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チャールズ・M・シュルツ原作のコミック『ピーナッツ』の世界観がそのままミュージカルになった『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』。
本日も、稽古場の模様をお届けします!
この日の稽古場は川崎悦子さんがパワフルに、様々なダンスナンバーに可愛らしい振付けをしているところでした。
そうです。
げきぴあツイッターに中川晃教さん(ご本人)にご登場いただき「悦子先生の振りが!?可愛いー!!」とツイートしてもらったのがまさにその現場でしたー!
今回ご紹介するのは、テーマ曲であり、オープニングナンバーでもある『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』のシーン。
一度聴くと♪きみはいい人っ チャーリー・ブラーーーウン♪と口ずさみたくなること請け合いの、キャッチーなナンバーです。
みんな、チャーリー・ブラウンのことを不器用だとか凧揚げが出来ないとか、好き勝手に言っているけれど、それでもやっぱり彼のことが大好き。
きみはいい人だよ、きみは王様にだってなれるよ...というナンバーは、誰にとってもの応援歌でもあります。
チャーリー・ブラウン、王様だから持ち上げられた!?
チャールズ・M・シュルツ原作のコミック『ピーナッツ』の世界観がそのままミュージカルになった『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』。
前回更新でお届けした"顔寄せ"後、引き続き行われた読み合わせ稽古(座ったまま動きを付けず、台本をアタマから最後まで読み合わせていく作業)の取材レポートです!
といっても、ミュージカルなので、セリフのほかに歌も入りますので、耳だけで聴くとすでに作品が一本出来上がっているような状態です...!
演出の小林香さんの「今日を逃すとしばらく稽古場には来られないスタッフもいますので、皆さん、"本意気"でやってください」というひと言から始まったこの読み合わせ。
6人、熱唱してます!
主人公はこちら、チャーリー・ブラウン(村井良大)。
いい人なんだけど...ちょっとさえない。いや、まったくさえない?
もう、幕開きから、けちょんけちょんに言われてます。
村井さん、すでに表情がチャーリー・ブラウン!
いや、さえないところがではなく(笑)、コミックで彼がスヌーピーやルーシーに言い負かされ、「・・・。」と何も言い返せず真顔になっちゃうところ、ありますよね。
まさにそんなチャーリー・ブラウンの顔がオーバーラップするところ、多数!
特に辛らつなのが、ルーシー(高垣彩陽)。
というより、ルーシーはもともとがガミガミやさんなんですね。
ルーシーに「これこそ近年まれに見る"失敗者"の顔よ!」とまで言われてしまうチャーリー・ブラウン。
この作品、それぞれのキャラに結構な長セリフがあるのですが、立て板に水!といった感じでまくしたてる高垣さん、お見事です。
あまりにひどい言われっぷりに、村井さんの口元、ちょっと笑っちゃってます。
チャールズ・M・シュルツ原作のコミック『ピーナッツ』の世界観がそのままミュージカルになった『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』。
その開幕が来月に迫ってきました。
3月6日には、キャスト、スタッフが一堂に会する場である"顔寄せ"が開催され、いよいよ作品が本格始動。
その模様をレポートします!
なお、このミュージカル、今年はオフ・ブロードウェイでの初演から50年目という記念すべきタイミングでの上演なのですが、その初演は1967年3月7日。
まさに、翌日には作品誕生から満50歳! という中での顔寄せで、皆さんの気合いも十分!! でした。
登場するのはチャーリー・ブラウン、ルーシー、サリー、ライナス、シュローダー、そしてスヌーピーというおなじみのキャラクター6名。
つまり、キャストはわずか6名!
少数精鋭です。
プロデューサーさん曰く「スーパーな6人とスーパーなスタッフがいないと出来ない、大変なミュージカル」とのことなのですが、そんなスーパーな6人はコチラ!
チャーリー・ブラウン役、村井良大さん
「本当に素敵な作品なので、この6人で力を合わせて、素敵な舞台にしていきたいと意気込んでいます!よろしくお願いいたします」とご挨拶。
歌舞伎のみならず、テレビや映画、CMでも大活躍の片岡愛之助さんがミュージカルに初挑戦しているのが、いま新橋演舞場で上演中の『コメディ・トゥナイト! ローマで起こったおかしな出来事 江戸版』!
初ミュージカルの愛之助さん!
「スウィーニー・トッド」や「イントゥ・ザ・ウッズ」など数々の名作を生み出したスティーヴン・ソンドハイムの初期の大ヒット作にして、トニー賞6部門を制覇した大傑作ミュージカル・コメディを、巨匠・宮本亜門さんが作品の魅力そのままに、舞台を江戸に置き換えるという前代未聞のこの舞台。上演許諾のきびしいブロードウェイ作品を、江戸版として上演できたのも、亜門さんがソンドハイム氏に直々に許可を得たからこそ!本作への並々ならぬ意欲を感じます。
衣装はど派手! ユカイさん凄すぎます!
そんな由緒正しいミュージカルではありますが、作品自体は最初から最後まで、悲しいことなど一切起こらない完全なコメディ! とにかく笑って楽しい気持ちにさせてくれます。 作品のおもしろさを江戸版として立ち上がらせているのはまさに、愛之助さん曰く「個性が強い方たちばっかり(笑)」、亜門さんが「こんなバラバラは初めて(笑)」とうれしそうに語る多彩なキャスト陣でしょう。
侍役の鈴木壮麻さんと上山竜治さんはWキャスト(写真は上山さん)
歌舞伎出身の愛之助さんを筆頭に、昨年「グレイト・ギャツビー」で主演を勤めたアイドルの内博貴さん、「レディ・ベス」でタイトルロールを演じた声優・歌手の平野綾さん、「ミス・サイゴン」でエンジニア役に挑んだロッカーのダイアモンド ユカイさん、喜劇をはじめ舞台経験豊かなお笑いタレントのルー大柴さん、亜門さん演出の「三文オペラ」で音楽劇に初挑戦した松田美由紀さん、「ロックオペラ モーツァルト」で主人公の父を演じた歌手の高橋ジョージさんなどなど、ミュージカル・舞台での確かな実績を持ちながら、それぞれ音楽やバラエティなど、様々なジャンルで活躍するツワモノ・クセモノ(?)ばかり。亜門さんの「このドタバタ喜劇はむちゃくちゃ人を幸せにします。(強い個性が)次々と動物園のようにでてきますんで」というコメントがとても印象的です。
愛之助さんとなにやらごにょごにょ。ルーさんの変化も見どころですよ~
以前からずっとミュージカルをやってみたかったという愛之助さんは、ミュージカル初挑戦ながら、その歌声の堂々たるや! 特に歌い上げるその声量はすばらしく「歌がすごく良い!歌舞伎で訓練されているんで(逆に)声が出すぎちゃうくらい」と亜門さんも太鼓判!
愛之助さんだけでなく、やっぱり皆さん歌がお上手!
物語の舞台はもちろんお江戸。舞台中央にあるのは布袋屋楽右衛門(高橋ジョージ)の営む薬問屋で、女将のお高(松田美由紀)と息子の比呂(内博貴)と丁稚頭の金吉(ルー大柴)、そして丁稚からの自由を夢見る丁吉(片岡愛之助)が住んでいます。下手にあるのは澤野屋(ダイアモンド ユカイ)が営む美女を集めた置屋。 上手にあるのは二人の子どもを探して放浪中の川端平吉(徳井優)の留守宅。3軒の間でストーリーは繰り広げられていきます。
女好きの夫と、浮気を疑う女将。女将の眼力!
置屋の新入娘・お美津(平野綾)に恋した比呂から、仲を取り持ってくれたら自由にしてやると約束を取り付けた丁吉が、ふたりの仲をなんとかしようと一計を案じて大奮闘! お美津の身請け問題だけだと思いきや、身請け先の勘違いに、楽右衛門の浮気癖、放浪中の平吉の突然の帰宅など、問題が次々と勃発。丁吉の仕掛けた策略がとんだ方向にこんがらがって、、、と最後までドタバタが止まりません(笑)。スジのおもしろさもさることながら、「ブロードウェイなんだけど、歌舞伎のスパイスをちょっといれている」(亜門)と、お江戸版ならではの演出も楽しいです。
開幕直前の会見の様子
初日前の会見では愛之助さんが「まさに抱腹絶倒。いろんな笑いが起きます。いろんな生き方をされてきた方が集まってできたミュージカル。その化学反応をぜひ楽しみにきてください!」とメッセージ。歌声はもちろん、笑いも満載。誰もが幸せになれるハッピーコメディで大いに笑ってみては?
【公演情報】
・3月4日(土)~3月28日(火) 新橋演舞場 (東京都)
・4月2日(日)~4月25日(火) 大阪松竹座 (大阪府)
昨年の世界初演は大好評、チケットは全公演即日完売したミュージカル『王家の紋章』が、今年ふたたび上演されます!
累計発行部数4千万部を誇り、40年間連載が続いている少女漫画界屈指の大ヒット作を原作に、『エリザベート』『モーツァルト!』の音楽を手がけたシルヴェスター・リーヴァイを作曲に迎えて制作された超大作ミュージカル。
原作の魅力を最大限に生かしながらも、深い人間ドラマが描かれたグランドミュージカルとして、原作ファン、ミュージカルファン入り乱れ、大熱狂を巻き起こしました。
物語は、古代エジプトと現代アメリカを行き来し、壮大なロマンが描き出されていきますが、その中で現代パートを一手に担っていたのが、ライアン役の伊礼彼方さん。
現代から古代エジプトへとタイムスリップするヒロイン・キャロルの行方を探し続ける兄・ライアンの孤独や、演じる上での難しさ、こだわり、やりがいなどを、伊礼さんに伺いました。
●物語●
アメリカ人少女・キャロルは、エジプトで友人や恋人共に考古学を研究していた。ある日、ピラミッドの発掘が行われることになるが、それは古代エジプトの王・メンフィスの墓だった。その直後、キャロルのもとに現れた謎の美女・アイシス。弟メンフィスを愛するアイシスの呪術によって、キャロルは古代エジプトへとタイムスリップしてしまう。
彼女を待ち受けるメンフィスとの出逢いや様々な試練、そしてエジプトを狙うヒッタイト王国の王子・イズミル――。数奇な運命が、キャロルを歴史の渦へと巻き込んでいく――。
(公式サイトより)
◆ 伊礼彼方 ロングインタビュー ◆
●ライアンは孤独です
―― 『王家の紋章』、もうすぐ再演の幕が開きます。初演は大好評でしたが、昨年の8月、あの1ヵ月を思い出すと、どうでしょう?
「楽しかったです。同世代の役者がいっぱい集まって、若い世代で帝劇を埋めているという意味でも、とてもやりがいのあったお仕事でした。そして今回の再演。再演まで、あっという間だったねぇ。早かった!」
―― ダブルキャストの役柄もある中で、伊礼さんが演じるライアンはシングルキャストでした。大変でしたね。
「そうそう、疲れました。俺、ずっと楽屋で『健治へ』ってCDを制作してましたので、大変でした(笑)! どうする、意外とすぐ売り切れたな、どうしよう、ってどんどん作っていったら、ちょっと残ったので、今年も劇場で販売しようかなと思っています(笑)」
★伊礼さんのCD『健治へ』については、昨年の「浦井健治&伊礼彼方ロングインタビュー」に詳しく載っています→コチラ
―― そっちの大変ですか(笑)。で、ライアン兄さんですが、ヒロイン・キャロルの兄です。演じていていかがでしたか?
「孤独でしたよ~! しかも舞台上、ほとんどエジプトの色で出来上がっちゃっていて、居場所がない(笑)。作品としては、それでいいんでしょうけどね」
―― ひとりで現代サイドを担っていらっしゃった。
「そのやりがいはありました。自分ひとりで(空気を)作るしかないという。再演では、シーンの再構築があったり新曲が加わったりというようなことがあると聞いていますので、現代側と古代エジプト側の関係をもう少し掘り下げていって、お互い効果的になればいいなと思いますね」
―― 「お互い効果的になれば」とは?
「ライアンのセリフって「キャロル」ばかりなんですよ(笑)。ずーっとキャロルを探してるから! それに、現代サイドのシーンでほとんど誰とも絡まないでしょ。けっこう、ひとりでやるのに限界があるんです。感情って、第三者が共感してくれたりすることで、浮き彫りになったりするでしょ。実生活でもそうだけど、芝居は特に、それを使った方が伝わりやすい。でもそれが(現代パートの構成上)限られてしまっています。だから例えばエジプトでのメンフィス・キャロル・イズミルの関係性がよりくっきりして、そちら側の感情が濃くなれば、そことのギャップを利用して、ライアンの孤独や切なさも強く浮き出てくると思うんです。古代エジプトでの愛憎が深まれば深まるほど、キャロルが現代に帰った時の喜び、そしてまたすぐいなくなったときの苦悩、切なさ、孤独、絶望に変換できるので。逆もまたしかりで、こちらの孤独が深まれば、古代での愛がさらに強く見えると思いますね」
映画版『ミス・サイゴン』こと、『ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン』の公開が、来週に迫ってきました!
1989年の9月20日、ロンドン・ウエストエンドで幕を開け、世界中で愛され続ける、ミュージカル史に残る名作『ミス・サイゴン』。
ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、ナイトクラブで働く少女・キムとアメリカ兵クリスの悲恋を中心に、戦争下で生きる人々の葛藤や苦しみ、愛が描かれる壮大なドラマですが、この映画はロンドン版25周年にあたる2014年9月、ロンドンのプリンス・エドワード・シアターで上演された25周年記念公演を、最新の映像技術で撮影、映画化したものです。
日本では1992年に初演。
日本版25周年の記念の年にこの映画版は公開されることとなります。
『ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン』は3月10日(金)より、
TOHOシネマズ 日劇にてロードーショー(全国順次公開)。
世界中のサイゴンファン垂涎のスペシャルな記念公演の映像を映画館の大スクリーンで観られる日が待ち遠しいところですが、そんな中、なんとエンジニア役を演じたジョン・ジョン・ブリオネスさんと、<25周年記念スペシャル・フィナーレ>に出演したオリジナル・キャストのレア・サロンガさんの独占インタビューが到着しました!
今回はレア・サロンガのインタビューをお届けします。
レア・サロンガ(Lea Salonga)
フィリピン出身。1971生まれ。
『ミス・サイゴン』キム役オリジナルキャスト(当映画・記念公演のスペシャル・フィナーレにも登場)。キム役はロンドンに続きブロードウェイ版でも演じ、トニー賞を受賞。『レ・ミゼラブル』ではアジア人初のエポニーヌ役を演じた。『レ・ミゼラブル』25周年コンサートでもファンテーヌ役を務めている。映画『アラジン』『ムーラン』のヒロインの声も担当、ディズニーランドよりディズニー・レジェンドの称号を授与された。
レアさん、過去に来日経験あり。
出演したコンサート「4Stars」(2013年)の記事はコチラ→★
◆ レア・サロンガ インタビュー ◆
●『ミス・サイゴン』以前は...
――子どもの頃『王様と私』に出演されてたレアさんですが、子どもの頃からミュージカル女優になるのが夢だったのでしょうか?
「子どもの頃は歌うのも楽しかったけれど、本当は医者にもなりたいと思っていて、大学では生物学を専攻していたのよ。だから、ミュージカル俳優、またはフルタイムの歌手になることをずっと夢見ていたとは言えないけれど、今はこうやって俳優と歌手をやっている。全てうまくいったわ」
――『ミス・サイゴン』キム役のオーディションを受けたきっかけは何ですか? またオーディションでのエピソードをお聞かせください。
「私が所属していた歌手の組合の組合長からオーディションのことを聞いたの。彼女は、私にトライするべきだと言って、電話で長々と私の母を説得してくれたの。もし役をもらえなかったとしても、人生は変わらず進むんだからと、私たちはトライすることに決めた。もし役をもらえたら、そのときにどうするか考えようって。あの決断は絶対に後悔しないわ。私たちに、演技する機会以上のものを与えてくれたんだもの」
●『ミス・サイゴン』について
――1989年初演の初日、その前の、稽古場でのエピソードをお聞かせください。
「この作品が初演を迎える頃、私はとても若かった。かなり保守的で温室育ちだった私には、ショックを受けることがたくさんあったわ。露出度の高い衣裳や、クリスとのロマンティックで情熱的なシーンに慣れるのは大変だった。その過程では、大きな信頼と、全ては最終的にはうまくいくという確信が必要だった。衣裳のスケッチを見て恐れおののき、衣裳あわせでは更に恐ろしくなり、舞台上で男性とキスをすると知ってとてもストレスを感じたわ。おかげさまで、最終的には全て乗り切ったわ」
映画版『ミス・サイゴン』こと、『ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン』の公開が、来週に迫ってきました!
1989年の9月20日、ロンドン・ウエストエンドで幕を開け、世界中で愛され続ける、ミュージカル史に残る名作『ミス・サイゴン』。
ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、ナイトクラブで働く少女・キムとアメリカ兵クリスの悲恋を中心に、戦争下で生きる人々の葛藤や苦しみ、愛が描かれる壮大なドラマですが、この映画はロンドン版25周年にあたる2014年9月、ロンドンのプリンス・エドワード・シアターで上演された25周年記念公演を、最新の映像技術で撮影、映画化したものです。
日本では1992年に初演。
日本版25周年の記念の年にこの映画版は公開されることとなります。
『ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン』は3月10日(金)より、
TOHOシネマズ 日劇にてロードーショー(全国順次公開)。
世界中のサイゴンファン垂涎のスペシャルな記念公演の映像を映画館の大スクリーンで観られる日が待ち遠しいところですが、そんな中、なんとエンジニア役を演じたジョン・ジョン・ブリオネスさんと、<25周年記念スペシャル・フィナーレ>に出演したオリジナル・キャストのレア・サロンガさんの独占インタビューが到着しました!
今回はジョン・ジョン・ブリオネスのインタビューをお届けします。
ジョン・ジョン・ブリオネス(Jon Jon Briones)
フィリピン出身・1965年生まれ。1989年ロンドンのオリジナル版『ミス・サイゴン』で舞台デビュー(公称。詳細は下記インタビューに...)。ドイツ、アメリカ、アジア、そして故郷のフィリピンをツアーし、最後の年はウエストエンドでエンジニア役を演じた。エンジニア役以外ではブロードウェイミュージカル『Allegiance』(2015年11月~2016年2月)の開発にレア・サロンガ、ジョージ・タケイらとともに携わった。映画にも多数出演。
ちなみに日本版エンジニアのダイアモンド☆ユカイさんはジョン・ジョンさんを「リスペクトしてる」そうで、
「ジョン・ジョンを見たときに、これは新しい、何か今までのイメージを塗り替えるパワーと実力があり、"こんなこともやっちゃうの?"ということをやっていて、魅力がある。そこに勇気付けられました」
と話していました。→★
◆ ジョン・ジョン・ブリオネス インタビュー ◆
●『ミス・サイゴン』について、初演のエピソードなど
――1989年の初演版に出演、ロンドン・オリジナル・キャスト(アンサンブル)でしたが、初演の初日を迎える前、稽古場でのエピソードをお聞かせください。
「『ミス・サイゴン』のオリジナルの舞台が、僕の舞台デビューではなかったんだ。フィリピンで長い間舞台活動をしていたからね。26年前のことを思い出すのは難しいけれど、いつも覚えているのは、いろいろな街だけでなく、いろいろな国々の出身の役者たちで構成される舞台としては、あれが最初でないとしても、最初の舞台のひとつだったということだよ。僕ら役者たちそれぞれがユニークで異なるものをストーリーにもたらし、僕らはひとつの大きなファミリーになったんだ! でも、国籍が異なることで、時々、誤解を生むこともあり、特に僕はそうだったね。だって英語を勉強し始めたばかりだったから。例えば、ショーの後にパブでみんなで会話していて、僕の周りのキャストたちが早口で話していて笑い始めたら、僕も笑い始めるんだよ!彼らが何を話しているのかは全然わからないんだけどね。それで、彼らが、僕に「どう思う?」と聞いてきても、僕は何て言っていいかわからなくて、肩をすくめて、まるで考えているような表情をつくるんだ。(本当はわかっていないということが)ばれないように願いながらね。実際に彼らがどう思っていたかはわからないけれど」
――初日はどのような状況でしたか?
「オープニングナイトは魔法のようだったよ。劇場に着くまで、こんな大きな舞台だとは知らなかったんだ。劇場の前にはレッドカーペットを敷かれていて、外にはTVの取材陣がいて、衣裳台にはたくさんのプレゼントがおいてあって、クリスマスみたいだった。観客の中にはセレブもいたしね。そこで気付いたんだよ、僕は白人で満席になった劇場で演じるのは初めてだったって」
――その頃から、エンジニア役を演じてみたいと思っていましたか?
「考えたこともなければ夢にすら思ったこともないよ。23歳で初めて海外に出て、何百人といるフィリピン人の中から選ばれただけでうれしかった。与えられた役を演じることに精一杯でクビにならないことだけを考えていたよ」
ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」制作発表 北翔海莉
ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」の制作発表が行われ、宝塚退団後 初の舞台出演となる北翔海莉らが 劇中曲を披露した。
ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」は、リチャード・ビッセルのベストセラー小説「7セント半」を元に、7セント半の賃上げを望むパジャマ工場の労働者と雇用者の闘いと、若木工場長と組合員の恋をロマンチックに描いた作品。
1954年に初演。トニー賞最優秀作品賞などを受賞した名作であり、ボブ・フォッシーが初めて振付を手掛けた作品としても有名。
そして今作の演出を手掛けるのはトム・サザーランド。
日本では「タイタニック」や「グランドホテル」を手掛けて高い評価を得た彼の手腕に期待が高まるところだ。
出演は北翔海莉、新納慎也、大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、阿知波悟美、佐山陽規、栗原英雄など。
本作の制作発表が行われ、劇中曲 3曲が披露された。【動画3分】
1曲目 I'm not at all in love
2曲目 Hey There
3曲目 Once a year day
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」の制作発表が行われ、宝塚退団後 初の舞台出演となる北翔海莉らが 劇中曲を披露した。
ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」は、リチャード・ビッセルのベストセラー小説「7セント半」を元に、7セント半の賃上げを望むパジャマ工場の労働者と雇用者の闘いと、若木工場長と組合員の恋をロマンチックに描いた作品。
1954年に初演。トニー賞最優秀作品賞などを受賞した名作であり、ボブ・フォッシーが初めて振付を手掛けた作品としても有名。
そして今作の演出を手掛けるのはトム・サザーランド。
日本では「タイタニック」や「グランドホテル」を手掛けて高い評価を得た彼の手腕に期待が高まるところだ。
出演は北翔海莉、新納慎也、大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、阿知波悟美、佐山陽規、栗原英雄など。
本作の制作発表が行われ、劇中曲 3曲が披露された。【動画3分】
1曲目 I'm not at all in love
2曲目 Hey There
3曲目 Once a year day
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
OSK日本歌劇団『真・桃太郎伝説 鬼ノ城 ~蒼煉の乱~』東京公演が2月23日に博品館劇場で開幕した。桃太郎のモチーフと言われる彦五十狭芹彦命=イサセリ皇子を主人公に、古代日本の政治情勢から「桃太郎伝説」を照射、歴史ロマン溢れる新たな「桃太郎」の物語を作り出した意欲作。2月22日には報道向けに最終舞台稽古が公開されるとともに、トップスター高世麻央が囲み取材に応じた。
舞台は古代日本、大和朝廷が誕生したばかりの頃。天皇の腹違いの兄・イサセリ皇子は将軍の任をとかれ、失意のなか山中で修行にあけくれている。いつしかタケル(犬飼健)、ユン(猿沢唯)、マオリ(鳥羽真織)という仲間も出来、平穏な日々を過ごすイサセリ。だがあるとき、吉備の国で温羅(ウラ)という男が莫大なタタラ(鉄)の剣を用意し、朝廷に謀反を起こす準備をしているという情報が入り......。子どもの頃に触れたような心躍る伝奇的なドラマと、権謀術数が渦巻く政治劇が上手く絡まる作劇が見事で、まずはその物語にぐいぐいと心が引き込まれる。またイサセリに扮する高世が気高く凛々しく、ウラ役の桐生麻耶が温かくおおらかな役作り。対決するふたりの個性がしっかりと際立ち、見ごたえ十分。ほか、どの俳優も芸達者で見せる部分ではしっかりと骨太な芝居をし、時にはユーモラスな顔も見せ、緩急のある芝居でその物語をしっかりと伝えている。作・演出・振付は、OSK出身のはやみ甲。出身者ならではの、俳優たちの個性や特性を見事に浮き立たせた丁寧な作りが光った。
宝塚歌劇月組『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』東京公演が2月21日に東京宝塚劇場で開幕した。本作は月組新トップ・珠城りょうのお披露目公演。
『グランドホテル』は1928年のベルリンにある超一流ホテルを舞台に、そこに行き交う人々のドラマを描く群像劇で、トニー賞5部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカル。宝塚では1993年に涼風真世主演で上演。ブロードウェイ版同様、トミー・チューンを演出・振付に招聘して上演され、その質の高さ、作品の奥深さが話題となり、伝説となった。今回、その作品を24年ぶりに宝塚で上演するということで注目を集めている。珠城はホテルの客のひとり、フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵役。身分が高く、若く、ハンサムで、一見優雅に見えるが実は借金まみれというひと癖ある男を、ダンディに演じている。相手役である愛希れいかはかつては世界的人気を誇り、今は盛りが過ぎたバレリーナ、エリザヴェッタ・グルーシンスカヤ。トップ娘役としてまもなく5年目にさしかかる彼女が、成熟した魅力で実年齢よりかなり年上の役に挑んで好演している。珠城と愛希のトップコンビはこれが大劇場お披露目になるが、知的さも感じる落ち着きのある演技で、大人のふたりの繊細な恋を美しく魅せた。舞台狭しと大勢のキャストがフォーメーションを変えていく独特の演出も印象的で、見ごたえのある、質の高い演劇作品になっている。
また後半のレビュー『カルーセル輪舞曲(ロンド)』は、日本初のレビュー『モン・パリ』誕生90周年を記念した作品。世界各国をめぐるバラエティに富んだシーンは、月組の様々な魅力を味わえる。宝塚らしい美しい色彩や、宝塚ファンにはおなじみの『モン・パリ』のメロディを織り込んだテーマ曲も耳に残る。
初日前に行われた通し舞台稽古後には珠城、愛希が取材に応じた。珠城は名作『グランドホテル』の男爵を演じることについては「衣裳ひとつとってもオーソドックス。役柄としてはひと癖あり、王道とは言えないかもしれませんが、こういうスタイルの役を演じられるということは男役冥利に尽きます」と語り、また自身が目指すトップ像を「今まで背中を見てきたトップさんたちは、みなさん組の中で太陽のような存在だった。私もそういう、組の皆を照らすような大きい明るい存在でいたい」と話していた。
公演は3月26日(日)まで同劇場にて。