フランス発のステージに注目!世界を魅了した作品が今秋日本に初上陸

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今年の秋は日本に居ながら、フランスのステージを堪能できそうです。

と言うのも、以前から気になっていた作品が10月と11月、ついに日本にやってきます!


最初にご紹介するのは、ロマンティック・サーカスの『ミュルミュル ミュール』

アート・演劇の要素を取り入れた、フランスの現代サーカス「ヌーヴォー・シルク」を築き上げたアーティストであり、喜劇王チャールズ・チャップリンの娘でもあるヴィクトリア・ティエレ=チャップリンと、ヴィクトリアの娘オーレリア・ティエレが 作り出す新感覚のステージが10月に初来日します。 

原題の"Murmures des Murs""壁のつぶやき"という意味だそうで、その響きは主人公の女性を摩訶不思議な世界へ誘う、魔法の呪文のようにも聞こえます。

芝居、イリュージョン、ダンスなどを取り入れ、イマジネーション豊かに描かれた、驚くべきステージをようやく見ることができるのかと思うと、今からワクワクしますね。


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《ストーリー》

オーレリアは夢見る女性。解体が決まった古いアパートに住む彼女は、なかなか引っ越しの荷造りが 進みません。積みあがった段ボール箱を覗いて見ると、そこにはいつもとちょっと違った不思議な世界が...!見たこともないヘンテコな生き物たちと出会いながら、オーレリアのミステリアスな冒険の 物語が始まります。


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構想と演出は母のヴィクトリア、出演は娘のオーレリアが担い、2011年に誕生した『ミュルミュル ミュール』。

今回、オーレリアからコメントが寄せられているので、ご紹介いたします。



『ミュルミュル ミュール』によせて 


この舞台が生まれた時から、まるで探偵になった気分で、少しずつこの作品が持つ本当の意味を探っている感じです。なぜなら、舞台は何度も重ねてこそ、見えてくることが沢山あるからです。イマジネーション溢れる夢の世界のできごとなのか、一人の女性の狂気のなせる業か、それは私にもまだわかりません。でも、そんなミステリアスなステージ、実は私、嫌いじゃないんです。 演出のヴィクトリアが最初のイメージを創り上げ、それをみんなで話し合いながら、どんな風に実現しようか、どんな意味が生まれるだろうか、と稽古を繰り返しながら考えていきます。ヴィクトリアは本能的に舞台を創りあげるタイプなので、私たちも本番を迎えてようやく分かってきた、なんてこともあるんですよ。本当に一歩一歩、物語に近づいて行く感じです。 

夢の世界は、全てが可能な世界です。けれども、そこにはとても厳しいルールが存在します。もしかしたら、全てが不可能な世界と言えるかもしれません。ときには不自由な夢の世界も、私たちの創造力が「なんで もできる」と強く信じることで、全てを叶えられる世界になるのではないでしょうか。 舞台はまさにライブ。あるときはとてもシリアスなステージになったり、ちょっぴり軽やかな作品になったり、 夜ごとに色々な姿に変化します。まだまだ正解は見つかりません。そうして私たちの『ミュルミュル ミュール』 探検の旅はどこまでも続くのです。 

オーレリア・ティエレ

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「ミュルミュル ミュール」舞台写真:(c)R.Haughton


公演は10月16日(金)から18日(日)まで、東京・世田谷パブリックシアターにて上演。

なお、兵庫、愛知公演もあり。

チケット発売中。


チケット情報はこちら




そしてもう1本はパリ市立劇場の『犀(サイ)』。


「友人、隣人が次々と犀に変身し、街が犀で埋め尽くされる」


突如こんな状況に遭遇したら......!?

実際には"あり得ない!"と思うような出来事も、ステージの上では起こり得るのです。


『犀』は、ウジェーヌ・イヨネスコの書いた不条理演劇の傑作で、1960年にパリで初演された作品を、パリ市立劇場の芸術監督でもあるエマニュエル・ドゥマルシー=モタが演出を手がけ、2004年に同劇場で初演、高い評価を得ました。そして、2011年からはワールドツアーを開始。現在まで12か国34都市で上演を重ね、公演を成功させています。

そんな話題作の日本初演が、今秋ついに実現します!


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ダイナミックな舞台装置や身体性に富んだ演技で観る者を魅了しながら、犀に変身した人々や、犀に占拠される街という状況を通して、全体主義の滑稽と恐怖を浮き彫りにしていきます。


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《ストーリー》

アル中気味でうだつが上がらないベランジェは、友人のジャンとともに一頭の犀が街を駆け抜けるのを目撃した。騒然とする街の人々をよそにベランジェはどこ吹く風。翌日、ベランジェのオフィスでは犀の話題でもちきりだった。そこに欠勤が続くブフ氏の妻が犀に追われて駆け込んで来る。しかし、彼女を追って来た犀こそがブフ氏だと気づくと、ブフ夫人は制止を振り切って犀に飛び乗ってしまう。

犀の目撃情報が増える中、仲直りをするためにジャンの家へ向かうベランジェ。だが、ジャンもまた犀に変身し、隣人たちも犀に変身してしまう。いよいよ街は犀に占拠され、ベランジェと同僚のデイジーは二人で生きて行こうとするのだが-。


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「犀」舞台写真:(c)Jean-Louis FERNANDEZ


9月某日、エマニュエル・ドゥマルシー=モタ氏が来日し、会見を行いました。


私が『犀』に感銘を受けたのは人間の本質を扱っているという点でした。動物への変身は不条理な性格を持っているものです。それは、人間や文化とは逆の存在になっていく、特に""は私たちからもっとも遠いところにある動物なのです。このことは、コミュニケーションの不可能性を表しています。また犀の大きな特徴として、盲目的であるという点、そして殻(厚い皮膚)と強い力をもっている動物、すなわち、危険な存在にもなり得ます。


この作品ではジャンとベランジェという2人の友人の関係を重視しています。ジャンは他者を尊重し、服装もちきんとしている。一方ベランジェは、髪はボサボサ、服装も乱れているしいつも遅刻をする、言わば社会の組織を乱す存在です。戯曲では少しずつ二人の関係が乱れていきます。わたしは、ジャンとベランジェが実はひとりの同じ人間ではないかと考えています。ふたつの異なる側面をジャンとベランジェが表しているのではないかと。


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結局、ジャンも犀に変身してしまい、ベランジェは犀にならずに残るわけなんですけど、彼はこう宣言するんです。「自分は降伏はしない。犀にはならない。抵抗する」と。ここでひとつ重要なテーマが浮かび上がってきます。それは恐怖に対して抵抗する力です。恐怖は悪い意味での原動力で、自分で考える能力を失ってしまいます。そして犀になっていくのです。

様々な世界の問題がそこにつながってきます。

"ベランジェ"という人間は疑問を持つ存在としてイヨネスコの戯曲に何度も登場します。ベランジェは自分の子ども時代を自分の中に持ち続けている、子どもの視線で世界を見ている人物なのです。


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本作は、2014年に彩の国さいたま芸術劇場の高齢者演劇集団"さいたまゴールド・シアター"の公演をパリで上演したことが縁で日本初演が実現したそう。同劇場でフランス演劇を招聘するのは初めてなんだとか。また、フェスティバルトーキョー15の主催プログラムのひとつとして上演されます。


公演は11月21日(土)から23日(月・祝)まで、彩の国さいたま芸術劇場にて。

チケット発売中。

チケット情報はこちら


両作品とも公演回数は少ないですが、スケジュールを合わせてぜひとも観て欲しい舞台です!!



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