世田谷パブリックシアターの芸術監督・野村萬斎が企画・監修を務め、古典の知恵と洗練を現代に還元し、現在の舞台創造に活かしたいという思いから生まれた人気シリーズ「現代能楽集」。
第8弾の今回は、三島由紀夫作「近代能楽集」の中から「卒塔婆小町」「熊野」の2編を土台とした、ひとつの現代の物語を創り上げます。
作・演出はシリーズ初登場となるマキノノゾミさん、出演は平岡祐太さん、倉科カナさん、眞島秀和さん、水田航生さん、一路真輝さんら魅力的なキャストが揃いました。
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■ストーリー■
舞台は、東京。とある繁華街の中のネットカフェ。映画監督を志す従業員のキイチ(平岡祐太)は、ネットカフェに長期滞在する年齢不詳の女、コマチ(一路真輝)に興味を抱く。彼に促され、コマチは往時を振り返る――。また、同じネットカフェにてその日暮らしをする家出少女ユヤ(倉科カナ)のもとに実業家のムネモリ(眞島秀和)が現れる。
「卒塔婆小町」と「熊野」、そして現実と幻想が入れ子構造のように重なりながら進んでいき、観ている者をこの世界ではないどこかへといざなう幻想譚。
家出少女と、幻想の中で男性の庇護を受け美しく成長する女性の2役を演じる倉科カナさんは、
「このお仕事を始めて10年、いつかは挑んでみたい、演じてみたいと願っていた作家である三島由紀夫さんの原作だとお聞きし、ぜひやりたいと思いました。世田谷パブリックシアターという劇場もとても好きな空間で、「いつかこの舞台に立ってみたい」と思っていました。そして脚本と演出が、以前映画でご一緒したマキノノゾミさんですので、さらに期待が高まっています。あの時は俳優としてお会いしてぜひまたお仕事をご一緒したいと思っていたので、どんな演出をしてくださるのか、とても楽しみです。舞台の稽古は、とても濃密な時間。個性的な共演者の皆さんのお芝居を勉強・吸収し、力を合わせて、魅力的な舞台に仕上げていけたら、と思っています」とコメントを寄せています。
そして、 ネットカフェで暮らす年齢不詳の女コマチを演じる一路真輝さんは次のように抱負を語ってくださいました。
「ミュージカルを中心に30年以上このお仕事をさせていただいていますが、今回、私にとっては遠い世界だった三島由紀夫さんの世界に挑みます。近年はストレートプレイもさせていただいてまして、一つひとつが挑戦です。そういう時期に乗り越え甲斐のあるハードルをいただいたことに、ご縁を感じています。そして今回は、近代能楽、三島作品にマキノさんが現代性を重ね、二重三重の仕掛けが織り込まれます。また違う味わいのものが誕生しそうで、そこに参加できることが、とても楽しみです。どんな作品に仕上がっていくのか、やらせていただく側もワクワクしていますので、きっとお客様にも楽しんでいただける作品になると思います」
萬斎さんのラブコールに応えるかたちで作・演出を手掛けることになったマキノさんは、「"卒塔婆小町"と"熊野"という2つの作品を行ったり来たりしながら、常に魅力的なシーンが展開される舞台になればと思っています。根っこに能や三島作品は持ちつつ、全く新しい表現で幻想的な世界観を描けたら」と意欲をみせています。
公演は11月8日(日)から21日(土)まで東京・世田谷パブリックシアターにて。
チケットは一般発売中。