げきぴあブログをお読みの皆さん、こんにちは!
劇団チャリT企画主宰の楢原拓です。
来週12月9日(水)から劇団チャリT企画の公演『1995』(イチキュウキュウゴ)が始まります!
初日まで1週間をきり、劇場の稽古場に入って、稽古もいよいよ佳境に入ってきました。
今回は、今から20年前の1995年を題材にした作品です。
1995年と言えば、1月に阪神淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件と、未曾有の大災害・大事件が立て続けに起こった年。私は、当時大学1年生で、早稲田大学の演劇研究会(劇研)というところで、学業そっちのけ、演劇漬けの毎日を送っていました。
台本執筆にあたり、いろいろと古い資料をあさっていたところ、この頃の日記が出てきまして、それを読んでみますと、やはり書いてあるのは、演劇、演劇、演劇......ほとんど演劇のことばかり。
この時、所属していたのが先輩劇団「双数姉妹」なんですが、公演があるわけでもないのに年明け1月3日からみっちり稽古があって、怒られたり誉められたり、そんな稽古の様子や、先輩や同期劇団員に対する思い、自分自身についての反省や課題、劇団旗揚げについての野望などなど、そんなことが赤裸々に綴られていました。(いやー恥ずかしい......)
そんなわけで、若干のネタばらしになるかもしれませんが、このブログをお読みの皆さんにこっそりお教えしますと、今回の舞台となるのは、とある大学演劇サークルの稽古場です(モデルとなっているのは、もちろん......)。そこの日常を描きながら、1995年と2015年が行ったり来たり......そこにオウムの事件が絡んできたり......とまあ、こんなような感じの青春群像グラフティ的な?そんな感じの作品に仕上がっています。
あの時代を知る世代の人にとっては懐かしく、またホロ苦い感じで観ていただけるでしょうし、当時を知らない若い世代の人にも、興味をもって楽しく観ていただけるような、そんなつくりになっていますので、皆さん、ぜひぜひ、劇場に足を運んでいただきたいと思います。
出演者一同、ご来場、心よりお待ちしております!
作・演出 楢原 拓(chari-T)
【公演情報】
座・高円寺 冬の劇場22 日本劇作家協会プログラム
劇団チャリT企画 第28回公演
「1995」
作・演出:楢原 拓(chari-T)
2015年12月9日(水)~13日(日)
@座・高円寺1(JR中央・総武線高円寺駅北口徒歩5分)
12/9(水)19:00
12/10(木)19:00
12/11(金)14:00/19:00
12/12(土)14:00/19:00
12/13(日)14:00
※受付開始は開演60分前、開場は開演30分前
※上演時間は2時間弱を予定しております。
料金:一般 3,500円(全席自由・入場整理番号付き・税込)
いよいよ今週12月3日(木)より開幕となる、舞台「スーパーダンガンロンパ2THE STAGE 〜さよなら絶望学園〜」。大人気を博したスパイク・チュンソフトの同名のゲームの舞台化で、今回はシリーズ2作目だ。その舞台から、このほど主人公・日向創とともに謎に挑む、いつも笑顔で優しい同級生・狛枝凪斗を演じる、鈴木拡樹さんに話をうかがった。
執着することが当たり前、という役
──今年もたくさんの舞台にご出演されましたが、この年の瀬になって大変なトリックスターと申しますか、この役を演じるのか......という役に挑みます。
鈴木:役をいただけるのはとてもありがたいことです。いつもさまざまな経験をさせていただいていますが、今年は特に挑戦の年でした。年に1本、主演をいただくだけでもありがたいことなのに、立て続けに4本もの作品で主演をやらせていただいて、全部、方向が異なる作品で、役だったのでとてもやり甲斐がありました。
そのなかで、今回の狛枝くんは向かっている方向も年齢も姿形もちがいますが、ご覧になってくださった方には伝わると思いますが「執着する」という点で、ひとつ前の舞台「幻の城〜戦国の美しき狂気〜」で演じた役と近いんです。
──確かに! ひとつの思いに囚われた狂気の人を演じました。
鈴木:そうなんです。狛枝くんは「希望」というものにとてつもなく強い執着を持っていて、その姿が傍から見ていてどう異端に映ろうとも、彼にとってはそれが普通で当たり前のことなんです。だから、ぼく自身が彼に近づくために、それが普通で、当たり前だ、という点が役作りとして大きく着目しているところで、大切にしているところです。
そう考えると、実は狛枝くんはとても可愛い性格で、自分の気持に素直な人なんだな、と思っています。
──とても穏やかで笑顔を絶やさず、横浜流星さん演じる日向創に優しく接します......が。
鈴木:はい! 実にいろいろな表情を見せる役です。そこはもう、役者としての見せ所なので、今、とてもやり甲斐を感じています。
──ゲームで最初の「学級裁判」のなかで「希望と絶望がグチャグチャに入り混じった瞳」という一文があります。
鈴木:はい、本当にぐるぐるにはなりませんけど(笑)、本当にそれくらいに見えるように演じたいですね。
──現在、稽古はどのくらい進んでいるのでしょうか。
鈴木:半分ほどで、これから通し稽古です。だから、ぼくの中では50%くらいでしょうか。これが100%になって、共演者の方々と噛み合ったときに、どれくらいの威力になるのか、今から楽しみで仕方ありません。
舞台も南の島なので、前作とはまたちがった世界で、さらに「学級裁判」の演出も新たに驚いていただけるような内容になっています。続編が上演される、その意味や志を届けることができる舞台を目指したいと思います。
支えられて、支えることを知る
──主演の横浜流星さんについて伺います。
鈴木:流星くんはすごくしっかりしていて、みんなを引っ張っていこうとする勢いや、その姿といろいろなところで、ぼくにはないものがあると思っていて、学ぶことがたくさんあります。
一方で今年、多くの舞台で主演として立たせていただいたことで、支え方だけでなく支えられ方や座組の中での自分の在り方もすごく考えたし、学ばせていただきました。だからこそ主演として立つ流星くんに付いて行きたいし、支えたいと思うし、それゆえに迷ったり困ったことがあったときに助けたい。役を演じるだけでなく、そういった役目を果たすことができたらいいな、と思いますし、それができてこその今年の集大成にふさわしい作品で、役になるんじゃないかと思います。なので役を演じきることももちろんですが、横浜流星という座長を中心にまとまっていって、そのなかで、万が一、もしも、不測の事態が起こったりしたときに真っ先に動ける存在でいたいです。
──いろいろなジャンルの共演者がおられますが、ご自身は何を武器に戦いますか?
鈴木:多ジャンルの方と共演する機会はこれまでもありましたが、それぞれの持ち味というか武器が、役者としてのカラーでだけではないところは、そういった舞台のおもしろさでもあります。
その中で、じゃあ、ぼくの武器はなにか? と聞かれたら、やっぱり役の作り込みです。それも、ただ役に寄せるだけでなく、この原作を実写化するにあたり意味のある役作りをしたい。これまでいろいろな役をやって失敗もさせてもらっているので、そこはこだわりたいし、心がけて演りたいです。
──その中で、軸とされているところはなんでしょう。
鈴木:まだ本番を迎えていないので、これが正解かどうかはわからないのですが、推理モノであり殺人事件も起こるなかで、人のドラマを大切に演じようと考えています。ゲームの中でキャラクターとして与えられたセリフをいかに心揺れる思いを託し、自分の身体で放つことができるのか......原作はゲームですが、そこにどれくらいの深度でどう寄り添うかは決めています。
ゲームを楽しんでいただいた方にとっても、南の島の楽しさから一転する、とんでもないダイナミックさ。もっと言えば「あの場面がこんなふうになるのか!?」とか「あのキャラクターがこんな風になるのか!?」といった驚きや楽しみをお届けできると思っています。さらに初めて、この作品世界に触れる方にはサイコポップな殺人事件と謎解きからまるごと楽しんでいただきたいし、衝撃的な展開をおもいっきり楽しんでいただけたら......いえ、僕らが楽しんでいただけるように座長とともに届けます。
スリリングかつ、楽しいこの舞台は12月3日から13日まで、Zeppブルーシアター六本木にて上演!
物語の主人公は、インドシナ駐在を命じられたフランスの若きエリート海軍将校シャルル。"舞音(マノン)"と呼ばれる美少女の踊り子と出会い、深い愛におぼれていく様が独立運動と絡めて描かれていく。アジアンな舞台美術、アオザイなどの衣装、弦楽器が心地良く響く音楽、ゆったりと舞うような振付...。そのすべてがどこか郷愁を感じるような、エキゾチックなムードのステージで、これまでの宝塚歌劇ではあまり見られなかった雰囲気に引き込まれていく。
男役トップスター・龍真咲(りゅう・まさき)は、マノンに魅せられ、翻弄されていくシャルルを観る側も苦しくなるほどに、情感豊かに熱く演じていく。また、そのマノンを演じる娘役トップスター・愛希(まなき)れいかは、長い黒髪で少女でありながら男たちを翻弄する蠱惑的なヒロインを妖艶に演じる。美しくも時に愛らしさを見せ、"富裕層の男たちの心を捉える"という役どころをしっかりと掴んでいる。支配するフランス側のシャルルと、支配されるインドシナ側のマノン。ふたりが紡ごうとする愛に、珠城(たまき)りょう演じるマノンの兄クオン、凪七瑠海(なぎな・るうみ)演じるシャルルの親友でフランス軍人のクリストフらが絡み、ドラマチックに展開。さらに専科・星条海斗(せいじょう・かいと)が、キレ者の警察長官ギョーム役で空気をピリッと締め、シャルルの心を表す存在として立つ美弥(みや)るりかもほぼ言葉を発さない"影"の役を、その佇まいや踊りで魅せている。ふたりの愛が行きつく先...、美しく幻想的なラストシーンが胸に響いた。
第二幕のショー『GOLDEN JAZZ』は、マーチングバンドの演出で、ノンストップのカーニバルが開幕。スターが次々と歌い継ぎ、華やかに熱く歌い踊る。クラブをイメージしたシーン、『Sing Sing Sing』の中詰め、客席へのサプライズ演出など、龍をはじめ、それぞれの見どころが散りばめられ、時に熱く、時にクールに色とりどりのシーンが展開していく。個性あふれるメンバーの力、そしてそれらが一つになったときのパワーに圧倒されるはず。
兵庫・宝塚大劇場公演は12月14日(月)まで。また、2016年1月3日(日) ~ 2月14日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは11月29日(日)より一般発売開始。チケットぴあでは東京公演のWEB先行抽選「プレリザーブ」を11月20日(金) 11:00~11月25日(水) 11:00まで受付。
取材・文:黒石悦子
1983年、東京・西新宿のテント式仮設劇場で初演されたミュージカル『キャッツ』。大阪には1985年3月に初登場し、国内2番目の上演地として西梅田に仮設劇場「キャッツ・シアター」を設置して上演。当時の代表・浅利慶太が「大阪で3ヵ月しかもたなかったら、劇団四季は大阪で解散する」と断言し、結果、東京を抜く13ヵ月のロングラン記録を達成した。
チケットは2016年4月発売予定。
取材・文:黒石悦子