明日海りお&花乃まりあ 囲み取材




「ピーターパン」では、一人二役で、ウェンディの父親ダーリング氏も演じる。フック船長としてはワイルドに、一方、ダーリング氏としては、飼い犬を追いかけながらゆるいテンションで踊ったりと、何の苦労もなく二役をこなしていたように見えたが、「実は、これまでの人生で一番キツイ舞台でした(笑)。とくに、フック船長での殺陣のシーンは、重い衣装とカツラを身に着けたまま、歌って踊り、えらそうにセリフを言わなくてはいけない。ゼーハーゼーハーと息をしたいのを我慢して演じているので、舞台裏では倒れ込んでいたんです(笑)」。また、ピーターパンと戦うシーンでは「子どもたちから『やめてー!』と声がかかり戸惑い、セリフが飛んだことも(笑)。今年はもっと余裕を持って自然にセリフを返したいですね。それに、僕は『アンパンマン』を見ていても、バイキンマンを応援するひねくれた子どもだった(笑)。怖いけど子どもたちにマネされるフック船長が目標です」。
今年はドラマ「セカンド・ラブ」に出演し映像でも活躍。「今まで歌うポジション、歩き方のポジションなど、ダンサーの立場から演技をしていた。今の演技のままでは、内面の動きが足りないことを実感。心のポジションを確立しないことには、いい演技はできないと感じました」。芝居の面白さにさらにはまり「早く『ピーターパン』で実践したくてたまらない」という。その表情や姿勢は、グングンと伸びていく新芽や木々を思わせる。「アダム・クーパーやヒュー・ジャックマンのような何でもできるエンターテイナーになるのが夢。目の前のことをひとつひとつ大切にこなせば、いつかたどり着けると思うんです」。大きく成長した彼を目撃してほしい。

取材・文:米満ゆうこ

キャラメルボックス30周年の第2弾「カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」が8年ぶりに神戸で開幕。
5/30(土)~6/14(日)サンシャイン劇場で行なわれる東京公演のイベントが発表されました!
スペシャルイベントは平日夜公演限定で行なわれます。
★等身大のカーテンコール
俳優がロビーでお客様をお見送りします。
6月 2日(火) 19:30
6月10日(水) 19:00
★30周年記念300人限定バックステージツアー
畑中智行さん、筒井俊作さん、多田直人さん、関根翔太さんがエスコートします。
6月 4日(木) 19:00
6月 9日(火) 19:00
6月12日(金) 19:00
★畑中智行1507ステージ記念1507秒ソロトーク
畑中智行さん本人企画の1507秒(約20分)
6月 5日(金) 19:00
★成井豊演劇生活35周年記念アフタートーク
トークメンバー:成井豊さん、大森美紀子さん、福本伸一さん
司会:加藤昌史さん、真柴あずきさん
6月11日(木) 19:00
イベントの詳細はこちら→キャラメルボックス特設ページ
「劇団結成30年ですので、過去の代表作を再演をせねばと思ったらやっぱりこの作品しかない。さらに、今だったら過去3回と比較してもベストの『カレッジ~』を作れる役者が揃った。一番ベストのタイミングで、"満を持して"ですね」と作・演出の成井豊さん。
ヒロイン・ほしみを演じるのは入団7年目の健康的で溌剌とした笑顔が魅力の原田樹里さん。
ベストかつ意気込み充分なキャストで名作が生まれ変わった舞台を観にサンシャイン劇場へお越しください。

国内外の様々なダンス・コンテストやダンスバトルで優勝し、日本、台湾、中国、韓国、ドイツ、フランスほかで、パフォーマンス、審査員、ワークショップなど行っているYoshie。日本を代表するダンスクルー、BE BOP CREWのメンバーであり、女性3人のチームebonyのメンバーとしても活躍し、多くのストリート・ダンサー達の尊敬を集める彼女が、ASTERISKに初登場。一体、どんな舞台を見せてくれるのだろうか?


タイロン家の別荘の居間、1912年8月のある日。
メアリー(麻実れい)はモルヒネ中毒で入院し、退院後2か月経ったある晩、再びモルヒネに手を出してしまう。モルヒネによって、幻覚に囚われ始めているメアリー。そんな中、タイロン家の家族間の対立や不和が露呈していく―。
商業演劇で同じ役ばかりを演じている夫・ジェイムス(益岡
徹)との結婚を後悔しているメアリー、過度な倹約家で、土地所有に異常な執着の持ち主であるジェイムス、互いに不満を抱き、母をめぐり確執が生じているジェイミー(田中
圭)とエドマンド(満島真之介)の兄弟。
メアリーが麻薬に手を出してしまった原因は意外な過去にあった。辛い過去から逃れることができず、麻薬症状はさらにひどくなり、エドマンドのことすら疎んじ始めるメアリー。
家族がたどり着く長い旅路の果てに何が待っているのか―。

1789年初頭のフランス革命を背景に、若者たちの激しく熱い愛と理想に満ちた青春を描いた本作。主人公は、官憲に理不尽に父親を銃殺された青年ロナン。父の仇を討とうと故郷を離れたロナンは、パリで若き革命家たちと出会い、生きることの意味を考え始める。一方ヴェルサイユ宮殿では、王妃マリー・アントワネットや王の弟・アルトワ伯爵ら貴族たちが、華美な生活を続けていた...。
民衆と貴族たちの対比が明確で、どちらの感情も丁寧に描かれている。民衆側を演じるのは、ロナン役の男役トップスター龍真咲(りゅう・まさき)、カミーユ役の凪七瑠海(なぎな・るうみ)、ロベスピエール役の珠城(たまき)りょう、ダントン役の沙央(さおう)くらま。民衆のひとりを龍が演じ、スポットを当てることで、フランス革命という史実が、臨場感あふれる事件として体感できる。また、革命に身を投じる彼らが集団で描かれるときの熱や迫力は圧倒的で、特に1幕のラストシーンは鳥肌が立つほど壮観だ。

副題に"バスティーユの恋人たち"とある通り、ロナンと王家に仕えるオランプ、アントワネットとフェルゼンとのふたつの切ない恋物語でもある。オランプは、海乃美月(うみの・みつき)と早乙女わかばの役替わり。この日は海乃が、意志の強さを秘めたナチュラルな演技を見せた。龍の相手役が愛希ではないことで話題にもなったが、作品を観ると納得の配役。アントワネットの王妃としての誇りや気高さ、凛とした雰囲気を出せるのは、トップ娘役として培ってきた賜物だろう。
