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人気落語家・柳家喬太郎師匠の新作落語「ハンバーグができるまで」が舞台化され、3月20日(水)から24日(日)まで東京・博品館劇場にて上演されます。

脚本・演出を手掛けるのは、劇団「ペテカン」の本田誠人さん。喬太郎師匠とは主演舞台、主演映画でタッグを組んだ方です。

離婚した夫婦のとある一日と彼らの暮らす商店街の人々の姿を描いたこの作品は、渋川清彦さんと馬渕英里何さんが夫婦役を演じるほか、「ラッパ屋」の木村靖司さんや「ペテカン」劇団員の皆さん、そして喬太郎師匠も出演します!

※詳しくはこちら→→http://www.hbdm.jp/

げきぴあは、その顔合わせ&読み合わせに潜入してきました!

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△読み合わせの様子

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dororo_01.jpg 舞台「どろろ」鈴木拡樹

手塚治虫の傑作漫画「どろろ」を原作とした舞台「どろろ」の東京公演が3月7日に開幕した。出演は鈴木拡樹、北原里英、有澤樟太郎など。

本作は手塚治虫の傑作漫画「どろろ」を原作として舞台化するもの。

主演「百鬼丸」役には、鈴木拡樹、「どろろ」役は北原里英、「多宝丸」役は有澤樟太郎が演じる他、健人、影山達也、田村升吾、唐橋充、大湖せしる等が出演する。
脚本・演出は西田大輔が手掛ける。

 
本作の東京公演の初日前に公開舞台稽古が行われた。動画はこれを抜粋したもの。【動画2分】

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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キャラメルボックスの鍛治本大樹さんが気になる公演をチョイスして、稽古場からレポートをお届けする不定期連載【鍛治本大樹の稽古場探訪記】

 

第2回目はベッド&メイキングス『こそぎ落としの明け暮れ』です。

 

『こそぎ落としの明け暮れ』稽古場レポート


都内某所。

 

富岡晃一郎さん福原充則さんが立ち上げた、ベッド&メイキングスの最新作『こそぎ落としの明け暮れ』の稽古場にお邪魔した。

 

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作・演出を担当する福原さんの第62回岸田國士戯曲賞受賞後、初の長編書き下ろし作品ということで僕自身、注目していた舞台だ。

ベッド&メイキングスは、『墓場、女子高生(再演・2015年)』が初見だった。個性的な女優陣の魅力がこれでもかと引き出されてぶつかり合っているのが印象に残っている。


稽古場の感想を書く前に、ぜひとも脚本について触れておきたい。

今回、稽古場をレポートするにあたり、事前に脚本を読ませて頂いた。
もちろん新作なのでネタバレは出来ないが、全体的な展開もさることながら、一つひとつのやりとり、一人ひとりのセリフ、言葉ひとつとってもそのどれもが面白い。
決して大袈裟ではない"言葉たち"が、福原さんの手にかかるとまるで魔法にでもかかったように絶妙な掛け合いとなって、何度もムフフと笑ってしまった。

 

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役者として台本に向かう時、僕が心掛けている事がある。
それは「脚本(台本)とは、設計図である」ということ。

 
ある程度の造形の指針、骨格が書き記されてはいるけど、どんな素材の建材で立てるのか、そこにどんな壁紙を貼るのか、どんなインテリアを置くのかは、ひとまず役者に委ねられているであろうし、腕の見せどころだと思っている。

 
ところが、福原さんの書く脚本は、素材、色、インテリアまで指定されているような、完成写真を見せられているかのような緻密さで、読み手(役者)に迫って来る。

セリフを発する時の、声の大きさ、トーン、リズム、息遣い、テンポの正解が台本を開くだけで飛び出してくるような感覚。

 
これは面白い脚本である証でもあるけど、役者目線でいくと手強いなぁ......。 

そんな印象を持って稽古場へと足を運んだ。

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kosogi_01.jpg ベッド&メイキングス「こそぎ落としの明け暮れ」稽古場より

富岡晃一郎と福原充則によるベッド&メイキングスの舞台「こそぎ落としの明け暮れ」が3月15日(金)から東京芸術劇場で上演される。

ベッド&メイキングスは富岡晃一郎と福原充則が共同で主宰する劇団。「サルでもわかる哲学」をテーマに掲げ、「墓場、女子高生」をはじめ多くの傑作を上演。2017年3月に上演した「あたらしいエクスプロージョン」で、福原充則は第62回岸田國士戯曲賞を受賞した。 第6回となる今回のタイトルは「こそぎ落としの明け暮れ」。出演は富岡晃一郎をはじめ、安藤聖、石橋静河、町田マリー、吉本菜穂子、野口かおる、島田桃依、葉丸あすか、佐久間麻由という8人の女優が出演する。 なお、劇団としては初となる各地ツアー公演も予定されている。 今回エントレでは本作の魅力を探るべく稽古場にお邪魔し、『女優さんの言いたい放題!』と題した企画を用意。出演の女優陣(安藤聖、石橋静河、町田マリー、吉本菜穂子、島田桃依、葉丸あすか、佐久間麻由)に、富岡晃一郎と福原充則に対して、文字通りいろいろと言いたい放題に話してもらった。 【動画11分】 お題・・・この作品のスゴいところ/やめてほしいこと/前から聞いてみたかったこと/演技で悩んでいるところ/2人の好きなところ
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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3月8日(金)よりミュージカルレビュー「KAKAI 歌会 2019」 が開催されます!

ミュージカルファンのツボをくすぐる構成、選曲で人気を博し、今回で4回目の上演です。
構成・演出を手掛けるのは、ミュージカル「マリー・アントワネット」ルイ 16 世役、「レ・ミゼラブル」マリウス・アンジョルラス役、「ミス・サイゴン」クリス役等、ミュージカルで幅広く活躍する原田優一

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日本ミュージカル界の中核を担う実力派であり、近年は演出も手掛ける原田が率いるだけあって、出演者は実力派揃い
泉見洋平、出雲綾、今井清隆、田村良太、畠中洋、原田薫、愛加あゆ、宮島朋宏と、ツウも唸る歌ウマが揃いました!

正統派ミュージカルナンバーから、こんなアレンジを!? という意外な演出、笑いに振り切ったネタまで、観る者を飽きさせない2時間。
なんと登場する楽曲は合計71曲
大人のためのエンターテインメントステージ、ぜひお見逃しなく。

公演を控え、原田さんよりコメントが到着しました!

2015年、平田オリザ原作「幕が上がる」を映画・舞台化し、主演に起用したももいろクローバーZの女優として才能を開花させ、見事に高校生たちの群像劇を創り上げた本広克行。彼が、「幕が上がる」と同じ2015年に演出した舞台「転校生」(平田オリザ脚本)が、2019年夏に再演されることが決定しました。

本作品は1994年青山演劇フェスティバルで初演されて以来、高校演劇のバイブル的戯曲となっています。平田オリザ戯曲特有の「同時多発」会話で繰り広げられる、ある高校生たちの一日。他愛のない日々の会話の中に彼女たちの日常と社会への好奇心、あるいは大人達への不信感、将来への不安を垣間見る戯曲です。

まだ見ぬ才能と出逢いたい、そんな思いを継承し、初演と同じく全キャストオーディションにて実施する「転校生」。従来の作品は女子校が舞台で描かれていますが、本年はこの女子校版に加え、新たに平田オリザ氏が改定版として男子校バージョンを翻案、オリジナル女子校版と男子校新版の2バージョンの同時上演となります。


2019年夏、新たな才能との出逢いにご期待ください!

★★★★★★★★★

「転校生」あらすじ

ある高校の教室。高校生達の一日。課題図書や近しい人の病気や出産の事が話題になっている。

そこへ、「朝起きたらこの学校の生徒になっていた」と言う転校生がやってくる。

日々教室で繰り返されている他愛のない会話とともに「生」と「死」が同時に語られていく。転校生を受け入れながら、身近で起きている出来事をとおして、人間の存在の不確かさが浮かび上がる現代口語演劇の秀作。

★★★★★★★★★

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futariokuni_01.jpg 写真右から北翔海莉、峯岸みなみ(AKB48)

北翔海莉、峯岸みなみ(AKB48)らが出演するミュージカル「ふたり阿国」の製作発表が行われ、立ち回りと劇中歌が披露された。

本作は皆川博子 作『二人阿国』を原作とした新作オリジナルミュージカル。戦乱が絶えない時代に、突然現れた"阿国"と、彼女に憧れながらも同時に憎しみを抱き、のちに「二代目おくに」を名乗る"お丹"。彼女たち「2人のおくに」を中心に描いた物語だ。

阿国役は北翔海莉、お丹役は峯岸みなみが演じる他、玉城裕規、坂元健児、コング桑田、モト冬樹などが出演する。
脚本・歌詞は中屋敷法仁と田尾下哲、演出は田尾下哲が手掛ける。

 
本作の製作発表が行われ、製作発表用に特別に作られた「立ち回り」と、劇中で使われる楽曲が歌唱披露された。
動画はこれを収録・抜粋したもの。【動画2分】

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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現在、日本初演のミュージカル『最終陳述 それでも地球は回る』が好評上演中です。

天動説が信じられている時代に地動説を唱えた偉大な科学者ガリレオ・ガリレイと、今なお生み出した作品が世界中で上演され続けている偉大なる劇作家ウィリアム・シェイクスピア
同じ1564年生まれのこの偉人ふたりが、天国で出会ったら......という"if"から、自分の信念を貫くこと、夢を追いかけることの難しさや尊さを描く物語です。

出演者は2名のみ。
主人公のガリレオ役の俳優と、
シェイクスピアをはじめコペルニクス、ミルトンからフレディ・マーキュリーまで、ガリレオ以外の登場人物すべてを演じる"マルチマン"役の俳優だけ。

ガリレオ役はトリプルキャストで佐賀龍彦さん、伊勢大貴さん、山田元さん。
シェイクスピア役はダブルキャストで野島直人さん、加藤潤一さんが演じます。
※伊勢さんは2/27に、加藤さんは2/28に千秋楽を迎えます。

稽古場取材、開幕レポートとお伝えしてきたげきぴあ、今回はガリレオ役をトリプルキャストで務めている、佐賀龍彦さん、伊勢大貴さん、山田元さんにインタビュー!

なおインタビューは、伊勢ガリレオ&加藤マルチマンの回の終演後に行われました。

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佐賀龍彦×伊勢大貴×山田元 INTERVIEW

 

● 開幕後1週間、現在の心境は

 
―― 開幕して約1週間です。まずは現在の率直な心境を教えてください。
 
伊勢「(即答で)大変です! 全然楽じゃない...」

山田「それは、そうだね」

伊勢「1公演終わったら、足がガクガクするし...」

佐賀「イセダイ(=伊勢)、終わった瞬間に倒れこんだりして。...舞台が終わってからもそういう演技するんだぁ、と思って(笑)」

伊勢「ヤメロ。そういうことじゃねぇ(笑)」

佐賀「あれ、そういうことじゃないの!? でも、それだけ入り込んでいるって、すごいことだよ」

山田「そうだね、最終的に描かれるのは「ガリレオの終着点」だから。色々な出会い、歌、すべてを経ての、最後のあのシーン。やっぱり最後はエネルギーを出しつくしますよね。...と言っても僕はまだ1公演しかやっていないんですが。初日やって、それから全然やっていない(苦笑)」
※山田さんは2/14の初日に出演後、1週間ほど登板があいてしまっていました。

伊勢「怖いでしょ」

山田「いま、不安しかない...」

伊勢「ですよねぇ。佐賀さんはどうですか、慣れてきました?」

佐賀「だいぶ仕上がってるよ!」

伊勢「本当ですか、色々きいてるぞ(笑)」

―― まあまあ(笑)。伊勢さんは先ほどガリレオとして生きたばかりですが、今日はどんな心境でしたか。

伊勢「本当に、ガリレオはマルチマンとお客さまに導かれているんだな、というのが、実際にお客さまの前に立って一番わかったことです。みんなに見守られて...ではないですが、みんなと一緒に旅をして、最後にガリレオがどう思うのか、日によって感情が違う。最後に、照明と一緒にひとつひとつの物語が消える、という演出があるのですが、いい思い出も浮かぶし、辛い思い出も浮かぶ。それが日によって違ってくる。役者をやっていて幸せだなと思う最後のシーンをいただいたって思います」

佐賀「いい話だねー」

▽ ガリレオ=伊勢大貴02_20190215 63.jpg


―― では佐賀さんは、ガリレオとして舞台に立って、どんなお気持ちでしょう。

佐賀「僕も本番が開けてからだいぶ作品に対する印象が変わりました。実は劇場に入って、ゲネプロをやった時に、自分の中で筋が通っていない部分が明らかになってしまって。これはイカン! と、そこから色々修正して、繋げることができた。ガリレオという人物が幕開きから最後のシーンまで旅をしている、というのが自分でも感じられて、今は楽しいです」

伊勢「佐賀さんは毎回、違うんですよ。本当にその日を生きている。安定しないところが魅力的なんだろうなって思う。その分、マルチマンは大変だろうけれど、それも楽しいんだろうな」

佐賀「いや、でも僕だけでなく、マルチマンも毎回違うから、こっちも変わってくるんだよ」

伊勢「佐賀さんは、すごい純粋なんだろうなって思う。芝居自体がピュア。受けの芝居というか、受ける脳がピュアなんだと思う」

▽ ガリレオ=佐賀龍彦01_0029.JPG


佐賀「でもふたりとも、その場その場で起こったことを、すごいキャッチするじゃん! すごいなーと思うよ」

山田「頑張りたい...」

佐賀「頑張りたい?」

山田「フレッシュでありたい」

伊勢「元さんはでも、対応力が高いよね。ちゃんと脳を通して話しているから、相手がどんな角度からきても、ちゃんと受けて、成立させられる人だと思う」

佐賀「あと元ちゃんは、普通に立っていてもガリレオっぽい!」

山田「ガリレオっぽい?」

伊勢「っぽい! 一番、元さんが科学者気質を持ってるのかもしれない」

山田「あぁ、一見すごく思慮深そうに見える、と(笑)」

―― では山田さん、1週間前の感想になるんですが...。

山田「そうなんですよ...。でも初日の前にゲネプロをやって、その後にメンバーでディスカッションをしたんです。気持ちの持っていき方とか、全体がどう見えているか、というようなことをみんなで話して。それで、俯瞰する視線を持って初日に挑んだら、ゲネプロと本番ではまったく感じ方も、ガリレオとしてのアプローチも変わりました」

佐賀「へぇ~。どう変わったの?」

山田「みんなで話していたことなんだけど、この話はガリレオが宗教裁判にかけられているシーンから始まり、最後もそこに戻っていく。自分が処刑される...という思いを、どこまで引っ張るか、その演技と歌唱のバランスをどう成立させるか。初日はそれが、ここまで難しいのかと改めて感じたんです。今それを咀嚼して、明日からまた自分がどうなっていくのか、楽しみであるし、ちょっと不安もある、というところです」

▽ ガリレオ=山田元03_20190214 21.jpg


―― 皆さん、ふたり芝居は初めてですよね。

全員「はい」

山田
「あたりまえなんですが、やることが多い。俳優ひとりの負担が大きい」


伊勢「いや凄いですよね。家で練習しようと思って最初からはじめたら、通し稽古と同じくらい時間がかかる(笑)。なんだこれ!ってなりました」

―― 冒頭から1時間くらい、出ずっぱりですか?

伊勢「僕らガリレオさんは、1時間20分、(袖に)引っ込まないです」

山田「捌けるのは1回だけだもんね。フレディのソロの間だけ」

伊勢「あの時間は僕らにとって、超大事! なんですよ!! その時に、佐賀さんの買ってきてくれた蜂蜜をよく食べています」

山田「あ、そんなことしてるんだ」

伊勢「蜂蜜はめっちゃ利きます。最後にもうひと踏ん張り頑張るエネルギーのカケラみたいなものがもらえる」

佐賀「即効性があるんだよね」

伊勢「あるあるある。本当に佐賀さんが言ったとおり!」

―― 劇場としても、とてもお客さまが近い作りです。実際に舞台に立ってみていかがでしょう。

伊勢「でも、いいオーディエンスです。最初の裁判のシーンでは、僕は皆さんのことを裁判の傍聴人だと思ってやっている。ひとりひとりの目を見て蔑んでみたり、逆に恋人だと思ってひとりを見つめることもできる距離感。楽しいです」

山田「僕は、お芝居を始めた最初はこれくらいの...もっと小さい、50人・100人のキャパシティの劇場でやっていました。6年ぶりくらいにこの規模の劇場に出演して、俳優としてテンションがあがっています」

伊勢「わかります、それ!」

佐賀「僕も慣れました。皆さんの温度感もすぐ伝わってくるから、何の違和感もなくやっています」

伊勢「いいですよね、この感覚。一体感が生まれやすい環境で。特にこのミュージカルはガリレオの旅路を描いていますし、どこかに向かっているときは応援してもらいやすい。だからこそ最初のシーンで引きつけていかないと、お客さんの気持ちがどんどん離れていっちゃうという緊張感もありますが。でも楽しい」20190215 496.jpg

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歌にダンスにとパワフルなステージを見せつけたコンサート『REON JACK3』。コンサートを成功させた柚希礼音が新たな挑戦を始めている。今年5月から7月にかけて、東京と大阪で上演されるone-man show Musical『LEMONADE』がそれだ。宝塚歌劇団のトップスターとして数々の功績を残し、退団してから3年。女優・アーティストとしてリスタートを切ってからも、大作ミュージカルへの出演やソロコンサート、CDリリースと、常に走り続けてきた柚希。宝塚で初舞台を踏んでから20年となる2019年に、あえて"一人芝居"を選んだ今の心境とは。都内で行われた『LEMONADE』のビジュアル撮影に足を運んだ。

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明りを落としたスタジオに、タンクトップの上に薄いオーバーサイズのシャツを重ね、ゆったりとしたパンツを身に着けた柚希が浮かび上がる。足元は、素足にブーティ。全身を白でまとめ、ゆるくパーマがかった栗色の髪とあいまって、カッチリとしたビジュアル撮影というよりは、写真集やファッション誌の撮影のような親密な空気が漂う。カメラマンやメイクらスタッフ陣となごやかに意見を交わす柚希も、リラックスした表情だ。

撮影は3パターンに区切って行われた。まずは、シャツのえりもとをゆるめた格好で、アンティーク調のテーブルの上に座ったポーズ。柚希は物憂げな表情から、何かをじっと見つめるような顔つきへと、少しずつ"演技"を変えてシューティングに挑む。

次に、これもアンティーク調の鏡を使ったパターンに移った。柚希は顔を鏡に寄せて、自分自身に何かを問いかけているような雰囲気。思いつめたような表情は、これまでの柚希の舞台や役どころでは、あまり見かけないものだ。

最後のパターンは、白い壁をバックに裸足で立つ姿。前の2パターンとは異なり、柚希は射抜くような眼差しでカメラを見据える。先ほどまでゆったりと流れていた空気が一気に引き締まり、柚希が何かの役に入り込んでいることが分かる。そうなると、白づくめの服も、役どころに深く関わっているのだろうか。

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撮影を終えたばかりの柚希に確認すると、主人公は"身体を壊して無菌室に入ることになったキャリウーマン"ということが判明。さらにスタッフからも"心も壊れて、やがて多重人格が浮かび上がる"との設定が明らかにされた。撮影での何かこころもとないような表情から、強くまっすぐな眼差しへの変化は、そういうことだったのかと納得だ。

「もうプロットを読んでいたので、撮影は役をイメージしてのぞみました。写真の雰囲気も、いつもの私とは違った仕上がりで新鮮でしたね」と、いつもの明るい表情に戻った柚希は笑う。作・演出は、ミュージカルの演出のほか、脚本家・作詞家としても活躍する小林香。この脚本も、同世代の女性同士として、柚希とのセッションを繰り返す中で生まれたものだとか。

「私がこういう心身を病んだ役どころって、意外かもしれないですね(笑)。でも今の世の中で、ふだん女性たちが感じていることをデフォルメして描いたら、意外とこういうことなんじゃないかとも思います」と、ふと真面目な表情になった柚希。続けて「だから、ご覧になった方にも、どこか『他人ごとではない』と感じてもらえるように、リアルに演じるつもりです」と話した。

それにしても"一人芝居"である。過去にも高いハードルを乗り越えてきた柚希だが、初めての試みに逡巡はなかったのだろうか。

「確かに一人芝居というと長ゼリフが延々と続くイメージがあるし、実際に一人芝居を経験された方たちも、皆さん『1人は怖いよ~?』とおっしゃっていて。どうしようとまず思いました」と、柚希は率直な気持ちを吐露。「でも演出の小林さんに、『1つのストーリーの中に、歌もダンスもあるミュージカルの形でやりたい』と聞いて、そこは普段やっている舞台に近いなと、少しホッとしたんです」と語る。

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そして「いつもとは違う」のはもう1つ。東京での上演が、客席数200余の小劇場〈CBGKシブゲキ!!〉で行われるということだ。

「これまで経験した一番小さい劇場は〈宝塚バウホール〉(500余席)だったので、今度のシブゲキは半分以下なんですよね。私は大劇場の客席から見て分かりやすい"遠目スタイル"の芝居をやってきたので、今回は本当にどうなるか分かりません。でも小劇場って、よく『(舞台と客席の)距離が近くていい』とか、『汗や息遣いを感じられる』と聞きますよね。私も汗を飛ばしながら(笑)、小劇場という空間を楽しみたい」と柚希は意気込む。

芸歴20周年を迎える2019年は、本作のほか、ストレートプレイやミュージカルなど話題作が目白押しだ。

「本当にすべてが挑戦なのですが、『難しいことにチャレンジしなさい』と言って頂ける環境がありがたいです。今年も守りに入らず、ますます攻める一年にしたいですね」。

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取材・文/佐藤さくら

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ミュージカル俳優としても活躍中のシンガーソングライター、中川晃教さんの新譜「中川晃教 弾き語りコンサート2016 in Hakuju Hall」が発売になりました!

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初の弾き語りライヴ! 広がるピアノと歌の美。
2016年におこなわれた中川晃教にとって初めての、全曲弾き語りのコンサート。
当盤はそのライヴ・レコーディングで、会場の緊張感と、繊細な息づかいまで収めた、貴重な一枚となっている。
楽曲は彼のライフワークでもある「POPSSIC」(ポップスとクラシックの融合)から一曲、優美で華やかなチャイコフスキーの「花のワルツ」を中川独自の世界観で表現している。
そして、ダニーボーイに新たな歌詞をつけて「星」というタイトルで発表。
彼のシンガーソングライターとしての幅広い才能が溢れる 全14曲。伸びやかな歌声と、自由自在にコントロールされた歌唱技術が楽しめる作品。

オクタヴィア・レコード《エクストン・ラボラトリー・ゴールドライン》より2/20発売!

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