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2017年の初演が幅広い層に支持され、演出の小山ゆうな第25回読売演劇大賞の優秀演出家賞を受賞するなど高い評価を受けた『チック』が東京・シアタートラムで再演される。

 

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6月中旬、ちょうど立ち稽古が始まったばかりの、柄本時生篠山輝信土井ケイト那須佐代子大鷹明良の全キャストが揃った稽古場をのぞかせてもらい、小山に話を聞いた。

原作はドイツ人作家ヴォルフガング・ヘルンドルフのベストセラー児童小説。
14歳のサエない少年・マイクとロシア移民の転校生・チックが無断で借りた車で旅をし、様々な人たちと出会い、成長していくさまを描く。
本国ドイツをはじめ、世界中で出版された人気作となり、続く舞台化は各地で大成功を収めた。2016年には映画化もされ、翌年日本でも公開された(邦題:『50年後のボクたちは』)。

  

DSC_6187(調整済).jpg篠山輝信、柄本時生

 

この舞台の特徴は大きく2つある。

ひとつは、やや傾いた四角い、動く"盆"の上とその周囲で俳優たちが芝居を展開し、その盆を俳優たちが自らのシーンに合わせて回すという点。

そしてもうひとつは、篠山が演じるマイク柄本が演じるチック以外の登場人物――マイクの親、マイクが想いを寄せるクラスメイト、旅の途中で出会う一家やゴミ山で暮らす少女・イザ、チックとマイクの車に突然銃撃をしかけるフリッケじいさんらを全員、土井大鷹那須の3人が演じ分けるという点である。

この日、最初に稽古が行われたのは、旅の途中でマイクとチックが出会う優しくエコな一家とのシーン

 

DSC_6100(調整済).jpg柄本時生

 

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小さな少年・フリーデマン大鷹が、少女・エリザベート土井2人の母那須が演じており、お腹を空かしたマイクとチックに2人が食べたこともないようなおいしいランチとデザートをご馳走してくれる。

 

DSC_6129(調整済).jpg大鷹明良

 

DSC_6119(調整済).jpg篠山輝信

 

稽古は基本的に、初演時の動きや約束事を確認しながら進んでいくが、決して初演の動きにとらわれることなく、常に俳優たちからセリフの言い回しや動きについて提案が出され、小山を交えてディスカッションしながら作られていく。
特に那須は、今回の再演からの出演となるが、前回の経験がないがゆえに、自由に新たな発想で作品に関わっているのが見て取れ、"母"としてこのシーンを中心になって回していく。

 

DSC_6125(調整済).jpg那須佐代子

 

もちろん、続投のキャスト陣も負けてはいない。
は同じシーンでも、常にやることを変え、あちこちを歩いたり、座ったりと変幻自在だ。盆の上やその周辺を動き回り、キャストたちから驚かれつつ、稽古場に笑い声が響く。

篠山が演じるマイクは、彼が見たこと、感じたことを常に観客に語りかける狂言回しの役回りを担っており、セリフ量が膨大だ。
再演とはいえ既にこの凄まじい量のセリフがすっかり入っているよう。自由気ままな"相棒" 柄本の動きをガッチリと受け止める。

 

DSC_6150(調整済).jpg篠山輝信

 

DSC_6195(調整済).jpg柄本時生

 

大鷹は、息子や家族に無関心で怒りっぽい父として物語の最初に登場し、決して好印象と言えないイメージで振る舞うのだが、このシーンでは三輪車に乗った小さな少年・フリーデマンを演じている。
子どもらしい素直なセリフが、逆に皮肉っぽさを伴って響き、観る者の笑いを誘う。

元宝塚歌劇団のトップスターがまさかの婚活!?

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元宝塚歌劇団のトップスターで、退団後もミュージカルを中心に精力的に活動を続けている湖月わたるさん。そんな彼女の舞台生活30周年を記念し、タイプの異なるふたつの作品が7月と10月に上演されます。Vol.1としてまず幕を開けるのが、『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』。湖月さんが婚活!? そもそも"ドキュメンタリー・ミュージカル"とは? その秘密を探るべく、稽古初日の顔合わせにお邪魔させていただきました!

本作に携わるスタッフ、キャストが初めて一堂に会するこの日。湖月さんを始め、脚本の竹村武司さん、作詞・演出の永野拓也さん、出演者の朝海ひかるさん、廣瀬友祐さん、飯野めぐみさん、可知寛子さん、高橋卓士さん、宮島朋宏さんとスタッフ陣が顔をそろえます(迫田孝也さんはお休み)。まずはそれぞれの配役などが紹介されますが、今回湖月さんと朝海さんは"本人役"で出演。「本人役の湖月わたるさんです」とのかつてない紹介に、稽古場はワッと笑いに包まれます。

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そして脚本の竹村さんが挨拶。竹村さんはテレビの放送作家であり、『山田孝之の東京都北区赤羽』なども手がける奇才です。「僕にはひとつ信念があって、面白いか面白くないかより、新しいか新しくないかにすごく価値を感じる人間です。その点、ドキュメンタリー・ミュージカルはまだ誰もやったことがないものですし、だからこそやりがいもあるなと。そしてこれをやるのは全員初心者で、つまり全員がビギナーズラックを持っているということ。そういう時には絶対に奇跡の瞬間が訪れるので、今回もそんな奇跡待ちをしたいなと思います(笑)」

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続いて演出の永野さんの挨拶へ。「僕もひとつ大事にしていることがあって、オリジナルをつくる時、その人たちが集まって意味のあるものにしたいといつも思っています。例えば湖月さんって、喜ぶ時『ヤッタ!』って言うんですよ(笑)。それがすごくチャーミングで。ただ男役のころの話を聞くと、覚悟が決まっているし、めちゃくちゃカッコいい。で、僕が舞台上に乗せたいと思っているのが、この振り幅であり、それはほかのキャストの方も同じで。だからぜひ皆さんのことをいろいろ教えてもらいたいですし、そうすることできっと愛おしくて、観てよかったって舞台になるんじゃないかと思います」

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休憩を挟んでついに稽古開始。多くの舞台ではここでセリフを声に出して読む、"読み合わせ"が行われますが、今回は"ドキュメンタリー・ミュージカル"という特殊な舞台ゆえ、永野さんから舞台の説明がされまず。大枠としては、湖月さんは湖月さん本人役で出演。舞台生活30周年記念公演として、ファンの方にどんな舞台をお届けすればいいのか。悩んだ湖月さんは、宝塚在団中から縁があり"わたコム"コンビとして知られている朝海さんに相談します。そして題材を自らの"婚活"に決定。その過程を、映像、お芝居、歌をリンクさせつつ表現していくというものです。

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本作では映像を多用するため、永野さんからはまず舞台機構についての話がありました。舞台のよさと映像のよさをかけ合わせたその手法は、想像するだけでもワクワク! キャスト陣からも「なるほど」と言った声が漏れます。また「エンターテインメントでありつつ、湖月さんが普段やられているようなことを舞台上に表現したくて」との言葉の通り、台本に書かれているエピソードの多くは、永野さんが湖月さんとのやり取りの中で実際に見聞きしたことばかり。ひとり"オードリー・ヘップバーンごっこ"をしているなど、意外な一面もストーリーに反映されるかもしれません。

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顔合わせ序盤ではまだ緊張気味だったキャストの皆さんも、永野さんからひと通りの説明が終わるころにはすっかり和やかに。さらにその表情は誰もが晴れやかで、本作に対する期待の高さが伺えます。中でも特に楽しそうだったのが湖月さん。そんな湖月さんの"いじらしい婚活"のゆくえとは? ファンならずとも気になる結末は、ぜひ劇場でご確認ください!

取材・文:野上瑠美子

撮影:石阪大輔

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作・飯島早苗、演出・鈴木裕美によって、'93年に「自転車キンクリート」で初演された『絢爛とか爛漫とか』。これまで、さまざまな演出家、キャストによって上演されてきた名作ですが、この夏、21年ぶりに鈴木裕美演出で上演されます!

昭和初期を舞台に、4人の若き文士たちの姿を描く本作の出演者は、安西慎太郎、鈴木勝大、川原一馬、加治将樹。

どんな作品になるのか、鈴木裕美さんと4人の出演者にお話をうかがいました!

<あらすじ>

処女作以降、2作目が書けず悩む新人小説家・古賀(安西慎太郎)の部屋に集う批評家志望のモダンボーイ・泉(鈴木勝大)、自称耽美小説家の加藤(川原一馬)、非凡な才能を持ち、破天荒で自由に生きる諸岡(加治将樹)。

移り変わる季節のようにゆれうごく夢と才能、理想と現実の葛藤の中で、友情や恋にもがきながら、それぞれの道を探していく。

*****

――今回『絢爛とか爛漫とか』を演出すること、出演することへのご感想をお聞かせください。

鈴木裕美(以下、裕美) 『絢爛とか爛漫とか』の初演は26年前なのですが、それは安西くんが生まれた年で、他の3人も赤ん坊だった頃です。そんな、人ひとりが大人になる時間のあいだに私は演出家としてどのくらい大人になれたのか、進歩できたかなって。今回、自分自身が試されてしまうと思います。この作品が好きなので、緊張するところもありますが、せっかく新しい方たちとやれますし、新しい本の読み方もできるんじゃないかと思っています。飯島はもしかしたらそうは書いていなかったかもしれないけど、今の方々が読むとそう読めるんじゃないかっていうような発見もあったらいいなと思っていますし、とても楽しみにしています。

安西 26年前に初演されたこの作品に出られることを、すごく嬉しく思います。個人的には裕美さんとやりたいという思いがずっとありまして、今作でそれが叶う。それに素敵なキャストさんが揃って、とてもワクワクしています。いろいろな思いを込めて「おもしろい作品」だと思うので、カンパニーでセッションして、楽しく、おもしろがりながら、つくっていけたらなと思っています。

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鈴木勝大(以下、勝大) 昭和の初期のお話で、時代も職業も今の僕とは違うのですが、読んでいると、友達の会話を聞いているような気持ちになるというか。このうだうだしている様や、目標とか夢があるのになかなか手を伸ばせなかったり、言い訳をしていたり、そういう姿がすごく身近に感じているので。早く稽古で皆さんが役を演じている姿に会いたいなと思っています。

川原 僕は去年、『宝塚BOYS』で裕美さんの演出を受けたのですが、そのときに「俺ってこういう役もできるんだな」ということを初めて感じて。それで今回、本を読んだときに、もしかすると裕美さんが「この役、一馬にいいんじゃないか」と思ってくださった部分もあるのかなと感じました。......4人で自主練して、がんばっていきたいと思います!

加治 自主練メインなの?(笑) 本を読んで、昭和初期といえども現代にも通ずる男像の代表的な4パターンがしっかりと描かれているなと思いました。僕は自由にやらせていただけそうな役どころですし、年齢も一番上になるので、裕美さんと4人のキャストで遊びながら、令和に通ずるこの作品をお届けしたいなと思います!

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――裕美さんが各キャストに期待することは?

加治 こわい! なかったらどうすんのやろう。ある前提で言ってるけども!

一同 (笑)

裕美 お仕事をご一緒したことがあるのは一馬だけですが、4人ともそれぞれ違う場所でお目にかかっている人たちで。皆さんご一緒させていただきたいと思っていた人たちなので、とても楽しみです。まず一馬は、ちょっと変態の役(加藤)なので、ぶっちゃけ合うだろうなって(笑)。

川原 ありがとうございます(笑)。

勝大 変わっているんだね。

川原 多分、外面は普通だと思うんですけど、中は......

裕美 ちょっと変わっている。

一同 (笑)

裕美 加藤の変態でやさしい、みたいなところが合うんじゃないかな。あとね、安西くんと鈴木くんの配役(安西:古賀、勝大:泉)は実は逆もいいかなと思っていました。私は、泉はものすごくカッコいい役、古賀はダサい役だと思うのだけど、ふたりとも多分どっちの要素もあると思うんです。泉って非常に頭が良くて冷静で場が読めて、ときには奇怪なバイオリンを聴かせたりとか、やさしいですし。今で言う、山ちゃん(南海キャンディーズ)的な!

一同 ああ~。

裕美 そういうカッコよさがあるじゃない。逆に古賀はすごくグズるので。どっちがグズるところもおもしろそうだし、悩んだんだけど、結果こうなりました。諸岡は「生き抜く強さ」というものが欲しい役なのですが、加治さんは、以前一緒に飲んだことがあって。非常に強いし明るい。私と全然一緒に仕事してないのに、俳優が呼んだらひょこひょこやってきた。

加治 (笑)

裕美 そういう「生きる強さ」みたいなものがある方だなと思っています。

――キャストの皆さんは、裕美さんとご一緒することはどう感じていますか?

安西 僕は今回やるにあたり、改めていろんな方から裕美さんについての情報を入手したのですが、そこで言われていたのは、演劇を熟知していて、今なお挑戦し続けている方ということと、あとは怖いっていう...(笑)。

裕美 (笑)

安西 どういう怖さかわからないですが、いい厳しさがある方なのかなと思っているので、今すごく稽古が楽しみです。

鈴木 裕美さんとは以前、オーディションでご一緒させていただいたのですが、そのときの裕美さんの言葉、それは僕だけでなく他の方にかけたものも含め、今でもすごく心に残っていて。今回、そういうものを密度の高い関係のなかで体験していけるんだと思うと楽しみです。怖い部分もありますが、すごくワクワクしていますし、自分にとって大きな約2か月になるんだろうなと思っています。

川原 前回、裕美さんの演出を受けたことで、僕自身の心が浄化されたことがたくさんありまして。裕美さんって絶対的に信じられる演出家さんなんですよ。絶対に見捨てないし、裏切らない。その責任感を持ってらっしゃる方で、僕はそれはすごく重いことだなと思っています。面白い作品になるのは僕ら次第、僕次第だなと思っています!

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加治 僕次第!?責任重大!

川原 (笑)。がんばります!

加治 僕は、裕美さんもお話されていた通り、裕美さんの作品に出ていた友達に「ご飯食べてるからおいでよ」と言われて行ったのが初対面なのですが、そのときの印象は「すごくよく喋るお姉さん」という。

裕美 (笑)。飲んでるときだからね!

加治 そのイメージのまま今日まできて、裕美さんの公演は観ていますが、稽古場にいる裕美さんは見たことがないですが今も怖い怖いと言われているので(笑)。でも、僕が聞いたなかでは「裕美さんと出会って変われた」という俳優が100パーセントなんです。そして「絶対裕美さんとやったほうがいい」ということをいろんな先輩から言われてきた。念願だったので、ものすごく楽しみです。怖さも楽しみながら、作品をつくれたらいいなと思っています。

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――「怖い」というお話が出ていますが、実際に稽古場での裕美さんをご存知の川原さん、どうですか?

川原 僕だけ「怖い」というワードは出してないですよ!!裕美さんは単純に怖いっていうんじゃなくて、意味があることなので。ただ、追い込まれていくと、思ってもないことを口走ったり、よくわからない行動をしたり、さらにダメになるっていうことはあります(笑)。そういう泥沼化する日が、前回は稽古期間中に何回かありました。そういうことですね、怖いっていうのは。

裕美 私は過去に3回、セラミックの歯が割れてるんですよ、稽古中に。頭きて。

一同 (笑)

裕美 それで歯医者さんが「あなたはまた割るから、もうセラミックは入れてあげない。お金がもったいない」と言われて金歯になったんですけど。そのときは、そういう稽古場でした(笑)。

川原 見ているときはわかるのに、いざ自分が立つと見えなくなるんですよ。今回はそうならないように、みんなで自主稽古しようね!(笑)

一同 (笑)

――裕美さんが稽古場で大切にされているのはどんなことですか。

裕美 「ちゃんと観る」ということですね。見てたふう、聞いてたふうにしない。そして、嘘をつかない。俳優さんという種族、特に才能のある方たちはすごく勘がいいので、嘘を見抜くんです。人に会って5秒とかで自分の敵か味方かわかるような、そういう感覚のある人たちなので、嘘をつかないようにしています。だから、盛ったりもしないし、気に入らないときは気に入らないと言う。そうしないと信頼を得られない。そうやってなにか言うためにも、「ちゃんと観る、ちゃんと聴く」ということはしようと思っています。

――現時点でなにかプランはありますか?

裕美 初演がTHEATER/TOPS(2009年まで新宿にあった劇場)で、あそこは155席だったのですが、今回のDDD 青山クロスシアターも180席くらいなんですよ。男たちがぐずぐず喋ってあーあっていう、小さいところがいいに決まっている芝居なので。デフォルメするよりもそのまま、覗いているみたいにお客様に思っていただけたらいいなと思っています。

――いいサイズ感ですよね。

裕美 あのサイズだと、例えば蚊取り線香の煙の臭いもお客様全員が感じられるし、火鉢の上の鉄瓶の湯気が見える。そういう距離感なので、すごく贅沢でいいんじゃないかなと思っています。あと衣装はね、楽しいですよ。この時代の服は本当にかわいいから。あんな手ぬぐいもってやがるぜ、とかも(笑)。それぞれの衣裳がとても素敵だと思います。

――では最後にメッセージをお願いします。

安西 この『絢爛とか爛漫とか』に出演することをとても嬉しく思っています。芸術とは?という話になりますが、僕は演劇とかお芝居とかって人間が生きるうえで必要な成分なのかなと思ったりしていて。それをこの作品に強く感じました。裕美さんをはじめ、スタッフの皆さん、キャストの皆さんと、お客様に必要な成分になるような作品をつくっていきたいと思いますので、ぜひ劇場にお越しください。

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勝大 この作品は見どころも、なにかしら感動するポイントも......

一同 !?!?

裕美 ゆるいな!(笑)

加治 なにかしら、ね!

裕美 なにかしらある!

勝大 (笑)。おもしろいと思えるポイントが人それぞれになりそうな作品なので、好きに観ていただければなと思います!

川原 僕はすごくこの本が好きになりまして、そして裕美さんの演出に、このメンバー。この夏、この作品をやれることにワクワクしています。僕らが今、この年代でこの作品をやるということを、楽しみに来ていただけたらなと思います。僕次第だと思います!よろしくお願いします!

加治 最後まで責任重大だな!(笑)僕も今、何を話すか考えていたのですが「なにかしら」がものすごいいい言葉だなって。

一同 (笑)

加治 なにかしら楽しめると思います!(笑)

裕美 この4人は「役者だな」と思う人たちなので、本気でガッツリ芝居したいです。ガチでやろうと思っていますし、それをやってくださると思う。そこを圧倒的に見せられるものにしたいですね。

『絢爛とか爛漫とか』は、8月20日(火)から9月13日(金)まで東京・DDD 青山クロスシアターにて上演。

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2017年、本場スペインのフラメンコ国際コンクールにて日本人男性で初めて優勝を果たしたフラメンコダンサーSIROCO(シロコ)と、現代フラメンコ界を代表するスペインのトップダンサーJUAN DE JUAN(ファン・デ・ファン)。そんな2人が紡ぎだす公演「舞台フラメンコ~私の地アンダルシア」が11月に東京、大阪の2都市にて開催されます。

今回はSIROCOさんに、舞台の見どころや舞台にかける想いを語ってもらいました。

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○今回の舞台の見どころ

メインで踊るのが僕とスペインのトップダンサー、ファン・デ・ファン。その他にも、日本とスペインのトップアーティストがコラボレーションし、演奏者とダンサー総勢14名が集まります。ダンスも迫力があり音楽も楽しめる、そういった舞台です。見せ場は中盤、僕とファンが2人で踊るシーン。ほんの数分間ですが、何百時間も時間をかけて準備しています。

招聘するメンバーは、僕とファンで選びました。長い期間をともにするので、アーティストとしてだけでなく人間としても素晴らしく、信頼のおけるメンバーを選んでいます。

今は日本とスペイン、それぞれで練習をしていて、全員が揃うのは本番の数日前。そこでお互いが磨き上げたものを持ち寄り、形にしていきます。作りこむ部分と即興性の両面があり、4回の公演は毎回違うように見えるのではないでしょうか。同じ動きも勿論ありますが、その瞬間にしか表れない芸術を堪能してほしいです。

○今回の公演はSIROCOさんとファンさん、どちらのオファーですか

僕からオファーしました。ファンを初めて日本に招聘したのが2013年。それから、また日本に呼びたいと思っていたのですが、昨年、ドキュメンタリー番組『情熱大陸』の撮影がスペインで行われ、彼をゲストに呼び再び関係ができました。ちょうどその頃、キョードー東京さんから舞台のお話しをいただいて、そこでファンの名前が出ました。今回は念願叶っての共演で、なんとしても成功させたいです。

○ファン・デ・ファンさんはどんな方ですか

僕自身も相当ダンスが好きな部類だと思っていましたが、自分以上にダンスが好きなのではないかと、初めて会ったときに衝撃を受けました。ファンは時間があればずっと踊っていて「これが踊る人の魂か」と心が震えました。その印象は今も変わりません。だから彼に会うと、勇気づけられるし頑張ろうと思えます。僕にとって尊敬するフラメンコのマスターであり、友人であり家族でもある、そういった存在です。

○今回の公演に向けての想い

日本では、大きな舞台で自分が踊る姿を披露する機会が今までなかったですし、スペインのトップアーティストと共演という今回のチャンスは、自分にとってターニングポイントになると思っています。絶対に成功させたいですね。だから妥協せず、この舞台に情熱を燃やしたいです。観客の皆さんにはとにかく楽しんで、興奮してほしいですね。

取材・本文 松崎 優美子(ブレーンシップ)

<公演情報>
■東京公演
日程:11月9日(土)・10日(日) (土)12:30/16:30 (日)13:00
会場:東京国際フォーラム ホールC

■大阪公演
日程:11月11日(月)15:00
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

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数々の名作ミュージカルに主演し、今年1月にはメジャーデビューも果たした
"いま最も勢いにのっている"ミュージカル俳優・海宝直人
昨年大好評を博したBunkamuraオーチャードホールでのソロコンサートに続いて、8月10日・11日に「海宝直人 CONCERT 2019『I hope.』in TOKYO」を開催する。
コンサートでは自身で全ての選曲・台本制作も行い、構成にも趣向を凝らす海宝のインタビューが到着した。

さらに、公演それぞれのトークコーナーには、日替りのスペシャルゲストの出演が決定し、8月10日公演のスペシャルゲストには吉原光夫の出演が発表された。(8月11日公演のスペシャルゲストは未発表)

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海宝直人の魅力が最大限に発揮されるのがソロコンサート。

今年8月のBunkamuraオーチャードホール公演でも、選曲や構成の制作を海宝本人が行うが、今回のテーマについて「初期のミュージカルから近年の新作まで、ミュージカルを彩ってきた名曲を聴いていただきながら、皆さんと一緒に旅をするようなコンサートにしたい」と語る。
日本で初めて上演されたブロードウェイミュージカル『マイ・フェア・レディ』から「君住む街で」や、『美女と野獣』の「愛せぬならば」、そして海宝が"大好きな作品"と絶賛する『ウィキッド』の「Defying Gravity」など、ファンも唸るラインナップに期待が高まる。

自身を"ミュージカルオタク"と称するほどのミュージカル好きである海宝。一方で、「ミュージカルって急に歌いだして、不自然じゃない?」というネガティブな意見にも理解を示し、「『レ・ミゼラブル』や『ウィキッド』など、素晴らしい作品にぜひ出会ってほしいです」と思いを語った。
特に抑揚のない言語である日本語で、どう自然に台詞から歌を語るように入っていくのか、いつも課題になるという。

また、昨年の12月に引き続き会場となるBunkamuraオーチャードホールについては、「クラシックも上演されているようなホールなので、よく響くんです。その中でどうやって自分の声をコントロールしていくか、また違うスイッチが必要だなと思いました。前回の経験を活かしながら、よりお客様に楽しんでもらえるコンサートにしたいです」と、言語の違いから会場の特性まで、綿密な分析を重ねているようだ。

今年1月に上演された『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ』では、ディズニーミュージカルのオリジナルキャスト4名と共演。実際に本場NYで活躍するスターの歌声を、舞台袖で聴きながら泣いていたとか。「今はトライ・アンド・エラーの繰り返し」とさらなる高みを目指しているようだ。
「日本ではミュージカルをご覧になる方の中にも、意外とさまざまな垣根みたいなものがある場合もあると思うんです。今回のコンサートはみなさんが普段の生活の中で耳にされているような作品の楽曲など、垣根を越えてミュージカルの魅力を新たに感じてもらえるようなコンサートにできたらと思っています。僕が今まで歌ったことがない曲、それに歌以外のことにもチャレンジしようと今から準備しているので、楽しみにしていてください!」
昨年はロンドン・ウエストエンドでもデビューを果たし、再び海外の舞台に立つべく英会話の勉強も始めているという海宝。真摯に自身を見つめ、地道な研究・努力を重ねて、歌声の魅力は日ごとに増している。
常に変化し続ける彼の、「今」を楽しめるソロコンサートになるに違いない。

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.4■
 
 
昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽でたちまち話題となり、多くの熱狂的ファンを生み出したミュージカル『SMOKE』
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされたミュージカルで、たった3人のキャストが、ミステリアスで奥深い世界を作り上げていきます。

このミュージカルが早くも今年、再登場!
しかも今年はキャスト・劇場を変え、6月と7~8月の2パターンで上演。
つまり、今年は2バージョンの『SMOKE』を観られるわけです!

そこで現在、池袋 東京芸術劇場で上演中の〈NEW CAST〉バージョン〈海〉役である藤岡正明さんと、
7~8月に浅草九劇で上演される〈ORIGINAL CAST〉バージョン〈海〉役である木内健人さんインタビュー!
作品や役柄についてから、俳優として役に向き合うことについてまで、とっても深い〈海〉対談となりました。

※〈ORIGINAL CAST〉バージョンの〈海〉は、大山真志さん、日野真一郎さん、木内さんのトリプルキャスト。

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◆ about『SMOKE』 ◆

李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル。
イ・サンは、才気ほとばしる作風が讃えられる一方で、その独自性と難解さゆえに酷評もされた、両極端の天才詩人。結核をわずらった後、日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で27歳の若さで亡くなります。

このミュージカルでは、彼の精神世界を謎めいた筆致で描き、誰も想像できなかった物語が繰り広げられます。
登場人物は、
 詩を書く男「(チョ)」、
 海を描く者「(ヘ)」、
 心を覗く者「(ホン)」
の3名のみ。 俳優の実力も問われる、スリリングな作品です。

 

藤岡正明 × 木内健人 INTERVIEW ◆

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●池袋の〈海〉と浅草の〈海〉、ふたりの関係性


―― おふたりは普段から仲が良いとか。

藤岡「つい先日もご飯食べにいきました。ずっと、飯食いにいこうよって話していたんですが、なかなかタイミングがなくて。共演としては、『グランドホテル』(2016年)が最初か。去年は『宝塚BOYS』と『タイタニック』2本一緒だったね」

木内「そう考えると、まだ3本なんですね。結構ご一緒している感じがあるのですが」

藤岡「でもそれで言ったら、付き合い自体は健人が二十歳か、21歳くらいの頃からあって。ライブを観に来てくれたんだよね? それで紹介されて、じゃあこのあと打ち上げあるから来いよ! ...みたいなところから」

木内「そうなんです。僕がまだ若い頃から知っていただいていて。すごく良くしてくださっている。兄貴です!」

藤岡「いやいや(照)」

木内「(自分を指して)舎弟です!」

藤岡「僕のおもちゃです(笑)」


―― そんなおふたりが、同じ公演ではないけれど、池袋と浅草で連続上演される『SMOKE』で、同じ〈海〉役を演じる。木内さん、藤岡さん出演の"大人SMOKE"のお稽古場にもいらしていましたね。

藤岡「何回来てた?」

木内「稽古場は、4・5回伺っています」


―― ではもう結構、作品の雰囲気や構造とかは、理解されている?

木内「それ、結構言われるんですが(苦笑)。4・5回ではまだまだ、です」

藤岡「そりゃそうだ(笑)。でも、観てみて感想はどう?」

木内「僕、去年浅草でやった初演を観て、そのあと(出演が決まって)台本をもらって、読んで、マサ君(藤岡)たちのを観た...というところなんですが。浅草で観たもともとの作品のイメージがあって、台本を読んで「こういうことなんだろうな」と思って稽古場に行ったら、まったくの別物感がありました。〈海〉にしても、マサ君がやると僕が思っていたより大人にもなるし、(初演で)大山真志君が演じていた〈海〉とも違うイメージもあるし、「わっ、僕はどうすればいいんだろう...!」って今、アタマの中で迷宮に入り込んでいます(笑)」

▽ おふたりが手にしているのは、実際に舞台で使われている「絵筆」と「ペン」。
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げきぴあブログをご覧の皆さま、こんにちは。FUKAIPRODUCE羽衣です。

新作公演『ピロートーキングブルース』、本多劇場で開幕の6月20日(木)まで間もなくとなりました。
新メンバー・松本由花が綴る出演者紹介も最後になります。第六弾は、主宰の深井順子とそして、自身のことを。上演は、6月23日(日)まで、です。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

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(FUKAIPRODUCE羽衣『春母夏母秋母冬母』公演より 撮影・金子愛帆)

深井さん。深井さんとは、大学の講師と教え子という関係から始まり一年が経ちました。深井さんとの出会いはイコール羽衣との出会いで、小っ恥ずかしいのですが、運命のような、今はそれ以外の言葉が思いつかないので当分は運命と呼びたいです。

若い!パワフル!キン肉マンの擬音でいうと「パワワ」なひと。だと思いきや、『春母夏母秋母冬母』を観た時にはその愛の深さに驚かされ、心がふるえたことをよく覚えています。同期の学生で「途中まで深井さんって気づかなかったー」なんて言っていた子もいました。

さすがに失礼ですが、それだけ舞台での生き様は、閃光のようなきらめきと、もの悲しげな瞳で語られているといたのだと、おもいます。

ねじ曲がった見方をしないひとで、絶対おへそからこちらを向いてくれる、すごく体力の要ることを当たり前にできてしまうのでたまに心配になります。出会う人すべてとそういう向き合い方をするので、心霊スポットとか行くと何人か連れてきちゃうタイプでしょう。

そんなわけで、深井さんの前では自由になれます。心も体も、恥かかないために恥をかけるというか。

天真爛漫だけど絶対あぐらはかかないし、羽衣のメンバーと作品を一番に愛することを義務ではなく能動的にやってのけます。キン肉マンの擬音でいうと「ムゲンダイ」です。その傍ら、自分自身はめいっぱいの時間をもって努力して魅せていくのだから、たまの無茶ぶりはご愛嬌です。


本多劇場に向けてここまで上がってこい、というよりは、一段ずつ共に歩んでくれている深井さん。登りきった目の輝き、ほの香るやさしさやかなしみ、ぜひ『ピロートーキングブルース』で観ていただきたいです。


・・・と、ここまで、羽衣メンバー11人を紹介してきましたが、すこしでもひとりひとりの魅力が伝わっていたら幸いです。

そして、最後に厚かましいのですが、(糸井さん含め)13人目のメンバーになりました、松本由花です。5月より新メンバーとして加入し、『ピロートーキングブルース』にも出演いたします。

歳の差なんて!ですが今のところ最年少、21歳です。どちらかというとおキャンでもチャーミーでもありません。記事でも触れてきましたが大学で演劇を専攻していて、深井さんに出会い、何の幸運かすくい上げていただきました。羽衣の好きな曲は、うーん、迷います。今度聞かれたとき答えられるようにしておきます。最近移動中に聴いているのは『fourteen sex blues』です。

このblogを読んでいる方の多くは羽衣を愛してくださっているのでは、と思いますが、私も同じように羽衣に魅せられ、心揺さぶられた人間の一人です。

羽衣をあえてマクロな場所にたとえるなら、やっぱり宇宙になるのでしょうか。宇宙には光も闇も、生も死も、愛も孤独もあるから、そう思うと星になったきもちです。できれば恒星がいいです、いつ超新星爆発が起きてもいいように全力で生きていくことが理想です。

何年か経ってからこの記事を読みかえして「いやこの人はもっとこうだよ!」とか「何わかった気になってんのよ!」と思えるような時間を過ごすことを目標に、もちろん表現者としての向上も含め精進します。これから末永く、よろしくお願いいたします。

さいごに、何はなくとも、FUKAIPRODUCE羽衣第24回公演『ピロートーキングブルース』で皆さまにお会いできること、メンバー一同たのしみにお待ちしております。最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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文・写真 松本由花(FUKAIPRODUCE羽衣)
舞台写真(『春母夏母秋母冬母』)撮影・金子愛帆

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げきぴあブログをご覧の皆さま、こんにちは。FUKAIPRODUCE羽衣です。

いよいよ6月20日(木)~新作公演『ピロートーキングブルース』が本多劇場で開幕いたします。

新メンバー・松本由花が綴る出演者紹介も残り僅かとなってまいりました。第五弾は、日髙啓介平井寛人です。

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渋くてかっこいいことしか言えない呪いにかかっている漢・日髙さん。付け焼き刃やかっこつけでない言葉のひとつひとつが沁みる瞬間がたくさんあります。

ただ歳をとってとか、経験をしてきたつもりのひとじゃないのが羽衣の最年長であり、あにき、です。この世で受けたもの、つまり歳も経験も、重ねているからこそ為せる厚い信頼とにじみ出る人柄なんだろうな、使い捨てしてる場合じゃないや、と気付かされます。

同じ九州の血が流れるもの同士ということもあり、いつも何気なく、けれど気にかけてくれている日髙さんの前では、時に失礼なくらいきもちが寛いでしまいます。うそのない態度、ということで大目に見てもらえているうちに改めたい所存です。

自分が燃えるだけでなく、その火で導火線を着けていくかのように周りを巻き込んでいくパワーは、即効性があって、それまであったもやもやとかしょうもないプライドみたいなものに抜群に効きます。いいくすりです。そう、でもくすりだから、そのうち免疫がつくんでしょ?と思われそうですが、そうでないから麻薬のようなひとです。自分で自分を奮い立たせるようにならなきゃ、と思います。やさしさで近づいてきて簡単に処方してくれるので。あぶない。


日髙さんなしでは『ピロートーキングブルース』は、ブルース、になり得ないかもしれません。熱いのに、ほろり、とくるような響き、耳と心で、感じてください。

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作家部の平井さん。大学の先輩です(わたしが入学した時にはやめてしまっていましたが)。

はじめは深井さんの授業にお手伝いで来ている羽衣の人、でした。なんだか影の映らないような、不思議な人で、公演をやるというので観に行った平井さん作・演出の『生きているなら愛を示せよ』には驚かされました。

目は激しさを見ていたはずなんですが、心がロマンや孤独を感じていて、ひとつ"体験"した感覚。

平井さんは自分の言葉と美学を持っている人だと思います。

頭の中というよりお腹の中に詰まっている言葉を放出しているような。お腹って自分の真ん中にあるから、理性的じゃなかったりして、放出するとき思いとどまってしまうものを、まったく無防備にさらけ出してしまうエネルギーには惚れ惚れしちゃいます。

普段わたしの目に映る平井さんは飄々としていて、でも時にあどけなかったり、

かと思えば舞台に立つとやっぱり激しくて、愛をうったえかけるようないじらしさと独特な危険な雰囲気に惹きつけられます。今回の『ピロートーキングブルース』でもその持ち味がばっちり出ているはず、です。


それでは、今日も稽古場で笑う姿に安心感を覚えた、平井寛人さんの紹介でした。


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文・松本由花(FUKAIPRODUCE羽衣)
撮影・金子愛帆

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ピピン-3.jpg©GEKKO

「旅の彼方に探す"生きる意味"を...Got to find my corner of the sky(この空のどこかに自分だけの場所があるはず)」
志高く、一人旅にでる若者の心情を描いたスティーブン・シュワルツの名曲『Corner of the Sky』。ジャクソン5を始め、世界中のアーティストによって歌い継がれるこのナンバーこそ、ブロードウェイミュージカル『ピピン』の主役・悩める王子ピピンのテーマだということをご存知だろうか?

1972年の初演から1944公演のロングランを記録した『ピピン』。2013年にダイアン・パウルスの手によってリバイバル上演され、トニー賞4部門を受賞したこともミュージカルファンなら記憶に新しい。

そんな『ピピン』日本版公演が6月10日、東急シアターオーブにて開幕した。ピピンを演じるのは、ミュージカル界の王子・城田優。演出はダイアン自身が行い、セットもブロードウェイで使用されたもの。幕があがると同時に、目の前に広がる魔法のようなきらびやかな光景に客席は沸きに沸いた!

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©GEKKO

本作は、神聖ローマ帝国初代皇帝の息子・ピピン王子の旅と成長を描いた物語。大学を卒業した彼は、自分が特別な存在であることを証明すべく戦争に赴くが失態を晒し、生きる目的を探す旅へとむかう。享楽、陰謀、革命、焦燥、虚無...。様々な感情に翻弄される彼だったが、農場で暮らす未亡人と出会い感慨深い結末を迎える。そして、この壮大なストーリーをサーカス一座がアクロバティックに表現するのが、本作最大の魅力である。

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「この作品のジャンルは"ピピン"。ミュージカルを超えた大作です。実際にやってみないと成功するかどうかもわかりません。そこを含めてお客さんに楽しんでいただくのが、この演出の意図なんだとダイアンさんに言われました。僕の言ってる意味、見ればわかります!」

そう熱く語るのは城田優。その言葉通り、登場シーンから奇想天外! なんとサーカス一座の中央、高く掲げられた紙が貼られたフープを突き破って、輪くぐりでステージに降り立ったのだ。見事な着地を決めると会場は拍手喝采。続いて熱くて甘い『Corner of the Sky』が響きわたると、熱気は一気にヒートアップした。

ピピン-2.jpgのサムネイル画像©GEKKO

さて、そんなピピンを導く進行役、リーディング・プレイヤーを務めたのは本作でミュージカルデビューを果たすCrystal Kay。

開幕直前、城田はこう明かした。「今回、演出したのはシルク・ド・ソレイユ出身のアーティストやトニー賞を受賞したクリエイティブスタッフたち。そんな世界的権威のある人たちに、僕らはブロードウェイの上のレベルを求められたんです。僕も頑張りましたが、彼女は本当に凄いです。見事にその要求を超えてきていますから!」

その言葉は大げさではない。彼女が、フォッシースタイルと呼ばれるダンスで悩めるピピンを誘う姿は実に悩ましく、空中ブランコの上で華麗に舞い、熱唱する姿には圧倒される。そればかりか本格的なイリュージョンを次々連発するのだ。アーティストから世界的エンターティナーへ、秘めたる才能の爆発に興奮が止まらない!

さらに、見どころは続く。祖母を演じる中尾ミエと前田美波里(Wキャスト)も、空中ブランコを披露。もちろん命綱はなく、ただただ妖艶な姿に言葉を失った。そして、継母を演じる霧矢大夢の魔性のダンスにはため息が止まらず、未亡人役の宮澤エマの愛くるしさには頬が緩みっぱなしに!

ほか、チャールズ王に今井清隆、サーカスアクロバットはブロートウェイの出演者が来日し、手に汗握るパフォーマンスを繰り広げる。公演は6月10〜30日まで。以降、7月6~7日(名古屋・愛知県芸術劇場)、12~15日(大阪・オリックス劇場)、20〜21日(静岡市清水文化会館マリナート)にて上演。6月17日と22日はぴあ貸切公演も。チケット発売中。

取材・文:浅水美保

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げきぴあブログをご覧の皆さま、こんにちは。FUKAIPRODUCE羽衣です。

6月20日(木)~開幕の『ピロートーキングブルース』@本多劇場、
新メンバー・松本由花がご紹介する出演者、第四弾は、キムユス田島冴香です。

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主観ですが、意外にもクレバーなユスさん。粛々と、黙々と、何かをしていることが多いような気がします。黙々とマイクスタンドを解体し、また黙々と組み立てるなど。

男前を浪費するタイプなのでしょうか、そこまで武器にしていない様子なのにいつのまにか刃先がこぼれていて、それもまた黙々と研いでなんもなかったみたいな顔してるかんじです。そういうルーティンなのかもしれません、生き様が。

意外にもクレバー、の、意外にも、がとても失礼な気がしてきましたが続けます。もちろん外見云々の話ではないです。たまに情けない声が出たり、想定外の何かにぶつかった時のユスさんの挙動は、人としてのほどよい隙で、だからこそ心遣いもあるのだと思います。

想定外の何か、というのは、だいたいの人が察知した時点で押し黙ったり立ち止まったりしてしまうようなところを、中空を見つめながら堂々と真ん中を歩きぶち当たる、ようなイメージです。どうなっちゃうんだーと身を乗り出して見てしまいます。地下闘技場に来た人の気持ちってこんなかんじなのかな。いや、ユスさんは賭け馬にしちゃ意思があるので正確には違います。

そんなキレのあるユスさん節と、どこに連れて行かれるかわかんないジェットコースターに乗れる『ピロートーキングブルース』、おたのしみに。

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かっこいいたじまさん、ですが、中性的と言うには母性がありあまるひと。いつも自然体で飾り気ない雰囲気を持っていて、隅々まで行き届く気遣いにはあこがれます。

腰が抜けたように笑うところもすきです。舞台でも稽古場でも、その場の雰囲気に肩まで浸かって楽しんでいるのが伝わる振る舞いは見ていて気持ちよく、はっと気付かされたり、ここはたのしい場所だーと思わせられます。

たじまさんの自然体は舞台の上でも健在ですが、単なる「こういう人も必要」みたいなバリエーション的役割ではありません。歌い踊るたじまさんは、いつも全力で、鬼気迫るものすら感じます。良い意味で、今以外を生きることなんて考えてません!という光線が飛んでくるんじゃないかと思うほどです。

そういう全力さとか、かがんで肩を並べてくれるところとか、根っこの部分が深井さんに似ているようにも思います。お二人の空気感は独特で、ふと聞こえてくる会話に口元が緩むこともしばしば。


・・・と、なんだか大きな木とか空の話をしているような気分ですが、実はまだ羽衣2年生になりたてのたじまさん。もうずっといるひとのような大らかさと信頼があって、ついつい忘れそうになります。たぶん、みなさんのお墨付きのやつです。

昨年のワークインプログレス『瞬間光年』では衝撃のソロダンスを披露していましたが、なんとなんと本公演は初参加だそうです。時間とか事実って、案外あてになんないなーと思わざるをえません。

ここ数ヶ月ずーっと、瞳の奥の炎を静かに揺らしているたじまさん、本多への準備は着々と進んでいる様子です。やわらかな全力を浴びにきてください。

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文・松本由花(FUKAIPRODUCE羽衣)
撮影・金子愛帆

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