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★ 浦井健治 ロングインタビュー ★
Dステがシェイクスピア没後400年に贈る、青木豪×シェイクスピア×Dステの本格的喜劇作品 Dステ19th「お気に召すまま」。Dステにとっては『ヴェニスの商人』『十二夜』に続くオールメール3作目です。
来月の本番を前に、熱がこもる稽古場からキャストの皆さんからメッセージが届きました!
今回、メッセージを寄せていただいたのは、
オーランドー役の柳下大さんと、、、
アダム/ウィリアム役の石田圭祐さんのおふたり!
早速、いきましょう!まずは柳下大さん。
Q1 Dステ19th『お気に召すまま』のここが面白い!というポイントは?
柳下「Dステでのシェイクスピア作品は、豪さんの演出によってとてもわかりやすくなっています。『お気に召すまま』は"喜劇の中でも最も喜劇"と言われている作品です。それぞれの関係性、恋の行方、人間模様がとても楽しく描かれているハッピーな物語です」
Q2 稽古はいかがですか?
柳下「初めてのシェイクスピア作品なので本を読んでいて難しいと感じる事もありましたが、稽古に入るととても楽しく進められていると感じています。豪さんがおっしゃっていた"今回はどこかで客観視する目を持って欲しい"という言葉を念頭に置きながら、観てる方も演じている方も面白く、楽しい気持ちになってもらえる作品を作りたいと思います」
Q3 共演者のここがおすすめというところがあれば教えてください。
柳下「共演者の方がみんなすごく面白くて素敵なのですが、個人的に注目しているのは西井幸人のシーリアです。女性としての仕草や、恋に対する所謂"ウキウキ感"が見ていてとても感じられ、こちらまでニヤニヤしてしまいます。加治(将樹)君の二役(チャールズ&ジェイクイズ)の演じ分けもとても面白く、稽古が毎日楽しいです」
Q1 Dステ19th『お気に召すまま』のここが面白い!というポイントは?
石田「私はいい年をして、恋愛コメディが大好きです。毎日毎日暗いニュースばかり流れるこの頃ですが、観ていてハッピーな気持ちになれるからです。この作品はそれが一組のカップルだけでなく、これでもかというくらいに楽しめます」
Q2 御自身の役どころを教えてください。
石田「私は図体が大きいせいか、どちらかというと召使のいる王様とか旦那の役の方が多く、召使の役はほとんどやったことがありません。ですから今回はいい経験。楽しみたいと思っています」
Q3 稽古はいかがですか?
石田「こんなに若い人ばかりの座組みに入るのは初めてなので、彼らのエネルギーについていくのは大変です。自分も若い頃はこんなにエネルギーがあったのかなあと、しみじみ思っている毎日です」
最後におふたりからメッセージを!
柳下「第三弾となるDステ×シェイクスピア。今回も、笑わせます。楽しませます。保笑します。シェイクスピアを観た事がない方も劇場へ観に来ていただきたいです。難しくなく、話もとてもわかりやすい、間違いなく最後に心が晴れやかになる作品です。劇場でお待ちしております!」
石田「若く美しい若者を観に来られる皆さん、3人のおじさんも時々愛情を持って観てくださいませ」
【公演情報】 Dステ19th「お気に召すまま」
2016/10/14(金)~10/30(日) 東京・本多劇場
2016/11/19(土)~11/20(日) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2016年4月にKAAT神奈川芸術劇場の芸術監督に就任した俳優で演出家の白井晃が、
長年、上演を切望していたブレヒト劇「マハゴニー市の興亡」が9月同劇場で、ついにその全貌を現す。
初日を目前に控えた稽古場では、もとはオペラだった本作を、ジャズピアニストのスガダイローを音楽監督に迎えジャズテイストの音楽劇に再構築する、という白井の革新的な挑戦に、みなが煽られるように熱気にあふれた稽古が続いている。
「三文オペラ」などでブレヒトとの名コンビとして知られる作曲家クルト・ヴァイルのひねりのきいた音楽を、
主演の山本耕史が力強く歌い上げれば、ヒロインのマルシアがまるで語りかけるような説得力で歌声を響かせる。
中尾ミエ、上條恒彦、古谷一行という選りすぐりのベテラン俳優陣の芝居は作品に重みを加え、若き男性アンサンブルや女性ダンサーたちの動きも日に日にシャープさを増していた。
スガダイローが率いるバンドの奏でる音楽は、聴く者に挑みかかるような鋭利な感触を与えるのに、
一方で、妙に心の奥底が駆り立てられ、浮き立つような気分にさせることも。
それが、人間社会の愚かさや滑稽さを、情緒的な感情に引きずられずに描いていく叙事詩的なブレヒトの世界観に見事にフィットし、不思議な高揚感につながっていく。
■写真提供=KAAT神奈川芸術劇場
■撮影=伊藤大介(SIGNO)
俳優の身体が雄弁に存在する舞台、との定評がある白井がこだわるのは、俳優たちの動きと動きが互いに呼応して連動していくこと。
せりふの響き方一つにも細心の注意を払いながら、完成度を高めていくその様子は、実にアグレッシブで、情熱にあふれている。
KAAT神奈川芸術劇場に、いったいどんな「欲望の街」が出現するのか。
そして舞台上にもある客席「マハゴニー市民席」に座る観客らがどのように「参加」していくのかについても期待が高まる。
(文・阪清和)
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【公演情報】
「マハゴニー市の興亡」
緻密で勢いのある良質なコメディーを作らせたら天下一品!の劇作家で演出家の倉持裕さん。その倉持さんがこの秋、待望の新作コメディー『家族の基礎~大道寺家の人々~』を引っ提げ、シアターコクーンに初登場します。9/6(火)の初日に向けて着々と準備が進行中の稽古場に潜入、果たしてどんな作品になりそうかを探ってきました!
とある家族の、ある意味"壮大"な歴史を描く群像劇となる今作は、キャストも超豪華! 大道寺家の父・尚親(なおちか)と母・須真(すま)に扮するのは、これが舞台初共演となる松重豊さんと鈴木京香さん。長男・益人(ますと)には初舞台の林遣都さん、長女・紅子(べにこ)には舞台でも大活躍中の夏帆さん。さらには堀井新太さん、黒川芽以さん、坪倉由幸さん、眞島秀和さん、六角精児さんといった個性派がズラリと顔を揃えます。
お邪魔した日は本番まであと約2週間、というタイミングで稽古はまさに佳境。稽古場に入ると、真ん中には大きな円が描かれていて、これは廻り舞台との境界線の印とのこと。実は今回の芝居、廻り舞台を駆使する演出を行っている模様。とはいえ稽古場の床は実際に廻すことができないため(本番前に廻り舞台を使える稽古場に移動するそう)、ここでは演出の倉持さんはもちろん、スタッフもキャストも各自の動きと舞台の回り具合を想像力で補いつつ、動きを計算していかなくてはいけないのです。これってかなり、脳が刺激される作業といえそう!
見学させていただいたのは、二十一場。この芝居はトータルで二十七場まであるので、ここは後半部分のクライマックスシーンと言えそうです。稽古場の中央には可動式の大きな3つの箱状の舞台装置があり、これが物語の展開によって出たり入ったり、向きを変えたりすることで場面転換を行うのです。この場面では舞台は東京のはずれにオープンさせた劇場"大道寺シアター"の舞台袖ということになっていて、この箱状装置の向こう側がステージという設定。劇場のこけら落とし公演の初日を迎え、右往左往する大道寺家の人々、そしてその周囲の人々。ステージ上では須真役の鈴木さんと、大衆演劇の座長・五郎丸役の六角さんとが劇中劇を行うことになっているのですが......。観客席からは装置が邪魔して、この劇中劇は後ろのほうでチラチラ見える、という感じになりそうな様子。倉持さんから「手前でやっている芝居がメインですので、劇中劇のほうは気楽にやってみてください!」と言われ、鈴木さんも六角さんも時々アドリブを入れたりもしながら楽しそうにセリフを重ねていきます。途中、鈴木さんがうっかり他の役者に向かって「須真さん?」と呼び掛けてしまい、「あ、須真さんは私だった!」と叫ぶというお茶目な一面を見せて一同爆笑、という場面も。倉持さんも「よくあることですよ」とニコニコ。