■『マイ・フェア・レディ』vol.2■
日本初演から50年、新しく生まれ変わる『マイ・フェア・レディ』。
本日の稽古場レポートは、〈ドゥーリトル編〉です!
ドゥーリトルは、ヒロイン・イライザの父親。
イライザは下町育ちですので...もちろん、ドゥーリトルも下町のおっちゃんです。
酒が大好き、女も大好き、娘が稼いでくれると嬉しい...そんな男ですが、独特の論理思考を持っていて、人生についての考察も鋭く、さながら「下町の哲学者」といった感じでしょうか。
ドゥーリトルに扮するのは、ミュージカル初出演の松尾貴史さん。
製作発表の場で、「ミュージカルはなぜ感極まって歌い出すのか、酔っ払いが歌うんだったらいいけど、と昔から言っていまして、そうしたら酔っぱらって歌う役が来たので断る理由がなくなった」と仰っていましたが...
その、酔っ払って歌うシーンです!
まずはアンサンブルさんの振付から。
ダンスが中心ですので、演出のG2さんではなく、振付の前田清実さんが稽古を進行しています。
前田さん、踊る姿がさすがにカッコイイ...。
このシーン、4ブロックに分かれて違う振付がされている模様です。
たとえば下手側の女性チームには「ここはフォークダンス風に」という振付がなされ、一方で上手側の女性チームには「女ジーン・ケリーのように」という振付がされていました。
1チームの振付をキャストに伝え終わった途端、別チームの振付に入る前田さん。パワフル。
キャストの皆さんは、前田さんが他チームに行くと「...復習だ!」と何度も繰り返し、体に踊りを馴染ませていきます。
アンサンブルの皆さんの振りがある程度固まったところで、ドゥーリトル・松尾さんも合流。
「ここは、松尾さんはペーソス持って歌っていますが、君たちは明るく。裏と表の関係ね」と前田さん。
〈ペーソス〉というキーワードは、松尾さんにぴったりな気がします...!
女性チームがくるりと回るのを見て、酔っ払い松尾さん、ふざけてか思いつきか、はたまた深いお考えか(!?)わかりませんが、真似してくるり。
それを見て、前田さんが「ドゥーリトルも回っちゃいましょう!」。
「わあ、採用ですね、松尾さん!」とキャーキャーする女性陣に、松尾さん、ちょっと恥ずかしそうでした。
さらに「この指はなんなの?」と訊く松尾さんに、お隣の麻生かほ里さんが、「...あなた(ドゥーリトル)を指しているんです」。
あ、麻生さんはアインスフォードヒル夫人役ですが、ここは別の役柄として登場しているようです。
なのですが、フレキシブルな前田さんの振付は、「松尾さんはここ、牛になってここまできてください!」と、その指が別のものに変化しちゃいました。
皆さん汗だくのダンスシーンになっていましたが、本番はいかに!?
公演は5月5日(日・祝)から28日(火)にかけ、東京・日生劇場にて。
チケットは発売中。
その後、石川、福岡、愛知、大阪でも上演されます。