルフレート、良知真次さんは...
「元基君の話を聞いてアレ?と思ったのですが...僕も浦井健治君に「良知君、ぴったりだよ!」って言われて。みんなに言ってるんだね...。それを聞いて僕は嬉しくてガッツポーズしたんですけど。みんなに言ってるんだなと今わかった...」とちょっと切なそうな?
そんな良知さんは「浦井健治君や泉見洋平さんや山崎育三郎君が作り上げてきた役を、僕が今回やらせていただけるということで、すごく幸せです。そして帝国劇場という劇場も僕にとってはものすごく思い入れのある劇場。ちょうど15年前の『MILLENNIUM SHOCK』にジャニーズJr.として出演させていただいて以来の帝国劇場への出演になります。それが『ダンス オブ ヴァンパイア』という作品であることが、役者としても幸せですので、皆さんの足をひっぱらないよう一生懸命頑張りたい」との意気込みでした。
クロロック伯爵と対峙するアブロンシウス教授は、2009年から石川禅さんが演じています。
「私も市村さんがアブロンシウス教授を演じた初演を観て、まさか僕がその次にこの役を引き継がれるとは思いもせずに、なんて面白い作品だろうと思いながら観ていました。私の初演(2009年)は自律神経がおかしくなるほどの緊張感の中で初日が開きました。お客さんの温かい拍手でどうにかこうにか最後までいけたという思いがあります。まさかその役をこうして再演させていただけるとは思っていませんでした。とても大切な役であり、私が頂いた役史上、精神的に一番強い役でもあります。とても楽しみです。どうぞ応援してください」と心境を。
ちなみにサラ役のふたりから見た、ヴァンパイア役の山口さんの魅力は?という質問では
「お会いしただけで圧倒されるようなオーラがあります。私は2011年の『レ・ミゼラブル』でご一緒させていただいたのですが、実際に客席からも何度も観てきた大先輩でしたので、緊張もあったのですが、公演をご一緒させていただくにつれ、すごく面白い一面もあるんだなとわかりました。すごくお優しい先輩なので、またこうしてお会いできて、今回デュエットも出来ますので楽しみです。それと同時に、私も少し(前回の共演よりも)成長しなければいけないなとすごく気が引き締まりますので、地に足をつけてやらせていただきたいです。
...でも山口さんの演じる伯爵の誘惑には、私自身だったら勝てないなと思います(笑)。本当に素敵な伯爵様なので、頑張って、気を確かに持ってやりたいです」と神田さん。
神田さんの賞賛に思わず立ってお辞儀の山口さん。
一方、舞羽さんは今回が初共演。
「私は客席からずっと山口さんを見ていて、このチラシ撮影の時にはじめてご挨拶させていただいたのですが、本当に包み込むような優しさをすごく感じました。思い切り飛び込んでいきたいな、純粋にサラとして伯爵についていきたいなと思いました。あとお茶目な部分があったのに驚きがあったので、そこももっと知りたいです」とのこと。
舞羽さんの言葉にも嬉しそうな山口さん。
で、山口さんは「今日まで生きてきて良かったなと思います」とのコメントでした!
『ダンス オブ ヴァンパイア』らしい、ユニークな質問も。
まず名曲『抑えがたい欲望』に絡めて<これだけは譲れない欲望は?>
山田「極めて欲の少ない人間です。譲ってすむのでしたらなんでも譲ります。まあプリンは譲らないけど。プリンは自分で食べます」
山口「近くに玉子焼き屋さんがあるのですが、とてもおいしいんです。僕はそこのお店の味が大好きで、玉子焼きはやっぱり塩味じゃなくてあまい玉子焼きがいいなと。そこだけはちょっと譲れない」
神田「私は睡眠欲かな。一日動いた日なんかは、髪の毛を乾かしながらうつらうつらしてしまいます。すぐ寝てしまうので睡眠欲」
舞羽「私はお仕事で気合入れたい、ここぞという時や、気持ちが高まる時にやる<ひとり焼肉>。これは自分への頑張るぞというエネルギーなので、譲れない」
平方「僕は、旅行とかドライブとか、遠出するのが好きで、それは抑えられないですね。車に乗っちゃうともう大変なことになります。(最近だと)沼津にいきました」
良知「...温泉欲ですかね。僕、温泉が大好きなんです。好きすぎて、どうしたらこの好きさが伝わるかなと思って、今年に入って温泉ソムリエの資格をとったくらい。必ず大きなお仕事が終わったら温泉地にいきます。温泉を好きな気持ちは譲れない」
石川「真次君とは温泉で一回会ってますね(笑)。私は、<まるごと緑茶>という、電動のお茶臼があるんですよ。それで粉にしたお茶でティー・オレ。普通のお抹茶より渋みがあって、抹茶をティー・オレにするより大人の味なんです。それにはまりこんでしまって、4・5ヶ月ずっと毎日水筒に入れて。今日も持ってきています」
という個性豊かな回答!
(まるごと緑茶、検索しちゃった担当です...)
△ こちらは舞羽サラ&良知アルフレートのコンビ
そして<朝起きて本当に自分がヴァンパイアになっていたら?>という質問には...
山田「奥さんに「おはようございます」。挨拶は基本中の基本、ヴァンパイアになってもね」
山口「本当にヴァンパイアになっていたら...朝起きて、ですよね。はやく夜になれって思います(笑)。本当ですよ、僕、陽が昇っているあいだは活動しちゃいけないんです」
神田「そうですねー。ヴァンパイアになっていると、どうやってわかったんだろう。鏡をのぞいてみたらキバが生えてたとかですかね。「うわああああ。ヴァンパイアになっちゃった~」とボソッと独り言でいうかな。...リアルに考えた結果です」
舞羽「朝日が...!ってなるんじゃないかなと思いますよね。だって(陽にあたったら)死んじゃいますもんね?」
平方「(突然大声で)ぎゃぁぁああー!! ...が、リアルじゃない?」(と、普通のトーンで神田さんに語りかける平方さん)
神田「そうねー。やっぱり驚きが隠せない感じがありますね」
平方「ね。そのあとに「ヴァンパイアになっちゃったな」がすごい自然だと思う。これでいこう」
神田「なるほど。それでいきましょう」
平方「あ、でも続き聞いてみたいですね」
神田「良知さんですね」
良知「...ちょっとやめてよそうやってハードルあげるの! ...ぼくはそうですね...(大声で平方さんの真似をし)「きゃあああー!」...ほら、しらけた。すいません。えーと、あとはせっかくなので誰に噛み付く?と独り言で言っちゃうかも」
石川「やっぱり「血が欲しい」でしょうね。トマトジュースのように血が飲みたいかな」
△ 普通のトーンで神田さんに話しはじめた平方さんです
そんな楽しい製作発表会見からもわかる、楽しいキャストで、今年の冬も帝国劇"城"は、大いに盛り上がりそうです。
フォトセッションは、ヴァンパイアポーズ&ヴァンパイア・ハンターポーズも!
皆さんノリノリです。
最後まで良知さんは、リー君担当!?
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【『ダンスオブヴァンパイア』バックナンバー】
【公演情報】
・11月3日(火・祝)~30日(月) 帝国劇場(東京)
一般発売:8/29(土)
・2016年1月2日(土)~11日(月) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
・2016年1月15日(金)~17日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
<東京公演>プレリザーブ受付決定!
★ぴあスペシャルシート(前方10列目以内保証席)の受付もアリ!
【受付】8月19日(水)11:00~8月23日(日)11:00
あっ、山口伯爵のネイル...もとい、地爪? 赤黒のツートンだ!