人気落語家・柳家喬太郎師匠の新作落語「ハンバーグができるまで」が舞台化され、3月20日(水)から24日(日)まで東京・博品館劇場にて上演されます。
脚本・演出を手掛けるのは、劇団「ペテカン」の本田誠人さん。喬太郎師匠とは主演舞台、主演映画でタッグを組んだ方です。
離婚した夫婦のとある一日と彼らの暮らす商店街の人々の姿を描いたこの作品は、渋川清彦さんと馬渕英里何さんが夫婦役を演じるほか、「ラッパ屋」の木村靖司さんや「ペテカン」劇団員の皆さん、そして喬太郎師匠も出演します!
※詳しくはこちら→→http://www.hbdm.jp/
げきぴあは、その顔合わせ&読み合わせに潜入してきました!
△読み合わせの様子
顔合わせは、プロデューサーの挨拶からスタートし、和やかな雰囲気のなか、まずはスタッフ、出演者一人ひとりの自己紹介から始まり、その後、本読みへと流れていきました。
△挨拶する喬太郎師匠
キャストの半数以上は「ペテカン」劇団員の皆さん。皆さんは役者以外にも衣装や小道具、振付なども担当します。劇団ならではですね!
この日は、バンド「In the Soup」のボーカル&ギター・中尾諭介さんも!作品に主題歌があるのですが、それを中尾さんが担当するそう。読み合わせでは生歌も披露してくださいましたよ!
△本作に向けて描き下ろした楽曲を披露する中尾さん
喬太郎師匠は「今回、僕の自作の落語をお芝居にしていただけるということで」と喜びを伝えながらも「もし物語に文句のある方は、脚本を手掛けた本田さんにお願いします!」とコメント。すると本田さんも「作品の文句は受け止めます。ただ、もともとこの企画が立ち上がったのは、喬太郎師匠が雑誌で『ハンバーグができるまで』をペテカンさんで舞台化してくれねーかなと話したのが発端でございます。企画自体に文句がある方は喬太郎師匠に!」と反論(?)。キャスト・スタッフ大笑いでした。
△喬太郎師匠に反論をする脚本・演出の本田さん(中央)。和やかな雰囲気の顔合わせです。
自己紹介のあとは舞台セットの説明などがあり、早速読み合わせに!
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あらすじ ※HPより
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うだつの上がらないバツイチ中年"マモル"と、近所にあるいつもの商店街。その日は珍しく、マモルが出来合いの弁当や惣菜ではなく食材を買い歩くことから、商店街の個性的な面々が突拍子もない憶測を抱き、その憶測は「商店街緊急連絡網」でさらにエスカレート。これらの食材の買い物は、かつての妻"サトミ"に頼まれたもので、サトミの最後の手料理とともに訪れて来た理由を告げられ、マモルは途方に暮れる...。
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「商店街緊急連絡網」などからもわかるように、主人公・マモルが暮らす町の商店街の皆さんは少々"おせっかい"でにぎやかな人たち。マモルも、商店街を歩けば「マモルちゃん!」と声をかけられます。
商店街の人たちは一人ひとりのキャラが濃厚!その勢いに巻き込まれながらも、マモルはマイペースに淡々と暮らしています。渋川さん独特のローな空気が良い味!
マモルの過去の記憶として登場するサトミ(馬渕さん)とのシーンも素敵。特別にドラマチックなことが起きるわけではないのに、一つひとつの掛け合いから伝わるものがあるのがさすが。おふたりは初共演だそうですが、長く一緒にいたふたりだからこその雰囲気がすでに漂っていました。
気になる師匠の役柄は、幕が開けてのお楽しみ。ただ、劇中で師匠の"まくら"(落語の演目への導入のトーク)が日替わりで聴けるシーンもありますよ! この日はある落語家さんとの食事の時のエピソードを披露され、キャスト達も楽しそうに聴いていました。
物語の軸は落語の『ハンバーグができるまで』と同じですが、25分ほどの原作を2時間以上に膨らましているので、舞台ならではのエピソードもたっぷり。原作である落語の『ハンバーグができるまで』をご存知の方は「そこがそうなるんだ!」「師匠以外が演じるとこうなんだ!」というような楽しみ方ができるし、初めて観る方は原作が落語だからこその一味違うお芝居が楽しめるはず。賑やかで、楽しくて、笑えて、だけどほろっとくるような、そんな作品になりそうだと感じる読み合わせでした!
公演は3月20日(水)から24日(日)まで東京・博品館劇場にて。
取材・文:中川 實穗
撮影:イシイノブミ