----今回演じるのは、クラブ「ASTERISK」の強気のトップダンサーです。
国内外の様々なダンス・コンテストやダンスバトルで優勝し、日本、台湾、中国、韓国、ドイツ、フランスほかで、パフォーマンス、審査員、ワークショップなど行っているYoshie。日本を代表するダンスクルー、BE BOP CREWのメンバーであり、女性3人のチームebonyのメンバーとしても活躍し、多くのストリート・ダンサー達の尊敬を集める彼女が、ASTERISKに初登場。一体、どんな舞台を見せてくれるのだろうか?
タイロン家の別荘の居間、1912年8月のある日。
メアリー(麻実れい)はモルヒネ中毒で入院し、退院後2か月経ったある晩、再びモルヒネに手を出してしまう。モルヒネによって、幻覚に囚われ始めているメアリー。そんな中、タイロン家の家族間の対立や不和が露呈していく―。
商業演劇で同じ役ばかりを演じている夫・ジェイムス(益岡
徹)との結婚を後悔しているメアリー、過度な倹約家で、土地所有に異常な執着の持ち主であるジェイムス、互いに不満を抱き、母をめぐり確執が生じているジェイミー(田中
圭)とエドマンド(満島真之介)の兄弟。
メアリーが麻薬に手を出してしまった原因は意外な過去にあった。辛い過去から逃れることができず、麻薬症状はさらにひどくなり、エドマンドのことすら疎んじ始めるメアリー。
家族がたどり着く長い旅路の果てに何が待っているのか―。
1789年初頭のフランス革命を背景に、若者たちの激しく熱い愛と理想に満ちた青春を描いた本作。主人公は、官憲に理不尽に父親を銃殺された青年ロナン。父の仇を討とうと故郷を離れたロナンは、パリで若き革命家たちと出会い、生きることの意味を考え始める。一方ヴェルサイユ宮殿では、王妃マリー・アントワネットや王の弟・アルトワ伯爵ら貴族たちが、華美な生活を続けていた...。
民衆と貴族たちの対比が明確で、どちらの感情も丁寧に描かれている。民衆側を演じるのは、ロナン役の男役トップスター龍真咲(りゅう・まさき)、カミーユ役の凪七瑠海(なぎな・るうみ)、ロベスピエール役の珠城(たまき)りょう、ダントン役の沙央(さおう)くらま。民衆のひとりを龍が演じ、スポットを当てることで、フランス革命という史実が、臨場感あふれる事件として体感できる。また、革命に身を投じる彼らが集団で描かれるときの熱や迫力は圧倒的で、特に1幕のラストシーンは鳥肌が立つほど壮観だ。
貴族側を演じるのは、アントワネット役のトップ娘役・愛希(まなき)れいか、ペイロール伯爵役の星条海斗(せいじょう・かいと)、アルトワ伯爵役の美弥(みや)るりから。フェルゼン伯爵との恋に現を抜かすアントワネット、冷徹で非道なペイロール伯爵、ビジュアルから異様な雰囲気を放つアルトワ伯爵と、それぞれがひと癖あるキャラクターを好演している。
副題に"バスティーユの恋人たち"とある通り、ロナンと王家に仕えるオランプ、アントワネットとフェルゼンとのふたつの切ない恋物語でもある。オランプは、海乃美月(うみの・みつき)と早乙女わかばの役替わり。この日は海乃が、意志の強さを秘めたナチュラルな演技を見せた。龍の相手役が愛希ではないことで話題にもなったが、作品を観ると納得の配役。アントワネットの王妃としての誇りや気高さ、凛とした雰囲気を出せるのは、トップ娘役として培ってきた賜物だろう。
さらに、耳なじみの良いフレンチ・ロックの楽曲や力強いダンス、華やかな衣装なども楽しめ、見どころ盛りだくさん。迫力満点で見ごたえたっぷりの群像劇に仕上がっている。
◆ ビジュアル撮影レポート ◆
『ASTERISK〜女神の光〜』でヒロイン、ヒカルを踊るのがKoharu Sugawara(菅原小春)。中学・高校生時代からTV番組「スーパーチャンプル」やコンテスト「DANCE ATTACK」で優勝して脚光を浴び、2010年に渡米。ダンサーとして活躍すると同時に、倖田來未や2NE1、少女時代といったアーティストの振付も手がけている23歳だ。今回、その恋人役を踊るのが、50(フィフティ)。東方神起、BoA、島谷ひとみ、三浦大知、w-inds.、JASMINEらのステージに出演し、また、9人組のダンスチームKING OF SWAGのメンバーとしても活動中。二人が紡ぐダンスの世界とは?
日本の最高峰のパフォーマーたちが一堂に介して一つの物語を紡ぐ、ストリートダンスの舞台公演「ASTERISK(アスタリスク)」。2013年の第一回、14年の第二回とDAZZLE主宰の長谷川達也が演出を手がけて来たが、今年の第三回『ASTERISK〜女神の光〜』では、前回ダンサーとして出演していた東京ゲゲゲイ主宰の牧宗孝(MIKEY)が総合演出・振付・脚本を手がける。
----今回の『ASTERISK〜女神の光〜』は、トップダンサーだった母を持つ娘ヒカルの物語だとか。こういう題材を選んだ理由とは何ですか?
「全然違うお話の中で突然踊り出すのではなく、踊る必然性があるストーリーにしたかったんです。となると、ダンスについてのストーリーだなと。これまでも様々な映画やミュージカルになってきた題材ですが、そこから今のダンスシーンを表現したいと考えました。たとえば近年、キッズダンサーが増えてきて、ステージママも増えている。今回、ヒカル光を演じるKoharu(Sugawara)も、実際にキッズダンサーだったんですよ。コンテストにもたくさん出ていて。そのリアルなKoharuと、現代の流れみたいなものをリンクさせたら、面白いと思いました」