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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.7■
 
【開幕ニュース】

ミュージカル『SMOKE』が7月25日(木)、東京・浅草九劇で開幕する。3人の俳優のみで、ひとりの天才詩人の苦悩と葛藤をドラマチックに描き出すミュージカル。昨年日本初演され、その濃密な世界がまたたく間に話題となったが、今年は6月の池袋・東京芸術劇場バージョンに続き、初演の地・浅草九劇に再登場。大山真志、日野真一郎ら日本オリジナルキャストを中心とした若手実力派俳優たちが、魂の叫びを聴かせる。7月23日に行われた最終稽古及びプレビュー公演を取材した。SMOKE2019-07-01_8338.JPGSMOKE2019-07-02_8795.JPGSMOKE2019-07-03_9405.JPG


物語は、20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされた内容。「海へ行きたい、その資金を手に入れたい」とふたりの青年・超(チョ)と海(ヘ)が、三越デパートの令嬢だという紅(ホン)を誘拐してくるところから始まる。ミステリアスな物語はやがて、自分の才能に絶望し、苦悩し、その中でもひと筋の光を掴もうとするひとりの天才詩人の内面を描き出していく......。予想もつかない方向へ物語が転がる面白さに加え、すべてが明かされるわけではない余白もあり、その奥深さが中毒者が続出する要因のひとつでもある。

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左から:ドンヒョン(BOYFRIEND)、キム・ヨンソク(CROSS GENE)、山本裕典、キム・キュジョン(SS501)、ミヌ(BOYFRIEND)

「世界で一番幸せなミュージカル【マイ・バケットリスト Season5】」日韓混合キャストが自分らしい役柄の魅力を語る

8/9(金)〜8/19(月)にかけて浅草花劇場にて上演が決定している感動の名作、韓国発ヒューマンバディミュージカル【マイ・バケットリスト Season5】。この物語は不良少年カングと余命宣告された少年ヘギが出会い、ヘギの死ぬまでにやりたい100個のバケットリストを二人で埋めていく感動のストーリー。

この公演に先駆けて、8/5(月)に東京都渋谷区のラパン・エ・アロにて制作発表が行われた。制作発表にはカング役の山本裕典、ドンヒョン(元BOYFRIEND)、キム・ヨンソク(CROSS GENE)、ヘギ役のキム・キュジョン(SS501)、ミヌ(元BOYFRIEND)が登壇した。本作品への意気込みや自分のバケットリスト、稽古中のエピソードを語ってくれた。

―Q. キャスティングされた時の気持ちや出演を決めたきっかけを教えてください。

ドンヒョン「このような素敵な作品にまた出演できることになって嬉しかったです。今回は2回目なんです!すごいでしょ?笑」

キム・ヨンソク「今回はSeason5で出演も5回目になりますが、レジェンドとして、そして振付指導としても関わることができて嬉しいです。今までカング役もヘギ役も両方演じたので、これからは一人芝居もできるかもしれません(笑)」

山本裕典「お話をいただいて出演を決めかねている段階で前回のSeason4を見に行きました。最初ミュージカルだとは聞いておらず二人芝居だと聞いていたので、歌があるとわかって正直断ろうと思っていました。でもとても感動して泣いてしまい、歌や踊りのハードルはあるものの、それを乗り越えてでもこの作品に触れてみたいと思いオファーを受けました。」

キム・キュジョン「元々韓国でもとても好きなミュージカルだったので、それを日本語で演じることができてとても嬉しかったです。前回初めて出演したのですが、とても幸せな時間でした。だから今回も喜んで出演を決めました。今韓国でも舞台や映画を控えているのですが、マイ・バケットリストが今僕の心の中では一番です。今回も頑張ろうと思って日本に来ました。」

ミヌ「(この作品には)ドンヒョンさんが前回出ていて、今回僕を推薦してくれて出演することになったので、とても嬉しいですし光栄です。そして、メンバー同士でリーダーのドンヒョンさんと演じることができるので、素敵な思い出になると思いますし、すごく安心しています。」

―Q. マイ・バケットリストにちなんで、皆さんの死ぬまでにやっておきたいことは何ですか?

ドンヒョン「僕は今みたいに死ぬまで元気に過ごしたいです。(今ダイエット中でお腹が空いてるから元気がないんじゃない?と山本裕典に言われると)元気はまだあります!大丈夫です!」

キム・ヨンソク「これからのマイ・バケットリストも全部出演してみたいです。できるかな?笑 それと、カフェとかを作りたいと思っています。皆さん来てくれますよね?」

山本裕典「結婚してみたいですね。子供が大好きですし、僕も32なのでそろそろかなとは考えています。」

キム・キュジョン「僕は年取った時にドラマに出てくるような深夜食堂を開きたいです。ドラマを見ていると若い人や年上の方色んな方の人生が描かれているので、面白いと思いました。料理も好きなので。」

ミヌ「僕はあまり人がいない島に行ってそこで家を作って、釣りをしてそれを食べたりするような、のんびりとした生活をしてみたいです。」

ドンヒョン「今実は海の前でカフェをやっています。場所は僕のInstagramをチェックして下さい!笑」

ーQ. 自分の演じる役に優しいヘギ、強いカングのようにタイトルをつけて、他の人とはこういうところが違う、こういうところを見て欲しいというポイントを教えてください。

ドンヒョン「日本語が上手なカング。前回は初めての日本語での演技だったので、エネルギーで押し切ったようなかんじでした。今回はイントネーションや発音も頑張りたいと思うので、日本語が上手いカングです。」

キム・ヨンソク「ヨンソクといえばカング。これまで全て出演しているので、ヨンソクと言えばマイ・バケットリストだと言われるようになりたいです。僕を見て後輩や先輩の方々もマイバケをやりたいと言ってもらえたら嬉しいです。」

山本裕典「スパイスのカング。マイ・バケットリストという作品は既に5回目なので、物語としてかなり出来上がっているのですが、あえてそれを壊して新しいマイ・バケットリストを作っていきたいと思っています。」

キム・キュジョン「今のヘギ。Season4が終わってから台本を読んでいた時に、ヘギは毎日がとても大切な人だと思いました。公演の時も瞬間瞬間を大切にしていきたいと思っています。」

ミヌ「僕は他のキャスト全員が年上なので、ギャップがあるヘギ。普段は弟キャラですが、微笑みの裏では傷を持っているような人です。感情的になるシーンではその前の姿があるからこそ、感情がもっと強く伝わってくるようなギャップがあるヘギにしたいと思います。」

―Q. キム・ヨンソクさんに、今回振付指導をするにあたり、振付はどのような雰囲気で指導していますか?また、覚えるのが早い方や逆に遅い方が誰かも聞かせてください。

キム・ヨンソク「基本は優しく、ミュージカルは歌と振付もストーリーのうちなので、たまに厳しく指導することもありますが、親切な指導者になりたいですね。振付を覚えるのは山本さんが遅いです!笑 ミュージカルもダンスも初めてだったこともあると思います。」

ドンヒョン「でも僕から見ると山本さんは歌も振り付けも上手いと思います。練習する時にクローズZEROの映画のように演技しているので、かっこいいと思いました。」

キム・ヨンソク「僕もこういうカングもいるんだなと、新鮮に感じました。」

山本裕典「でも振付ダメなんでしょ俺?笑」

キム・ヨンソク「カングとしては完璧だけど、覚えるのは少し遅いです!笑 一番早いのはミヌでした。韓国で動画を撮って日本にいたミヌに送ったのですが、すぐ覚えて踊れるようになっていました。」

ミヌ「マイバケが初めてなので、頑張らないといけないと思って頑張って覚えました。」

キム・キュジョン「ヨンソクは忙しい中でも時間を作ってくれて指導してくれました。振り付けだけではなく、ヨンソクはヘギ役も経験しているので、ヘギはこんな人だよと前回は演技も教えてくれました。」

―Q. 最後に、いよいよ今週から始まる公演に向けて一言ずつお願いします。

ドンヒョン「今日は暑い中ここまで来てくださりありがとうございます。今回の舞台もたくさん期待してください。」

キム・ヨンソク「Season5もみんなと一緒に全力で頑張りたいと思います!」

山本裕典「きっと本番中も色んなことがたくさん起きると思いますが、僕らのチームワークを見せて、お客さんに泣いて笑って帰っていただきたいと思います。」

キム・キュジョン「世界で一番幸せなミュージカル【マイ・バケットリスト】を、最後までよろしくお願い致します!」

ミヌ「色んな組み合わせがあり、カングとヘギそれぞれの色んな魅力が見られると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。」

質疑応答の後には、タイトルでもある劇中歌「マイ・バケットリスト」の息のあったステージを5人で披露。

この作品の経験者も初めてのキャストもいる中で一人一人が様々な思いで演じるカングとヘギは、毎回見どころで溢れそうな作品になりそうだ。日韓合同キャストによる友情から生まれる最高の感動のミュージカル『マイ・バケットリスト』、ぜひお楽しみに!

◆公演概要◆

【タイトル】ミュージカル「マイ・バケットリスト Season5」

【日程】2019年8月9日(金)~ 8月19日(月)

【会場】浅草花劇場(東京都台東区浅草2-28-1)

特設サイト http://r-t.jp/mybucketlist

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.6■
 
 
昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽でたちまち話題となり、多くの熱狂的ファンを生み出したミュージカル『SMOKE』
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされたミュージカルで、たった3人のキャストが、ミステリアスで奥深い世界を作り上げていきます。

初演から1年で早くも再演となった『SMOKE』ですが、今年は6月の池袋・東京芸術劇場バージョンを経て、いよいよ7月25日に初演の地・浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンが開幕しました!

浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンは、3つの役どころそれぞれがトリプルキャストです。
」...大山真志、日野真一郎、木暮真一郎
」...大山真志、日野真一郎、木内健人
」...池田有希子、高垣彩陽、元榮菜摘
※初演で「海」を演じた大山さんと、「超」を演じた日野さんは、今回は「海」「超」の二役を演じます


濃厚な三人芝居を、その日ごとのキャストが魂を叩きつけるように熱演している九劇版『SMOKE』。
そんな皆さんの開幕後のリアルな心境や、ちょっと突っ込んだ内容をお伺いしたく、インタビューを数回にわけてお届け!

初演は「海」をシングルキャストで演じ、今回は「海」と「超」の二役に挑戦中の大山真志さんをホストに、出演者の皆さんの現在の心境、作品に対する思いなどをお伺いしていきます。

▽ 大山真志(海)smoke6-01IMG_9484.JPG


シリーズ初回は大山真志さんと「紅」役の池田有希子さんの対談です。
満席の客席の中、大盛り上がりに盛り上がった公演直後にお話を伺いました。

▽ 池田有希子(紅)smoke6-02_8222.JPG

 

◆ about『SMOKE』 ◆

李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル。
イ・サンは、才気ほとばしる作風が讃えられる一方で、その独自性と難解さゆえに酷評もされた、両極端の天才詩人。結核をわずらった後、日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で27歳の若さで亡くなります。

このミュージカルでは、彼の精神世界を謎めいた筆致で描き、誰も想像できなかった物語が繰り広げられます。
登場人物は、
 詩を書く男「(チョ)」、
 海を描く者「(ヘ)」、
 心を覗く者「(ホン)」
の3名のみ。 俳優の実力も問われる、スリリングな作品です。


★インタビュー中、一部ストーリーの展開に触れています。ご注意ください。
 

大山真志池田有希子 INTERVIEW ◆

 

●再演は「やりたくて仕方なかった」

 
―― おふたりは昨年の初演にも出ていた、いわば日本のオリジナルキャストですね。1年ぶりの『SMOKE』が開幕したばかりですが、まずこの再演に際しての心境は?

池田「(食い気味に)心待ちにしていました!」

大山「(笑)。俺もめちゃめちゃ、やりたくて仕方なかったですよ」

池田「この作品って、全員が、全身全霊すべて使って使って使いきるんです。満身創痍になって「もう動けない!」ってところに到達して、初めて得られるものがある。作品の構造上、どん底に到達するしかない。でもそこから上がるんです。落ちるところまで落ちたら、もう蹴りあがるしかなくて...それが最終的に多幸感に満ち溢れているんです。私たちが上がることで、観ているお客さんの気持ちも上がってくれる」

大山「そうですね」

池田「私たち、お客さまと役者との "共犯関係" ってよく言っているんですが。その関係が密になればなるほど、最後に到達できる空があります。良く書けている脚本ですし、こんな素晴らしい作品に出演できるってことは、私たち役者にとっての贈り物です。『SMOKE』は特別。だからこそ今回の再演もすごく楽しみにしていました」
 
 
―― 『SMOKE』の何がそんなに、特別なんでしょう。

大山「飾らなくていいんですよね」

池田「"マッパ" です」

大山「そうですね。僕らよく話しているんですが、真っ裸にならないと嘘になる。もともと舞台芸術って、嘘のものを本物に見せるものなんですが、でもこれはそうじゃない...もう、僕ら自身が丸裸にならなきゃいけないんです」

池田「お芝居って、自分ではない入れ物(役)を借りてやっているのに、やっぱり "自分" を使わないとダメなんです。この作品で描かれている李箱は芸術家であって、そこは我々も同じ(俳優という芸術家)じゃないですか。その彼が悶々と、自分の作品が認めてもらえず死んでしまいたい...と苦悩する姿は、自分の芝居が認めてもらえないという気持ちに繋がります。その気持ちは死ぬ気で、本心から掴まないと」
 
 
―― 芸術に携わるものとして、コアな部分に共感する...ということでしょうか。

池田「しますね~。しかも彼は志半ばで亡くなっていますから。実際の彼が死ぬ間際に、私たちが劇中で歌う最後のナンバーのような到達点までいけていればとても嬉しいのですが...。でも、たぶん、そうじゃなかった気がするんです。ものすごい失望とともに亡くなった方なんじゃないかなと思っていて。だからこそなおさら、ラストの曲は空高く飛ばしてあげたいとも思います」

▽ 大山真志(超)、池田有希子(紅)smoke6-07_8417.JPG 

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7月から日生劇場にて開幕中の、日生劇場ファミリーフェスティヴァル2019。クラシックコンサート「アラジンと魔法のヴァイオリン」、パペット・ファンタジー「ムーミン谷の夏まつり」に続き、音楽劇「あらしのよるに」が8月3日(土)に開幕する。

本公演は、暗闇で出会ったオオカミとヤギが「食う」「食われる」の関係を超え友情を育てていく物語である。ただやさしいだけではない深みのある内容が子供から大人まで響き、原作であるきむらゆういちの絵本『あらしのよるに』シリーズ累計350万部を記録している。

8月2日(金)、開幕に先駆け公開ゲネプロとマスコミ向けの囲み取材が行われ、渡部豪太さん福本莉子さんがコメントした。

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<本公演の意気込み>

渡部:「スタッフ、キャスト、全員で丁寧に取り組んできたので、沢山の方に観ていただきたいです。劇場からは子供たちの声が聞こえてくると思うので、それも含めて皆で楽しめる作品になっていると思います。」

福本「子供たちの生の反応が楽しみです。全員が楽しめる作品になったらいいなと思います。」

<本公演の魅力・みどころ>

渡部「オオカミとヤギのありえない友情を描いた作品です。『ありえない』というワードを使うことが『ありえない』ぐらい、ジェンダーや人種を超えたそういうものを反射しているような作品になっていると思います。」

福本「アンサンブルの方々の身体表現などすごくこだわって作っています。生演奏なので、舞台ならではのライブ感を楽しんでいただければと思います。」

渡部「今回、雨・風・雪などを役者が、身体を使った表現に挑戦しています。音楽や照明の効果もあって、より迫力あるものになっていると思います。」

<ご自身の役について・お互いの役との関係性>

渡部「(渡部演じる)ガブは、身体が大きくて凶暴なイメージのあるオオカミですが、実は心が弱くて、ドジで群れの中ではいつも下っ端扱いされているという役です。(福本演じる)メイは、少年のヤギなので、男同士の友情です。」

福本「ヤギは基本的に群れの中で生活するのですが、メイは自由奔放で、敵がいてものんびり空を見上げているような、のんきなヤギです。メイはハートが強いので、ガブを常に引っ張るという関係性です。」

<ご観劇のお客様へメッセージ>

渡部「子供向けの作品ではなく、大人も楽しめる本格的な舞台な作品に仕上がっていますので、ぜひ楽しんでください。」

福本「大人も子供も全員、ぜひ声を出して楽しんでもらいたいです。」

二人「暑い夏に、楽しいお芝居を、涼しい日生劇場でやっているので、ぜひ観に来てください!」

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絵本、映画、芝居、歌舞伎......とこれまでもいろんな形で広がっている名作「あらしのよるに」だが、今回はまさに『音楽劇』であった。雨や風などの音が楽器だけでなく、傘の開閉で表現されるなど、ガブとメイのいる世界に、より臨場感を出していた。

unnamed (3).jpgunnamed (4).jpgunnamed (7).jpgunnamed (8).jpgunnamed (10).jpgunnamed (11).jpgunnamed (13).jpgunnamed (14).jpgunnamed (15).jpgunnamed (17).jpgunnamed (20).jpgunnamed (22).jpgまた、公演前にはロビーにて、舞台の演奏者や出演者によるロビーイベントが行われ、観劇前の楽しみをより高めてくれる。

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音楽劇「あらしのよるに」は、8月3日(土)~5日(月)まで、日生劇場にて上演。

その後、日生劇場ファミリーフェスティヴァル2019のラストを飾るのは、バレエ 「眠れる森の美女」。8月23日(金)~25日(日)には同劇場にて上演される。こちらもぜひお楽しみに!!

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10月に東京・新宿FACE にてLIVE ミュージカル演劇『チャージマン研!』が上演されます。「え?あの『チャージマン研!』!?」という方、そうです。あの、『チャージマン研!』です。

その舞台化とは?しかも"LIVEミュージカル演劇"とは?あれ?チラシを見ると主人公・研のキャストが4人?音楽の手島いさむさんってあの?など、とにかく混乱を招く本作について、研役の古谷大和さんと安達勇人さん、そして本作の舞台製作会社CLIEの吉井Pにお話をうかがってきました!

まず『チャージマン研!』とは?
>>1974 年頃放送されていたテレビアニメ。通称「チャー研」。主人公・泉 研(いずみ けん)が地球侵略を目論む宇宙人・ジュラル星人と戦うという内容ですが、よくよく見るとツッコミどころが多すぎて、近年、ネット上でブームを巻き起こしているほか、人気バラエティ番組(「マツコ&有吉の怒り新党」や「水曜日のダウンタウン」など)でも取り上げられ、幅広い世代の注目を集めています。<<

今回の舞台化では、演出をキムラ真(ナイスコンプレックス)、脚本を伊勢直弘、音楽を手島いさむが手掛け、出演者は、チャージマン研(泉研)役に古谷大和・安達勇人・髙﨑俊吾・中村誠治郎、泉キャロン役に星元裕月、バリカン役に阿部快征、ジュラル星人役にお笑い芸人の浜ロン、魔王役に村上幸平の出演が発表されています。(くわしくはこちら!⇒ https://www.clie.asia/cha-ken/

*****

――まずはどんな作品になるのか教えてください。

古谷 いい質問ですね。
一同 (笑)
吉井P 革命が起きますよ。『チャージマン研!』って巷では"クソアニメ"って言われてるんだけど。
古谷 (笑)なんでそう言われてるんですか?
吉井P SE(効果音)がないとか、展開があまりにもいい加減とか、使いまわしとか、いろいろあるの(笑)。
古谷 確かにアニメ、おかしかった。
吉井P 内容もさ、博士に爆弾が仕掛けられて、敵を倒したんだけど爆弾の処理ができないからって博士を突き落として爆発させて「めでたしめでたし」とか。すごいじゃない?
安達 やばい(笑)。そもそも僕、「チャージマン研が敵を倒す」ということはわかったのですが、それ以外のこと、例えばなんで研が戦うのかとかが何回観てもわからなかった。
古谷 第1話での怪人の最初の台詞が「地球の子供を全員人質にするのだ」だったから。脈絡?と思いました。
安達 (笑)
古谷 なぜ怪人がいるのか、チャージマン研はなぜヒーローなのか、今なぜ倒せたのか、なにも説明がない。とにかくチャージマン研が怪人を倒すことだけがわかる。でもそれをふざけてやってる感じでもないという...。
吉井P そうなんだよ!そこは舞台化でも大事にしたくて。別にコメディをやるつもりでも、笑いを取るつもりでもないの。大真面目にやる!だってアニメも大真面目にやってるわけだから。我々も真剣にやる!
安達 なるほど。

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作・飯島早苗、演出・鈴木裕美によって、'93年に「自転車キンクリート」で初演された『絢爛とか爛漫とか』。これまで、さまざまな演出家、キャストによって上演されてきた名作ですが、この夏、21年ぶりに鈴木裕美による演出、安西慎太郎・鈴木勝大・川原一馬・加治将樹という顔ぶれで上演されます。

→演出家&キャストによる座談会はコチラ

先日その顔合わせ&本読み(座った状態で台本を読んでいくこと)が行われ、げきぴあはその現場に潜入。その様子をお届けします!

*****

まずは、スタッフ・キャストが揃っての顔合わせ。皆さんからご挨拶がありました。

◎演出・鈴木裕美さん

「すごくおもしろそうなメンツで、再びこの作品ができることをとても嬉しく思っています。すごく"役者だな"と思っている人たちに集まっていただいているので、どう生き生きと人物をつくっていくかということが稽古の中心になると思います。初演を演出していますが、当時の読み方にこだわるつもりは全くありません。この4人のキャストと私を入れた5人でどこに辿り着けるのかを楽しみにしたいと思います」

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◎作・飯島早苗さん

「この作品をザックリ言うと『自分のことを利口だと思っている青臭い馬鹿が喋っている』、それだけの話です。(一同爆笑)。なので、俳優さんが魅力的な人じゃないと目も当てられない(笑)。観る人にとっては楽しいけれど、やる人にとっては台詞がすごく多くて申し訳ない作品、私も楽しみにしています。よろしくお願いいたします」

◎安西慎太郎さん

「この日をすごく楽しみにしつつ、いろんなプレッシャーもあります。僕は自分の役と同じでとにかくぐずぐずした人間なので(笑)、そこは使いつつ、考えることをやめずに、皆さんと手を繋ぎながら戦っていけたらいいなと思っています。最後までよろしくお願いします」

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◎鈴木勝大さん

「台本を読んでいる間になんだかよくわからなくなってきてしまって(笑)。最初にこの本を手にして読んだときよりも彷徨ってしまっているので、皆さんの芝居を観たりする中でいろんなものをもらいながら、ひとつずつ自分の中で答えを見つけていけたらと思っています。よろしくお願いします」

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◎川原一馬さん

「僕はこんな声ですし、こういう喋り方ですし、雰囲気的にも加藤という役はすごくやりやすいと思っています。変態的な部分はすごく持っていると思うので(笑)、そこを存分に出させていただいて、4人で一緒に馬鹿なところとかわいいところを出せるようにがんばっていきたいと思います。よろしくお願いします」

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◎加治将樹さん

「4人芝居なので、いろんなものがバレると思います。なので楽しんで、最後のほうは4人で全裸でやっても楽しめるくらいな感じになれたらいいなと思っているので.........よろしくお願いします!!」

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皆さんの言葉からもわかるように、とても和やかな空気のなか、顔合わせは終了しました。少し休憩をはさんで、読み合わせがスタートです!

あらすじ

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1年前に発表された処女作以降、2作目が書けず悩む新人小説家・古賀(安西慎太郎)の部屋に集う、批評家志望のモダンボーイ・泉(鈴木勝大)、自称耽美小説家の加藤(川原一馬)、非凡な才能を持ち破天荒で自由に生きる諸岡(加治将樹)。

移り変わる季節のようにゆれうごく夢と才能、理想と現実の葛藤の中で、友情や恋にもがきながら、それぞれの道を探していく。

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最初に鈴木裕美さんからセットや衣裳などの説明が一通り行われたあと、「やっちゃうか!」という声かけで読み合わせが始まりました。

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安西さん演じる古賀は「2作目が書けない」作家。物語が春、夏、秋、冬と進んでいく中で、時間の経過がもろに精神状態に反映されていきます。だから春に言われて平気だった言葉も、夏に言われるとグサッと刺さったりして...。誰よりも赤くなったり青くなったりしている印象でした。だからこそ演じる人によって全然違ったものになりそうな役。作品ごとに全然違う顔を見せる安西さんがどう表現するのかすごく楽しみです!

勝大さん演じる泉は、見た目もよく、頭もよく、おしゃれなモダンボーイの批評家。読み合わせなので当然動いていないのですが、勝大さんの台詞を聴いているともう泉のクールでスマートな身のこなしが見えましたよ!評論家ならではの視点やウィットもありながら、どこか抜けたかわいさに加え、古賀への愛も見どころかなと感じました!

川原さん演じる加藤は耽美小説家。惚れやすく、好きになった女性を主人公にして耽美な小説を書いて発表してしまうという......純粋な変態。すごいことを言っているときもあるのですが、川原さんのやさしそうな喋り方や雰囲気が妙にマッチしていて、なんだか「なるほど」と納得してしまいました。立ってお芝居するとさらなる化学反応的がありそうな予感がしています!

加治さん演じる諸岡は、非凡な才能を持ち破天荒で自由に生きる小説家。書けない書けないと病んでいく古賀とは対照的に、どんどん書くし、結末のない小説でも編集者に見せてしまうような人です。裕美さんが「脳と口が近い」と説明されていましたが、それゆえの愛らしさも魅力的に表現されていて、今回の読み合わせで一番笑い声が起きていたのは加治さんの芝居でしたよ!

4人がほぼ出ずっぱり&喋りっぱなしの作品。台詞量も膨大ですし、言葉を扱う小説家ゆえのやや硬めな言い回しなのですが、スルスル入ってくるのが不思議!

4人がずっとわちゃわちゃしていて、3人で結託して1人をダンスに誘おうとしたり、恋に関して強がってみたり、仲間を心配したり、春夏秋冬の出来事でみせるさまざまな姿が人間らしくてかわいらしく、ずっと見ていたいような気持になりました。

初日なのに、もうそんなことを感じさせられ、これからどんなふうに稽古を重ねて、どんな作品になっていくのかとても楽しみになりました。本番をお楽しみに!

『絢爛とか爛漫とか』は、8月20日(火)から9月13日(金)まで東京・DDD 青山クロスシアターにて上演。

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1865年の米国・マサチューセッツに生きる四姉妹を描いた名作小説をミュージカル化した『Little Women -若草物語-』が、9月3日〜25日に日比谷 シアタークリエにて上演されます。インタビューに揃った四人は、すでに仲の良い姉妹のように笑顔が絶えません!

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左から 下村実生/彩乃かなみ/朝夏まなと/井上小百合

主人公であり、次女のジョーを演じるのは朝夏まなと。長女メグ役の彩乃かなみとは同じ宝塚歌劇団出身。稽古では組んだことがあるものの、共演は初めてだそうで、お二人から楽しみな気持ちが伝わってきます。

一方、下の妹お二人は本格的なミュージカルは初出演。三女ベス役の井上小百合、四女エイミー役の下村実生ともに、ライブとミュージカルの違いには不安もありつつ、楽しみだそう。

闍・闕臥黄隱杤044.jpg----出演が決まった時の気持ちは?

朝夏 「ジョーにすごく憧れていました」というお手紙をファンの方からたくさんいただきました。ジョーは、この物語の時代にあって、職業を持って男性に頼らず生きていこうとする、先進的で強い女性。今の女性がすごく共感できるはず。彼女の持つ情熱、意思を貫く強さ、自分より相手のために、人のためにできる行動力はとっても潔くてかっこいい。楽曲が素晴らしく、ストーリーは言わずと知れた名作で、すごく素敵な作品です。

彩乃 譜面をみると、なかなか難易度が高く、四姉妹で歌うところでは、一人1パートを担っているので、かなり自立が必要ですね。みんなふだん歌っているジャンルが違うので、どう融合するのか楽しみです。

朝夏 私も歌が楽しみ!ローリー君(林翔太)が入ることもあるし、重奏が多くて、ハーモニーも綺麗なんですよね。

----本格的なミュージカルには初出演のお二人はいかがですか?

下村 初めての大きなミュージカルなので不安もありますが、前から興味があったので、嬉しく......決まった時最初は「嘘かな」って思いました(笑)

井上 (姉ふたりに)頼りに頼っていこうと思っています。でも吸収できるものは吸収して、盗めるものは盗みたい。色んな方に「ベス役ぴったりですね!」ってすごく言っていただけたんです。ただ、本来の私はけっこう逞しいので、大人しいベスから一番遠いんじゃないかな......。だからこそ演じられることもあるのかなと思います。

下村 私は末っ子で、お兄ちゃんが2人いるので自分自身と少し近いところはあります。小さい時にお兄ちゃんの後をついていった時の気持ちを思いだしてやれたらいいなと思っています。

----みなさん、実際には男兄弟がいらっしゃるんですよね?

彩乃 純粋に姉妹だけってどういう感覚なんだろう〜!本当の姉妹ってけっこう辛辣で言葉が強めなイメージがありますから(笑)私たちも稽古場で少しずつハッキリ言える関係になれたらと。その仲の良さが舞台にも出るといいな。

下村 ジョーと喧嘩するシーンがあるんですが、そういうところで姉妹ならではの感じがでるのかな......

朝夏 (下村に)日頃のうっぷんをためておいて(笑)、本気でむかってきてね!

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----宝塚歌劇団出身の2人から、井上さん・下村さんへ伝える「ミュージカルの楽しさ」とは?

彩乃 ライブでのパフォーマンスと違って、ミュージカルでは台詞や歌を通して"誰か"を演じなければならないので、役を創っていく面白さがありますね。しかも毎日同じじゃない。

朝夏 だからこそ発見がいっぱいありますよね。相手の表現を受けて「そうくるとしたらこうだ」と作品を構築していく。そして本番でまた一段階上の表現ができたり、ちがう発見を毎日できたりするのが楽しい。

彩乃 「ああかな、こうかな」って考えることが楽しいよね。知らない自分に出会える。

----先輩2人のお話を聞いてみて、どうですか?

井上 歌を通してのお芝居、自分なりにどう表現できるのかが楽しみです。

下村 ライブだとお客様も声を出したりして一緒に盛り上がるけれど、ミュージカルのお客様はどんなふうに言葉や音楽、歌を受け取って下さるのか......。お客様が違うと自分も変わるので、それが楽しみ。舞台の上に立ってから吸収することもあるんだろうな、と思います。

----どんな舞台にしたいですか?

下村 お父さんが家を空けている中、女性だけで「やってやるぞ」と一致団結する家族のきずなを、このカンパニーで作る説得力でお伝えできたらいいなと思います。

井上 家族や大事な人を思い浮かべて観ていただけたら嬉しいです。ベスは病弱だけど誇りをもって生きていく女の子。お客様も生きることについて考えていただけたら。

彩乃 年齢や体験や今の状況によって共感するところが違うはず。お客様がなにを受け取られるのか......それぞれの思いを持ち帰っていただけたら。この舞台をきっかけに本を読み返していただいても楽しめると思います。このカンパニーならではの『若草物語』をお届けしたいです。

朝夏 原作はこれまで、映画、アニメ、漫画など様々に翻案されていますが、今回はナマの舞台ならではの、目に見えない絆や空気感が出ると思います。今は隣に住む人も知らないということもある時代ですが、この作品には、身近な人との絆であったり、失われつつあるけれど失くしてはならない大事なものが詰まっています。それをぜひ体感しに来ていただきたいですね。

朝夏の意気込みに、3人も大きく頷きます。すでに"姉妹"の繋がりを感じさせる4人が醸す空気感に、期待が高まります。

公演は9月3日(火)東京シアタークリエにて開幕。

★チケットぴあ半館貸切情報★

9月7日(土)12:30/9月11日(水)13:30

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取材・文/河野桃子

撮影/源賀津己

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7月20日(土)、赤坂RED/THEATERにて、開幕した、『ハンサム落語 2ndシーズン』。

古典落語を若手実力者が演じ、落語で引き付け、声で聞かせ、演技力で魅了する『ハンサム落語』。「二人一組」の掛け合いで行う独自のスタイルが人気のシリーズ。
今回、タイトルを一新した2nd シーズンでは、古典落語を若手実力派俳優が皆様にお届けするという部分は変わらず、出演者を「ハンサム」「二つ目(につめ)」「真打(まうち)」とチーム分けした新しい形になりました。

全出演者の中から、日替わりで5 人が登場し、同じ演目でも組み合わせによる変化を楽しめる。演目は「天狗裁き」「狸の賽」「鴻池の犬」「子別れ」。演出・脚色は初演より引き続き、なるせゆうせいが務める新シーズン。

7月19日(金)、開幕に先駆け公開ゲネプロとマスコミ向けのフォトセッションと挨拶行われ、出演者らがコメントしました。

河原田巧也_HR14452.JPG

河原田巧也:「音や照明の入った舞台のセットの中で初めてやらせて頂いたのですが、稽古とはガラッと違っていて...「ハンサムチーム」が先頭の演目をやるのですが、トップバッターの演目は凄く緊張します。ですが、その緊張感に負けずにしっかりと地に足を付けて頑張りたいなと思います。そして自分の出番が終わったら「二つ目チーム」「真打チーム」のみなさんの演目を楽しみに見たいと思います。頑張ります!!」

深澤大河_HR14249.JPG
深澤大河:「今回から『ハンサム落語』初参加という事で。『ハンサム落語』は歴史のある舞台なのでド緊張しております、もう私は隠さず言います(笑)だけど、緊張はしているのですが稽古をやっている段階から物凄く楽しいので、その楽しさが見に来て下さるお客さまに伝わったら良いなと思っております。そして「ハンサムチーム」は初めて参加するメンバーで構成されているので、私達の"初めて"を皆さまに是非見て頂きたいですし、先輩方のお胸をお借りして...(お胸?!とざわつく一同...)堂々とやっていきたいと思います!」

横井翔二郎_HR14588.JPG

横井翔二郎:「「ハンサムチーム」は新参者なので、最初の稽古から手探りで始まったのですが、和合さんと稽古をした時に"あの和合さん"がこんなに頼もしく思えるんだと..(笑)現場が一緒になった事がある方もいれば、本気で初めましての方もいて、同じ演目やるにしても良い意味でバラけて色の違いが出るのが『ハンサム落語』の良いところなのかなと稽古をやりながら思いました。緊張しますが、自由に楽しくやっていけたらいいなと思います。先輩方の"お胸"をお借りしてね(笑)やっていきたいと思います。応援よろしくお願い致します!」

和合真一_HR15067.JPG


和合真一:「緊張しています...(笑)私は『ハンサム落語』第九幕、『ハンサム落語』第十幕と出演させて頂いて、今回『ハンサム落語2ndシーズン』という変わり目に携われた事がまず嬉しいです。また、フレッシュな面々と楽しく新しい『ハンサム落語』の風を巻き起こせるという事で、どんな本番になっていくのか非常に楽しみでございます。今回「ハンサムチーム」「二つ目チーム」「真打チーム」という形でお送りしていくのですが、1作目から出ている方もいてプレッシャーのある「真打チーム」とは今回は別チームという事で(笑)『ハンサム落語2ndシーズン』生き生きと出来ると思います(笑)『ハンサム落語』は落語を掛け合う格闘技ですから、素敵な試合を1回1回みなさまにお届けできれば嬉しいなと思っております。」

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寺山武志:「『ハンサム落語』第九幕に続いての、2回目の出演となります。和合さんの言った通り、『ハンサム落語2ndシーズン』から「ハンサムチーム」「二つ目チーム」「真打チーム」と3つに分かれておりまして、僕ら「二つ目チーム」は中間管理職みたいな感じです。新しい風が下から来るのに、「真打チーム」の技術には及ばないというとっても辛いポジションでございます(笑)ですが、今回の公演の目標としましては、「真打チーム」の林 明寛を引きずり落して僕がそのポジションに入るというトレード革命を起こしたいと思います!(笑)」

井上芳雄さんがホストを務め、日本ミュージカル界のレジェンドたちをゲストにトークをする「レジェンド・オブ・ミュージカル」

鳳蘭さんをゲストに迎え、6月23日に開催された「vol.4」のレポートをお届けします。
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このシリーズは井上さんが「昨今ミュージカルブームと言われて久しく、東京に限らず様々なミュージカルが上演されています。ありがたい状況なのですが、逆に言えばなぜ今、こういう状況なのか? と考えます。才能ある若いミュージカル俳優もどんどん出てきていますが、未来を考えるためには過去を知らないといけない。日本のミュージカルの創生期はどういう雰囲気で、どういう方々がどんな苦労と喜びを持ってやっていらっしゃったのか知りたいと思って」と自ら企画し、はじめたもの。
その趣旨のもと、第1回は草笛光子さん、第2回は宝田明さん、第3回は松本白鸚さんをレジェンドとして迎え、先人の苦労やエピソードを紐解いてきました。

 
そして第4回のこの日、迎えたレジェンドは鳳蘭さん。

★鳳蘭★
1964年に宝塚歌劇団に入団。1970年に星組トップスター就任。1976年『ベルサイユのばら』、1977年『風と共に去りぬ』など今に続く名作に主演し、1978年に宝塚退団。

その後1980年に『ファニー・ガール』で東宝作品に初出演、今年も冬にミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の出演が控えており、40年にわたり第一線で活躍し続けています。

 
井上さんも「とにかく "華がある" ミュージカル俳優の代表格。僕もけっこう「華がある」と言われるんですが(笑)、僕なんかの華はたいしたことないんだなと思い知らされました」と語るほどのスターであり、宝塚の"トップ・オブ・トップ"。

そんな鳳さんを迎えてのトークは、名MC・井上芳雄ですら制御不能!? な、爆笑の鳳蘭劇場となりました。
 


 
● スター星のもとに生まれたふたり!?

 
鳳さんのプロフィールを紹介した後、ご本人を呼び入れた井上さんに対し鳳さん、第一声は「お話上手ですね! 美貌があってスタイルも良い、歌うまい、お芝居うまい、お話上手。悪いところ、なに!?」
対して井上さん「悪いところ...ちょっと口が悪い?」

...と、しょっぱなから「新たな名コンビ誕生か!?」という掛け合いを見せてくれるおふたりですが、これまでに共演経験はなく、この日がほぼ「初めまして」状態だそう。
ただ鳳さん曰く、「文学座にいってる下の娘(女優の荘田由紀さん)があなたのすごいファンなんですよ。あんまり娘が『芳雄さま、芳雄さま』言うから、どんな方なんだろうと思っていて」という縁があるそうです。

井上「そうですか、お嬢さんが」

 「いい趣味しているなって思います」

井上「僕もそう思います(会場笑)(由紀さんも)素晴らしい女優さんですよね」

 「まあ、そりゃ私のDNAが」(客席大盛り上がり)

井上「謙遜というのを知らない人種ですね...! でも僕も同じ系です! それにしても、先ほど華々しい経歴をご紹介しましたが...」

 「本当に、華はあると思います(客席爆笑)。すれ違う人はだいたい、バっと振り返るんですよね。そのたびに、また私の華にやられたな~、って思って!」

開始早々、鳳さんのスター☆な人となりが炸裂です!
先に宣言しますが、この日のトーク、終始、この調子です。
その後、お互いを「芳雄ちゃん」「ツレさん」と呼び合うことが決定し...。

井上「生まれ持ってるんですね」

鳳 「私、目の前にいる人がニコニコ笑っているのが好きなんです。悲しそうにしていると、どうやってこの人を明るい気持ちにしようと思っちゃう。今日はすごくいいですよ、みなさん笑っているから。異常なサービス精神の持ち主なんですね。とにかく、前にいる人が幸せでないと嫌なの

井上「もう最初から...宝塚に入る前からそうですか?」

 「生まれつき? 子どもの頃の写真をみたら、妹がまじめな顔をしている隣で満面の笑顔でこんなことをして(↓)私が写っています。本当に...スター星(に生まれついた)?」(客席笑)

井上「あぁでも、わかります。僕もちょっと同じ星...スター星の方面の人間なので(笑)。人前に出ると、やっぱり皆さんに笑ってほしいですよね」

▽「こんなことをして」のポーズ
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鳳さんの小気味よいトークに、いつもの当シリーズでは少し緊張気味の井上さんも、今回ばかりは爆笑モード。ツッコミも冴えます!

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※朝日新聞 東京本社版 夕刊 2019年7月18日(木)より転載

堤真一の次なる挑戦は、たった3人だけの緊張感漂う会話劇。 小川絵梨子が演出を担い、さらに宮沢りえ、段田安則という演技派が共演者に名を連ねる。

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撮影:石阪大輔 スタイリスト:中川原寛(CaNN)

堤 真一/つつみしんいち●1964年、兵庫県出身。舞台、映画、テレビで活躍。主演映画『泣くな赤鬼』が上映中のほか、11月にも主演映画『決算!忠臣蔵』の公開が控える。現在、新国立劇場中劇場での舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』に出演中。

 チリの劇作家アリエル・ドーフマンが、1990年、自らの経験を下敷きに書き下ろした戯曲『死と乙女』。ドーフマンは本作の舞台を「長い独裁政権の後に民主主義政権に移行したばかりの国ならどこでも」と記しており、その登場人物たちも、ドーフマン同様、そんな混乱した時代の被害者と言える。反政府側で闘っていた弁護士のジェラルドと、かつて治安警察から拷問を受け、その傷がまだ癒えない妻のポーリーナ。物語は彼らの家に、ロベルトという医師を招き入れたところから始まる。

「とても複雑な構造の作品だと思いました。まず誰が真実を話しているのか謎ですし、僕が演じるジェラルドと、段田(安則)さん演じるロベルトとの関係が実際どうなのかもわからない。(宮沢)りえちゃん演じるポーリーナにしても、本当のことを言っているのか、それとも精神を病んでしまっているがゆえの妄想なのか...。だからやはりどんな稽古を積み重ねていくかがとても重要になってくるでしょうね。その中で演出の小川絵梨子さんが僕らにどういう共通意識を持たせるのか。そして、どういう作品に仕上げようとしていくのか。稽古で大きく変わると思います」

 演出の小川とは今回で3度目の顔合わせ。国内外さまざまな演出家と現場を共にしてきた堤だが、中でも小川への信頼は厚い。

「小川さんはどちらかというと海外の演出家に近いタイプですね。稽古場は、役者側からどんな小さなことでも意見をぶつけられる雰囲気ですし、言いやすい。この作品でも、多くのディスカッションに時間を費やすことになると思います。心理的にどういう流れなのかとか、それを掴んだ上でどう表現するのか、しないのかとか...。僕にとってとても信頼できる演出家ですし、久々にご一緒出来るのが楽しみなんです」

 キャストの宮沢、段田も、堤にとって舞台での共演経験が多い、この上なく心強いメンツだ。

「この3人で小さな空間で芝居ができることがとても嬉しいです。これまでの段田さんとの共演舞台でも本当に勉強になることばかりでしたし、りえちゃんはとにかく真面目で頼りになる人。そんなふたりに共通して言えるのは、一緒にやっていて余計なことを考えないで芝居そのものに集中できるということ。だから今回心配なのは、僕自身だけってことですね(笑)」

 中でも段田は、堤にとって特別な、尊敬する先輩のひとり。

「普段は兄貴分みたいな感じで、関西弁で一緒にワーワー話していますが、同じ舞台に立った瞬間、高みに引き上げられるというか、それによってこちらも変われる感覚があって。昨年『民衆の敵』で久々にご一緒した時も、少しでも引っかかることがあると、演出家のジョナサン(・マンビィ)にどんどん質問をぶつけていくんです、役者の心の動きにものすごく素直に。しかも周りにいる僕ら役者たちにもわかりやすいように、ちょっとジョークも入れて演出家に問いかけてくれる。段田さんによって僕らもヒントをもらえましたし、いつの間にかそれが皆を巻き込むディスカッションに広がっていくことも多かったんです。段田さんにはいろいろな場面で助けていただき、勉強させていただいています。りえちゃんも、段田さんと共演した『コペンハーゲン』(16年)以来2度目の小川さんとの顔合わせですから、それぞれが一歩踏み込んだディスカッションを通して芝居作りができるのではないでしょうか。そういった役者との密なやり取りを今回小川さんも楽しみにしているんじゃないかと思います」

 演劇ファンならずとも期待せずにはいられない、巧者3人の化学反応。さらに近い日本を想起させるようなその衝撃的な内容には、考えさせられることも多いはず。

「これに近いことは、今もどこかで実際に起きているだろうと思います。それはとても怖くもありますが、だからこそ今、この作品を上演する意味があると思います」

(野上瑠美子)


『死と乙女』
9月13日(金)~10月14日(月・祝)
シアタートラム(東京都)
料金:全席指定-8,000円
【作】アリエル・ドーフマン
【翻 訳】浦辺千鶴
【演 出】小川絵梨子
【出 演】宮沢りえ / 堤真一 / 段田安則


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