■『マイ・フェア・レディ』vol.7■
『マイ・フェア・レディ』開幕まであと1週間切りました!
数日前、まさに稽古佳境!といった雰囲気の稽古場にまたまたげきぴあは伺ってきましたよ。
以前伺った時よりひと回り大きいお部屋に場所をうつし、大型セットも入った稽古場で、キャストの皆さんは集中しつつも楽しそうにお稽古をされていました。
イライザ役=霧矢大夢さんです。
こちらもイライザ役=真飛聖さん。
見なきゃ損!話題の公演の最近のブログ記事
■『マイ・フェア・レディ』vol.6■
日本初演から50周年の節目に上演される、2013年の『マイ・フェア・レディ』。
〈げきぴあ〉でも既報の通り、今回は演出はじめ、翻訳&訳詞、衣裳に美術と何から何まで一新されての上演になります。
そして、ヒロイン・イライザもフレッシュなこのふたりが初登板!
霧矢大夢&真飛聖、ともに宝塚のトップスターとして活躍した彼女たちが、どんな思いで『マイ・フェア・レディ』に、イライザに向き合っているのか。
じっくりお話を伺ってまいりました。
ひと足先にお届けしましたニュース版はこちら!
霧矢大夢 & 真飛聖
interview
――『マイ・フェア・レディ』との出会いは、映画ですか?
ふたり「はい」
霧矢「結構小さい頃から見ている記憶があります」
真飛「私もです。その頃って、物語がどうとかではなく、"ヘップバーンかわいい、きれいー"って思って見ていましたよね」
霧矢「そうですね。そこまで深くは考えず、音楽の楽しさとミュージカルの楽しさと、ヘップバーンがだんだん変わっていく感じなどを楽しんでいました。あと、宝塚に入ったら男役の勉強にもなるという視点からも見ましたね」
真飛「ほんとにそうですよね。女性なら誰でも憧れるシンデレラ・ストーリー。そういう印象でした」
■『マイ・フェア・レディ』vol.5■
開幕が近づいてきました『マイ・フェア・レディ』。
今回<新演出>として新たに生まれ変わるその作品世界を垣間見ることができるインタビュー、衣裳の十川ヒロコさんに続き、今回は美術の古川雅之さんにお話を伺いました。
今回も、貴重なデザイン画をご提供いただきましたので、ひと足先に新生『マイ・フェア・レディ』をちょっとだけお見せしちゃいます!必見!!
――新生「マイ・フェア・レディ」の美術における、全体のコンセプトがありましたら教えてください。
舞台装置全体を鳥かごに見立てています。装置の上部に屋根のようなものがあり、これは、物語の舞台となるコペント・ガーデンの屋根でもあり、実際にこういう形の鳥かごを目にしたことをアイディアにデザインしてみました。ひとりの少女が美しい貴婦人へと変貌を遂げるという物語が、鳥かごのような小さなロンドンの街の中で展開していくというイメージです。
↑<トッテナム・コート・ロードの住宅街>
【チケットぴあニュース】
蜷川幸雄が演出を手がける彩の国シェイクスピア・シリーズの最新作「ヘンリー四世」が、4月13日、彩の国さいたま芸術劇場で開幕。今回蜷川は、元々第1部、第2部に分かれた2部作を1本の戯曲に凝縮、上演時間4時間超えという大作を完成させた。
■劇団四季創立60周年 特別連載■
4月23日、劇団四季『キャッツ』、仙台公演が開幕した。
T.S.エリオットの詞を元に、ミュージカル界の巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲を手がけた『キャッツ』。世界的に最もよく知られたミュージカルのひとつであり、日本でも1983年の初演以来コンスタントに上演され続けている。日本での今までの総公演回数は8400回、総入場者数は845万人。都会のゴミ捨て場に集まった猫たちの個性的な生き様をアンソロジー的に綴っていく内容は、年齢を問わず楽しめるものであり、「メモリー」など劇中を彩る珠玉の名曲群とともに、人間世界にも通じるその普遍的なストーリーが、長きにわたり愛され続けている理由であろう。
■『マイ・フェア・レディ』vol.4■
日本初演から50年目の『マイ・フェア・レディ』は、すでに何度も書いておりますが、キャストに演出に、何から何まで新しくなります。
新生『マイ・フェア・レディ』、どうなるんでしょう...!
早くその世界を知りたい方に朗報です!
作品世界を支える衣裳さん・美術さんに、貴重なデザイン画をご提供いただくとともに、お話を伺ってきました。
本日は、衣裳の十川ヒロコさんのインタビューです。
――新生『マイ・フェア・レディ』の衣裳における、全体のコンセプトを教えてください。
『マイ・フェア・レディ』の代表的なコスチュームデザインの印象を大切にしながら、20世紀初頭の衣裳が、現代にも着たいと思わせられるような今のモード感のスパイスをふりかけ、エレガントでエッジのきいているデザインにと進化させています。
――逆に、「とても細かい部分だけれど、ここはこだわった!」という部分は?
アクセサリーや細かな部分にも、階級別ごとに、こだわりの工夫を取り入れました。
花売りや労働者の衣裳には、ボタンや石、コルクなどで作ったアクセサリーや、アンティークレースを使用してキュートに。
貴族のアクセサリーはスワロフスキーを中心に、竹ビーズやラインストーン、ビジューをふんだんに取り入れてゴージャスに。
こうした違いを出しながら、帽子・アクセサリー・小物はすべてオリジナルで製作しました。
■『マイ・フェア・レディ』vol.3■
新装『マイ・フェア・レディ』、またまたげきぴあは稽古場に潜入してまいりましたよ!
稽古場レポート第3弾となる今回は、お待たせしました! Wイライザ、ヒギンズ教授、ピッカリング大佐、ヒギンズ夫人らメインキャストが勢ぞろい!
チラシビジュアルにもなっている、〈アスコット競馬場〉のシーンです。
『マイ・フェア・レディ』は、下町育ちでひどい下町訛りのイライザが、言語学者のヒギンズ教授の特訓で、美しい言葉と上流階級の作法を身に着け、淑女となる...というのがおおまかな筋。
イライザのひどい訛りは特訓でもなかなか矯正されませんが、ある言葉が上手くいったことがきっかけで、突破口が開きます。
〈アスコット競馬場〉は、そんな"一皮剥けた"イライザが、淑女の装いで、上流階級の人々の中にまざりレースを観戦する場面です。
イライザの淑女っぷりが通用するかを試すわけですね。
オードリー・ヘップバーンの映画でも印象的。
『マイ・フェア・レディ』と聞いて思い浮かべる、イライザの白と黒のドレスが登場するシーンでもあります。
※全体のあらすじなどは、vol.1をご覧ください。
■『マイ・フェア・レディ』vol.2■
日本初演から50年、新しく生まれ変わる『マイ・フェア・レディ』。
本日の稽古場レポートは、〈ドゥーリトル編〉です!
ドゥーリトルは、ヒロイン・イライザの父親。
イライザは下町育ちですので...もちろん、ドゥーリトルも下町のおっちゃんです。
酒が大好き、女も大好き、娘が稼いでくれると嬉しい...そんな男ですが、独特の論理思考を持っていて、人生についての考察も鋭く、さながら「下町の哲学者」といった感じでしょうか。
ドゥーリトルに扮するのは、ミュージカル初出演の松尾貴史さん。
製作発表の場で、「ミュージカルはなぜ感極まって歌い出すのか、酔っ払いが歌うんだったらいいけど、と昔から言っていまして、そうしたら酔っぱらって歌う役が来たので断る理由がなくなった」と仰っていましたが...
その、酔っ払って歌うシーンです!
■新演出!『レ・ミゼラブル』2013■
前回に続き、ぴあ社内レミゼファン&レミゼ関係者が集まっての座談会です。
レミゼ好きが好き勝手を言っているだけ!?
お楽しみいただければ、幸いです。
part1はコチラ。
★ご注意★
※ストーリーに触れています。ネタばれを気にする方はご注意ください。
※文中、俳優さんの敬称有無が入り乱れていますが、トークレポということでご了承ください。
※ぴあスタッフの勘違い・思い込みがありましたら、ごめんなさい...。
◆ガブローシュ・エポニーヌ問題
平野「マリウスの手紙があるでしょ、コゼット宛ての。あれを映画ではガブローシュが届けてますが、舞台版はエポニーヌが届けるの」
戸塚「エポニーヌが男の子の格好をして届ける。それがガブローシュになってしまって」
坂「あれ、なんでだろうね!だって、好きな男のラブレターを自分が届けなければいけないって、すごく切なくていいシーンなのに、ねえ...」
平野「そこで、バルジャンとエポニーヌが出会うわけです。コゼット宛ての手紙をバルジャンが受け取る。映画版ではそれがガブローシュにスライドされたから、バルジャンとエポニーヌが出会っていないんです」
坂「だからラストシーン、迎えに来ないんだよね」
平野「そう。一番最後、バルジャンが死ぬとき、舞台ではファンテーヌとエポニーヌがお迎えにくる。そこがファンテーヌだけだったじゃないですか。あ、あと司教様がちらりと登場しましたが」
廣瀬・小倉「エポニーヌ、バルジャンと接点ないからかー」
戸塚「バルジャンの前にエポニーヌが幽霊で出てきても「あなた誰?」ってなっちゃうからね」
平野「でもそこで迎えにくるところの女声二重唱がすごくキレイなんですよね」
戸塚「そうそう、♪行きましょう~♪ってね。女性のふたりの綺麗なハーモニーになって、両側からバルジャンの手をそれぞれが持って連れていく。あれが目の幅で涙がだーって出るところなんだけど」
平野「そこがソロになっちゃった。まあアン・ハサウェイとサマンサ・バークスを並列に並べるわけにはいかないんでしょうけど」
戸塚「アン・ハサウェイ対策かねぇ。最後、女性ふたりが来てほしいけどね、その甲斐あって、ぜんぶアカデミーに着地してるから。あれは彼女に獲りにいかせたなってかんじだよね。確かにアン・ハサウェイのファンテーヌは演技も歌も本当に素晴らしかったし、彼女の生涯の中でも『レ・ミゼラブル』はエポックになる作品だろうと思う。こういう言い方が正しいかわからないけれど、アイドル的な括りで見られていた人が女優魂をみせ、開花したすごい瞬間を僕たちは目撃したのかもしれない。...という面はありつつも、最近、実は〈ガブローシュ・エポニーヌ問題〉はもっと奥が深いのかも、と思い始めているんだけど」
平野「ほほぉー!...と、言いますと?」
■新演出!『レ・ミゼラブル』2013■
去る2月25日、アン・ハサウェイが『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞助演女優賞を獲りました。
『レ・ミゼラブル』映画、本当に大ヒットしていますね。
私の周りでも、舞台を観たことがないけれどレミゼ映画を見てファンになったという人がどんどん増えていってます。
この『レミゼ』熱を、舞台開幕まで保ちたい!
と思い、ぴあ社内レミゼファン&レミゼ関係者を集めて座談会を開催いたしました。
映画版と舞台版の違いから感動ポイント、自分のベストキャストまで。
...皆、好き勝手話しているだけではありますが(笑)
たまにはこんな更新も、いかがでしょうか?
★ご注意★
※ストーリーに触れています。ネタばれを気にする方はご注意ください。
※文中、俳優さんの敬称有無が入り乱れていますが、トークレポということでご了承ください。
※ぴあスタッフの勘違い・思い込みがありましたら、ごめんなさい...。
【出席者】
戸塚...社内の演劇ご意見番のような存在。『ぴあ』編集部副編集長、チケット営業の演劇班グループリーダーなどを経て、現在は落語「柳家三三で北村薫。」シリーズや、「地獄のオルフェウス」など、ぴあ主催興行のプロデュースをしている。
坂...『レ・ミゼラブル』を初演から見ているツワモノ。ブロードウェイなどにもよく観劇に行く。現在は会員サービスを担当している。
中島...『レ・ミゼラブル』の2011年公演時、チケット営業の演劇チームで東宝案件を担当。
廣瀬...今回の『レ・ミゼラブル』の最初の販売まで、チケット営業の演劇チームで東宝案件を担当。最近ミュージカルに目覚め、東宝担当だった間にもっとミュージカルを見ておけば良かったと悔やんでいる。
小倉...現在、チケット営業の演劇チームで東宝を担当、『レ・ミゼラブル』でも奮闘中。
平野...販売促進媒体の編集担当。ミュージカル好き。当連載も担当しています。
◆まずは、映画の感想から。
平野「映画は皆さんご覧になったんですよね」
廣瀬「はい。でも私、舞台で『レ・ミゼラブル』を観たことないんです」
小倉「私もです」
戸塚「それは大変幸せなことです。これから観ることができるんだから」
廣瀬「でも映画を観て、ほんとに舞台が楽しみになりました。音楽がいいですよね。国際フォーラムの、映画版の来日のイベントに伺って、あのときに初めて曲を聴いたと言っても過言ではないくらいだったんですが、すごく印象に残って。映画で観ると、同じ曲が何回も繰り返し出てくるんですよね。帰りは口ずさみながら帰りました。すごく印象に残ります。歌唱力もすごいし」
中島「私も本当に楽曲が素晴らしいと思う。ストーリーも普遍性があるし。私はちょうど3.11大震災の直後に開幕した年に初見したけど、ふといろいろなことに重ねて観ることができる懐の深さがありました。独特の感慨・感動があったという意味でも忘れられないかな」
小倉「私も、何が良いってひと言で言いにくいんですが、もし少女漫画だったらエポニーヌはもっと嫌なやつに描かれますよね。そんなエポニーヌはじめ、誰もがいろんな背景があって、そういう人生を選んだってちゃんと描かれているのがすごいなって思いました」
平野「そうそう、テナルディエですら悪者じゃない...というか、あの時代にはしょうがないというか。私、テナルディエというキャラクターがすごいと思うんですよ。虐げる権力者側と虐げられる民衆、という話だと、民衆側を美しく悲劇的に描きがちだけど、虐げられる市井の中にも悪いやつがいてしたたかに生きている、というのはリアルですよね」
坂「あぁ、そうだよね。テナルディエってスパイスとしてきいてるんですよね。彼がその時代の人間の生活を表してる」
戸塚「最後まで死なないのって、コゼットとマリウスと、テナルディエ夫妻だけだもんね」
坂「僕は小学生の頃に初演を観て、それから10数年『レ・ミゼラブル』を見ていなかったんですが、『民衆の歌』と、リトルコゼットの曲(『幼いコゼット(Castle on a Cloud)』)はずっと頭に残ってた。大きくなってようやくCDを聴いたり、実際観るようになって、ようやく繋がったんだけど、それだけ残ってたのってすごいなって」
平野「やっぱりミュージカルは曲がいいのが一番ですよね。大前提ですよね」
中島「スーザン・ボイルが歌ったのも曲が良かったからですよね」
戸塚「『I dream a dream(夢やぶれて)』ね。映画版に限った話じゃないんだけど、『I dream a dream』問題というのがあって...」