ヒラノの演劇徒然草の最近のブログ記事

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NHKの朝ドラで愛嬌あるオバちゃんを演じたかと思えば、情報番組で舌鋒鋭くも温かいコメントを繰り出し、新橋演舞場などの大劇場で看板を張ったかと思えば、下北沢の小劇場で劇団公演を打つ。歌手としてコンサートを開いたかと思えば、歌舞伎の新作公演の作・演出を務める...。

様々なジャンルを軽やかに行き来しマルチな活躍を見せる渡辺えり

彼女が80年代から作・演出を務め、小劇場界を牽引してきたオフィス3○○が、(前身の劇団3○○から数え)創立40周年を迎えます。

記念公演となる『肉の海』は、昨年、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した純文学の新鋭・上田岳弘の最新作『塔と重力』が原作。

『塔と重力』は阪神大震災を経験し、倒潰したホテルから生還したものの恋人の "美希子" を亡くした男性が主人公。20年後、美希子の記憶を抱いたまま生きる主人公が、Facebook上で再会した友人から「あること」を持ちかけられるが...という物語。
コミュニケーションツールが発達し、複雑になっていく時代をどう生きるのかというテーマを浮かび上がらせる作品ですが、今回渡辺えりは、この作品だけでなく、上田岳弘の全作品を読み解き、オリジナルの世界を構築するとのこと。

オフィシャルサイトには<渡辺と原作者の世界観がぶつかって起きる、爆発的なクライマックスは見逃せないものとなるだろう>という一文もあり、一体どんな作品世界が展開されるのか、予想もつきません...!

キャストも、40周年の記念公演に相応しく、豪華な顔ぶれが集結しました。

ベテランの三田和代ベンガル尾美としのり久世星佳
喜劇性豊かな青木さやか大地洋輔(ダイノジ)、
小劇場で大活躍の土屋佑壱藤田紀子原扶貴子宮下今日子の面々。
そして歌唱力抜群の土居裕子、ディズニ-・アニメーション映画『モアナと伝説の海』の日本版でヒロイン・モアナ役の吹き替えを務めた屋比久知奈(これが初舞台!)。
さらに、おふぃす3○○の元メンバー樋口浩二友寄有司ら、そしてもちろん渡辺えりも出演。

過去の劇中歌も生バンドで演奏されるという、40周年を飾る集大成な超音楽劇

作品について、渡辺えりに加え、三田和代土居裕子屋比久知奈という、渡辺作品に初参加する3人の女優にお話を伺ってきました。

取材日は、皆さんが初めて顔を合わせた稽古初日、稽古後のタイミング。
世代を超えた女優たちの、そして "超音楽劇" に相応しく声の美しい女優たちのクロストークです!
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渡辺えり三田和代土居裕子屋比久知奈 INTERVIEW

5月12日、シアターオーブにてミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン コンサートが開幕しました!
2016年に日本初演され、その年の演劇賞を総なめした大ヒットミュージカル。
9月には2年ぶりの待望の再演が控える中、ひと足先に"世界初のコンサートバージョン"として開催されたこのコンサート。

2016年版のキャストと2018年版のキャスト、新旧キャストが一堂に会する貴重なコンサートでもあります。

たった2日間のコンサートですが、12日の昼公演には開幕を祝して特別舞台挨拶が行われました。
速報でお届けします!00集合_4953.JPG00集合_5128.JPG


 
フランキー・ヴァリ役
中川晃教
「日本のフランキー・ヴァリ」と紹介された中川さんです。11中川_5154.JPG

「日本のフランキー・ヴァリ。気恥ずかしいですね(笑)。2年前、この役を手中におさめるために、多くの方のお力をかりました。このフランキーの声は僕の声とちょっと違います。自分の声ではない、自分にない声を発見する、それがこのジャージー・ボーイズの僕のはじまりとなりました。
そして9月の再演に向けて、2年間自分が挑戦してきたことが試されようとします。
そのちょっと前に、今日、『ジャージー・ボーイズ』の魅力をお届けできるコンサートを開くことができて本当に嬉しく思っています。また、『ジャージー・ボーイズ』を知ってる方も知らない方も、ミュージカルが好きな方も、ミュージカルがちょっとわからないなという方にも、音楽を通して、夢や希望、元気をお届けできる作品に携わることができて心から嬉しく思っています。
どうぞみなさん、応援よろしくお願いいたします!」

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■Coloring Musical『Indigo Tomato』特別特集 vol.2■


小林香が手掛けるオリジナルミュージカル『Indigo Tomato』
映像記憶能力や芸術的な能力が非常に優れている「サヴァン症候群」の青年とその家族が織りなす物語を、たった5人のキャストで描き出す新作ミュージカルです。

開幕が今月末に近付いている中、パンフレット用の撮影現場を取材してきました!

前半は平間壮一さん&溝口琢矢さんの "兄弟" の撮影現場をレポートしましたが、今回は大山真志さんと剣幸さんの撮影の様子をお届けします。IndigoTomato02_01_4049.JPGIndigoTomato02_02_4105.JPG



大山真志さんが演じるのは、サヴァン症候群の主人公・タカシ(平間壮一さん)を外界に引っ張り出す野心家、ユーゴ
インディゴ・カラーの衣裳を身にまとった大山さん、爽やかですね。IndigoTomato02_11_4056.JPG

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■Coloring Musical『Indigo Tomato』特別特集 vol.1■


『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』など数々の海外ミュージカルの演出を手がける一方、オリジナルのショー作品"SHOW-ism"シリーズなどを生み出し、日本では珍しいショー作家として確固たる地位を築いている小林香
国内外のミュージカルスターとタッグを組み、コンサートの演出家としても近年高い評価を得ている彼女ですが、『DNA-SHARAKU』『ifi』『ロコへのバラード』など、作家・脚本家としてもその才を発揮し、 多くのオリジナル作品を贈り出しているクリエイターでもあります。

ドラマチックでありながら繊細な心理をつくその作風で、多くのファンを獲得する小林が、 久しぶりの新作ミュージカルを上演します。

タイトルはColoring Musical『Indigo Tomato』
映像記憶能力や芸術的な能力が非常に優れている「サヴァン症候群」の青年とその家族が織りなす物語です。IndigoTomato01_01_4264.JPG

数学や暗記に特殊な能力を持つ青年・タカシ役に平間壮一
兄のタカシを支えてきた弟マモル役に溝口琢矢
ほか、タカシを外界に引っ張り出す野心家に大山真志、兄弟を見守る、明るくポジティブなカフェの店員に安藤聖、そして兄弟にまつわる多彩な女性を演じていくのは剣幸彩吹真央(Wキャスト)。

たった5人で演じられる、オリジナルミュージカル。

実力派揃いのカンパニーで、一体どんなカラフルな世界が広がるのか、いまから楽しみです!

すでに稽古もスタートしているカンパニーですが、パンフレット用の撮影をすると訊き、取材に伺ってきました。IndigoTomato01_02_4145.JPG
 



主人公・タカシを演じる平間さん。
ミュージカル『RENT』でのエンジェル役や劇団☆新感線「髑髏城の七人-Season月<上弦の月>」霧丸役など、人気作での主要な役柄を立て続けに演じている、若手注目俳優です。
人懐こい笑顔と朗らかな雰囲気が魅力の平間さんですが、撮影現場に現れた平間さんは、まさにそんなイメージどおりの方でした。

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■ミュージカル『1789』2018年版特集vol.7■



フランス生まれ、日本では2015年に宝塚歌劇団で初演され、翌2016年には東宝版として新たに上演されたミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』
待望の再演が現在、帝国劇場で上演中です!

「フランス革命」に材をとったこの作品、若者たちが自由と平等を求め、自分たちの生きる場所をよりよい世界にしようと戦う熱き物語ですが、作中ではロベスピエールダントンデムーランという実在した人物たちも登場。

映画や舞台など、様々な作品でも描かれる彼ら革命家たちは、その後それぞれが苦難の道へと歩んでいきますが、このミュージカル『1789』では彼らの若き青春の日々が描かれ、とにかくカッコ良く登場します!

その革命家たちを演じるのが三浦涼介上原理生渡辺大輔

3人に作品の見どころや、自分たちの役どころについて、そして『1789』で描かれているテーマについて...などなど、色々とお話を伺ってきました!

※インタビュー中、物語の展開に触れています。ご注意ください。

三浦涼介上原理生渡辺大輔 INTERVIEW ◆

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● ロベスピエール、ダントン、デムーラン、それぞれのキャラクターについて


―― 皆さんはそれぞれロベスピエール、ダントン、デムーランという、歴史上の人物を演じていらっしゃいます。史実があり、実在した人物ではありますが、このミュージカルではそれぞれ、どういうキャラクターとして捉えているかを教えてください。まず三浦さんは、マキシミリアン・ロベスピエールですね。

三浦「僕は初演の資料映像を観させていただいたり、演出の小池(修一郎)さんから「これを読んでおいて」と本を渡されたりと、入る前から情報源が多かったんです。ただ本に書かれているロベスピエール像のすべてがこの『1789』で見せられるわけではありませんので、若い頃の彼の、彼なりのまっすぐさというようなところを大切にしたいと思いました」

上原「ロベスピエール、熱いよね!」

三浦「どうやら初演はロベスピエールの中の要素として "冷" という字も入っていたようなのですが、今回は本当にまっすぐさと熱さ、みんなを引っ張っていく力...というところをすごく、小池さんにも言われたんです。でもなかなか上手くいかなくて、本番に入ってやっと、皆さんの熱量に自分も感化されて出来上がった感じです」


―― 三浦さんは、再演メンバーが多い中で今回からの参加ですから、大変なところもあったのでは。

三浦「最初は(初演でロベスピエールを演じた)古川雄大さんのイメージがすごく強くて、僕はすごくそこに惑わされていたんです(苦笑)。再演の作品に新メンバーとして加わるプレッシャーもあり、色々考えすぎちゃっていたんですよね。いつもだったらすんなり出来ているようなこともまったく進まず、すごくまわりに迷惑をかけてしまって。お稽古のあいだ、自分のロベスピエールが全然つかめずに本番に入ってしまった感じでした。でもゲネプロあたりで、この帝国劇場というステージに立って「こんな感覚なんだ」「こういうキャパなんだ」と実際にわかって(心が)開いた。それまで「帝国劇場に立つからにはこうじゃないと」というような固定的な意識があったところが取っ払われて、僕はたぶん今、そういうことをことごとく無視してやっているんだと思います(笑)。だから今は、僕は僕のロベスピエールをやろう、やってみようという気持ちでやっています」

▽ マキシミリアン・ロベスピエール(三浦涼介)1789_2018_07_11_0001.JPG


―― 上原さんは、演じるジョルジュ・ジャック・ダントンを、どういうキャラクターだと思っていますか。

上原「うん...。お酒を飲んでるだけですね」

三浦渡辺「(笑)!」

上原「根底は人情家。プチブルジョワだけど、一番 "シトワイヤン(市民・生活者)" と呼ばれる貧困層の人たちとも分け隔てなく接している。パレ・ロワイヤル(広場)でも、皆で一緒に飲んで、色々な意見を交わしたりしてるのかなぁ~、と思って。そういう熱さがあって、3人の中では、ほかの人々の架け橋となっているような存在なのかなって、自分では思っています」

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■ミュージカル『1789』2018年版特集vol.6■



フランス生まれ、日本では2015年に宝塚歌劇団で初演され、翌2016年には東宝版として新たに上演されたミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』
待望の再演が現在、帝国劇場で上演中です!
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『1789』をはじめとするフランス生まれのミュージカルは、打ち込みなども多用された斬新なサウンドも印象的ですが、本作は特に、今までの日本ミュージカル界にはあまりない手法が取り入られ、音楽的にも面白いものとなっています。

その『1789』の音楽的魅力について、音楽監督の太田健さんにお話を伺ってきました!

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●太田健 プロフィール●
1970年大阪生まれ。京都市立芸術大学大学院、米国マネス音楽大学大学院で学び、2002年2月、宝塚歌劇団に入団。2004年1月、花組公演『天使の季節』で作曲家デビュー。『太王四神記』『オーシャンズ11』『るろうに剣心』『ポーの一族』など、小池修一郎の演出する一本立て作品で音楽を担当することが多い。また『スカーレット・ピンパーネル』などフランク・ワイルドホーン作品の音楽監督も多く務めるほか、SMAPの21枚目のアルバム『Mr.S』(2014年)に「Theme of Mr.S」を提供するなど、劇団外部でも活躍。
 

◆ 太田健 INTERVIEW ◆

 
―― まずは音楽監督とはどんなお仕事なのか、教えてください。

「基本的に、音楽全般を取り仕切るのが音楽監督です。特に外国の作品を上演する場合は...今回でしたら『1789』のフランスの著作元があり、それを上演する権利を日本が買います。それをまったくそのままやるのか、もしくは色々な手を加えてやるのかということを演出家(小池修一郎さん)と相談しつつ、音楽のアレンジに関する作業を進めていきます」


―― 『1789』はけっこう、日本版のアレンジが加わっていますね。

「演出の小池先生から「この曲はこちらに使いたい」「この曲はもっとこんなアレンジに変えて欲しい」ということがたくさん出てきますので、日本版はこんな形にしたいんだとフランスの著作権元に相談し、許可を得て、日本版の楽譜上のすべてをやっていく、というのが最初の仕事。そのあと、最終的に稽古場で全体の流れが固まった段階で、あちらの雰囲気そのままでやりたいものはそれを再現するオーケストラの譜面を書き、日本版アレンジや新曲は、イチからオーケストラのアレンジをする。歌のことは歌の先生がやってくださっているので、"それ以外の音楽のこと全般" ですね」1789_2018_05_02_2195.JPG


―― いま「あちらの雰囲気そのままでやりたいものは再現をするオーケストラの譜面を書く」と仰ったのですが、オーケストラは全部日本で録っているんですか? 私は『1789』は生オケではなく録音だときいて、フランスで使っていた音源をそのままもらってやっているのかと思っていたのですが。

「全部、こちらで録り直しています。『ロミオとジュリエット』からずっとその形です。プレイヤーも日本のスタジオミュージシャンの方たちです。「録音したものをあげるよ」とフランス側は言うんですが、でもやっぱりちょっとテンポ感が違うんですよね。フランス語だとあのテンポでいいけれど、日本語だと少しテンポを上げないと違和感がある曲があったり。ほとんどフランス版と同じテイストで良いものは頂いたものを使うことも出来ますが、そうなると今度は日本でったものと向こうでったものを混ぜることになる。そうするとどうしても音源の雰囲気が変わるので、結局、統一感を出すために全部、日本で作り直しています。ちなみに "打ち込み" も、日本でイチからやっていますよ


―― そんな苦労をして、全曲録音、打ち込み。生では出せない音があるということでしょうか。

「"リズムの感じ" ですね。コンピュータで作る音って、簡単に言うと「今風」。フランスのミュージカルは曲自体はとてもクラシックなのですが、ベースが今風のリズムなんです。そうすると、その音を生オケで出すことは難しい。フランスのオリジナルがもともと全曲録音で、やっぱりそれを基本として欲しいということなので。例えば『ロミオとジュリエット』などは、ロンドン公演はアレンジも変えてすべて生オケで上演していたりと、国ごとに色々なことをやっているのですが、日本版ではやはりオリジナル版の匂いそのままやりたいね、とプロデューサーや小池先生とお話して、録音でいくことになりました」


―― 特に初演の時は、帝国劇場で、生オケではなく録音ということに、ファンも様々な思いを抱いたと思います。うがった見方をすれば「経費削減ではないか」とか。

「帝劇という劇場は、もともとオーケストラを使う作りになっていますからね。ただ、この公演に関しては経費のために...ということはまったくなく、大元のフランス版がテープだからというだけなんです。実際に録音も、シンフォニー・オーケストラくらいの莫大な人数で、丸2日くらいかけてやっています。さらに全曲打ち込みをしていますから、経費的にはけっこうな額がかかっているんですよ」


韓国で2006年に誕生して8年ものロングランヒットを飛ばし、ロマンチック・コメディ・ミュージカルのジャンルを確立したミュージカル『キム・ジョンウク探し』

日本では、2016年に村井良大彩吹真央駒田一の3名のキャストで日本版初演として上演し(タイトルは『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します』)、好評を博しました。
昨年も『Finding Mr.DESTINY』としてフレッシュなキャストで上演されましたが、このたび、満を持して初演時のオリジナルキャスト3人が帰ってきます!
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物語は、何をやってもダメダメな男・ミニョクが始めた「初恋探し株式会社」に、ヒロインのアン・リタが、忘れられない初恋の人"キム・ジョンウク"を探しにやって来るところから始まります。といっても、手掛かりはキム・ジョンウクという名前だけ。果たして初恋の人を無事に探し出すことができるのか...?リタの記憶を頼りに、ミニョクとリタの2人で初恋の人を探し出す過程をロマンチック・コメディ・ミュージカルとして描きます。

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■『うつろのまこと』特別連載 vol.2■


劇団InnocentSphereを率い、様々な社会問題をエッジのある切り口で舞台作品として贈りだしている西森英行

同時に、歌舞伎をはじめとする古典作品にも造詣が深く、これまでにも歌舞伎三大名作のひとつ『義経千本桜』を "義経は実は女だった" という切り口でアレンジした『新版 義経千本桜』、同じく歌舞伎の名作を力強い壮大な歴史絵巻として描く『新版 国性爺合戦』など古典に材をとった作品の数々も好評を博しています。

その西森さんが日本を代表する浄瑠璃・歌舞伎作者、近松門左衛門に挑むのが今作『うつろのまこと―近松浄瑠璃久遠道行』
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様々な名作を生み出していく近松自身の物語を縦軸に、
彼が生み出した『出世景清』『曽根崎心中』『心中天網島』の物語を横軸として絡め、
近松がどういう状況で、どういう思いでこれらの作品を生み出していったのか、
手を組んだ竹本座の座頭・竹本義太夫とはどんな関係性の中で、当時の時流をどう掴み、駆け上っていったのか......。

後の世まで語り継がれる作品を生み出していった近松と義太夫の真実を描き出す、渾身の一作になりそうです。

劇中、ピックアップされる近松作品は『出世景清』『曽根崎心中』『心中天網島』の3作。
近松33歳、義太夫35歳という、ふたりが出会い最初に作り上げた『出世景清』を巡る【出世之章】
一世を風靡したものの、その後人気に少しかげりが出てきた近松51歳、義太夫53歳の頃、葛藤の中で傑作『曽根崎心中』を生み出した時代を描く【名残之章】
そして義太夫の死後、近松68歳で次世代の竹本座に書いた『心中天網島』を巡る【生瓢之章】
の3章から成る構造。

そして出演する俳優は、近松の〈現実世界〉を演じるもの、
近松の書いた〈劇中世界〉を演じるものに分かれ、
多重構造の物語を浮かび上がらせていきます。

今回はすべての章を通して出演するキーマン・近松門左衛門を演じる伊藤裕一さんのインタビューをお届けします。
 

◆ 伊藤裕一 ロングインタビュー ◆

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●「西森さんは、実際に江戸まで行って取材をしてると思います(笑)」

――伊藤さんは今回、元禄の三大文豪と謳われる近松門左衛門役を演じられます。お話がきた時は、どんな気持ちでしたか?

「近松門左衛門は、NHK大河ドラマ(1995年の『八代将軍吉宗』)にナビゲーターとして登場するなど、誰もが知っている人物。でも一方で、本人がメインで描かれた作品がそんなにあるわけではないので、自由に作っていくこともできる役なのかなと思いました。その意味では楽しみですが...逆に言うと、僕の作り方次第で間違った近松のイメージを植え付けてしまう可能性もあるから、そこは恐怖でもありますね(笑)」


――プロットを読む限りでは、近松の "演劇人としての情熱" が前面に出る描き方、という印象があります。同じ演劇人として、共感できる部分もあるのでは?

「あるとは思いますが、片や近松門左衛門、片や伊藤裕一なので(笑)、共感できると言ってしまうのは恐れ多いなと。ただやはり、これから演じるなかで、三大文豪と呼ばれる天才がどんなことを感じながら創作していたのかを理解はしていくはず。その上で自分自身の創作活動にあたれるのは、今後の僕にとって大きなことじゃないかと思います」
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――伊藤さんご自身は、プロットを読んでどんな第一印象を持たれたのでしょうか。

「最初はやはり難しかったというか、前回出させていただいた『フェイス』(2017年、西森が作・演出を手掛けた伊藤と坂元健児の二人芝居)もそうだったんですが、「西森さんの "本気" を見た」という感じがありました。近松役については、西森さんご自身が投影されているのかな、と。西森さんは綿密な取材をした上で脚本を書かれる方で、解離性同一障害を題材にした前回は、実際に病院にまで行かれたとおっしゃってたんですよ。だから今回はきっと、実際に江戸にまで行かれたに違いないと思ってるんですが(笑)、そんな西森さんが題材に選んだということは、近松もそういう人だったんじゃないかなと。劇中で描かれる3つの近松作品のうち、2つは当時実際に起こった事件を元にした世話物ですが、きっと近松はあまり脚色せずそのまま書いたんじゃないかと想像しています」


――西森さんは今回、いつにも増してじっくりと取材をされたと聞きました。

「うわあ、じゃあ本当に僕が江戸に行かない限り敵わないですね(笑)。『フェイス』の稽古中、「解離性同一障害のことが5分でわかる本があるよ」と言われてお借りしたんですが、それが5冊あったので結果的には25分かかって(笑)。今回もきっと、西森さんはたくさんの資料をお持ちだろうし、聞けば何でも教えてくださるのだと思います。でも教えていただいてばかりというのも悔しいので、「西森さん、これ知ってます?」って言えるくらい(笑)、しっかりと準備をして稽古に臨みたいですね」
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■ミュージカル『1789』2018年版特集vol.5■



ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』が現在、帝国劇場で上演中。その公演レポートをお届けします!
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【公演レポート】

フランス革命に材をとったミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち-』が現在、東京・帝国劇場で上演中だ。2012年にフランスで初演、日本では宝塚歌劇団での上演を経て2016年に装いも新たに帝国劇場で上演されたもの。今回はその、好評を博した帝国劇場版の再演だ。キャストも大半が初演からの続投で、さらに一層熱気の高まったステージを魅せている。主人公ロナン、その恋人オランプ、王妃マリー・アントワネットの主要3役がダブルキャスト。それぞれを観た感想を記す。

物語は、18世紀末のパリが舞台。財政は破綻し、搾取される民衆は疲弊しているが、貴族たちは贅沢三昧。民衆たちの不満は高まっている。そんな中、税金滞納を理由に父を貴族に殺された農夫ロナンは、革命運動を牽引しているデムーラン、ロベスピエール、ダントンらと出会い、革命へ身を投じていく。ある日、王妃マリー・アントワネットと、その恋人フェルゼン伯の逢引きに遭遇してしまったロナン。侍女オランプの機転で王妃はその場を逃れるも、ロナンは誤解からバスティーユ監獄に投獄されてしまう。その事件をきっかけにロナンは自身も知らないうちに王室のスキャンダルに深く関り、一方でオランプと次第に惹かれあっていく...。若者たちが"人間が生きることの意味"を問い、より良い世界の実現を目指していく熱い戦いを縦軸に、様々な階層の恋人たちのままならぬ恋を横軸に絡めたドラマチックなストーリーが、ノリの良いロック・ミュージックに乗って描かれていく。

主人公ロナンをダブルキャストで演じる小池徹平加藤和樹をはじめ、メインキャストは30代前半の俳優が中心。ミュージカルの殿堂・帝国劇場で上演される作品としては異色の、若いカンパニーだ。その若さゆえの思い切りの良さ、ひたむきな熱さが作品中に溢れ、2016年の初演でも"若いパワー"が巻き起こす熱狂が伝わった本作。今回の再演でも初演同様の熱さがほとばしっている。が、若いということは成長も早いということ。ロナン役の小池と加藤がともに、ひとまわりもふたまわりもその存在感を増し作品をどっしりと支えるとともに、他のキャストもそれぞれ成長を感じさせる充実のパフォーマンスを見せ、作品をさらに輝かせた。

▽ 小池徹平1789_2018_05_01_07B_0344+.jpg

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■『うつろのまこと』特別連載 vol.1■


劇団InnocentSphereを率い、様々な社会問題をエッジのある切り口で舞台作品として贈りだしている西森英行

同時に、歌舞伎をはじめとする古典作品にも造詣が深く、これまでにも歌舞伎三大名作のひとつ『義経千本桜』を "義経は実は女だった" という切り口でアレンジした『新版 義経千本桜』、同じく歌舞伎の名作を力強い壮大な歴史絵巻として描く『新版 国性爺合戦』など古典に材をとった作品の数々も好評を博しています。

その西森さんが日本を代表する浄瑠璃・歌舞伎作者、近松門左衛門に挑むのが今作『うつろのまこと―近松浄瑠璃久遠道行』
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様々な名作を生み出していく近松自身の物語を縦軸に、
彼が生み出した『出世景清』『曽根崎心中』『心中天網島』の物語を横軸として絡め、
近松がどういう状況で、どういう思いでこれらの作品を生み出していったのか、
手を組んだ竹本座の座頭・竹本義太夫とはどんな関係性の中で、当時の時流をどう掴み、駆け上っていったのか......。

後の世まで語り継がれる作品を生み出していった近松と義太夫の真実を描き出す、渾身の一作になりそうです。

劇中、ピックアップされる近松作品は『出世景清』『曽根崎心中』『心中天網島』の3作。
近松33歳、義太夫35歳という、ふたりが出会い最初に作り上げた『出世景清』を巡る【出世之章】
一世を風靡したものの、その後人気に少しかげりが出てきた近松51歳、義太夫53歳の頃、葛藤の中で傑作『曽根崎心中』を生み出した時代を描く【名残之章】
そして義太夫の死後、近松68歳で次世代の竹本座に書いた『心中天網島』を巡る【生瓢之章】
の3章から成る構造。

そして出演する俳優は、近松の〈現実世界〉を演じるもの、
近松の書いた〈劇中世界〉を演じるものに分かれ、
多重構造の物語を浮かび上がらせていきます。

この『うつろのまこと―近松浄瑠璃久遠道行』、げきぴあでは特別連載としてご紹介していく予定ですが、まずは4月某日に行われた、ビジュアル撮影現場に潜入!

【名残之章】に出演、劇中作『曽根崎心中』の主人公・徳兵衛を演じる戸谷公人さんの撮影現場を取材してきました。utsuro01_04_4032.JPG
 

◆ 戸谷公人ビジュアル撮影レポート&インタビュー ◆

撮影現場は、こんな雰囲気。utsuro01_00_4004.JPG

まず驚くのは、この扮装です。

江戸時代を描く作品ですが、和服でもなければ、和を感じさせるものでもありません。
普通に現代のスタイリッシュな洋服です。
ううむ、一体どんな舞台になるのでしょう!?utsuro01_01_3986.JPG

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