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11月1日、東京・歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」が開幕しました。

ところで、11月の歌舞伎座興行にはなぜ"顔見世"と付くのか知っていますか?
その起源は江戸時代に遡ります。

当時、座元と役者の契約期間は1年で、向こう1年この顔ぶれでやりますよ、と観客にお披露目する"顔見世"興行は一大イベントでした。

けれども時代の変化とともにそうした習慣がなくなり、一時期途絶えていましたが、昭和32年に歌舞伎座の"顔見世"が復活します。

それから60余年、今ではすっかり秋の風物詩となった顔見世興行。

その昼夜の舞台を観劇してきました。

 

 
当月は、昼の部『研辰の討たれ』『関三奴』『髪結新三』

夜の部『菊畑』『連獅子』『市松小僧の女』の6演目を上演しています。

 
さて、『研辰の討たれ』と聞くと、演劇ファンなら野田秀樹が十八代目勘三郎(当時は勘九郎)と創った『野田版 研辰の討たれ』を思い浮かべる方も多いでしょう。

今月歌舞伎座で上演しているのは、作・木村綿花、脚色・平田兼三郎の言うなればオリジナル版"研辰"です。

この作品、上演機会はそれほど多くなく、歌舞伎座での上演は今から37年前の昭和57年以来となります。

 

物語は、元町人で研屋の守山辰次が殿様にうまいこと取り入り、武士に取り立てられたものの、元来の自分本意な性格と口達者が災いし、家老の逆鱗に触れてしまいます。家老への遺恨から騙し討ちで殺したあげく逃亡してしまう辰次。

親を殺された家老の息子たちは、仇討ちをすべく辰次を追って旅に出る。

かくして辰次の運命は、、、というお話。

 

なりふり構わず逃げ回る辰次の行動がコミカルに描かれているので、喜劇として見れば笑える場面が随所にあります。

一方で、武士の矜恃であったり、仇討ちを見物する群衆心理の怖さなど、何が正しくて何が間違っているのか、善悪だけでは語れない観る側に問いかけを残すような側面もあるちょっと変わった作品です。

 

辰次を演じるのは幸四郎

7年前に大阪松竹座で勤めているので2度目の挑戦です。

臆病者で卑怯者という好感度ゼロに等しい男をどう演じるかでドラマの見え方が大きく変わりそうですが、幸四郎は徹底的に"生"に執着する姿を笑いに転換させ、憎めない辰次像を創り上げていました。

特筆すべきは幸四郎の"オモシロ"へのこだわり。

ザ・ドリフターズ好きを公言しているだけあって、そこまでやるの!?と思うような場面も多々あり。

汗だくで奮闘している姿に思わず"アッパレじゃ!"と声援を贈りたくなりました。

 

201911gekipia_togitatsu.jpg『研辰の討たれ』

左より平井才次郎=坂東亀蔵、守山辰次=松本幸四郎、平井九市郎=坂東彦三郎

 

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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.6■


ティム・バートンの傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
多くの人々に愛された感動作の再演が現在好評上演中です。

父と息子の和解、家族の愛という普遍的なテーマを、ファンタジックな世界観の中で描いていく物語で、日本では2017年に初演。
今年は《12 chairs version》と冠し、少数精鋭12人で上演する新バージョンになりますが、主人公のエドワード・ブルーム役の川平慈英さん以下、なんと初演の主要メンバーが全員続投という奇跡の再演が実現した、というのは既報のとおり。

そして、皆さんが口をそろえて言うのが、「川平慈英さんのエドワードは、本当にピッタリだった!」ということ。

自分の体験した出来事を、ありえないほど "盛って" ワクワクするような物語に仕立てあげるエドワード。川平さんのチャーミングさ、サービス精神の旺盛さは、まさにエドワードそのものでした。

今回の更新は、そのエドワード=川平慈英さんと、エドワードの幼馴染にして永遠のライバルであるドン・プライス=藤井隆さん、ドンの弟ザッキー・プライス=東山光明さん"幼馴染トリオ" のインタビューです!
稽古も佳境に入った、本番直前の某日にお話を伺ってきました。
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●ストーリー●
自分の体験をワクワクするような冒険譚にでっちあげて語る父・エドワード。
少年時代に"沼の魔女"から、自分の死期を予言された話。
故郷の洞窟に住んでいた巨人・カールとの友情。
サーカスで最愛の女性・サンドラと出会い、彼女の情報ほしさに団長のエイモスのもとで働いた話。
...幼い頃は、父の語る冒険譚が大好きだったけれど、成長して父の大げさな話に飽き飽きしている息子・ウィルとエドワードの間には、いつしか溝ができてしまっています。
しかし父が病に倒れたことから、ウィルは"父の話の真実"を知りたいと強く思うようになって...。

 

川平慈英×藤井隆×東山光明
INTERVIEW ◆

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●《12 chairs version》は総力戦

―― "奇跡の集結" だと皆さんが仰っている再演です。お稽古場はどんな雰囲気ですか?

川平「藤井さんどうですか!」

藤井「やっぱり最初は寂しかったですよね、お稽古場が」

川平「たしかに、前回はもっとわちゃわちゃしてたから」

藤井「はい。ただ今回、再演のお話をいただいたときに、演出の白井(晃)さんと主演の慈英さんが引続きやられると聞いて、絶対に僕も参加させていただきたいと思いました。それは初演の時に慈英さんが作ってくれた座組みの雰囲気が良かったから。物語は悲しい面もあるのですが、すごくお稽古場が楽しかったんです。皆さんお忙しい方ばかりだったので、帰りに一緒にご飯に行って......というような "仲の良さ" ではなかったのですが、稽古場で作り上げている時間が本当に楽しかった。その場所にもう一度呼んでいただけたことがすごく嬉しく、今ふたたび参加させていただいて、とても楽しいです」

東山「僕もすごく思い入れを持って今回の再演に挑んでいます。実は、出演した作品に再演でも出させてもらうってことが初めてなんですよ。それもすごく嬉しくて。今回は12人バージョンということで気持ちも新しく『ビッグ・フィッシュ』に挑ませてもらっています」

川平「楽しくやってますよね。前回は産みの苦しみで、この作品がどう評価されるかまったくわからない状態で作っていたので、白井さんが頭をかきむしって、髪がいつも以上にカーリーヘアになっていた(笑)。でも今回は白井さんもリラックスしているし、みんなが落ち着いています。ただ《12 chairs version》になるので結構、試行錯誤しています。でもある意味正しい "12人の表現方法" だと思う。人数が減ったことを逆手にとって、12人がフル活動。みんな、涙ぐましい努力をしています(笑)」
 
 
―― 公開稽古でやった冒頭のナンバー『ヒーローになれ』から総力戦だなと思いました。

川平「本当に総力戦。初演では健ちゃん(浦井健治)も、ねねちゃん(夢咲ねね)もこのシーンはいなかったけれど、今回はいます。皆さん、実はこんなところにも出ている! っていうトリビアがいっぱいある、だから何回か観た方がいいですよ(笑)。実はあのシーンのあそこに誰々がいる! って見るのも面白いと思います。霧矢(大夢)さんのアレ(※どこを指しているかは舞台をご覧ください)なんか、最高だよね! 全編みんな、フルスロットルですよ」

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■『ビッグ・フィッシュ』2019 vol.5■

ティム・バートン監督の傑作映画をもとにしたミュージカル『ビッグ・フィッシュ』が11月1日、東京・シアタークリエで開幕した。日本では白井晃演出で2017年に初演。ファンタジックな世界観の中に家族の大切さをしっかり描き出し、好評を博した。今回はその好評を受け、2年半ぶりの再演。川平慈英浦井健治霧矢大夢夢咲ねねらオリジナルキャストが揃い、夢のように美しくも、観る者が自分の人生と照らしあわさずにはいられない普遍的な作品を紡ぎだしている。
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物語の主人公は、自らの体験談を現実にはありえないほど大げさに盛って語る男、エドワード。小さい頃に魔女に自分の死に方を予言された話、人魚と恋をした話、洞窟の巨人と友だちになった話、サーカスで最愛の女性と出会った話......。その奇想天外な話を聞いて育った息子のウィルは、大人になるにつれ現実味のない父親の話を信じなくなり、さらにはあることをきっかけに父子の間には大きな亀裂が入ってしまう。だがエドワードが病気になり、ウィルは父の話の真実がどこにあったのかを探ろうとする......。
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劇場を初演の日生劇場よりひとまわり小さいサイズのシアタークリエに移し《12 chairs version》と冠するアザーバージョンでの上演となった今年の公演。だが演出の白井晃が「シンプルな空間にしようとは思っていない、初演の空間をできるだけ凝縮した形に」と語っていたように、物足りなさは一切感じない。白井の繊細な演出や、印象的な美しい舞台セットも健在だ。キャストは初演時の22名から12人の少数精鋭となったが、その分キャストひとりひとりが様々なシーンに登場。浦井や霧矢、夢咲らメインキャストも、めまぐるしく衣裳を替え、様々な役に扮する。特に彼らがエドワードが語る冒険譚のキャラクターとして登場することが増えたことから演劇ならではの面白さが増し、さらに劇中劇感が色濃くなったことで"物語を紡ぐ楽しさ"がより強く伝わってくる。これは『ビッグ・フィッシュ』という作品が訴える大きなテーマにも通じる。人生には物語が、夢が大切だ。誰もが自分の人生の主人公だ――。それは、泣きたくなるほどにあたたかく優しく、力強い人生賛歌だ。

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【ダンス オブ ヴァンパイア 2019 #6】
 

ロマン・ポランスキー監督映画『吸血鬼』をもとに、『エリザベート』の脚本家であるミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞を手掛けたミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』

吸血鬼のクロロック伯爵と、ヴァンパイア研究の権威・アブロンシウス教授の対決を軸に、一風変わった登場人物が入り乱れ、笑いと恐怖(?)の渦の中、熱狂のフィナーレへとなだれこむ......。
日本でも2006年の初演以来、観る者をとりこにし、劇場を熱く賑わせてきました本作が今年、4年ぶりに上演されます。

開幕が間近に迫った2019年版『ダンス オブ ヴァンパイア』稽古場レポートの第4弾です!

※稽古場レポ第1弾はコチラ→
※稽古場レポ第2弾はコチラ→
※稽古場レポ第3弾はコチラ→

 

前回までのレポートからちょっと進んだシーンを、今回はお届けします。

束縛されたいまの状況から抜け出したい、外の自由な世界にいきたいと思うサラはその夜、外を散歩しています。
そこにアルフレートが「あの娘が窓から顔出してくれないかな~」と(ちょっと能天気に?)やってくる、という場面。

サラとアルフレートの美しいデュエットソングなのですが......演出の山田和也さん曰く「音楽としてふたつのパートはとてもフィットしているんだけど、言っている内容は全然違う」という曲。

ここまでのシーンの進め方同様、まずは段取りの確認から。
この部分は上手で歌い、ここのところでは下手で......というような大きな動きから、このフレーズで見つめあって、このフレーズでは正面を向く、というようなことまで。
ミュージカルは決まりごとが多くて、大変です。

このシーンも、サラ=神田沙也加さんアルフレート=相葉裕樹さんのコンビからスタート。
ミュージカル経験値の高いおふたり、もう、しょっぱなからいい雰囲気。
あるフレーズで見つめあって歌う神田サラと相葉アルフレートに、山田さん「そうだよねー、見つめあいたいよね(笑)」
...その動きはほぼ採用になった模様。
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【ダンス オブ ヴァンパイア 2019 #5】
 

ロマン・ポランスキー監督映画『吸血鬼』をもとに、『エリザベート』の脚本家であるミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞を手掛けたミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』

吸血鬼のクロロック伯爵と、ヴァンパイア研究の権威・アブロンシウス教授の対決を軸に、一風変わった登場人物が入り乱れ、笑いと恐怖(?)の渦の中、熱狂のフィナーレへとなだれこむ......。
日本でも2006年の初演以来、観る者をとりこにし、劇場を熱く賑わせてきました本作が今年、4年ぶりに上演されます。
開幕が間近に迫った2019年版『ダンス オブ ヴァンパイア』稽古場レポートの第3弾です!
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宿屋の娘・サラと教授の助手アルフレート、若いふたりが恋に落ちたかな? というドキドキニヤニヤのシーンを経て、山口祐一郎さん扮する吸血鬼のクロロック伯爵が登場します。

山口さんはもうさすがに慣れたものという感じで、しょっぱなから何の違和感なく「伯爵登場!」でした......。
伯爵に魅入られ、外の世界への憧れが浮かんでくるWサラの表情も自然です。

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日本文学の名作を"読み師"や"具現師"らによって表現していく本格文學朗読演劇シリーズ。その第14弾の上演が決定しました!

今回も脚本を神楽澤小虎(MAG.net)、演出をキムラ真(ナイスコンプレックス)が手掛け、坂口安吾の『桜の森の満開の下』を原作に、シリーズならではの世界をつくりあげます。

極上文學シリーズファンの方はお気づきかもしれませんが、実は本作、8年前に上演されたシリーズ第一弾の再演!リクエストがとても多かったのだそうで、今回は本格文學朗読演劇シリーズ「極上文學」第14弾『桜の森の満開の下』~孤独~として上演します。出演には読み師として、荒木健太朗、梅津瑞樹太田将熙、田口 涼、田渕法明、轟 大輝、松本祐一、三上 俊、宮城紘大、山本誠大(50音順)。また語り師として榊原優希、笹 翼、高坂知也、ランズベリー・アーサー(出演順)が、 具現師として市川真也、今井稜、萩原 悠、古見亮大(50音順)が出演します。

キャストのさまざまな組み合わせも楽しい作品。げきぴあでは、山賊(本作では「鼓毒丸(こどくまる)」)を演じる梅津瑞樹さんと太田将熙さん、女(本作では「ツミ夜姫(つみよひめ)」)を演じる三上俊さんにお話をうかがいました!

*****

――この極上文學シリーズに出演が決まって、三上さんは二度目、梅津さんと太田さんは初参加ですが、どのように感じていますか?
三上極上文學シリーズは世界観が大好きで、ずっと「また出たい」と言っていたんですよ。演出のキムラ真さんも大好きなので、すごく嬉しいです。久しぶりの女性役というのもドキドキで楽しみにしております。

――前回は'14年の第8弾『草迷宮』(泉鏡花)ですが、そのときはどうでしたか?
三上朗読劇だと思って臨んだら、全然違っていて(笑)。しかも割と自由だったので、探りながらやってましたね。例えば台本をどう使うかとかもそのひとつ。ただ読むためだけじゃなく、小道具として使うようなこともあるので。今回は経験があるぶん、最初から攻めて試してみようと思いました。

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ウーピー・ゴールドバーグ主演の大ヒット同名映画をもとにした人気ミュージカル『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』 が11月からいよいよ開幕します。

ウーピー本人がプロデューサーとなってミュージカル化し、なんと今年のロンドン公演にはウーピーが主人公デロリス役として再び登場する! というビッグニュースも入ってきたばかりですが、日本版デロリスと言えば森公美子さん!

ソウルフルな歌声とチャーミングさ、絶妙なコメディセンスを武器に愛さずにはいられないデロリスを作り上げ、客席を大いに盛り上げてきました。

出ずっぱりのデロリスは「すっごく、大変!」と言いながらも2014年の日本初演から3度目のデロリス役に挑む心境、作品の魅力などをたっぷり伺いました。
2019年前半を駆け抜けた『レ・ミゼラブル』の振り返りもあわせて、森さんのロングインタビューをどうぞ!

※デロリス役は、2019年版は朝夏まなとさんとのWキャストです。日本版は毎回、個性のまったく異なるWデロリスも話題になっています!初演は森さんと瀬奈じゅんさん、再演は森さんと蘭寿とむさんのWキャストでした。

 

森公美子 INTERVIEW

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●まずは2019年版『レ・ミゼラブル』の振り返りから...

 
―― 今年は4月から9月まで『レ・ミゼラブル』に出演されていました。まずはちょっと振り返って『レミゼ』のお話から伺わせてください。森さんはオリジナル演出である1997年からずっと出演されていますが、2013年からの新演出版も今年で4回目でした。今年から演出(補)もクリストファー・キーさんに変わって、細かいところがずいぶん変わりましたね。

「アピール度が少なくなったでしょ? 前に前に......ではなく、相手を見るお芝居が多くなって。クリスからはそれを求められました。だからテナルディエとふたりで正面(客席)を向いたのは、1ヵ所だけ。それ以外は全部、ストレートプレイのようでした」
 
 
―― 森さんは『レミゼ』に22年間出演されていますが、2019年の『レミゼ』はどう映りましたか?

「私にとって、"昔の決まりごと" が出てきてしまうというのが一番ダメなことなんです。意外に思われるかもしれませんが、"いつ観ても森公美子がやっているマダム・テナルディエだ" って評価をされるのが嫌だし、そう見えかねないところが自分のウィークポイントだと思っていて。だから "今回のマダム・テナルディエはこういう人物" というのをきちんと自分の中に入れておかないといけないと思ったし、演出の趣旨をきちんと守ろうと思ってやっていました。今回の演出で言うと「ずっと怒鳴ってろ」って言われました。セリフも「ここだね!」って言う登場シーンから「スクリーーーム!!」って言われて、喉が続くかな?私......って(笑)」
 
 
―― 確かに、テナルディエ夫婦は『レミゼ』の中にちょっとコミカルな要素を入れる存在でもあると思っていたのですが、今回は怖かった。

「そうそう、今回コミカルさがないんです。あの、作中唯一の救いだと言われた『テナイン(テナルディエ・イン/宿屋の主人の歌)』でもずっと怒っていろと言われて。今回は喉にも負担がかかりました、しかもクリスは「もっと出るだろ」って要求してくるんですよ......(小さい声で)ほかの人には言わないのに......」
 
 
―― それはやっぱり森さんへ対する期待度が高いってことですよね。

「やめてくれないかなって内心......(笑)。でも実は私、今年で『レミゼ』は最後だな、今年でやめようと思っていたんですよ。そんな中で今までと違う演出が付き、今までにない要求にチャレンジしたところ、自分の中にもまだ探りきれていないマダムがいたなって思ったし、探りきれていない後悔の念もあって。だから次のオーディションが通るかわかりませんが、集大成としてもう一度出られたらいいなと思っています」
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【ダンス オブ ヴァンパイア 2019 #4】
 

ロマン・ポランスキー監督映画『吸血鬼』をもとに、『エリザベート』の脚本家であるミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞を手掛けたミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』

吸血鬼のクロロック伯爵と、ヴァンパイア研究の権威・アブロンシウス教授の対決を軸に、一風変わった登場人物が入り乱れ、笑いと恐怖(?)の渦の中、熱狂のフィナーレへとなだれこむ......。
日本でも2006年の初演以来、観る者をとりこにし、劇場を熱く賑わせてきました本作が今年、4年ぶりに上演されます。
開幕が間近に迫った2019年版『ダンス オブ ヴァンパイア』稽古場レポートの第2弾です!TdV2019-3-11_2082.JPG

【2019年版バックナンバー】
#1 サラ役 桜井玲香さんインタビュー
#2 アルフレート役 相葉裕樹さん&東啓介さんインタビュー
#3 稽古場レポート Part1


前回に続き、シャガールが経営する宿屋にアブロンシウス教授と助手アルフレートが泊まった夜のシーン。
動きの段取りをつけて、何度かこのシーンを小返ししていく出演者たち。
まずは
・神田サラ&相葉アルフレート
のコンビです。


前日に出会った宿の娘サラとアルフレートはお互いちょっと「いいな」という思いを抱いている、微妙な間柄。
サラはお風呂好きが高じすぎて、父親にお風呂を禁じられ、部屋に閉じ込められてしまっています。
そんなときに、隣の浴室でアルフレートがお風呂にお湯を入れている音が聞こえてきたから......。TdV2019-3-12_2046.JPGTdV2019-3-13_2029.JPG

サラの部屋を覗こうとしているアルフレート=相葉裕樹さんTdV2019-3-14_2048.JPG
その姿をまさに目撃してしまい苦笑するサラ=神田沙也加さんTdV2019-3-15_2034.JPG
ごまかす相葉アルフレート......。TdV2019-3-16_2051.JPG

いやもう、すべてが可愛い!

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毎年恒例のWOWOW「勝手に演劇大賞」が今回でついに10回目の開催を迎える。同賞は一般の演劇ファンによる投票によって、今年上演された作品の中から最も輝いていたと思う、作品・演出家・俳優を選出し、選ばれた方々を勝手に表彰するというもの。主催はWOWOWだが、WOWOWの放送演目に限らず、今年上演された全ての作品が投票対象となる。

また、同賞の開催発表にあわせて、WOWOWオリジナル番組 福田雄一×井上芳雄「グリーン&ブラックス」にレギュラー出演している井上さんよりオススメ作品も到着!コメントはこちら!

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【井上芳雄さんコメント】
一番感動したミュージカルは、名古屋で観た劇団四季の『ノートルダムの鐘』でした。
ストレートプレイですと、『ドライビング・ミス・デイジー』。名作とは聞いていましたが、初めて観ました。
市村正親さんと草笛光子さん、堀部圭亮さんの3人芝居で素晴らしかったです。アメリカの翻訳劇ではありますが、どこの国の話というのは関係ない、人と人の話になっていて、シンプルではあるのですが素敵な作品でした。
草笛さんをはじめベテランの皆さんの演技を観ていると、僕もお芝居を続けてこんな風になりたいという希望になりました。

 

誰でも投票に参加できるのが「勝手に演劇大賞」の特長だ。あなたも今年2019年を振り返って、あなたにとっての2019マイベストを投票してみてはいかがだろうか?

投票はこちらから。
※要WOWOWのWEB会員登録(登録無料)

★投票期間:2019年11月1日(金)~12月31日(火)
★対象作品:2019年に国内で上演された全ての作品
★投票方法:勝手に演劇大賞特設サイトにて
★投票各賞:
 「作品賞」
 ストレートプレイ部門/ミュージカル部門/2.5次元部門
 「演出家賞」
 「女優賞」
 「男優賞」
 「新人賞」



勝手に演劇大賞 受賞記録

第1回 2009年
演出家賞:蜷川幸雄
女優賞:松たか子
男優賞:堺 雅人
作品賞:メカロックオペラ「R2C2」
ミュージカル「ジェーン・エア」

第2回 2010年
演出家賞:松尾スズキ
女優賞:天海祐希
男優賞:上川隆也
作品賞:新感線☆RX「薔薇とサムライ」

第3回 2012年
演出家賞:いのうえひでのり
女優賞:多部未華子
男優賞:森山未來
作品賞:「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」

第4回 2013年
演出家賞:白井 晃
女優賞:宮沢りえ
男優賞:小栗 旬
作品賞:音楽劇「ヴォイツェク」

第5回 2014年
演出家賞:小池修一郎
女優賞:前田敦子
男優賞:井上芳雄
作品賞:
ミュージカル部門 「モーツァルト!」
ストレートプレイ部門 「太陽2068」

第6回 2015年
演出家賞:白井 晃
女優賞:大島優子
男優賞:城田 優
作品賞:
ミュージカル部門 「いやおうなしに」
ストレートプレイ部門 「No.9-不滅の旋律-」

第7回 2016年
演出家賞:藤田俊太郎
女優賞:花總まり
男優賞:浦井健治
作品賞:
ミュージカル部門 「ジャージー・ボーイズ」
ストレートプレイ部門 「NODA・MAP『逆鱗』」

第8回 2017年
演出家賞:森新太郎
女優賞:濱田めぐみ
男優賞:井上芳雄
作品賞:
ミュージカル部門 「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」
ストレートプレイ部門 「子供の事情」

第9回 2018年
演出家賞:いのうえひでのり
女優賞:天海祐希
男優賞:鈴木拡樹
新人賞:上白石萌音
作品賞:
ミュージカル部門 「ナイツ・テイル-騎士物語-」
ストレートプレイ部門 「ヘンリー五世」
2.5次元部門 「舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰」

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2015年、劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、太宰治の未完の遺作小説をベースに、まったく新たなドラマを紡ぎ出し、数々の演劇賞を受賞した舞台『グッドバイ』

その『グッドバイ』が、2020年1月〜2月に"KERA CROSS第二弾"として、生瀬勝久が演出藤木直人ソニンをはじめとした個性溢れる俳優陣が出演することで早くも話題となっているが、この度、全キャストのビジュアルと配役が公開された。

 

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『グッドバイ』はKERA初のラブコメ作品であり、「人間失格」や「斜陽」といった太宰のデカダンス作品とはまた異なるコミカルでシニカルでユーモラスな魅力に溢れた作品。KERAは太宰の絶筆のバトンを引き継ぎ、生き生きと魅力的な登場人物たちのキャラクターを描き切った。

雑誌編集者をしながら、多くの愛人を抱える不埒な男・田島周二が、東京に妻子を呼び寄せ、女たちと別れようと思い始める。そんな時に、怪力で大食いの美女・永井キヌ子と出会ったことから、珍騒動が展開してゆく物語。

藤木が田島を演じ、キヌ子をソニン、小説家の連行を生瀬が演じることはすでに公開されているが、その他の全ての配役も発表され、このキャストが生瀬勝久演出の下、どのような化学反応を起こすのか期待感が高まる。舞台『グッドバイ』に初めて触れる観客も、KERA演出バージョンを見ている観客も、きっとそれぞれの楽しみ方が堪能できるに違いない。

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<全キャスト配役>

藤木 直人 : 田島周二 役(文芸誌「オベリスク」編集長)

ソニン : 永井キヌ子 役(闇市のかつぎ屋)

真飛聖: 田島静江 役(田島周二の妻)

朴璐美: 大櫛加代 役(内科医、田島の愛人)

長井短 : 水原ケイ子 役(挿絵画家、田島の愛人)

能條愛未 : 青木保子 役(美容師、田島の愛人)

田中真琴 : 草壁よし 役(百姓の娘、田島の愛人)

MIO : 田島幸子 役 (田島周二の娘)

YAE : 田島幸子 役 (田島周二の娘)

入野自由: 清川 役 (文芸誌「オベリスク」編集部員)

小松和重: 水原健一 役 (水原ケイ子の兄)

生瀬 勝久 : 連行 役(小説家)

【 KERA CROSS 第二弾『グッドバイ』 公演詳細 】

原作:太宰 治(「グッド・バイ」)

脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

演出:生瀬勝久

出演:

藤木直人 ソニン 真飛聖 朴璐美 長井短 能條愛未 田中真琴 MIO YAE

入野自由 小松和重 生瀬勝久

演奏:杉田のぞみ(Vn.)

全日程(2020年)

【東京】1月11日(土)~13日(月・祝) かめありリリオホール 

  2 月4日 (火)〜16日(日)シアタークリエ

【山形】1月16日(木) 山形市民会館
【新潟】1月18日(土) 長岡市立劇場
【広島】1月21日(火) JMSアステールプラザ 大ホール
【大阪】1月23日(木)〜26日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【香川】1月28日(火) レクザムホール(香川県県民ホール)小ホール

【愛知】1月30日(木)〜31日(金)日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【福島】2月2日(日) パルセいいざか

【ストーリー】

田島周二は、妻子を田舎に残し東京で暮らす雑誌編集者だが、その体裁の裏では闇商売で儲け10人もの愛人を抱える不埒な男。しかしそんな田島もいつしか、妻子を東京に呼び寄せ女たちと別れようと思い始めたそんな折、怪力で大食いの美女・永井キヌ子と出会ったことから珍騒動が展開してゆく......。

【KERA CROSSとは】

ケラリーノ・サンドロヴィッチの数々の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいに創りあげる連続上演シリーズ。

第一弾 KERA ×鈴木裕美『フローズン•ビーチ』 (※2019年 終了)

第二弾 KERA ×生瀬勝久『グッドバイ』

第三弾 KERA ×河原雅彦

第四弾 KERA ×三浦直之(ロロ)

第五弾 KERA ×ケラリーノ・サンドロヴィッチ

     (作 × 演出 の順に掲載)

企画・製作=東宝  キューブ

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