成河&深田恭子の主演で贈るミュージカル『100万回生きたねこ』がまもなく開幕します。
1977年の初版からロングセラーを重ねる、佐野洋子の同名絵本を原作にしたミュージカル。イスラエルの奇才、インバル・ピント&アブシャロム・ポラックが演出・振付・美術を務め2013年に上演、大好評を得た作品が、新キャストで2年半ぶりに再演されます。
深田恭子の初舞台作ということも話題。
初日を目前にした8月13日、フォトコールが行われ、作品の一部が報道陣に公開されました。
【バックナンバー】
物語は、100万回生まれ変わり様々な飼い主に飼われながらも自分のことしか好きにならなかった"とらねこ"が、ある時彼に見向きもしない1匹の白いねこに出会い、初めて愛情を知る...というもの。
成河がとらねこを、
深田恭子が白いねこ と、女の子のふた役を演じます。
劇場に入り、まず目に飛び込んでくるのは、木の質感が印象的な、部屋を模したような舞台セット。
シンプルだけれどもどこか温かく、また閉じられた箱のようで"ひとつの完結した、完成された世界"のようにも感じます。
この空間を、時に影絵のような陰影を映し出す印象的な照明が、美しく彩っていきます。
100万回死んだことを自慢気に話すとらねこを演じる成河は、白いねこに出会ったことで自分の心が変化していく戸惑いを、しなやかに演じます。動きもまた、しなやか。
深田恭子は、初舞台とは思えない落ち着いた穏やかさで、愛らしい白いねこを作り上げています。
ふたりが醸し出す柔らかな空気感が、優しい。
ふたりが口にするセリフは、言葉数は多くはありませんが、動き(ダンス)とともに口から流れることで、情感豊かな、それでいて想像力がかきたてられるようなものになっていきます。
さながら目で見るポエムのよう。
公開されたシーンは短い時間でしたが、それだけでも十分、ファンタジックで瑞々しい世界が伝わってきました。
全貌はぜひ、本番の舞台でどうぞ!
ねこ:成河
素晴らしい演出家と信頼できる仲間たちと出会えたことが今はただ幸せです。自分にどこまでのことが出来ているのかまだ正直良く分かりません。ただ仲間を信じて、少しでもお客さまの心に届くように、千秋楽まで努力を重ねたいと思います。
白いねこ/女の子:深田恭子
この物語は、伝え方は真正面ではないけれど、気が付くと愛に辿り着く。とらねこちゃんが、女の子や白いねこと旅をするように、私もこの舞台でキャスト・スタッフの皆さま、そして客席の皆さまとご一緒に、賑やかで、切なく、愛おしい、旅をしたいと思っております。
演出・振付・美術:インバル・ピント/アブシャロム・ポラック
素晴らしいアーティストたちとこの美しい物語を再びお届けできることを大変幸運に感じています。2年半の時間を置いて作品に向き合うことで、たくさんの新しい発見がありました。お客さまはこれまでとは一味も二味も違う成河と恭子に出会い、驚くことでしょう。すべての公演を観ることができないことだけが残念です。
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【公演情報】
・8月15日(土)~30日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
・9月3日(木)・4日(金) 北陸電力会館 本多の森ホール(石川)
・10月2日(金)~4日(日) シアターBRAVA!(大阪)