<チームRED>
中川晃教/藤岡正明/矢崎 広/吉原光夫
<チームWHITE>
中川晃教/中河内雅貴/海宝直人/福井晶一
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中川晃教/藤岡正明/矢崎 広/吉原光夫
<チームWHITE>
中川晃教/中河内雅貴/海宝直人/福井晶一
三宅裕司さんを座長にミュージカル・アクション・コメデイを旗印に活躍する「劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)」が、2月24日(水)から東京・紀伊國屋サザンシアターで公演する斬新活喜歌劇『恋の骨折り損』。
シェイクスピア作品の中では有名な方ではありませんが、SETでは2002年の初演の際に東京芸術劇場ミュージカル月間で団体賞を受賞。全国各地で上演した人気作。今回は9年ぶりの再演です。
今回はゲストを迎えよりブラッシュアップすると聞いて、楽しみに稽古場におじゃましました。主演の東山義久さん(廷臣の一人・ビローン役)は現在、別公演の本番真っただ中であるにも関わらず、1時間でも2時間でも時間を見つけて稽古場にいらっしゃるんだそうです。すごい...。
そんな東山さんと一緒に廷臣を演じる(左から)大山真志さん、白倉裕二さん。王を演じる石井雅登さん(一番右)。みなさん休憩中はよくお話しされている様子。小ネタ満載のコミカルな舞台なので、仲のよさげな姿を見るとアドリブが楽しみになりますね!
「エリザベート」「レ・ミゼラブル」など主にミュージカルで活躍する東山さんに、劇団四季出身の石井さん、ミュージカルを中心に数多くの舞台に出演される大山さんのダンスや歌にはうっとり! そこにSETのメンバーである白倉さんのコミカルな演技が入り、一緒に演じているみなさんも思わず吹き出していました(笑)。
――今回は、ジュディ・ガーランドの楽曲を中心にしたトリビュート・コンサートですね。
「コンサートをするにあたり、せっかく『End of the RAINBOW』でジュディ・ガーランドの役を演じたので、ジュディの曲だけを集めたらどうか、ということになったんです。そんな光栄なことをさせていただいていいのか、と思いましたが、彼女の役を演じたことが後押ししてくれて、やってみようと思いました。彼女の歌はみなさんご存知の有名な曲ばかり。今回、歌いたい曲を並べたときに、たくさんありすぎて困っちゃうくらいでした。そこを厳選して、『End of the RAINBOW』で歌わせていただいた歌、その他たくさんの曲の中から選んで、ジュディが出演した映画の順を追ってお聞きいただける構成にしています」
――選曲はご自身でされているんですか?
「全部自分で曲を選んで、曲の順番も私が決めました」
――東京では水夏希さん、大阪では霧矢大夢さんというゲストとの共演も楽しみですね。
「コンサート中盤に、ジュディ・ガーランドの娘、ライザ・ミネリのコーナーを設けているので、お二人にはそこで登場していただく予定です。ライザに関連した曲を歌っていただいたり、私とデュエットしたり、あとはトークコーナーですね。水さんとはお仕事でよくご一緒させていただいているんですが、同期の霧矢とは、宝塚退団後、お仕事を一緒にするのは初めてなんです。積もり積もった話もあるし、お二人とはしゃべりだしたら止まらなくなっちゃいそうなので、袖からスタッフに止められないように注意しないと、と思っています」
――お気に入りの歌はありますか?
「全部好きな曲なので、決められないですねー。でも、例えば『That's Entertainment』や『I Got Rhythm』などは皆さんよくご存知の曲なので、聞いているだけで楽しいと思います。この曲は男性ダンサーお二人と一緒に少し踊るので、有名な曲を表現する楽しさを感じながらやっています。ミュージカルやお芝居だとなかなか踊る機会がないので、踊るのは久しぶりなんです。ジュディの曲は華やかなものが多いので、必然的にショーアップされたシーンが多くなるんじゃないかと思いますね」
――彩吹さんのあの美脚が見られるのかも気になります。
「美脚かどうかはわからないですけど...見られると思いますよ。言われてみれば私、よく脚を出してますねー。『End of the RAINBOW』の公演のときはジュディ役として歌っていましたが、今回はあくまで"彩吹真央が歌うジュディ・ガーランドの曲"。みなさんがご存知の曲を歌うプレッシャーはありますが、ジュディと、娘のライザ両方の曲を歌うので、2人の違いが出るように歌えたらいいなと思います。ジュディもライザも歌の技術が素晴らしいので、真似をしようにもできないですし、真似で終わってしまわないように、私の歌い方で表現できたらいいなと思いますね」
――ジュディ・ガーランドを演じてみて、彼女の魅力はどんなところにあると思いましたか?
「今回、もう一度映画や本を読み直してみたんですが、彼女のエンターテイナーとしての技量の素晴らしさ、すごさにあらためて感動します。彼女は2歳からずっとエンターテイナーとしてショービジネスの世界の中で生き続けていたんですが、背負うものが大きくて、普通の女の子だったら経験しなくてもいいことを経験したり、感じたりしているんですよね。並大抵な強さじゃないなと思います。晩年は薬やお酒でまわりに迷惑をかける行動が多くなって、厄介がられてしまうんですが、人にすごく優しくて、人を楽しませたいという思いが2歳のときから培われているので、そこは絶対に変わらないんですね。そういう彼女の中の揺るがないエンターテイナーとしての生き様みたいなものを感じて、歌に注ぎ込みたいなと思っています」
――穏やかな彩吹さんと破天荒なジュディ・ガーランドは、真逆のキャラクターですよね。
「彼女を知れば知るほど、育った環境、境遇もまったく違いますし、私が計り知れないような経験をした人なんです。なので演じるときは想像の域ですよね。でも歌、踊りを生業にしているのは共通しているので、その思いは同じでいたいなと思っています。私は大好きな仕事をするためなら何があってもへこたれずにできますけど、彼女は背負うものがあまりにも大きすぎたんだと思います。ジュディの言動は、私だったらやらないだろうな、ということが多いんですけど、そうならざるを得なかったのはすごく理解できるので、そこを共感しながら演じていました。俳優って、どんな役が来てもその役の人を理解し、共感しないと演じられないですから」
――コンサートでは、舞台とはまた違う彩吹さんが見られそうで楽しみです。
「去年の舞台をご覧になった方はもちろん、ご覧になっていない方も楽しんでいただける内容になっています。やっぱりみなさんがご存知の曲が多いというのは、本当にすごいことだなと思いますね。コンサートで"あ、この曲知ってる"って思っただけで楽しめるじゃないですか。マニアックな曲も入れてはいるんですけど、必ず知っている曲が出てくるので楽しんでいただけると思いますし、もし私が客席にいたら楽しんじゃうんじゃないかなと思います」
取材・文/郡司真紀 撮影/石井信実