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劇団四季『ウェストサイド物語』新演出版が開幕!
劇団四季『ウェストサイド物語』新演出版が開幕!
劇団四季『ウェストサイド物語』が2月14日、東京・四季劇場[秋]で開幕した。映画でもおなじみ、世界で愛される定番のミュージカルだが、劇団四季は今般、演出にジョーイ・マクニーリーを迎え、"新演出"で上演。1974年からコンスタントに上演され続けていた劇団四季版『ウェストサイド物語』が、新たな装いで登場する。
『ウェストサイド物語』は、『ロミオとジュリエット』をベースに場所をNYのウェストサイドに移し、敵対するふたつの若者グループの抗争と対立、そしてその中に生まれた悲恋を描くもの。『トゥナイト』『アメリカ』『クール』といった、誰もが耳にしたことのあるレナード・バーンスタインの名曲群、エネルギッシュで個性的なジェローム・ロビンス振付のダンスなどが物語と見事に融合し、ミュージカル界屈指の傑作として半世紀以上、世界中で上演され続けている。新演出を手がけるマクニーリー氏は、『ウェストサイド物語』のクオリティを守るために、ジェローム・ロビンス財団から選ばれた数少ない"公認振付師"のひとり。今回彼は、作中に流れるスピリットは変えることなく、社会からつまはじきにされている若者たちの爆発しそうなエネルギーを凝縮したかのように、エネルギッシュに、スピーディに、作品を作り上げた。その演出に応えるかのように、俳優たちも感情を爆発させ、切ないほどにパワフルな熱演を見せる。『ウェストサイド物語』らしさはそのままに、まぎれもなく新世紀版のステージとなっていた。
無事初日を開けたマクニーリー氏は「四季の皆さんに、この作品を次の世代に受け継ぐ機会をいただき、光栄に思っています。今回、『ウェストサイド物語』の新時代を四季のメンバーと共に拓きました。『ウェストサイド物語』はこの50年間、多くの方々にとって、それぞれの人の心に残る作品となってきた歴史ある作品です。人々は、最初に観た記憶を、ずっと持ち続けているものです。同様に、今回のお客様はこの先この公演の記憶をずっと持ち続けるでしょう」とコメントを発表。伝説のミュージカルが、新たな伝説の1ページを作るその瞬間を、お見逃しなく。
公演は5月8日(日)まで、同劇場にて。チケットは発売中。
舞台の様子をもう少しご紹介!
NYのウェストサイドに居住するふたつの若者グループ。
ジェット団は、プアホワイト。
新入りのシャーク団は、プエルトリコ移民。
異なる人種ゆえ、憎しみあうふたつのグループですが、ともに社会から差別されている存在でもあります。
ジェローム・ロビンス振付による印象的なダンスナンバーは、新演出といえど、そのままです。
ふたつのグループを仲良くさせようと開かれたダンスパーティですが、そんな大人たちの思惑ははずれ、彼らは自分たちの優位を誇るかのように、ダンス合戦へ。
マンボのリズムと、ハイレベルのダンスが見どころです。
シャーク団のリーダー・ベルナルドと、その恋人・アニタ。
そのダンスパーティの中、トニーとマリアは出会うのですが...トニーはジェット団のリーダー・リフの親友、マリアはシャーク団のリーダー・ベルナルドの妹で...。
ふたりの恋はすぐに周囲に勘付かれ、引き離されます。
火花を散らす、ベルナルドとリフ。
火花を散らす、ベルナルドとリフ。
恋に落ちたトニーはマリアの名前を呼び続けます。
トニーとマリアが愛を語るバルコニーのシーンは、演劇史に残る名シーンですね!
シャークの女たちが、アメリカの素晴らしさを歌う『アメリカ』。こちらも定番の名曲!
一方で、爆発しそうに感情を高ぶらせていくジェットの仲間たちを、リフが"クールに""落ち着け"と語りかけていく『クール』。
こちらもジェローム・ロビンスらしい、難易度の高いダンスが見ものです。
こちらもジェローム・ロビンスらしい、難易度の高いダンスが見ものです。
そして1幕のクライマックスとも言える、これまた名シーン&名ナンバー『トゥナイト(クインテット)』。
トニー、マリア、アニタ、ジェット団、シャーク団、5者がそれぞれの"今夜"への予感を歌い上げます。
そして1幕ラストの悲劇へ...。
合同取材の場で、演出のジョーイさんが「この物語は、たった36時間の出来事」と話していましたが、今回の新演出版、その短い時間での濃密な出来事だという面が際立っている印象です。
時間が凝縮されているかのように、濃い。そして、エモーショナル。
こんな短い時間で、昨日まであった命が消え、世界は一変してしまうのか。
そんな切なさ、やるせなさ...そして、憎しみあうことの虚しさが浮かび上がってきます。
今までにも『ウェストサイド物語』を観ている方にも、新しい体験が出来るに違いない"新演出版"、ぜひご期待ください!
取材・文・撮影:平野祥恵
【公演情報】
2月14日(日)~5月8日(日) 四季劇場[秋]