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■2016年版『ミス・サイゴン』 vol.9■


ミュージカル『ミス・サイゴン』が現在、帝国劇場で上演中だ。ベトナム戦争という重くシリアスな史実を背負った作品ながら、エンタテインメントとしての華やかさも併せ持つミュージカル。世界各地で公演され、日本でも1992年以降コンスタントに上演され続けている。大作ミュージカルらしく、プリンシパルキャストはダブル・トリプル制をとっているが、今回も個性豊かな顔ぶれが揃った。キャスト評含め、2016年版『ミス・サイゴン』の感想を記す。
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舞台は1970年代ベトナム戦争末期。村が焼かれ、両親を失った17歳の少女キムは、サイゴンの町でナイトクラブを営む男・エンジニアに拾われる。エンジニアやクラブの女たちは、ベトナムを出て自由の国・アメリカで暮らすことを夢見ていた。そんな中で初めて店に出たキムは、アメリカ兵クリスと出会い、恋に落ちる。だがサイゴン陥落の混乱の中、引き裂かれてしまうふたり。3年後、戦争が終わり社会主義国家となったベトナム。クリスとの息子・タムを生んでいたキム、相変わらずアメリカ行きの夢を諦められないエンジニアを中心に、キムの許婚トゥイら、様々な人々の思惑は絡まり、キムの運命はさらに過酷な渦の中に。一方アメリカでは、帰国したクリスがエレンと結婚、しかしいまだ、戦争の悪夢に苦しんでいる。そしてキムが生きていること、息子がいることを知るのだが...。

戦争という極限状態の中で、それでも激しく誰かを愛し、あるいは憎み、また生に執着する生々しい人間の姿を切り取った作品だ。特に新演出になった2012年以降は感情のひだをいっそう繊細に表現、悲しいほどに必死に生きる人々の姿が浮き彫りになった。今回も舞台上に出てくる登場人物すべて、舞台の隅に至るまで全員がリアルに、地に足を付けて生きている。そしてベトナム人もアメリカ人も、等しく傷付いていく。この作品は「戦争は何も生み出しはしない」という人類の反省と、平和への祈りがテーマ。そのことをキャスト全員が深く重く受け止め、覚悟を持って作品に向き合っているのだろう。メインキャラクターがたどるドラマチックな物語に引き込まれながらも、時折視線をはずすと、サイゴンやバンコクの街角で、必死な目をしている人の姿が目に入りハッとする。やはり『ミス・サイゴン』は、ほかのミュージカルとは何か違うのだ。観ているこちら側も、背筋が伸び、彼らが訴えかけることをきちんと受け止めねば、と思う。
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とはいえやはりアラン・ブーブリルとクロード=ミッシェル・シェーンベルクによる珠玉の楽曲は美しく、悲壮なだけではないミュージカルらしい楽しみももちろんある。逆に、ミュージカルという広く大衆に訴えかける手法の中に描かれるからこそ、シリアスなテーマがストンと素直に心の中に落ちてくるのかもしれない。

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イギリスの劇作家アラン・エイクボーンによって書かれた『扉の向こう側』(英題"Communicating Doors")が上演される。今回、このアラン・エイクボーンの原作をもとに、芦沢みどりが翻訳し、板垣恭一が上演台本・演出を手掛ける。

キャスト6名の紹介をしよう。

女優陣3名は、元宝塚歌劇団雪組のトップスターと娘役トップ経験者が揃った。


男役として、『ベルサイユのばら』で気品あるフェルゼンを、また退団公演『一夢庵風流記 前田慶次』の前田慶次を颯爽と演じた壮 一帆。宝塚退団後3作品目の今回は、なんとSMクイーンの役!「やっと女性らしい役が来たと思ったら、娼婦、しかもSMクイーン役とは!」と笑うが、「自分自身をどこまでさらけ出せるかが勝負。体当たりで挑みたいです」と、意気込む。


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▲壮 一帆:フィービー


久しぶりの舞台出演となる紺野まひるは、壮の(宝塚時代の)同期でもあり新人公演では壮の相手役も務めた。更に、一路とは一路の退団公演の時、研1生(入団1年目)として共演したという経緯があり、「懐かしいお2人と共演出来て嬉しい」と、はにかむ。「久しぶりの舞台でドキドキしていますが、お客様に、"最高に面白かった!"と言っていただけるものを創りたいです」と、こちらも気合いがみなぎっている。

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▲紺野まひる:ジェシカ


一方、ここのところストレートプレイに出演する機会が増えている一路真輝は「アラン・エイクボーンが練りに練って創り上げた芝居の面白さを、演じながら体感しています。6人の魅力が詰まった品のいいコメディにしていきたい。でも本当のことを言うと、客席でも観てみたい!(笑)」と、微笑んだ。

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▲一路真輝:ルエラ


この物語はフィービー、ジェシカ、ルエラという女性3人が、ひょんなことから出会い、そこから生まれる不思議な一体感を軸に描かれている。宝塚歌劇団雪組出身という共通点がある3人が、役としてどのように絡んでいくのかも見所になりそうだ。

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11月3日(木・祝)に全労済ホール/スペース・ゼロにて開幕した舞台オリジナル外伝 魔劇「今日からマ王!」~魔王暴走編~

文庫の世界からテレビアニメへと羽ばたいた「今日からマ王!」。 2013年4月、博品館劇場にて『魔劇「今日からマ王!」~魔王誕生編~』を初演し、2015年10月には続編『魔劇「今日からマ王!」~マ王!再降臨~』を上演して多くの反響を呼びました。その圧倒的支持に応え、魔劇の続編第三弾が更にパワーアップし、ミュージカルとしてオリジナルストーリーで帰ってきます!

平凡な高校生の渋谷有利は、実は異世界最強の魔王......らしい。ワケあって、自分が王様をやっている魔族たちの国〝眞魔国〟に3回目の召喚をされて出戻ってみたら、そこでトンデモない騒動が起きていて......?

今回は主役に小西成弥さんを迎えての上演となります。
前日には、公開ゲネプロ及び囲み取材が行われました!
キャストそれぞれのコメントと舞台写真が届きましたので一部公開!!

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小西成弥【渋谷有利 役】
演出の臣太朗さんには、「日本を変えるつもりで演じてくれ」と言われました。僕が演じる有利の、自分というものを強く持った、芯の強い、正義感の強い部分を意識して演じたいと思います。マ王シリーズには初参加で主演なので、初めてのことが沢山あり緊張もしますが、原作と前作の舞台も見て本当に楽しい作品だったので僕自身も楽しみです。

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兼崎健太郎【フォンヴォルデール卿グウェンダル 役】
第3弾の舞台である今回は、主人公有利と僕が演じるグウェンダルとの関係に少し変化がある所が見どころです。初めて舞台オリジナルストーリーですが、原作の世界観は変わらないので違和感なくお楽しみいただけると思います!

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渡辺和貴【ウェラ―卿コンラッド 役】
いつもは有利を優しく見守っているキャラクターなのですが、今回はアーダベルト(下村)とのやり取りで少し違った雰囲気を出すシーンがあるので、ぜひ注目してほしいです。

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樋口裕太【フォンビ―レフェルト卿ヴォルフラム 役】
僕が演じるヴォルフラムは初演では有利を魔王と認めていなかったのですが、再演では有利と恋人のように会話をしていて、それが今回は夫婦のような仲を見せられたらと思います。今回で第3弾ですが、新しい『マ王』をお見せできると思います。

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小谷嘉一【フォンクライスト卿ギュンター 役】
僕が演じるギュンターは、今回初めてお城を飛び出して殺陣にも初挑戦しています。違った一面を見せられると思いますので楽しみにしていてください。

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進藤学【グリエ・ヨザック 役】
女装が趣味みたいなヨザックを演じますが、今回も女装が飛び出すかな...?飛び出すと思います(笑)!スパイシーさと、セクシーさを披露したいと思います!

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反橋宗一郎【村田健 役】
隠された正体をもつ有利の地球の友達、村田健を演じます。正体は見てのお楽しみですが、村田は3作品目にして沢山出演シーンがあり、ソロ曲もあります!ぜひ注目して下さい。

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岡田地平【渋谷勝利 役】
兄弟である有利を溺愛する勝利は、原作には登場しないオリジナルのエピソード、オリジナルの活躍をするので舞台では異なった側面を見せていて、それがどうストーリーに絡んで行くかをぜひ見てほしいと思います。演出の臣太朗さんには「兄弟に見えない!」と言われていたので(笑)、頑張って兄弟を演じきりたいです。

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下村青【フォングランツ・アーダルベルト 役】
アーダルベルトは太マッチョの体でありながら、愛していた女性ジュリアを思って恋に生きるという、体格とは相反する繊細な心情が今回は出ていますので、そこが見どころだと思います。僕はこれまでの3作全てに出演していますが、今回のカンパニーは今までで一番いい雰囲気だと思います。僕もマ族と一緒にいるシーンが今までで一番多いので、楽しく演じています。

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歌あり、殺陣あり、ダンスあり!
新しく主役の有利を演じる小西成弥さんの愛くるしさ、脇をかためるキャストの皆さんの安心感、お芝居的な演出...原作を知らない人も2.5次元観たことない人も、この世界覗いてみませんか?

舞台オリジナル外伝 魔劇「今日からマ王!」~魔王暴走編~
脚本・演出:菅野臣太朗
出演:小西成弥、兼崎健太郎、渡辺和貴、樋口裕太、小谷嘉一、進藤 学
   反橋宗一郎、岡田地平、下村青ほか
会場:全労済ホール/スペース・ゼロ
会期:上演中~11月13日(日)




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結城企画 稽古場レポート第二弾です!

俳優の結城洋平が、「好きなクリエーターたちと舞台がやりたい!」という思いから立ち上げた結城企画。
期待すべき第一弾は、脚本・演出に大歳倫弘を迎え、東京のはずれ、国道沿いにある『ブックセンターきけろ』を舞台に、「本」「記憶」をテーマにしたコメディを上演します。

11月に入り、稽古も佳境のなか、ビッグニュースが飛び込んできました!
なんと日本を代表する作曲家の吉俣良さんが、劇中の音楽を作ってくださることになりました!!
 ※吉俣さんの主な作品... 映画「四月は君の嘘」(2016年)、ドラマ「篤姫」(NHK)、「江〜姫たちの戦国〜 (NHK)、「空から降る一億の星」(フジテレビ)「Dr.コトー診療所」(フジテレビ)等

今回は、吉俣さんが稽古場で音楽を作ってくださった様子をレポートいたします。

吉俣さんとは、結城が2年前に出演していた、復興支演舞台『キッカケの場所』(作・演出:福島カツシゲ)で繋がりました。
結城が自主公演を立ち上げるとお伝えしたときから気にかけてくださっており、今回のオファーに至りました。

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(左から、吉俣良・結城洋平)

事前の打合せでは、台本を読んだ吉俣さんが、「記憶術を教えるシーンで音楽をいれてみてはどうか?」という提案をしてくださり、さっそくその場で鍵盤を弾いてくれていたとか。
稽古場にいらした時にはすでに一曲のイメージが完成していました!

稽古場では、頭のシーンからお芝居を観ながら、その場で鍵盤を弾いてくれます。
「ここでこんな音楽どう?」と提案してくださったり、「エレキギターとアコギのどちらがいい?」と問いかけたり。
演出の大歳さんにも、どこにどんなイメージの音楽を入れたいのかと、ヒアリングしながらどんどん曲が生まれていきます。

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俳優から「こっちの楽器のほうがお芝居が入りやすいです」と、演技をしてみての心境をお伝えする場面も。
大歳さんとキャストと吉俣さんがセッションする場面は、ドキドキワクワクが止まりませんでした。

この日の稽古は劇中音楽の核となるイメージが共有できたところで終了。
後日、完成した音楽が送られてくることになりました。
吉俣さんの重厚な音楽で『ブックセンターきけろ』が彩られるのが楽しみです。

いよいよ本番まであと一週間。
実際に本人たちの「記憶力」も高めながら、脚本稽古にも身が入っていきます。
皆さんの「記憶」にも残るお芝居にすべく、日々奮闘しております。
11月11日より上演の『ブックセンターきけろ』をお楽しみに!

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(左から、目次立樹・眼鏡太郎・吉俣良・大歳倫弘・結城洋平)


<公演情報>
結城企画『ブックセンターきけろ』
脚本・演出:大歳倫弘
出演:眼鏡太郎 目次立樹 結城洋平
日程:2016年11月11日(金)~13日(日)
会場:下北沢・Geki地下Liberty
HP:http://yuukiyohey.wixsite.com/yuukiyohei

アフタートーク決定!
【登壇者】
・11月11日(金)19:00公演
結城洋平、大歳倫弘、今井隆文(劇団プレステージ)、本多力(ヨーロッパ企画)
・11月12日(土)18:00公演
結城洋平、大歳倫弘、松居大悟(ゴジゲン/映画監督)





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1992年にウィーンで初演され、日本でも1996年の宝塚歌劇団での初演以来、幾度となく上演を繰り返しているミュージカル『エリザベート』。宝塚歌劇団だけで9度、ほかに東宝製作の男女混合ミュージカルとしても上演を重ねている大ヒット作だ。この『エリザベート』の日本初演20周年を記念し、宝塚版の歴代キャストが集結、『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』が年末から年明けにかけて上演される。11月4日、その制作発表会見が都内にて開催された。
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『エリザベート』は、ハプスブルク家の滅亡の時代に生きた美貌の皇后エリザベートの生涯を軸に、架空の存在・トート(死)と皇后の愛憎を描く作品。歴代のトップスター9名が顔を揃え壮観な会見となったが、それでも、主役のトートとエリザベートを演じるキャストの一部のみ。公演には総勢25名の元トップスターが出演する。『エリザベート』という作品が宝塚で深く愛され、大切に上演を重ねているからこその、今回のこの豪華なガラ・コンサートの上演なのだろう。会見で流れた、過去9回の『エリザベート』のダイジェスト映像を見て、演出の小池修一郎も「それぞれが自分たちの青春、宝塚歌劇団での男役人生・女役人生すべてを燃焼させてこの公演をやってくれたんだな、その積み重ねで20周年に繋がったんだなと改めて思いました」としみじみ。さらに今回の公演については「若き日の青春の情熱とは違うものになるかもしれませんが、演技経験や人生経験を加え、厚みのある『エリザベート』になるのではと期待しています」と語った。

今回の公演は1996年雪組初演メンバーによる<モニュメントバージョン>、扮装でのコンサート形式<フルコスチュームバージョン>、歴代出演者が競演する<アニヴァーサリーバージョン>の3バージョンで上演される。初演の雪組公演でトートを演じた一路真輝は、「今、初演の記者会見を思い出していました。トートの扮装をして出て来ましたら、「宝塚の男役トップスターが死神をやるのか」という、皆さま(記者)からの、恐ろしいほどの殺気を感じました(笑)。命がけで『エリザベート』という作品を、雪組全員で作ったことをしみじみと思い出します。20年経った今、愛される『エリザベート』になったこと、本当に嬉しく思います」と挨拶を。

ほか、「初演の雪組公演が素晴らしく、プレッシャーに耐えられず辛かったが、あの時にトートを演じさせて頂いて本当に良かった」(麻路)、「試練がまたやってきました」(姿月)、「当時は毎日(プレッシャーに)押しつぶされ、必死で立っていた」(春野)等、口々に当時の思いや、作品への思いを語った出演者たち。また、9月に退団したばかりの元月組トップスター・龍真咲は、過去に演じたルキーニ役のほか、エリザベート役にも初挑戦。「楽曲のエネルギーに負けないように、しっかり演じたい」と意気込みを語った。

公演は、12月9日(金)から18日(日)まで、大阪・梅田芸術劇場メインホール、2017年1月8日(日)から20日(金)まで、東京・オーチャードホールにて上演される。



会見に出席した皆さんです!
まずはトート役の方々をご紹介。

▽ 一路真輝
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 山口祐一郎さん、涼風真世さんはじめ、日本のミュージカル界の屋台骨を背負ってきた実力派が多く顔を揃えた『貴婦人の訪問』。夢の競演にファンが歓喜したこのミュージカルが、昨年の日本初演から1年3ヵ月というスピードで再演されます。ユニークなのは、全キャスト中で初演と異なるメンバーが、アルフレッド(山口)の妻マチルデ役の瀬奈じゅんさんのみなこと。この変化で、カンパニーにどんな新風が吹くかは見どころです。

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 稽古場を訪ねると、(わかってはいたものの)あちらを見てもこちらを見てもスターばかり! ついキョロキョロしたくなる気持ちを抑えていたら、子役の女の子2人(レーナ役=厳密には彼女たちも新キャスト)が「おはようございます!」と元気に入ってきました。全身黒の稽古着で静かな迫力に満ち、既に"貴婦人"クレア役に入っているかのような涼風さんも微笑み、「おはよう」と迎えます。比較的ベテランの多い、大人の雰囲気漂う稽古場ですが、この子役ちゃんたちの存在が良い緩和を与えてくれているような印象です(だけどこの2人、すごくマジメ!)。

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 2017年1月のシアタークリエに登場するのは、ロックなシェイクスピア!? 
"この世界はすべてこれ一つの舞台、人間は男女問わずすべてこれ役者にすぎぬ"という名台詞で知られるシェイクスピアの喜劇『お気に召すまま』が、ブロードウェイの鬼才マイケル・メイヤー(『春のめざめ』『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』)の演出で登場します。満を持して日本初演出に臨むメイヤーは、1600年に生まれた本作の時代設定を、「アメリカが一番自由で幸せだった時代」と記憶する自身の幼少期、1967年に置き換えて構築。原作に書かれたアーデンの森は、サンフランシスコの『Summer of Love』(10万人のヒッピーが集まったイベント)に、宮廷は当時のワシントンDCとなって表れる、まさに新感覚のシェイクスピアの誕生です!

 オーランドー(ジュリアン)は、長兄のオリヴァー(横田栄司)から命を狙われてヒッピーの聖地・ヘイトアシュベリーに逃げる。一方、ロザリンド(柚希礼音)の父親は自身の弟・フレデリック(小野武彦)の仕打ちにより政界から追放され、ヘイトアシュベリーでひっそりと生活していた。ロザリンドは姉妹同然に育ったフレデリックの娘・シーリア(マイコ)とワシントンDCに残り仲良く暮らしていたが、フレデリックに突然の追放を命じられる。ロザリンドは男装して身分を隠し、シーリアとタッチストーン(芋洗坂係長)を伴ってヘイトアシュベリーにたどり着くが......。

 音楽を手掛けるのは作曲家トム・キット(『ネクスト・トゥ・ノーマル』)。メイヤーとキットというトニー賞受賞の最強スタッフと、日本の実力派俳優で作り上げる"ポップでロックなシェイクスピア"は注目必至です! 今回、シェイクスピア初挑戦となるシーリア役のマイコさんに、本作への思いをうかがってきました。

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今年で第70回を迎えた世界最高峰の演劇賞、トニー賞
その授賞式の模様を毎年生中継しているWOWOWが、開局25周年記念イベントとして、日本初のトニー賞公認のミュージカル・コンサートを開催します!


出演は、昨年渡辺謙との共演が話題になったブロードウェイミュージカル『王様と私』で第69回トニー賞ミュージカル主演女優賞を受賞したケリー・オハラ
日本でも大ヒットしたアメリカTVドラマ『glee/グリー』のウィル・シュースター先生役で人気を博し、『ライト・イン・ザ・ピアッツァ』で第59回トニー賞ミュージカル助演男優賞にノミネートされたマシュー・モリソン
そして、日本ミュージカル界のトップスターであり、第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞(演劇部門)他、多数の賞を受賞している井上芳雄

...という、日米トップ・ミュージカルスターの夢の競演です。
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トニー賞公認という、この日本初の特別なコンサートに、日本代表として参戦する井上芳雄さんに、お話を伺ってきました。



●井上芳雄 INTERVIEW●

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――「トニー賞 コンサート in TOKYO」という大きなコンサートへの参加が決まった、現在の心境をお願いします。

「トニー賞はずっとWOWOWさんが中継を重ねているんですが、僕もここ数年そのサポーターをやらせてもらっています。今年はNY(ブロードウェイ)にも行かせてもらったりして、より深くトニー賞のこともわかってきました。そんな中で「トニー賞と一緒に日本でコンサートが出来るかも」...みたいなことを聞いて、僕も「そんな夢のようなこと出来たらいいですね」と言っていたんですが。気付いたら実現することになっちゃって。本気だったのか、すごいなWOWOW!って思いました(笑)。近年、外国のミュージカル俳優が来日して一緒に歌うコンサートって多いですが、トニー賞が公認して、トニー賞を通して本場の俳優が来るというコンサートは初めてだと思います。それはすごく新しいし、大きなことですよね」


――「トニー賞のこともわかってきた」とのことですが、具体的には?

「僕もまだそんなに詳しいわけじゃないのですが、そもそもトニー賞ってどこが主催しているの?何なの?ってところからでしょうか。アメリカン・シアター・ウィングと全米劇場プロデューサー連盟の2者でやっているんですよね。でも商業ベースではなく非営利というか、アメリカン・シアター・ウィングはほかにも演劇を普及させる色々な活動をやっていますし。そんな成り立ちから、毎年のショーレースのパワーゲームとか(笑)? ちょっと言えない話が多いんですけど(笑)。今年はこんな色々な事情があってこうなったとか、今年は流れからこれが(賞を)獲るだろうとか。でもそれから大どんでん返しがあったり。今年なんて『ハミルトン』があまりにも強かったから、今年開けてもダメだから開幕を遅らせている(来年のトニー賞を狙う)新作もたくさんあるんじゃないかって話もあるくらい。あとはトニー賞の中継番組の時、演劇ジャーナリストの影山雄成さんが隣の席で、放送していない時に色々教えてくれるんですよ、俳優たちの裏話を。この人はインタビューをしたらすごく感じが悪かったとか(笑)。そういう話も含めて面白いなって思うんです」
※トニー賞は各年のエントリー期間中に開幕した作品が対象となる。
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――現場でトニー賞の凄さも感じられましたか?

「そうですね。もちろん凄いという意味では、特に新作はみんなトニー賞を目指してやっています。それだけ影響力が大きいということです。トニー賞の授賞式でのパフォーマンスも、実はあれ、全部"作品持ち"、つまり自前でやっているらしいです。しかも普通に昼公演をやったあとだったりしますからね。授賞式でのパフォーマンスのためだけに自分たちでセットから何から作る。でもそれだけお金をかけても、テレビ中継もありますし、やったらやっただけ反響がある、つまりCMみたいなものなんです。それだけみんな必死になってやる。それだけ影響力があるという意味ではやっぱりトニー賞というものは凄い。でも実際にブロードウェイに行ってみたら、実はそんなにみんなが"トニー賞!トニー賞!"って言っているわけでもなく、適度なゆるさもあって。僕たちが思う、絶対的な、神様のような賞というのともちょっと違うのかなと思いました。授賞式の日にちも変わったりして、そんなに適当でいいの!?って(笑)。今年も1週ずれたんですよ、(生中継する)こっちは死活問題ですよ、舞台稽古中だよ!って(苦笑)。でもそこはアメリカらしいなって思います」

宝塚歌劇に関する本も多数執筆している演劇ジャーナリスト・中本千晶さんの新刊『宝塚歌劇に誘う7つの扉』(東京堂出版)が、10月に発売になりました。

こちら、「『ベルばら』『男役』『羽根』だけではない もうひとつのタカラヅカ100年史!!」とのことで、7つの舞台ジャンル(歌舞伎・歌劇・レビュー・バレエ・日本舞踊・ミュージカル・2.5次元)と、宝塚歌劇との関わりを探る一冊になっているとのこと。

近年、名作映画やゲーム、そして国民的アニメなど、意外性のある他ジャンルを意欲的にミュージカル化、しかもことごとく好評を得ていて、宝塚という舞台芸術の懐の深さを感じるのですが、思えば宝塚は、そういった「他ジャンル」を上手く取り入れ、宝塚の舞台に昇華していった歴史を積み重ねているんですよね。

本書は、そんな宝塚の歴史のみならず舞台芸術の歴史をも俯瞰する1作になっています!
...というか、目次(下記参照)を眺めるだけで、とても興味をそそられる...と、思いませんか!?


さて、著者の中本千晶さんから、げきぴあユーザーの皆さんにメッセージを頂きました!

 歌舞伎のアンチテーゼとしてスタートしたタカラヅカは、その100年の歴史の前半では、歌劇(オペラ)、レビュー、バレエといった欧米の舞台芸術を取り入れるための実験場としての存在でもありました。それぞれのジャンルが日本でひとり立ちしたとき実験場としての役割は終えるわけですが、その頃にはタカラヅカもまたそれぞれのエッセンスを取り込みタカラヅカ流に消化してしまっているわけです。

 100年の歴史の後半は、取り込み消化したものを土台にしつつ、ミュージカルという新たな様式と向き合い続けた50年でした。そして今、まさに旬の「2.5次元」の世界とタカラヅカがいかに向き合っていくのかにも注目したいところです。

 私自身、本書の執筆を通じてタカラヅカの懐の深さに圧倒されました。この思いはきっとファンの皆さまにも共感していただけると思います。また、これからタカラヅカの扉を開けてみようと思われている皆さまにとっては、本書が良き道案内の役割を果たせれは嬉しいです。

――中本千晶


ティム・バートンの傑作映画をミュージカル化し、2013年にブロードウェイで大ヒットした『ビッグ・フィッシュ』
来年2月に登場する待望の日本版の製作発表会見が11月1日、都内にて行われました。
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『チャーリーとチョコレート工場』『シザーハンズ』など、日本でも熱狂的なファンが多いティム・バートン監督ですが、『ビッグ・フィッシュ』は2003年に監督した映画。ユアン・マクレガー、アルバート・フィニーら名優が出演し、日本でもヒットしました。


●STORY●
エドワード・ブルーム(川平慈英)は昔から、自らの体験談を現実にはあり得ないほど大げさに語り、聴く人を魅了するのが得意。
自分がいつどうやって死ぬのかを、幼馴染のドン・プライス(藤井隆)と一緒に魔女(JKim)から聴いた話や、共に故郷を旅立った巨人・カール(深水元基)との友情、団長のエイモス(ROLLY)に雇われたサーカスで最愛の女性、妻・サンドラ(霧矢大夢)と出逢った話を、息子のウィル(浦井健治)に語って聞かせていた。
幼い頃のウィルは父の奇想天外な話が好きだったが、大人になるにつれそれが作り話にしか思えなくなり、いつしか父親の話を素直に聴けなくなっていた。そしてある出来事をきっかけに親子の溝は決定的なものとなっていた。
しかしある日、母サンドラから父が病で倒れたと知らせが入り、ウィルは身重の妻・ジョセフィーン(赤根那奈)と両親の家に帰る。
病床でも相変わらずかつての冒険談を語るエドワード。本当の父の姿を知りたいと葛藤するウィルは、以前父の語りに出ていた地名の登記簿を見つけ、ジェニー・ヒル(鈴木蘭々)という女性に出会う。
そしてウィルは、父が本当に伝えたいことを知るのだった――。


会見には川平慈英浦井健治霧矢大夢赤根那奈(夢咲ねね 改め)、藤井隆鈴木福ROLLY、そして演出の白井晃、計8名が登壇。
白井さんが「温かい、柔らかい空気がある」と語ったとおり、笑いと温もりあるホンワカした会見になりました。
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△ 父と息子
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△ 父と妻
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△ 息子とその妻

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