小野寺修二が演出を務める舞台「あの大鴉、さえも」が東京芸術劇場シアターイーストで上演中。出演は小林聡美、片桐はいり、藤田桃子。
現代演劇のルーツといえるアングラ世代の戯曲を 若手・気鋭の演出家が大胆に現代の視点で読み直す、東京芸術劇場人気企画「RooTS」。
シリーズ第四弾にあたる舞台「あの大鴉(おおがらす)、さえも」が9月30日から東京芸術劇場シアターイーストで上演が始まった。
男が三人ガラスを運んでいるのだが、どこに運ぶのか定かでない、そして届け先には入り口が見当たらない・・・。
とても不条理でシュールな内容が好評を博し、岸田戯曲賞を受賞した竹内銃一郎の代表作だ。
今回は本作の上演台本をノゾエ征爾、演出を小野寺修二が手掛ける。出演は小林聡美、片桐はいり、藤田桃子という個性派女優3人だ。
初日前日の9月29日に本作の公開舞台稽古が行われた。動画はこちらをダイジェストにしたもの。【動画1分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
ブロードウェイ・ミュージカル「キンキーブーツ」来日版 の初日に合わせて、レッドカーペットイベントが行われ、日本版「キンキーブーツ」で主演を務めた小池徹平、三浦春馬が登壇した。
ミュージカル「キンキーブーツ」は2013年のトニー賞 6部門に輝いた傑作ミュージカル。日本では小池徹平、三浦春馬の主演で2016年7月~9月に上演され、大好評を博した作品だ。
本場のアーティストたちによる<来日版>が10月5日から開幕するのに合わせて、日本版のキャストやスタッフがレッドカーペットイベントに登壇した。
動画はこちらを抜粋したもの。【動画1分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
10月5日に開幕した音楽劇『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』。
留学先のドイツで結核にかかり、23歳で亡くなってしまった音楽家・瀧廉太郎を巡る事実も交えた"IF-イフ-"のお話。『故郷』『朧月夜』『荒城の月』など馴染み深い唱歌の中には、作者不詳の歌も多くあります。この作品は、その作者不詳曲の作曲に関わったとされる岡野貞一と、天才とうたわれ短命に散った瀧廉太郎の物語。2014 年、2015 年と上演されている人気作です。
今回、初演から岡野貞一を演じる原田優一さん、今作で瀧廉太郎を演じる和田琢磨さんと、実際に瀧がドイツで交流を持ったとされるヴァイオリニスト・幸田幸さんの世話人フクを演じる星野真里さんにお話をうかがいました。
初めて李 康白先生とお会いしたのが、正確にはいつのことか、実ははっきりした日付が思い出せません。でも、強く印象に残っているのは、韓国・南山の国立劇場から下った先にトンソク屋が軒を連ねる一帯がありまして。そのうちの一軒に連れて行っていただき、ご馳走になったことでしょうか。韓国の劇場、劇団で僕の戯曲が幾つか演出・上演されてからのことなので2011、12年頃だったと思います。
李 康白先生は、韓国でも大変な大御所。でも、そのお話しぶりは気さくでウィットに富み、ところどころに挟まれるブラックな視点や言葉がピリッと響くのがまた味がありまして(笑)。名実ともに韓国の知識人を代表される方だと思います。
その後の2013年、日本で影書房から戯曲集「ホモセパラトス」(秋山順子訳)が刊行された際には先生から本をお送りいただき、その中に収録されたいたものを読んだのが、僕が『プゴテガリ』に触れた最初でした。
韓国では戯曲に限らず、感情の描写などがウェットでパッショナブルな作品が多く、作り手にも観客にも好まれる傾向がありますが、先生の作品は抑制された文体と抽象的な設定が印象的で、他に類を見ない作品世界が展開されていると思いました。そこには、深い知性の裏打ちがある。日本の劇作家で言えば、別役実さんのような筆致をお持ちだと言えるのではないでしょうか。
今回のような形態で先生の戯曲の上演が実現されたのは、80年代後半から地道に続いてきた日韓の演劇交流、その成果の一つだと思います。僕が劇団時代、初めて韓国公演を行った頃には今、小劇場が並ぶ大学路にも、数件の劇場があるだけでしたから。
『プゴテガリ』は閉塞した空間で展開する濃密なドラマです。今回は大きめの劇場で、栗山民也さん演出のもと、藤原竜也さんや今年、僕の『焼肉ドラゴン』に出演してくれた中村ゆりさんらエモーショナルな四人の俳優さんが取り組まれると聞きました。あの、独特の世界観を今回のカンパニーがどう解釈し、日本の観客に何を届けるのか。作品が内包する大きなエネルギーが、日本の劇場で大きく花開き、いかに変容して広がるかに期待を寄せています。
ちなみに干しダラのスープは僕も大好きで、韓国に行くと必ず食べます。ただ、それは劇中のような唐辛子を大量に入れるものではなく、淡白で滋味に溢れたもの。今回のカンパニーが作る"スープ"が、どんな味わいのものになるかも楽しみにしています(談)。
Dステがシェイクスピア没後400年に贈る、青木豪×シェイクスピア×Dステの本格的喜劇作品 Dステ19th「お気に召すまま」。Dステにとっては『ヴェニスの商人』『十二夜』に続くシェイクスピアシリーズ3作目です。
来月の本番を前に、熱がこもる稽古場からキャストの皆さんからメッセージが届きました!
さて今回、メッセージを寄せていただいたのは、
タッチストーン役を演じる牧田哲也さんと、、、
ル・ボー役とオードリー役を演じる遠藤雄弥さんのおふたり!
まずは牧田哲也さんから。
Q1 Dステ19th「お気に召すまま」のここが面白い!というポイントはどちらですか?
牧田「いろんなところにloveやlikeがあるところですね。最後に結ばれる人たち以外のひとたちにもloveやlikeがどこかにあったりして、その感情に突き動かされて物語が進んでいっていると思います。ぜひいろんなloveやlikeを見つけてみてください」
Q2 御自身の役どころを教えてください。
牧田「僕の演じるタッチストーンは本当にでたらめですね。言ってるとこだけを解釈しても、つじつまが合わない所はたくさんあって。よくよく考えるとこの人は今、森にいるから森の人に宮廷の話をするだけであって、これがまた宮廷に戻ったら、今度は宮廷人に森の話をするんだろうな」
Q3 共演者のここがおすすめというところを教えてください。
牧田「西井幸人が女性役をノリノリでやっているところが面白いですね。水を得たさかなというか(笑)。イキイキした状態で所謂"言葉遊び"をしていると、それだけで幸せな気持ちになりますし、いろんな感情が見え隠れして面白いです」
Q1 Dステ19th『お気に召すまま』のここが面白い!というポイントは?
遠藤「オールメールで上演するという点です。男性キャストだけで女性役も演じるのは、やはり難しくも、面白い部分だと思います。シェイクスピアも当時、オールメールという形で演じるのが普通だったと言われており、昔はこうして上演されていたのかと思いながら観て頂けると、さらにこの作品を楽しんでいただけると思います」
Q2 青木豪さんの演出についてお聞かせください。
遠藤「会話を大事にされる方だと思いました。演劇だけに限らず、どんな土俵にも通じていて、非常に勉強になり、僕自身楽しんでいます。シェイクスピア作品でこういった演出をされるのは素敵です」
Q3 共演者のここがおすすめというところがあれば教えてください。
遠藤「レスラーのチャールズ、鬱ぎ屋ジェイクイズを演じる加治将樹は今作のキャストの中で一番付き合いが長いのもありますが、毎日稽古場で新しい発想が飛び出しているすごさと面白さを感じています。特に、最終的にどんなジェイクイズになるのか今から楽しみでなりません」
最後におふたりからメッセージを!
牧田「シェイクスピア作品は難しくて分かりづらいと思っている方がいたら伝えたいのですが、このDステ『お気に召すまま』は本当に何も考えずに笑えて、幸せな気持ちになれる作品になっていると思います。人が恋することってこんなに楽しくて笑えることなんだなと感じていただけたら嬉しいです」
遠藤「Dステも今回で19作目となりました。今まで応援してきて下さっている方々には本当に感謝しています。これからもDステを支えていただければ幸いです。今作では、人を好きになるという喜びや楽しさを存分に感じていただけると思います!劇場でお待ちしております!!」
【公演情報】 Dステ19th「お気に召すまま」
2016/10/14(金)~10/30(日) 東京・本多劇場
2016/11/19(土)~11/20(日) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
RooTS シリーズ第四弾!竹内銃一郎の傑作『あの大鴉、さえも』が、フィジカルシアターの旗手小野寺修二によって新演出で蘇る!
9月30日(金)に東京芸術劇場 シアターイーストにて幕をあけた、小野寺修二演出、『あの大鴉、さえも』。
1980 年に竹内銃一郎によって、もともと男優三人芝居として書かれた作品を、なんと今回は小林聡美、片桐はいり、藤田桃子の女優三人で上演します。
小野寺と三人の傑出したパフォーマーによっていったいどんなナンセンス・コメディが生まれるのか?どうぞご期待ください。
公演初日を前に、小野寺修二さん、小林聡美さん、片桐はいりさん、藤田桃子さん よりコメントをいただきました!
◆小野寺修二さん【演出】
今回、無対象(=実在のものを使わないこと)演技のパントマイムを20年間続けてきた自分にいただいた題材は、「見えないガラスを運ぶ」という端(はな)から無対象をベースとした戯曲でした。原作者の竹内銃一郎さんから「好きにしていいよ」と声を掛けていただいたことから、そのあまりの自由度にいつにない興奮と不安の中で試行錯誤し続ける日々となりました。最終的には、"人間力"で勝負ができる素晴らしい役者の皆さんとともに、お客様の想像力に挑戦できる作品になったのではないかと思っています。
◆小林聡美さん【出演】
6年ぶりの舞台ということで冷静に考えるとそうとうなプレッシャーなわけですが、稽古が始まった頃は、もうそれすらもよくわからない状態でした(笑)。けれど、小野寺さんの手法はストレートプレイとはまた違って、まったく新しいことをやっているという新鮮な感覚でした。すべてのパーツを一度分解して、台詞の意味、間(ま)、立ち方や空間を再構築していくという作業を、共演者の皆さんとともに興味深く進めてまいりました。お客様には、舞台上の動きや言葉 からイメージを自由に膨らませていただき「なんだか心地よい」という空間と時間のなかで、存分に楽しんでいただければと願っています。
◆片桐はいりさん【出演】
すべてにオチがつくことがつまらないと思える今日この頃、たとえば、美術館でインスタレーションや不思議な絵画を見た時、すべてを理解できなくても「よくわからないけど、おもしろい」「こういうの、私は好きだな」という感覚になりますよね。演劇にも、そういう楽しさがあっていいと思うんです。この舞台で、私たちは"人間インスタレーション"とでも呼びましょうか(笑)、宙ぶらりんの楽しさを懸命にお見せしますので、お客様には自由に笑って、なにかを感じて、ステキな"ハテナ"を抱えたままお帰りいただけるとうれしいです。
◆藤田桃子さん【出演】
今回、小林聡美さん、片桐はいりさんという素晴らしい役者さんとご一緒させていただく機会を得て、夢のように感じています。これまで一つのこと(パントマイム)を続けてきたことでいただいたお話と考え、まったく違うことに挑戦するというよりは、自分がやってきたことを戯曲の世界といかにすりあわせられるか道を探ってきました。「本当は何を持たされているのか」、「その人たちがそれをどう思っているのか」、「なぜ気付いていないのか」など、ガラスの向こうに透けて見えてくる"ハテナ"が、とにかく面白い作品です。お客様を上手に驚かせることができたらと思っています。
撮影:引地信彦
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東京芸術劇場
RooTS Vol.04『あの大鴉、さえも』
日程:2016年9月30日(金)~10月20日(木)
会場:東京芸術劇場 シアターイースト
作:竹内銃一郎
上演台本:ノゾエ征爾
演出:小野寺修二
出演:小林聡美、片桐はいり、藤田桃子