●演出家・白井晃 INTERVIEW●
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演劇・舞台系動画のニュースサイト・エントレが開催している第3回クォータースターコンテスト(以下QSC)の授賞式が11月8日に行われ、各賞が発表されました。
QSCとはWEB上に投稿された15分・ノーカットの演劇動画を競う大会です。
3回目となる今年の応募数は84作品ありました。
審査方法は、事務局が選んだ10作品程度のノミネート作品を審査員の方々に観ていただき、その中からよいと思った作品について1位~3位の順位をつけてもらいます。
それぞれ1位→3点、2位→2点、3位→1点とし、最も獲得点数の高かった作品をグランプリとします。
今年の審査員はこちらの4名です。
鴻上尚史さん(作家・演出家)
坂口真人さん(演劇ぶっく編集長)
鈴木裕美さん(演出家)
行定 勲さん(映画監督)
※50音順
今回も日本全国からユニークな作品やアイディア満載の作品、高いクオリティの作品など、様々な"演劇動画"が集まりました。
そして、栄えある第3回QSCのグランプリは、、、
週刊パラドックスの『会話劇2014』に決定しました!
本作は、LINEの会話(画面)だけを見せる手法で、俳優は"指"以外登場しないという異色作です。
"果たしてこれを演劇と呼んでいいのだろうか?"という葛藤は審査員の方々や事務局スタッフにもありました。
が、それでもこの作品が評価されたということに意味があるように思います。
審査員の選評を簡単に抜粋すると、
「今回すべての応募作品の中で一番インパクトがあった。ひとつの表現のパターンを作った革命的な作品」(鴻上さん)
「これをアリにしていいのか?戯曲の面白さのみになってしまうが15分間退屈しないで見られた。非常に面白い試み」(鈴木さん)
「映像作品として単純に面白かった。緊張感があったし画期的。映画祭で出しても評価されるかもしれないと思った」(行定さん)
とそれぞれコメントされていました。
詳しくは公式サイトの【結果発表】をご覧ください。
さて、グランプリを受賞した週刊パラドックス『会話劇2014』ですが、今回<げきぴあ賞>もダブル受賞しています。
事務局側と事前の情報交換は一切していませんでしたが、偶然にも同じ作品となりました。
げきぴあの選評も【結果発表】ページに掲載しています。
そこで、げきぴあ賞を受賞された作・演出の中村允俊さんと明美(指)役の小川千尋さんにお話を伺いました。
作・演出中村允俊さん
明美役:小川千尋さん
インタビュー
●三浦涼介 撮影風景レポート●
まず最初に、デザイナーさん・カメラマンさんとイメージを共有します。
●STORY●
「結局ここに舞い戻ってきました...」
誰もいない劇場で『劇団時座』の最後の幕が上がる。
一人舞台に立つのは、三代目座長、時枝三四郎。
彼の人生の全てであった《カタワレ》風祭ジョーとの半生を語りだす...。
劇団時座は、三四郎の父一二郎、叔父の二々郎とで旗揚げされた大衆劇団。
座長の息子として、将来を期待されていた三四郎だったが、
自分に自信を持てない彼は、芝居に対しあと一歩踏み出せないでいた。
そんな時、問題児ではあるが、芝居の腕はピカ一の風祭ジョーが入ってくる。
彼はすぐさま、頭角を現していく。
そして、事あるごとに三四郎を焚きつけた。
いつしか三四郎は劇団時座を背負って立つ役者へと成長していく。
二人の若き才能がぶつかり、劇団時座は、その人気を不動のものとしていくかにみえたのだが...。
(オフィシャルサイトより)
この作品、眼目は主人公である時枝三四郎と風祭ジョーを、劇団朱雀の早乙女友貴と30-DELUXの天野博一がWキャストで演じることですが、この日は
キャストのみならず、スタッフ・関係者が顔を揃える"顔寄せ"の現場はこんな雰囲気です。
歌舞伎俳優の中村勘九郎さん、七之助さん兄弟が初めて新派に出演する、新橋演舞場「十一月新派特別公演」を観てきました。
この公演はふたりの祖父、そして父である十七世中村勘三郎の二十七回忌と十八世中村勘三郎の三回忌追善興行です。
ところで、"新派"を観たことがない方にとっては、どんなお芝居なのかも分かりませんよね。
"新派"とは演劇の中のひとつのジャンルだと思ってください。
明治中期に入ると、それまで芝居の主流だった歌舞伎(旧派)に対し、当時の庶民にまつわる人情噺や花柳界を描いたものを新派(=新派劇)と言います。
明治、大正、昭和初期の時代を舞台に、日本人の情緒や生活、価値観などをリアルに描いたものです。
さて、ではなぜ"新派"で歌舞伎俳優の追善興行が行われるのか?も気になりますよね。
実はこれにも納得の理由があります。
十七世は昭和36年に新派に初出演して以来、幾度となく新派公演に出ています。娘の波乃久里子さんも新派女優ですしね。
十八世は若干19歳の若さで新派初出演を果たし、その後もたびたび新派公演に出演されていました。
なかでも、今月上演している『鶴八鶴次郎』の鶴次郎役は、十七世、十八世が何度も演じてきた、いわば中村屋にとっては縁の演目なのです。
その鶴次郎役を勘九郎さんが演じ、相手役の鶴八ことお豊役を七之助さんが勤めます。
物語の舞台は大正時代の東京。
"鶴八鶴次郎"とは、新内(新内節の略で浄瑠璃の一派)のコンビ名のことです。
鶴八は初代の母の後を継いだ二代目で、女ながらに三味線の名手。
鶴次郎の素晴らしいノドと合わさると観客からは絶賛され、名コンビと言われています。
ところがこのふたり、心の中ではお互いのことが気になっているくせに、こと芸の話となると激しく意見がぶつかりあい、しょっちゅう喧嘩をする始末。幕開きから勘九郎・鶴次郎と七之助・お豊の激しい応酬がはじまります。
『鶴八鶴次郎』左より鶴賀鶴次郎:中村勘九郎、鶴賀鶴八:中村七之助
それにしても勘九郎さん、わっ!と思わず息をのむほどお父様に口調がソックリでした。
鈴井貴之率いるOOPARTS舞台『SHIP IN A BOTTLE』がいよいよ明日11/1(土)に東京グローブ座で開幕します!
今回の目玉はHTBの人気番組「水曜どうでしょう」の名物ディレクター藤村忠寿が俳優として出演すること。
そのいきさつはこちら(↓)のインタビューでふたりが語っています。
公式サイトの動画もかなり面白いので未見の方はぜひ!
↓ ↓ ↓
◆鈴井貴之×藤村忠寿スペシャルメッセージ(youtube)
東京公演は11/1(土)~11/9(日)まで。
休演日もあるので実質8日だけの貴重なステージです。
現在、前売りチケットは完売していますがひとりでも多くの方に生の舞台を観て欲しい!ということで、急遽【当日券・前日販売】を行うことが決定しました。
座席数700席というコンパクトな劇場なので、事前にチケットGETしておくのがオススメ♪♪
チケット購入の詳しい方法は下記にてご確認ください。
=東京公演・当日券について=
■■■■■前日販売■■■■■
公演前日の午前10時から午後8時まで、以下のURL・電話番号にて受付します。
【インターネット】
購入ページ
【電話】0570-02-9940
※舞台の一部が見えにくいお席となります。ご了承の上、お買い求めください。
■決済方法■
・クレジットカード・ちょコム→ WEBのみ
・セブン-イレブン・サークルKサンクス・ぴあ店舗にてご入金いただけます。
※公演前日の23時半までにお手続きください。
■チケット引換方法■
事前に以下の店舗にてチケットをお引き換えの上、ご来場ください。
・セブン-イレブン・サークルKサンクス・ぴあ店舗
シェイクスピアのロマンス劇の傑作『テンペスト』
全く新しい"串田版"『K.テンペスト』の誕生!
2014年・秋・まつもと市民芸術館に嵐(テンペスト)が巻き起こる!!
今年生誕450年を迎えるウィリアム・シェイクスピアの単独としては最後の作品である「テンペスト」。
数あるシェイクスピア作品の中でも、詩的言語の音楽性と舞台のスペクタル性が秀逸な魅力を放つこの作品を、まつもと芸術館の芸術監督でもある串田和美が"串田版"として全く新しい視点で演出する。
出演には、ポツドール三浦大輔が監督したR18+指定映画『愛の渦』への出演も話題となった門脇麦をはじめ、高岡奏輔、大森博史、真那胡敬二、斎藤直樹、藤尾勘太郎、佐藤卓、細川貴司ら多彩な顔ぶれが揃う。
また串田自身も出演する。
稽古は約6週間前から松本で始まった。
配役も内容も決めずにワークショップを行ったり、串田と出演者全員で戯曲解体をするなど時間を贅沢に使い創り上げてきたという。
劇場も今作のために客席を全て仮設にした。
本番ギリギリまで続く創作活動。
いったいどのようなステージが出来上がるのか興趣が尽きない。
そして10月29日(水)、いよいよ初日の幕が開く!
片や、芝居とアクションを融合した"アクションプレイ"を掲げ、笑って泣けてカッコイイ芝居を創り、近年めきめきと観客動員数を増している30-DELUX(サーティーデラックス)。

『オレノカタワレ』顔合わせレポート
台風19号の接近による新幹線ダイヤの乱れを避け、ONEOR8の劇団員たちは10月13日(月)当初の予定よりも早めに豊橋入りしました。
開館時間前の到着ということもあり劇場周辺の喫茶店でモーニングを堪能したようです。
道具類を積んだトラックは予定通りに到着し、仕込は問題なく始まりました。
しかし、夜には東海地方も暴風圏に入るということで、JR在来線が20時には全面運休予定、さらには少し早めに在来線が止まり始めたため、劇場も早めに閉館することに。
そのため、この日の作業は19時頃終了。
翌日には、台風はすっかり通過し、特に問題もなく作業が粛々と続けられました。
ONEOR8として初めての地方公演と言うことでしたが、仕込スケジュールにも多少余裕を設けていたため、台風の影響はあったものの、順調にリハーサル、ゲネプロが行われ、10月17日(木)19時「世界は嘘で出来ている」の初日の幕が開けました。
(舞台写真撮影:新村猛)
田村孝裕さんの作・演出作品は、昨年のアートスペースこけら落とし公演として上演した「父よ!」で観劇体験の可能性はあるものの、ほとんどの方はONEOR8の公演を見るのは始めてだったと思います。
アートスペースという小劇場空間での上演は、俳優と観客の距離も近く、舞台上のエネルギーと、さりげなくもリアリティのあるセットや小道具など、観客の目は舞台上で繰り広げられる世界に釘付けになっていました。