『ASTERISK〜女神の光〜』でヒロイン、ヒカルを踊るのがKoharu Sugawara(菅原小春)。中学・高校生時代からTV番組「スーパーチャンプル」やコンテスト「DANCE ATTACK」で優勝して脚光を浴び、2010年に渡米。ダンサーとして活躍すると同時に、倖田來未や2NE1、少女時代といったアーティストの振付も手がけている23歳だ。今回、その恋人役を踊るのが、50(フィフティ)。東方神起、BoA、島谷ひとみ、三浦大知、w-inds.、JASMINEらのステージに出演し、また、9人組のダンスチームKING OF SWAGのメンバーとしても活動中。二人が紡ぐダンスの世界とは?
----Koharuさんと50さんのデュエットを少しだけ拝見しましたが、とてもロマンティックで素敵でした。
Koharu「私が演じるヒカルは、お母さんがすごく有名なダンサーだったのに、ヒカルを妊娠したことでダンスの夢を諦めた人。この舞台では、そんなお母さんの夢を託されたヒカルが、愛とか憎しみとか葛藤とか、様々なものを経験する山あり谷ありの人生を描くんですが、50先生が演じる彼氏とのシーンは、他の場面とはひと味違う、温かくて幸せな雰囲気なんです」
50「ヒカルの誕生日に待ち合わせして、デートする場面です。ヒカルはお母さんからのプレッシャーなどでダンスを嫌いになっていたんですが、恋愛しているうちに踊りが楽しくなって来て、また踊り始めることになります」
Koharu「50さんとは初めてペアで踊らせていただくんですけど、すごく優しいお兄さんで上手にリードしてくれるので、やりやすいですね」
50「二人のシーンは、ベースの動きは僕が作ったんですが、Koharuちゃんには踊りのセンスも振付のセンスもあるから、一緒に『ここ、こうやろうか』『こうしたほうがいいね』と言い合って、変わった動きも取り入れてみたりして、めちゃくちゃ楽しいリハーサルでした。その時間があったことで、二人の距離も縮まったし」
Koharu「うんうん。50さんは普段もっとイカツイ音楽で踊っているのに対して、私はハッピーな曲で踊っているから、お互いの踊りのスタイルも違うし、今回挑戦する踊りもいつもと違うんだけれど、二人で向き合っていると化学反応が起きるというか。なんでなのか、わからないんですけど」
50「やっぱりダンスが好きだという共通点があるからかな」
----出演者はそれぞれ、様々な踊りのスタイルをお持ちですよね。どんなスタイルの舞台になるのでしょう?
50「僕の出演は、劇の冒頭、ヒカルのお母さんが活躍するショーのシーンと、この恋愛のシーンなのですが、冒頭のショーは、ストリートのスタイルでありつつ、ジャズの原田薫さんが振り付けているので、その感じが反映されていますね」
Koharu「スタイルがミックスされているところは、この舞台の大きな見どころです。こことここがこうなるんだ!っていうのを、観ていて楽しんでもらえると思う。ヒカルがショーのオーディションを受ける場面も、色々なダンサーが集まってきていることがわかって面白いです。ただ、Yoshieさんの振付がすごく難しくて。皆がオーディションで苦戦するっていうシーンなんですが、リアルに苦戦中(笑)。すごく勉強になります」
----ダンスを志す若者の挫折や希望といった青春を描く舞台ですが、お二人にも同じような経験が?
50「僕は中学生の時、ダンススクールに通っているのが自分だけだったので、寂しくなるというか、友達と遊ぶ方が楽しくなって、一度はダンスを辞めました。高校生になったら周囲にダンスをやる友達ができて、そうしたらダンスが遊びに変わって、まだ踊るようになったんですが」
Koharu「"GA武者LA"の時ですか?」
50「そうそう。高校生の時に"GA武者LA"っていうチームを作って踊っていて、Koharuちゃんとはその時からの知り合いで」
Koharu「私が中1とかで。コンテストで一緒になったんですけど、50さんが踊っているのを見て、おお、すげえお兄さんだなって。憧れてました」
50「嘘つけ(笑)」
Koharu「ほんとですよ! 私は"ジェメラス"っていうチームで。あの頃は、まさか一緒に踊るなんて、想像もしてなかったです。私自身、ヒカルと同じように、小さいころはコンテストが全てでした。お母さんに言われたからではなく、自分がやりたいからやっていた点は、ヒカルと違うんですけど。でも、コンテストで勝つことばかり求めるうちに、『勝つためにはこれをしなきゃいけない、でもそれは本当の自分じゃないんじゃないか』と自問自答するようになって、もっと好きなことをやろうということで海外に行って、今があります」
----最後に、お二人にとって、今、踊ることとはどういうことか、教えていただけますか?
50「音楽を聴きながらメロディーを口ずさんだり身体を揺らしたりって、たぶん皆さんやると思うんですけど、それが僕の場合は踊り。ダンスの何が楽しいかって、自分の感情を音楽とリンクさせながら踊って、エネルギーを発散することができるところ。それが快感だし、さらには、人に見せて共有して、相手を幸せにすることもできる。僕はプロポーズもダンスでやりました。ニューカレドニアのレストランで、突然踊って。踊りで表現する楽しみって、無限大だと思っています」
Koharu「ロマンティック! 私の場合も、気づいた時から、というより、気づかない時から踊っていたので、自分から切り離してダンスを語ることはできないです。海外に行った時、最初は英語ができなかったけれど、踊りを通してコミュニケーションを取ることができて、ますます、気持ちを込めて踊ることへの意識が高まったというのもありますね。ダンスが私で、私がダンス。それくらい、一体のものなんです」
(取材・文:高橋彩子)
【公演情報】
5月8日(金)~5月10日(日)、東京国際フォーラムホールCにて。
当日券は各公演開演の1時間前より、会場正面入り口当日券売り場にて販売!