成河&深田恭子の主演で贈る、注目のミュージカル『100万回生きたねこ』。
1977年の初版からロングセラーを重ねる、佐野洋子の同名絵本を原作にした作品です。
女優・深田恭子にとっては、本作が初舞台になります!
6月29日、都内にてこの作品の製作発表が行われました。
100万回死んで、100万回生きた、とある"とらねこ"。
ある時は王様に、ある時は泥棒にと様々な飼い主に飼われながら、どの飼い主も好きにならず、自分のことしか好きにならなかった彼が、ある時彼に見向きもしない1匹の白いねこに出会い、初めて愛情を知る物語です。
100万回の生と死の果てに、ねこが見つけたものとは...。
演出・振付・美術を手がけるのはイスラエルの演出家ユニット、インバル・ピント&アブシャロム・ポラック。
彼らが手がけ、森山未來×満島ひかりのコンビで上演された2013年公演も大きな評判を呼び、今回、フレッシュな顔合わせでの待望の再演となります。
会見は、成河さん・深田さんと、実際に舞台でも演奏をする楽団による劇中歌『私のねこ』の披露からスタートしました。
このナンバーについては、深田さんから「成河さん演じるとらねこちゃんは、なにしろ100万回も生きたり死んだりしてますので、本当にたくさんの方の飼い猫だった。でも初めて自分だけの人生を、野良猫として生きていくと決めた時に歌う歌です」との解説が。
三拍子の可愛らしいナンバーを、オルガン、空き缶etc可愛らしい楽器たちが、どこか郷愁を誘う音色で奏でていきます。
初舞台、初ミュージカルの深田さんですが、堂々とした歌唱披露です。
トイピアノを弾きながら、楽しそうに歌っていました。
成河さんはウクレレを手に、クライマックスでは足でカスタネットを鳴らす妙技も!
成河さんもまた、楽しそうな笑顔が素敵でした。
時折ふたりが目を合わせて微笑むのも、すでにとっても良い雰囲気!
のちほど、この楽曲披露について「とても緊張しましたが、初めて楽隊の人と深田さんと、小さなセッションが出来た感じですごく楽しかったです」(成河)、「いかがでしたかって逆に皆さんに伺いたいくらい。でも楽しい時間でした」と感想を話していました。
さて、会見では成河さんは「2013年の公演を拝見しました。ミュージカルではあるのですが、歌とダンスとお芝居がすごく自然に溶け合って、ひとつの作品を作っていることにびっくりしました。ここまでのバランスのものは日本では観たことがないと思って、とても感動したのを覚えてます」と、作品の印象を語ります。
深田さんは「インバルさんとアブシャロムさんが作り出すこの独特な世界観、そしてこの『100万回生きたねこ』というお話に魅了されて、この役で初舞台を踏めるなら本当に幸せなことだなと思いました」と、本作を初舞台に選んだ理由を話します。
舞台出演については「私は映像の人間だったので、なかなか踏み込めない世界と思っていました。自分が舞台に立っている姿なんて想像もつきませんでした。ですので、今回本当にきちんとお稽古をして、基礎から学びなおして、現場に挑みたい」と、覚悟を決めているようで、「(プレッシャーは)ないわけではないですが、映像の世界ですと、皆様にお届けするのが出来上がってから。舞台というのはその日、その時間に、わざわざ観に来てくださって出来るもの。(プレッシャーを)その温かさに変え、自分の励みにしたいです」と前向きな意気込みを話していました。
深田さんの話にあったように、世界をまたに活躍をしている<インバル・ピント&アブシャロム・ポラック ダンスカンパニー>を率いている、インバル&アブシャロムが演出を手がけているのも注目のポイント。
「すごくたくさん時間をかけてオーディションをしていただきました。とてもオープンで温かい人たちですね。初対面なのに家族のように接してくれて、なんでも相談したくなるようなふたり。稽古が始まると厳しい面も見えてくるでしょうけど、ふたりに身を任せたい」(成河)
「本当に面白い方たち。舞台も独特ですし、「まずは頭で考えるんじゃなくて、声に出して覚えてみよう」とか、私が今までやったことのないようなこと(演劇法)ばかりでした。お稽古もすごく楽しみにしています」(深田)
と、おふたり自身も楽しみにしている様子です。
「(会見で披露した)音楽でも感じてもらえたと思いますが、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさがある作品。そのなかに、ちょっと詩的な部分や、哲学的な部分がある、すごく美しい舞台です。なによりも、統一感があり強い世界観があるところに一番感動しました。すごく特別な作品だと思います」と成河さん。
深田さんも「ミュージカルではありますが、インバルさんとアブシャロムさんが作り出す、独特なミュージカルです。絵本を読んでいるような感覚でも見られると思うし、音楽も楽しんでいただけると思います。まだお稽古も入っていませんが、7月・8月はこの作品に全身全霊で挑んで、いいものを作りたい。皆様ぜひ楽しみに待っていてください」とアピールしました。
ふたりが惚れ込んだ独特な世界の中、どんなねことして生きるのか。
楽しみにしましょう!
ねこに扮するおふたりですが、「道を歩いてると意識しなくても猫に目がいきます。すごーく見ちゃう」(成河)、「実際には私、犬を飼っているんですが、ホントはずっと猫が好きで...。猫の役を演じられるなんて思ってもみなかったので、とにかく楽しみ」(深田)というようなお話も...♪
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【公演情報】
・8月15日(土)~30日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
・10月2日(金)~4日(日) シアターBRAVA!(大阪)