「フランク・ワイルドホーン&フレンズ」出演者 インタビュー

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「フランク・ワイルドホーン&フレンズ」 
出演者インタビュー

12月23日(水)大阪・梅田芸術劇場メインホール、26日(土)・27日(日)東京・東急シアターオーブにて行われる「フランク・ワイルドホーン&フレンズ」の出演者インタビューを公開!

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撮影=MAKOTO WATANABE
写真左から、フランク・ワイルドホーン、和央ようか、トーマス・ボルヒャート

<フランク・ワイルドホーン&フレンズ とは>
ミュージカル界が誇るメロディメーカー、フランク・ワイルドホーン。
今年は彼の代表作であるブロードウェイミュージカル『ジキル&ハイド』が25周年を迎え、
さらに初めて漫画ミュージカル化作品である『デスノート』を日本で世界初演が行われるなど、とても記念すべき年。
この公演は、そんなワイルドホーンが世に送り出してきた名曲の数々を作曲家自身に選ばれたトップクラスの歌手5名が歌うという豪華なコンサート。ワイルドホーンを含め、この豪華なコンサートに出演する選ばれた歌手、和央ようかと、トーマス・ボルヒャートの3人のインタビューをご紹介します!


ワイルドホーン ミュージカル作品
「ジキル&ハイド」「ビクター/ビクトリア」「スカーレット・ピンパーネル」「南北戦争」「ドラキュラ」「NEVER SAY GOODBYE」  「MITSUKO」「シラノ」 「モンテ・クリスト伯」 「ボニー&クライド」「カルメン」  「GOLD~カミーユとロダン」「ルドルフ」 「アリス・イン・ワンダーランド」「デスノート」他、多数



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「フランク・ワイルドホーン&フレンズ」 
出演者インタビュー
取材・文=高橋彩子(演劇・舞踊ライター) 
撮影=MAKOTO WATANABE

インタビュー① フランク・ワイルドホーン

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◆ワイルドホーンの集大成◆
 今年、ブロードウェイで作曲を手がけた大ヒットミュージカル『ジキル&ハイド』が25周年を迎えたほか、新作ミュージカル『デスノート』が開幕するなど、作曲家として円熟期を迎えているワイルドホーン。12月の「フランク・ワイルドホーン&フレンズ ジャパンツアー 」は、その一つの集大成とも言うべきコンサートだ。
「『フランク&フレンズ』に該当するショーは、ごく小さなものからオーケストラをバックにした大きなものまで、様々な規模でやってきたよ。一つのミュージカルを作りあげる時はストレスも多いけれど、演奏するのはリラックスできてとても楽しい。NYで90年代からレストランやバーで音楽活動をしてきたから、ミュージシャンだった自分のルーツに立ち返る意味でも、コンサートはとても大切なものなんだ」と、ワイルドホーンは笑顔で語る。



◆ヨーロッパ、アメリカ、日本からの豪華キャスト◆


 出演者は、ワイルドホーンがえりすぐった面々。まず、ヨーロッパから来るのは、トーマス・ボルヒャートとサブリナ・ヴェッカリン。
「トーマスとサブリナは、僕がヨーロッパでもっとも好きなミュージカル俳優たちなんだ。トーマスは音楽的な才能にあふれた人物で、ヨーロッパでの『ジキルとハイド』や『ドラキュラ』にオリジナル・キャストとして主演してくれたし、『モンテ・クリスト伯』のタイトルロールは彼のために書き下ろしたものなんだよ。サブリナも素敵な歌い手で、昨年、世界初演した『アーサー王〜エクスカリバー』ではモルガーナ役のオリジナル・キャストを務めてくれて、評判もすごく良かった」。
 アメリカからは、ジャッキー・バーンズとダグラス・シルズが登場。
「ジャッキーはポップシンガーからブロードウェイ・スターになった人で、ポップライターからスタートしてブロードウェイに進出した僕と通じるものがあるんだ。彼女は駆け出しのころ、東京ディズニーランドで活動していたそうだから、日本とも縁が深いよね。とてもソウルフルな声の持ち主だよ。ダグラスはハンサムでファニーでチャーミングで、今の時代にはなかなかいないタイプの主演俳優。ブロードウェイの『スカーレット・ピンパーネル』での彼のパフォーマンスは信じられないくらい見事だった。『スカーレット・ピンパーネル』は日本でも人気だから、オリジナル・キャストである彼を連れて来たいと考えたわけ」。
 そして日本から参加するのは、和央ようか。
「僕にとってタカコ(和央)は40〜50年代の銀幕のスターのように美しく優雅な存在。ヨーロッパとNYのスターたちと共演することは彼女にとってもチャレンジだから、これを機会に世界のトップに仲間入りしてほしいと願っているんだ」。


◆愛と音楽に国境はないから◆


 コンサートでは彼らがソロのほか、デュエット、トリオなど様々な組み合わせで歌う。
「このコンサートは『愛と音楽に国境はない』という僕の人生哲学を体現するもの。観客との距離も近いから、楽しくて祝祭的なものになるんじゃないかな。日本での僕の作品もこの秋の『スコット&ゼルダ』で14作目になるんだけど、何か転換期になる気もするんだ。さらに今は、世界の劇場シーンもまた転換期にある。優れたミュージカルがブロードウェイ発だけでなく、ヨーロッパ発、さらにはアジア発になってきているからね。こうした転換期のど真ん中を、家族や友人たちと共に進むことができるなんて、とてもクールだと思っているよ!」





インタビュー② トーマス・ボルヒャート

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◆若い頃の夢は、ロックスターか演劇の俳優になること◆


 今回が初来日のボルヒャートは、ヨーロッパ・ミュージカル界を代表する名優だ。ワイルドホーンも彼を「最も好きな声の持ち主の一人」とする一方、「歌手としての顔は、素晴らしい音楽家である彼のごく一部」とも評する。実際、ボルヒャートも「小さいころからやっていたピアノは自分のベストフレンド。ほかにもギターやドラムをやっていて、作曲もしたし、ライブで歌ったりもしていたんだ」と振り返る。そんな彼の若いころの夢は、ロックスターか演劇の俳優になること。演技も歌もダンスも学べるからと、地元ハンブルクの演劇学校に通ったものの、ミュージカルにはあまり興味がなかったという。転機は突然、訪れた。



◆ミュージカル『キャッツ』との運命の出会い◆


「ミュージカル『キャッツ』の演奏に参加していたサックス奏者の友人に『チケットがあるから観に来ないか』と誘われたんだ。暇だったから軽い気持ちで行ったら、ラム・タム・タガーのキャラクターがすごく面白くてカッコ良かった。ただ、せっかくの役なのに演じている人が良さを出していなくて、僕ならもっとうまくできると思ったんだ。それで主催者に電話をしてオーディションの予定を聞いたら、まさにラム・タム・タガーのオーディションを数日後にやるところだ、と。それを聞いて僕は動揺したけど(笑)友人がけしかけるから行く羽目になり、一生懸命に歌って踊って。オーディションが終わって『ここは自分の居場所じゃなかったな』と意気消沈しながら劇場を後にしたんだけど、翌日、電話がかかってきて、結果は合格。信じられなかった。それで『ロックスターか俳優になるつもりだけど、ちょっと横道に逸れて散歩しようかな』と考えてミュージカルの世界へ。以来、25年間も散歩し続けているんだよ!」



◆ワイルドホーン作品は翼をくれる◆


 こうして始まったボルヒャートの"散歩"。その途中で、ワイルドホーン作品と出会った。
「初めてフランクの音楽を聴いたのは、友達が『ジキルとハイド』を演奏してくれた時。すっかり虜になったよ。後年、自分も歌ったわけだけれど、フランクが特別なのは、どの曲も、歌うと自分にあて書きしてもらったような気分になることだね」。
 そんな彼のために実際にあて書きされたのが、『モンテ・クリスト伯』のタイトルロールだ。
「夢がかなった瞬間だった。今でも忘れられないんだけど、レコーディングで『モンテ・クリスト伯』の《Hell To Your Doorstep》という曲を歌った時、感情移入し過ぎてところどころ譜面を無視してしまったんだ。歌い終わって我に返り、『ごめんなさい、幾つか、違うかたちで歌ってしまいました』と謝って録り直しを頼もうとしたら、ガラスの向こうにいるフランクがマイク越しにこう言ったんだ、『作曲家なんてくそくらえ! こっちのほうが良い! パーフェクトだよ』。彼はとても寛大で正直な人。魂で感じて心で作曲するから、その翼のおかげで僕たちは飛ぶことができるし、聴く人の琴線にも触れるんだと思う」。
 つまり、ワイルドホーン作品を歌う時は、彼とのコラボレーションのような感覚が強いということだろうか?
「まさに。そのスピリットは今回のコンサートにも表れるんじゃないかな。関わるすべてのエネルギーが一緒になって最高の体験を創り出す。そしてそれは、早送りも巻き戻しもすることができない、その瞬間だけのもの。これって舞台の醍醐味だよね。フランクとのコンサートは、瞬間、瞬間を寿ぐものに他ならないんだ」。




インタビュー③ 和央ようか

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◆始まりは、『NEVER SAY GOODBYE』◆


 今回のコンサートに、唯一の日本人キャストとして出演する和央。宝塚歌劇団宙組トップスターだった彼女が、ワイルドホーン作曲『NEVER SAY GOODBYE-ある愛の軌跡-』に主演し、退団したのは2006年のことだ。
「06年以前から『ジキルとハイド』などのフランク作品は上演されていましたが、『NEVER SAY GOODBYE』以降、来日回数が多くなったのは事実。私が何かをしたわけではないですけれども、彼自身、あそこから日本でのキャリアが本格的にスタートしたというようなことは言っています。ですから、日本でのフランクの軌跡を紹介する役割が果たせたらいいですね。私にとっても『NEVER SAY GOODBYE』の主題歌は自分を象徴する曲になりましたし、主題歌以外にも素敵な曲がたくさんあるので、そうしたものも改めて歌ってみたい気がします」。


◆歌いやすくて難しいワイルドホーンの音楽◆


 その後、ワイルドホーン作『ドラキュラ』にも主演した和央。歌い手にとって、ワイルドホーンの楽曲は歌いやすいのだろうか? 難しいのだろうか?
「歌いやすくて難しいです。歌っていて心地良いし、曲のほうから自然にドラマティックな方向へと連れて行ってくれる一方、とてもレンジが広くて、豊かに歌い上げなければ味わい深くならない曲も多いので、難しくて。彼の音楽は壮大でいて繊細でもあるからこそ、ロマンティックに聴こえたり切なくなったり力強く感じたり......。色々なところに連れて行ってくれる作曲家ですね」。
 コンサートは、その歌の魅力を存分に味わうことができる。
「フランクのピアノやバンドと一緒に歌うのですが、彼のピアノってすごく歌いやすいんです。それはきっと、彼が弾く時点で"歌って"いるから。非常にダイナミックなので、歌う側の感情もどんどん高まっていきます。それでいて彼は絶対、主導権はボーカルにもたせてくれるんですよ。存在感のある演奏だから明らかにただの伴奏ではないのに、本当に好きに歌わせてもらえます。『フランク&フレンズ』は色々なところで観てきましたが、どの人とやってもそうですね。バンドの人達もフランクの音楽を熟知しているので、彼らと音楽を作るのはフランクにとって本当に楽しい時間みたい。その音を日本で聴いていただけるのは幸せです」。



◆公私にわたるパートナーとして◆


 現在、ワイルドホーンの公私にわたるパートナーである和央。彼の活動に立ち合う機会も増えた。
「でき上がったものを観るだけでなく、稽古場などでの創作過程を目にすることが多くなりました。その中で感じるのは、すごい方々が、とてもナチュラルに作品と向き合い、徹底的に息を吹き込んでいること。それは見ていても気持ちがいいですし、自分もそうありたいなと思います。歌に関して言えば、どなたもスキルがあるからピッチは確実なんですが、その時の気持ちでどんどん変えていったりもする。音楽は心、魂で歌うもの。音程がズレてはいけないんだけど、譜面や音程が聴いている方にダイレクトにわかってしまってはダメなんだなと、最近感じます」。
 今回は、多くを学んだ彼女の進化・飛躍も見られそうだ。
「せっかく素晴らしい方々とご一緒させていただくので、気後れしますけど、楽しみながら参加したいと思います。そうすることで、私自身も成長していきたいです」。

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<公演情報>
2015年12月23日(水・祝)12:00/17:00
梅田芸術劇場 メインホール(大阪府)
S席-12000円 A席-6000円 学生券-5000円

2015年12月26日(土)・27日(日)
東急シアターオーブ (東京都)
S席-12000円 S席 A席-6000円 学生券-5000円

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