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needles_01_gekipia.jpg舞台写真撮影:Nicola Frank Vachon


世界のアートシーンを牽引するマルチクリエーターのロベール・ルパージュ

ラスベガスで上演中のシルク・ドゥ・ソレイユ『KA(カー)』や、来年2月より日本公演が決定している『TOTEM(トーテム)』の演出を手掛け、"映像の魔術師"に相応しい魔法のような舞台で世界中の観客を魅了しています。

その彼が、1991年に初演した代表作『Needles and Opium』の完全リニューアル版を引っさげ、10月に来日公演を行います。


needles_02_gekipia.jpg舞台写真撮影:Nicola Frank Vachon


『Needles and Opium』は"ルパージュ・マジック"と呼ばれる手法を世界に知らしめた記念碑的作品で、副題にある「針とアヘン ~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~」のとおり、1949年に焦点をあて、当時活躍したデイヴィスとコクトーのイメージを召喚させながら、現代のある男性の内面を多層的に描いています。

さて、今作品のテーマのひとつに"麻薬中毒"があります。
詳しい方なら、マイルズ・デイヴィスはヘロイン中毒(=注射"針")、ジャン・コクトーはアヘン中毒だったなと、ピンとくるかもしれませんね。

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フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが共演した、ハリウッド黄金時代の傑作映画『TOP HAT』。2011年にイギリスで初舞台化され、英国ローレンス・オリヴィエ賞3冠にも輝いたミュージカルが、この秋待望の来日を果たした。映画版を、そしてフレッド・アステアをこよなく愛する浜村淳さんから見た来日公演の見どころは? 普段から劇場へもよく足を運ばれている浜村さんに、映画評論家として、舞台ファンとして大いに語ってもらった。

浜村淳_MG_7965.jpg――今年の春にまず宝塚歌劇団宙組が、『TOP HAT』を日本初上演されましたね。
 
素晴らしかったですね。記者会見で宙組トップコンビの朝夏まなとさんと実咲凜音さんが、タップを踏んでいるのを見たときから「やるな~!」と思っていましたが、宝塚100年の底力を感じました。宝塚風にロマンティックにアレンジし、完全に自分たちのものにして楽しんで演じていて、見事なもんでした。
 
――フレッド・アステアが見せた高度なタップのシーンなども登場していましたね。
 
そう、映画をリスペクトする作りでした。やっぱりフレッド・アステアは"ダンスの神様"と言われ偉大。アメリカのミュージカルにとって、欠かすことのできない存在ですよ。『イースター・パレード』『バンド・ワゴン』など多くのミュージカル映画に出演し、振付もよく自分でしていました。その彼が出演した『TOP HAT』は1935年の公開で当時大ヒットしましたからね。アメリカのミュージカル映画ではベストスリーに入る映画ですよ! これをイギリスで、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの映画に負けないぐらいの見事なミュージカルにしたのですから驚きました。

浜村淳_MG_7579.jpg――映像で英国版の舞台をご覧になったそうですね。いかがでしたか?
 
 まず舞台装置が巧いですね。イギリスの舞台では、何枚もの扉のようなセットを開けたり閉めたり、2枚だけ使ったりと変化をつけて場面を転換していくんです。またロンドンのホテルでアステアがタップダンスを踊るシーン、1階下の部屋にいるロジャースが「うるさくて眠れない!」と怒ってるんですが、舞台ではアッと驚くような方法を用いて見せていますね。雨と雷のなか公園で、主役の二人が踊る場面もそうですし、舞台として見事に映画を消化しているのがすごいですね。
 
――あの公園のシーンはポイントですよね。
 
映画もそうでしたね。初めはデイル(ジンジャー・ロジャース)の方が反目しているけれど、あまりにもジェリー(フレッド・アステア)の誘い方が上手いからか、意識してない感じでデイルもスーッと立ち上がって一緒に踊り出す。「さあ踊りましょう」とか誘いの言葉もなくスーっと。二人の心の動きを表す振付で、素晴らしいタップが繰り広げられます。この場面、舞台でも見事でした。

浜村淳_MG_7642.jpg――そのとき心が近づいたかに見えた二人が、勘違いのせいですれ違っていきます。
 
デイルの友人でもあるプロデューサーの奥さんが、善意のおせっかいをやくのもあってね(笑)。裏目裏目に出て面白い話になっていくわけです。笑いがいっぱいのラブ・コメディで楽しいですよね。イタリア人デザイナーも、イタリア男の風情を漫画風に大げさに演じるから大いに沸きます。ただ、コメディといってもドタバタ喜劇ではなく、さり気なく笑わせてくれてお洒落ですよね。
 
――特にお好きなナンバーはありますか?
 
やっぱり「Cheek to Cheek」"頬よせて"は聴いていて心地いいですね。この曲を最初は、作曲家のアーヴィング・バーリンもフレッド・アステアも気に入らなかったそうです。それが80年経った今もスタンダードナンバーになっているのですから、分からないものです(笑)。イギリスの舞台では、あの有名なデュエットダンスのシーンで、デイル役の人が逆立ちするぐらい足を上げる振付があるんですが、アクロバティックですね! あれナマの舞台で観たら大変なものですよ。他には、「Top Hat, White Tie and Tails」という曲での群舞もいいですね。"トップハットに白い蝶ネクタイ、黒燕尾"という意味ですが、これはアステアの定番のスタイルでもあります。彼は映画でもよく燕尾服を着てましたが、日常が特別な世界のような気分になるから好きだったんでしょうね。このシーン、映画では男性ばかりの群舞でしたが、イギリスのミュージカルでは女性も入っているんですよ。その点、ちょっと持ち味が違って面白かったですね。
 
――この舞台では映画の音楽以外にも、アーヴィング・バーリンのヒット曲の中から新たに10数曲が加わっています。
 
そう、だから見応えありますね。バーリンは「ホワイト・クリスマス」という大ヒット曲もありますが、ミュージカルの音楽を手掛けると必ず成功する名人なんです。『アニーよ銃をとれ』など名作がたくさんあり、必ず作品中1曲は後世に残る曲を残しています。わたくしニューヨークへ行った時、「アーヴィング・バーリンがニューヨークにいますがお会いしますか?」と言われたんですよ。世界的な大音楽家の前で、何を喋れますか!? その時は丁重にお断りしたのですが、その後間もなく101歳でお亡くなりになられてね。あの時、バーリンが書いた曲や作品のことなど、「あれはあーでしたね」と色々喋りたかったなと、後から思いました。

浜村淳_MG_7795.jpg――それはきっとお話も弾んだでしょうね。バーリンもアステアも、きっと天国で舞台化を喜んでいるのではないでしょうか。
 
そうだと思います。なぜ長いこと舞台化されなかったのか。その理由は分かりませんが、私が思うにアステア以上の踊りを見せられるのか、またアステア以上のものをやられても困る、という思いもどこかにあったのかと思います。でも、もうそういう時代じゃないですからね。アステア以上のものをやってもいいのではないかと思います(笑)。
 
――来日公演のジェリー役を演じられるアラン・バーキットさんは、タップダンスのチャンピオンシップで優勝したこともあるそうです。
 
それは楽しみですね。本当にみなさんタップダンスが巧いですから。それに映画は白黒でしたが、舞台は衣裳も装置も全部カラーで美しいですよね。みなさんにはこの舞台で、夢を見てほしいと思います。日常のストレスを消してしまう効き目がありますよ。華やかで明るくて楽しくて、心が躍って身体も踊るという(笑)。タップが無理でも、ぜひスキップぐらいして帰って頂きたいですね。

公演は10月12日(月・祝)まで東京・東急シアターオーブ、10月16日(金)から25日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。チケット発売中。

取材・文:小野寺亜紀
撮影:木村正史
 

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■ミュージカル『CHESS』■


2度のコンサート形式での上演を経て、ついに日本初演の幕を開けたミュージカル『CHESS』
冷戦下のチェスの世界大会を舞台に、恋愛と政治の駆け引きが絡み合う奥行きのある物語が、ABBAのメンバーが手がけた美しく繊細な楽曲に載せ紡がれる作品です。
何より、カンパニーの『CHESS』への愛情がひしひしと伝わる、熱い熱いパフォーマンスは感動必至!
必見のミュージカルです。

★開幕レポートはコチラ

稽古場からこの作品を追っているげきぴあですが、本日は去る9月28日に行われたアフタートークイベント「CHESS ミュージカル版を語る!」のレポートをお届けします。

出席者は石井一孝田代万里生AKANE LIV戸井勝海、そしてゲストに『CHESS in Concert』初演(2012年)にアービター役で出演していた浦井健治という豪華な顔ぶれです!
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まず、作品を観た感想を求められた浦井健治さん。
「もう大感動しております! そして、楽曲が難しい! (難しいことを)思い出した! みんなすごいな~って...」と開口一番の賞賛の言葉でした。
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そしてソ連側の代表選手・アナトリー役をコンサート版初演から演じている石井一孝さん。
「長い道のりの3時間ですが、今回コンサートバージョンと一番違うのは、妻のスヴェトラーナが1幕で近くにいること。これがやっぱり、一番違うかな。だから(スヴェトラーナ役の)AKANEちゃんと何度も話し合いました。一番最初に、2階の居間に出てくるじゃない? ...あ、2階の飛び出たところを我々は居間と呼んでいるんですが(笑)。あそこではどんな会話をしているとかも。その段階から亀裂が入っているわけではなく、普通の家庭。ただ試合が近くて、これからメラーノに乗り込んでいくところなので、イライラしている。でも愛してないとか溝があるとか、そんなんじゃない方がいいよねとかも話し合って、演じているのがすごく新鮮。(コンサート版では)失われた、見せていなかったピースだからね。子どもがふたりもいるんだよ?名前も決まってるの。その辺がすごく新しくて。より辛くもあるけれど、よりリアルな感じで挑めているのが嬉しいです」
...と、コンサート版との違いを語ります。
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「フランク・ワイルドホーン&フレンズ」 
出演者インタビュー

12月23日(水)大阪・梅田芸術劇場メインホール、26日(土)・27日(日)東京・東急シアターオーブにて行われる「フランク・ワイルドホーン&フレンズ」の出演者インタビューを公開!

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撮影=MAKOTO WATANABE
写真左から、フランク・ワイルドホーン、和央ようか、トーマス・ボルヒャート

<フランク・ワイルドホーン&フレンズ とは>
ミュージカル界が誇るメロディメーカー、フランク・ワイルドホーン。
今年は彼の代表作であるブロードウェイミュージカル『ジキル&ハイド』が25周年を迎え、
さらに初めて漫画ミュージカル化作品である『デスノート』を日本で世界初演が行われるなど、とても記念すべき年。
この公演は、そんなワイルドホーンが世に送り出してきた名曲の数々を作曲家自身に選ばれたトップクラスの歌手5名が歌うという豪華なコンサート。ワイルドホーンを含め、この豪華なコンサートに出演する選ばれた歌手、和央ようかと、トーマス・ボルヒャートの3人のインタビューをご紹介します!


ワイルドホーン ミュージカル作品
「ジキル&ハイド」「ビクター/ビクトリア」「スカーレット・ピンパーネル」「南北戦争」「ドラキュラ」「NEVER SAY GOODBYE」  「MITSUKO」「シラノ」 「モンテ・クリスト伯」 「ボニー&クライド」「カルメン」  「GOLD~カミーユとロダン」「ルドルフ」 「アリス・イン・ワンダーランド」「デスノート」他、多数



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■ミュージカル『CHESS』■


ABBAの魅惑の音楽を堪能!『CHESS』ミュージカル版開幕

ABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが作曲を手掛けたミュージカル『CHESS』が9月27日、東京芸術劇場 プレイハウスで開幕した。過去2度にわたりコンサート形式で上演を重ね、日本でもじわじわと人気を獲得してきた作品のミュージカル版が、ついに本邦初登場。コンサート版にも出演していた安蘭けい、石井一孝、中川晃教に加え新たに田代万里生が初参加、歌唱力の高い実力派が揃い、充実の舞台を展開した。
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舞台は米ソ冷戦の時代に行われたチェスの選手権大会。チャンピオンの座を争うのは、アメリカ代表フレディ(中川)とソ連代表アナトリー(石井)。だがその戦いの裏では、国家の威信をかけ、KGB、CIAが暗躍し火花を散らしていた。そのさなか、フレディのセコンドであり恋人でもあるハンガリー出身のフローレンス(安蘭)は、次第にアナトリーと惹かれあい、アナトリーは亡命を決意するが......。

楽曲が何といってもキャッチー。ロックからクラシックまで多彩でまばゆい音楽の洪水が、日本ミュージカル界を代表する歌唱力を持つ俳優たちの歌声に乗り耳に押し寄せる幸福は、多くのファンを掴んだコンサート版と同様だ。メロディが複雑なのに麻薬のように耳に残るのは、さすが稀代のヒットメイカー、ABBAのなせる技。だが1曲ごとに熱狂の拍手が続いたコンサート版とは違い、今回のミュージカル版は、拍手を挟むのが憚られるほどどんどん物語に引き込まれていく。天才ゆえの奔放さと孤独を抱えるフレディ役の中川、国と自身の大切なものの間で苦悩するアナトリー役の石井が好対照の魅力。安蘭扮するフローレンスは、ハンガリー動乱で両親を亡くした過去がしっかりと描かれ、人物に厚みが増した。三角関係を織り成すこの男女のそれぞれの思いが、哀切でやりきれない。そして初参加の田代はチェスの競技を支配する審判・アービター役。ぶれない正しさを持つ厳しさを、うまくロックナンバーに乗せて聴かせる。クラシック出身の田代の今までにない表情も新鮮だ。

初日に先駆け26日には安蘭、石井、中川、田代による会見も。「チェスやABBAを好きな方にとても期待されている作品だと思います。プレッシャーを感じながらお稽古をしていましたが、素晴らしいものが出来たと自負していますので、期待して観に来てください」(安蘭)、「今回は戦争下の物語だということがコンサート版よりクローズアップされています。そういう状況下だと普段生まれない感情も生まれるのだと思う。観る方も、一緒に戦争下で時代に抗っているかのような思いを受け取ってもらえたら」(石井)、「ただ単純に甘い、ドラマチックなラブストーリーではない。お互い牽制し合っている国同士の人間が恋に落ち、葛藤が生まれ、アイデンティティを強く認識し、新しい未来を切り拓こうとする原動力が生まれる。言葉の表面だけではない美しさが新たに見えてきました」(中川)、「ミュージカル界にとっても、すごく斬新な位置にある作品。『CHESS』みたいなミュージカルは他に思いつきません」(田代)と、それぞれ思いを語った。

10月12日(月・祝)まで同劇場にて。その後10月19日(月)から25日(日)まで梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。



以上、チケットぴあニュースでもお知らせした内容ですが、げきぴあではもう少し詳しくレポートをお届けします!


 囲み取材レポート 


初日前日の9月26日には、ゲネプロが公開されるとともに、安蘭けい、石井一孝、中川晃教、田代万里生の4名が意気込みを語りました。
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――開幕を目前にした、現在の心境は。

安蘭「早く幕が開かないかなと、そればかりです。稽古中も、早く舞台に立って(全編)通したいと思っていました。お客様の反応を頂いて、そこから得るものがすごく多いので。私はハンガリー動乱で両親を亡くしたフローレンスを演じます。アメリカのチェスチャンピオンのセコンドという役どころなんですが、その後ソビエトのチャンピオンに出会って恋に落ちてしまう。今回ミュージカルではしっかり、アメリカの彼からソビエトの彼に心が移っていくさまが描かれています。自分でも日によって全然違う感情で心が動きますし、一番最後にフローレンスが「自分たちの生きている人生というのは所詮ゲームだ、私たちはチェスの駒でしかないんだ」ということを訴えるんですが、そこに至るまでのフローレンスの気持ちの動きが、日によって本当に全然違うんですよ。すごく愛に溢れていたり、怒りに溢れていたり。もしかしたら本番があいても色々な気持ちで動いてしまうかもしれないですが、自分に正直に、その時に生まれてくるフローレンスの感情を大切にしながらフローレンスを全うしたいです」

石井「(2度のコンサートバージョンを経て)3度目で、2012年の初演から3年。感無量で、やっとここまできたのかという感じです。最初から一緒にやっているとうこちゃん(安蘭)とアッキー(中川)と僕と、そして新しく素晴らしい才能、(田代)万里生君を迎えて、稽古場が燃えているんです。この燃えているさまを早く皆さんにお届けしたい。
演出の荻田浩一さんが、"ここはこうならなければいけない"、"ここでこういう気持ちにスイッチしなければいけない"ではなく、自分の沸いてくる感情を大事に、と言ってくれていて、泳がせてくれている。日によってもしかしたら変わるかもしれないところを、自由に感じてやろうかなと思っています。2012年から3度目ですが、今回一番クローズアップされているなと感じるのは、戦争下の話なんだなという部分。時代も動いている時ですから、普段なら生まれないかもしれないけれど、こういう時にこういう気持ちは生まれるんじゃないかなということをインスパイアされています。お客さんも一緒にチェスを戦ってるかのような、一緒に戦争下で時代に抗っているかのような思いで受け取ってくださったら嬉しいです」

中川「オケが入り、私たちが実際のセットの中で動きながら今、舞台で稽古して3日目。セットも照明も、コスチュームも、音楽までもが斬新なんですよ。この作品は1980年代に作られ、その当時はアメリカとソ連の冷戦時代であり、まさにその時代がモチーフになって生まれているこの作品を、今のこの2015年に上演するということにすごく意味を感じながら、舞台稽古をやらせてもらいました。きっと観に来るお客さんも何かを感じると思います。国家とか、自分の国とか、心の中にある存在とか、そういうものをこの作品の中で感じ、そして初日の幕が開いた瞬間にそれが手ごたえとなって返ってくることを今とても楽しみにしています。
ミュージカル版ならではの印象は、石井さんとまったく同じ気持ちです。あとこれはラブストーリーでもあるとも感じています。でもただ単純に甘い、ドラマチックなラブストーリーではない。冷戦時代の話ですが、お互い牽制し合っている国同士の人間が恋に落ちたら、その国の人間に例えば自分の大切な人が殺されてしまったら、殺した相手の国の人間を本当にどこまで愛せるのかという葛藤が生まれてきますし、それを乗り越えるエネルギーも生まれるし、アイデンティティを強く認識し、またて新しい未来を切り拓こうとする原動力が生まれる。感動的な、けして言葉の表面だけではない美しさが、コンサート版を経てミュージカル版として新たに見えてきたビジョンなのかなと感じています。そのひとつの駒になったり、フローレンスというひとりの女性を求めるひとりの男になったり...チェスのゲームと人間模様が上手く重なっていくところが、このミュージカルの最大の見所かな」

田代「稽古場での会見で「『CHESS』みたいなミュージカルが思いつかない」とお話したのですが、稽古を重ねるにつれ、ますますその思いが強くなりました。ミュージカル界にとっても、すごくこの作品は、斬新な位置にあると思います。それぞれの役どころや音楽的にも変わったものが多く、それぞれがそれぞれの仕事をしっかり全うする、スペシャリストが集まって、この作品が成り立っていくのかなと毎日稽古で思っていました。これを劇場でお客さんに観ていただいて、どんな風に受け取っていただけるのか、すごく楽しみにしています。演じるアービターは僕が今まで演じた役とはまったく正反対の役。数々の個性際立ったキャラクターに立ち向かっていくので、毎日必死です(笑)」


今年の秋は日本に居ながら、フランスのステージを堪能できそうです。

と言うのも、以前から気になっていた作品が10月と11月、ついに日本にやってきます!


最初にご紹介するのは、ロマンティック・サーカスの『ミュルミュル ミュール』

アート・演劇の要素を取り入れた、フランスの現代サーカス「ヌーヴォー・シルク」を築き上げたアーティストであり、喜劇王チャールズ・チャップリンの娘でもあるヴィクトリア・ティエレ=チャップリンと、ヴィクトリアの娘オーレリア・ティエレが 作り出す新感覚のステージが10月に初来日します。 

原題の"Murmures des Murs""壁のつぶやき"という意味だそうで、その響きは主人公の女性を摩訶不思議な世界へ誘う、魔法の呪文のようにも聞こえます。

芝居、イリュージョン、ダンスなどを取り入れ、イマジネーション豊かに描かれた、驚くべきステージをようやく見ることができるのかと思うと、今からワクワクしますね。


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■『嫌われる勇気』vol.2■

ウォーキング・スタッフ プロデュース『嫌われる勇気』がまもなく開幕します。

フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想を易しく説いた大ヒット同名書籍を原作に、これをなんと大胆にも、スリリングなサスペンスへとシチュエーションを置き換えて緊密な人間ドラマを描く舞台です。

●物語●

娘を事故で亡くし、その死が自殺ではないかと疑っているある刑事。彼は、死んだ娘が熱心に通っていたという、ある大学教授の研究室を訪ねる。
アドラー心理学を研究しているというその教授の語る言葉は、刑事にはなかなか受け入れられないものだった。

"世界はどこまでもシンプルである"
"人は変わることができる"
"そして、だれでも幸福になれる"

刑事は、まさに今抱えている事件とその犯人を思う。その犯人の女は、実の母親と義理の父親を惨殺し、自殺を図ったが死に損ない、逮捕された。
そこに罪の意識はなかった。
その女もまた、変わることが、そして幸福になることができるのか...?

刑事はかつて彼の娘がそうしたように、教授のもとでアドラーの教えについて語り合うことになる。


この作品で、大学教授・香月を演じる利重剛さん、そして両親を惨殺した犯人・下村を演じる愛加あゆさんに、お話を伺ってきました。


利重剛 × 愛加あゆ INTERVIEW ●

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――原作は超ベストセラーなんですよね。昨年のAmazon書籍部門の1位だとか。ご存知でしたか?

利重「僕はこの本自体は、このお話を頂いてから読みましたが、アドラー心理学はここ2年ほど色々なところで聞くなあと思って調べたりしていました」

愛加「私もこのお話を頂いてから読んだんですが、結構まわりでは、読んでる人がいっぱいいました。買いに行ったら、本屋のすごく目立つところにありましたよ」


――で、お読みになってどんな印象を受けましたか?

愛加「私はこれで初めてアドラー心理学というものを知ったのですが、自分の中で今までもずっと悩んでいたことで、これを読んですごくすっきりした部分があって、思わず親に「これ絶対読んだ方がいいよ! 私、生まれ変わったかも」みたいなことを書いて送ってしまったくらい(笑)。たくさんの人にこの話を知って欲しいなと思いましたし、すごく難しいとは思いますが、本当に理解できたら、誰もが幸せに生きられるんだろうな、と」

利重「うん、僕も納得することがすごく多くて。50数年生きていますと、「これってこういうことだよなあ」と自分の中で納得するために考えてきたことがいくつかあるんですが、それがすごく明快に言葉として書かれていて、「こんな風にちゃんと説明してくれてる本があるんだ」と思っちゃいましたね」

『嫌われる勇気』稽古場取材レポート

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■『嫌われる勇気』vol.1■

ウォーキング・スタッフ プロデュース『嫌われる勇気』がまもなく開幕します。

原作は、Amazonの2014年書籍年間ランキング1位に輝いた、大ヒット本。
内容は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想を紹介したもの。
といっても堅苦しさはなく、アドラー心理学を"青年と哲人との対話"の物語形式でわかりやすく説いています。

アドラーは、日本ではフロイト、ユングほどの知名度がないのですが、欧米では絶大な支持を誇っています。
その内容は「どうすれば人は幸せに生きることが出来るか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な答えを提示するもの。
「嫌われる勇気を持つことこそが、幸せな人生に繋がる」というアドラーの考えはいま、多くの共感を呼んでいます。

...と、ここまでは書籍のご紹介。

舞台ではなんと、この(物語形式とはいえ)心理学の専門書が、スリリングなサスペンスに生まれ変わります!
脚本・演出を手がけるのは、今年の2月に第22回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞したばかりの和田憲明
緊迫した濃密な演劇空間を生み出す手腕に評価が高い彼が、原作に登場する「哲人と若者」をさらに複数の登場人物に分割、そのキャラクターたちの人間関係を描くことで物語性を深めると同時に、アドラー心理学への理解も深まっていく...という、概要を聞くだけで知的好奇心が刺激される内容!

キャストは利重剛小嶋尚樹愛加あゆ黒澤はるか伊達暁の実力派5名のみ。
まさに和田演出の真骨頂、息詰まる濃密な空間が生まれそうです。


9月某日、その稽古場を取材してきました。
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2014年にWOWOW&TBS共同制作の連続ドラマとしてスタートしたテレビドラマ「MOZU」。11月には映画の公開も控えるこの"MOZUワールド"に、新たにスピンオフドラマが2本加わります。
その「MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所」、主人公は「MOZU」TVシリーズで主人公・倉木(西島秀俊)や美希(真木よう子)とともに事件解決に奔走した叩き上げの熱い刑事・大杉良太(香川照之)
その後警察をやめ、探偵事務所を開設した大杉が、良き相棒である交番勤務の警察官・鳴宮啓介(伊藤淳史)の協力を得ながら、持ち込まれた依頼に悪戦苦闘しながら取り組んでいく姿を描くもの。

その2本とは、
11月2日(月)21:00~TBSで初回放送される「美しき標的編」
11月15日(日)22:00~WOWOWで初回放送される「砕かれた過去編」
です。

この「砕かれた過去編」に、げきぴあでもおなじみ、浦井健治さんの出演が決定!
9月18日に開催された制作発表記者会見を取材してきました。

ストーリーは、死んだはずの妹が姿を現したという女性の相談を受けた大杉が、警察を辞めるきっかけとなった苦い経験が脳裏に甦る中、驚愕の真相に辿り着くというストーリー。時間と記憶、そして真実と虚偽が巧みに交錯するWOWOWならではの新機軸の心理サスペンス...とのこと。

登壇は、羽住英一郎監督に加え、「MOZU」ワールドに新たに参加する若き3人、桐谷健太早見あかり浦井健治です。
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世田谷パブリックシアターの芸術監督・野村萬斎が企画・監修を務め、古典の知恵と洗練を現代に還元し、現在の舞台創造に活かしたいという思いから生まれた人気シリーズ「現代能楽集」

第8弾の今回は、三島由紀夫作「近代能楽集」の中から「卒塔婆小町」「熊野」の2編を土台とした、ひとつの現代の物語を創り上げます。

作・演出はシリーズ初登場となるマキノノゾミさん出演は平岡祐太さん、倉科カナさん、眞島秀和さん、水田航生さん、一路真輝さんら魅力的なキャストが揃いました。

ぴあでは、この話題作『道玄坂綺譚』のビジュアル撮影現場に潜入!

男性キャストのニュースはコチラ


げきぴあでは、女性キャストのビジュアル撮影の様子をご紹介いたします。


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