舞台「みみばしる」松居大悟×石崎ひゅーい対談

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FMラジオ局J-WAVEと劇団ゴジゲン主宰・松居大悟がコラボレート。ラジオ番組「JUMP OVER」(J-WAVE/CROSS FM 毎週日曜23:00-23:54 ON AIR)にて、本作「みみばしる」という舞台をリスナーと共に創っていく、ラジオと演劇の垣根を越えるプロジェクトは、まさに白紙の状態からスタート。出演者を演技経験不問のオーディションで選出、応募総数は824名。宣伝コピーも集まった1,041案の中から決定。主演の本仮屋ユイカとの台本打合せや、音楽監督の石崎ひゅーいとの音楽会議、舞台スタッフとの美術打合せまでラジオで公開。さらに作品タイトル『みみばしる』の定義までもリスナーと相談!"受信者だったリスナーが主役になる!?"という境界線を越える舞台公演を創り上げています。そんな本作について松居大悟さんと石崎ひゅーいさんに聞きました!

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----「みみばしる」のチラシには主演の本仮屋ユイカさんと作・演出の松居大悟さんと音楽監督の石崎ひゅーいさんの3人が写っていますね。

松居 そうそう。舞台に出ない2人が表に出てるっていう(笑)。

----(笑)そこなんですよ。演劇のチラシとしては珍しい形だと思いますが、松居さんは本作の制作を始まるにあたって、まず最初に石崎さんに声をかけました。その理由からお伺いできますか。

松居 単純に、J-WAVEと演劇を作るっていうお話をいただいたときに、まず、J-WAVEには15分に一回、音楽を流すっていう慣例があるし、お芝居も絶対に音楽は必要だなって思って。そこで、いろんなところから曲を寄せ集めたりするよりは、音楽家と一緒にがっつり組んで、この劇のための音楽、その音楽のための劇を作れたらいいなと思って。しかも、2018年の2月にレギュラー番組「JUMP OVER」がスタートしてから、1年かけて作るってなった時に、ひゅーい以外に考えられなかったです。ひゅーいとは気を遣わないで全部言いあえるし、音楽で何かを変えてくれたりする。一緒に並んで走れる。例えば、尾崎世界観(クリープハイプ)だと、どうしてもぶつかっちゃうんで。
石崎 あははははは。
松居 お互いに「手の内、明かしたくない」ってなっちゃうから(笑)。同じ方向を見て作りたいなと思って、一昨年(2017年)の秋に、下北沢の三日月ロックっていう焼き鳥屋さんで話をして。
石崎 また松居くんらしい、イカれた企画だなって思いましたね(笑)。僕もやったことがないことなので、今も試行錯誤っていう感じなんですけど、めちゃめちゃおもしろそうだなって。本当に"音楽を作る脳"と"劇を作る脳"でキャッチボールをしてるので、まだどんなものになるのかはわからないけど、たぶん、誰も作ったことのないものになるだろうなと思います。
松居 ひゅーいが「なんかおもしろそう! やるやる!!」って言ってくれて安心したし、そこからもうワクワクして。僕の映画にひゅーいが出てもらうとか、ひゅーいの曲に僕が映像をつけるっていうことじゃなくって、一緒にものを作るっていう試みに。

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----ひゅーいさんが出演した松居監督の映画「アズミ・ハルコは行方不明」やひゅーいさんのMVを松居監督が手がけた「花瓶の花」とは違う関係性っていうことですね。

石崎 そうですね。でも、やっぱりやりやすいですね。こうやって、誰かとがっつりものを作るっていうことってなかなかないチャンスなんですけど、松居くんは「なんかワードちょうだい」って言うと、ワードをくれたりするんですよ。そこから広がったりもするし、ソングライティングとしても、新しい扉を開いてもらってる感じがして。今の所、めちゃめちゃ楽しんでやりそうなだなって。喧嘩はしなそう。
松居 揉めてないですね。脳みそが全然違うから、いい意味で振り回されるんですよね。それが劇に影響されていくっていうのは初めての感覚ですね。例えば、ワードちょうだいって言われて、「流れ星が昇る」って言うと、そんな感じの曲を作ってくれて。それがまた、すごくいい曲だったりして。
石崎 松居くんがくれた言葉に僕がメロディをつけるっていう。松居くんが考えていることをどう音にしていくかっていうような作業がすごく面白いですね。
松居 昨日の夜に送ってくれた曲もすごくよかったな。僕が悩んでた芝居のシーンが、その曲の方向性によってこうすればいいんだっていう解決作が浮かんだりして。結構、往復しながら作ってる感じ。
石崎 そうやって、僕が発信したことも受け止めて、劇が変わったりすることもわかったので、これはやり合いだ! と思って(笑)。しかも、松居監督は「稽古の最中も人によっても変わってくるだろうから、あまりガチッと決めないで」とおっしゃってて。そこも面白いなと思ってますね。

----一度、作り上げたメロディラインや曲の構成を稽古場で変えていくこともありですか?

石崎 うん。全然変わっていっていいと思うし、そうじゃないと、この舞台はダメなんだろうなって思いますね。キャストを選んだ時も、これをどうやって松居君は束ねていくんだろうってくらい、すごい個性に溢れてて。顔合わせで一人ずつ挨拶していったんですけど、もう濃すぎて、僕は、その段階で舞台を見ているみたいな印象を受けたんですよ。変な話、みんなの挨拶がセリフに聞こえてくるくらい、一人一人の個性が濃くて強いから、僕が持っていった音楽や松居くんが考えた本もどんどん変わっていくんだろうなって思ってます。
松居 脚本もすでに変わってますし、変わっていくべきだと思ってて。脚本を作るのって、基本は一人で書いて、出来上がったものをスタッフと共有して、役者と合わせたりするので、本当に0から1の部分を一緒に作ったりするは今回が初めてなんですよ。まだどこにたどり着くのかが見えないのがすごく楽しいですね。

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nego_t15.png T-works「THE Negotiation」丹下真寿美&村角太洋インタビュー

丹下真寿美のユニット T-worksの第2回公演『THE Negotiation』が3月8日から大阪・HEP HALLで、3月13日から東京・シアターグリーン BOX in BOX THEATERで上演される。

T-worksは関西を拠点として活動している丹下真寿美の魅力を全国に発信するために、女優・丹下真寿美とプロデューサー・松井康人により結成されたプロデュースユニット。 第1回は、後藤ひろひとが1996年に書いた「源八橋西詰」を上演。3つのストーリーからなる作品で、丹下は全く異なる3つの役を見事に演じ切り、大阪のみならず東京のファンからも好評を博した。 そして、第2回となる今回のT-worksは、関西の人気劇団 THE ROB CARLTONの村角太洋が作・演出を担当する。 とある高級ホテルの一室での交渉事がテーマとのことだが、いったいどんな作品になるのか、丹下真寿美と村角太洋に話を聞いた。【動画5分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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井上芳雄
さんがホストを務め、日本ミュージカル界のレジェンドたちをゲストにトークをする「レジェンド・オブ・ミュージカル」

松本白鸚さんをゲストに迎え、昨年12月14日に開催された「vol.3」のレポートをお届けします。
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ここ数年、日本ミュージカル界には追い風が吹いています。
上演される作品もブロードウェイ作品、ウェストエンド作品のみならず、バラエティに富んだタイプの作品が上演され、さらにミュージカル俳優の映像進出も広がり、客層もどんどん広がっています。

長年 "ミュージカル界のプリンス" の称号と重責を背負っている井上さんは、「この状況をありがたく思う度に、日本ミュージカルの創生期に活躍された先輩方の情熱に思いを馳せて」きたそうで、「どうやってここまでたどり着いたのだろう」「過去を知ることは、未来を知ること」「これから先、どうすれば日本のミュージカル界はもっと盛り上がっていけるのか探りたい」と、このシリーズを自ら企画。第1回は草笛光子さん、第2回は宝田明さんをレジェンドとして迎え、先人の苦労やエピソードを紐解いてきました。
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そして第3回の今回、「最高潮に緊張しています」と話しながら、白鸚さんのプロフィールを紹介。


★松本白鸚
初代松本白鸚の長男。初舞台は3歳。
歌舞伎だけでなく現代演劇、映画、ドラマとあらゆる方面で半世紀以上第一線を走り続けている名優。
1949年に市川染五郎(六代目)、1981年に松本幸四郎(九代目)を襲名。
そして昨年・2018年1月に「二代目松本白鸚」を襲名した。

なお、東宝が初めて海外ミュージカルを上演したのが、1963年の『マイ・フェア・レディ』。
その2年後の1965年に22歳で白鸚さんは日本初演のミュージカル『王様と私』(日本初演)に初主演。
翌1966年、『心を繋ぐ6ペンス』を芸術座で初演。
1967年、日本初演の『屋根の上のヴァイオリン弾き』にモーテル役で出演。
1969年、日本初演の『ラ・マンチャの男』に主演。
1970年には、『ラ・マンチャの男』で、日本人として初めてブロードウェイで主演。
1972年、オリジナルミュージカル『歌麿』に主演。
1990-91年、『王様と私』でウェストエンドで主演。


白鸚さんのミュージカルでの代表作でもある『ラ・マンチャの男』は今年・2019年公演も発表になっています。
実に半世紀にわたり演じてきた『ラ・マンチャの男』の話、歌舞伎俳優である白鸚さんがミュージカルに出演することになったいきさつ、「ブロードウェイ」といっても日本人の大半がピンと来なかった当時の話etc...を、軽快な井上さんのMCで、たっぷり語ってくださいました。
 


 

白鸚さんの第一声は、自身の登場前にそのプロフィールを語った井上さんに対し、「あなた上手いですね、司会が」
その後、この日の会場である日比谷・シアタークリエの客席を見渡し「この劇場、懐かしい。昔は芸術座と言いましたが、19歳の時に出演していたんです......その頃、井上ヨッシーなんていなかったもんね」という話から、「娘の松たか子がヨッシーと呼ぶから......。ヨッシーでいいですか?」
井上さん、恐縮しきりです。
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こんにちは、ゴジゲンの松居です!

2019年になりましたね。
イノシシ年ですね。
僕はといえば、稽古の真っ最中です。

そうです、みんな大好き舞台のお知らせです!!

J-WAVE30周年を記念して、
初めてJ-WAVEが演劇をやります。
そこに呼んで頂きました。
(ゴジゲン10周年もこっそり混ぜてもらってます)

そして、悲願の、本多劇場です。
2013年、2017年と2回中止になってきたので、3度目の正直で、ついに本多劇場でやります。
主役は本仮屋ユイカさん、音楽監督に石崎ひゅーいさん。ゴジゲンメンバーも出ます。

舞台「みみばしる」
2月6日~2月17日 東京・本多劇場
2月23日~2月24日 福岡・久留米シティプラザ久留米座
3月1日~3月3日 大阪・近鉄アート館
https://mimibashiru.com/ 

さらに書きますと、
去年2月からJ-WAVE/CROSSFMさんで
毎週日曜夜23時から「JUMP OVER」というラジオ番組をやらせてもらっていて、
そこで1時間、稽古場ラジオと称して、
舞台の制作過程を伝え続けてまいりました。

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※リスナーのSUGIMONさんにイラスト描いてもらいました

リスナーさんに色々と相談しながら舞台を作ってるのです。
台本の相談や、公開音楽打合せや、フライヤーコピー募集、出演者オーディションなど。。
今もやってますので、興味あるかた聞いてみてください!舞台が好きなら絶対楽しめます。タイムフリーで前のも聞けます。

そんなわけで、ラジオ局と組んで、
ラジオ局と組むことでしか作れない舞台をやります。
主人公はラジオリスナー。
受信者が発信者になっていく物語です。
決してオシャレにするつもりはなく、小劇場出身バリバリで、不健全なおもしろい劇を作るつもりです。
美術も立て込みまくってるし、ミュージシャンの生演奏もあります。

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※役者もラジオ番組内で呼びかけたオーディションで決めました

アフターイベントも全ての回でやる予定ですし、
見に来たら、チケット代に見合うかそれ以上のものを体験できることを約束します。

チケットはこちらから!

チケット、だんだんと減ってきておりますので、
ぜひ今!お買い求めください。
待ちきれない方はラジオ聞いてください!日曜夜です。

では、劇場で会いましょう!!!
たのむよ!!!

松居大悟

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海老蔵が2020年に十三代目團十郎襲名へ

 

2020年5月より、市川海老蔵が十三代目市川團十郎白猿襲名披露長男・堀越勸玄が八代目市川新之助初舞台を行うと発表された。

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1月14日に歌舞伎座で行われた会見には、海老蔵と勸玄、松竹(株)代表取締役社長・迫本淳一氏、同副社長・安孫子正氏が登壇した。

 

海老蔵は「この度わたくし、十三代目市川團十郎白猿を襲名させていただく運びと相成りましてございます。歌舞伎界にとりまして大変大きな名跡でございます。このうえは己の命の限り、懸命に歌舞伎に生きて参りたいと思う所存でございます。まだまだ未熟、不鍛錬で御座いますれば、皆さまがたにおかせられましては何卒ご指導ご鞭撻のほどをひとえに、そしてお見捨てなきよう、よろしくお願い申し上げる次第でございます」と挨拶。

 

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続けて勸玄も「このたび、父も名乗っておりました、市川新之助の名跡を八代目として相続いたします。どうぞよろしくお願いいたします」とハッキリした声で堂々と挨拶した。

 

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安孫子正副社長は襲名興行について次のように説明。

「5月、6月、7月は東京の歌舞伎座で公演いたします。5月は初日の日程を調整中ですが、25日間の興行を予定しております。6月は1日から25日間、7月は1日から20日まで三部制の公演をさせていただくことになりました。新之助さんはどの月に出演されるかは決まっておりませんが、歌舞伎座公演のうち、ひと月かふた月、ご出演いただければと考えております。

各地での襲名披露興行ですが、11月に福岡の博多座を皮切りに全国を巡演いたします。博多座は2020年11月15日から29日までの三部制、2021年2月は大阪・松竹座で7日から21日までの三部制、4月は名古屋・御園座で4日から18日までの三部制、11月は京都・南座で7日から21日までの三部制で上演いたします。(3月と9月は各地を巡業)」 

「妖怪アパートの幽雅な日常」開幕!

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youapa1.jpg "妖アパ"として親しまれる児童文学のベストセラー「妖怪アパートの幽雅な日常」が漫画化、アニメ化に続いていよいよ舞台化され、1/11(金)に紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで開幕した。

主人公の高校生・稲葉夕士役に、舞台『「刀剣乱舞」悲伝 結いの目の不如帰』など主に2.5次元作品で実力を積み上げてきた前山剛久。ほか小松準弥佐伯亮谷佳樹らが顔を揃える。演出は、4月上演の「僕のヒーローアカデミア」舞台版の演出も決まっている元吉庸泰。初日公演に先駆けて行われたゲネプロの様子と、メインキャストが登壇した囲み会見からコメントを紹介する。

 3年前に両親が他界し伯父夫婦に引き取られた夕士は、高校入学を機に自立を試みるが、入居予定の寮が火事で全焼してしまう。代わりに見つけたアパート「寿荘」はなんと、幽霊や妖怪たちが同居人! 戸惑いながらも、フシギな仲間に囲まれた夕士の新たな日常が始まる......。

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 キャラクターのビジュアルは漫画版を踏襲。そのいわゆる2.5次元のキャラクターに、しっかりと命が吹き込まれている印象だ。2.5次元舞台にはつきものの、歌やダンスといった派手な見せ場はない。代わりに、豊かなアイデアとアナログな温もりに溢れている。例えば、鳥やはたまた"気配"といった人以外のものはCGなどに頼らず、トップダンサー・三井聡の卓越した身体表現で見せる。「寿荘」の住人でキレ者霊能力者・龍さんを演じる佐伯が、「ダンサーの三井さん、そして幽霊や妖怪が実際に出て来るパフォーマンスが本当にすごいので観てください!」と絶賛していたのも頷ける。ゲネプロ前の会見でキャストが口々に「丁寧」という言葉を使っていたのも、実際に観て納得。妖怪などキャラクターの奇抜さに目を奪われがちだが「妖アパ」の根幹は、普通の男子高校生・夕士が、人間社会を生き抜く上で大事なことを異界の者たちから教わる成長物語。そうしたドラマ部分が丁寧に紡がれ、また演劇ならではの表現と相まって、舞台として非常に見応えがあるのだ。「話の展開はそんなに速くないけどその分、内容は深く掘り下げていて、登場人物の考えていることや関係性はすごく丁寧に描かれている」と、主演の前山。特に印象的だったのは、謎の少年・クリにまつわるシークエンス。辛すぎて受け止めきれないようなクリの過去を知った夕士が感情を爆発させ、両親との死別以来、「気持ちに蓋をしてきた」自分をある意味、解放する。前山の演技力と経験値が生きる場面でもある。

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大半の場面が「寿荘」を舞台に展開するが、小松演じる夕士の親友・長谷泉貴(みずき)はアパートに立ち入らず、手紙を通じて夕士と交流する。舞台版オリジナルの手法だが、夕士の"非日常な日常"を客観的に見つめる傍観者として、その存在が効いている。「みんなからは見えないけど、夕士の心の変化を感じて、常に一緒にそこにいるという大切な役割を担わせていただいています」と小松。そして谷は、フレンドリーに夕士を受け入れる「寿荘」の住人・一色黎明役。「長谷とは立場が違い、夕士の揺れ動く心情をアパート内で、親目線で見守るような存在です」と語った。

 主演・前山からは、「この舞台を観ると、『普通とは何か?』を考えると思います。自分の普通が当たり前だと思ってしまい、それぞれの答えが違うというのを理解するのは難しいけど、その境界線を踏み越えていく勇気をもらえる作品です」と、観客への力強いメッセージ。余韻を残すラストを胸に劇場の外に出れば、観る前とは少しだけ違う自分を発見できるかもしれない。

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取材・文/武田吏都

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【レベッカ #7】東京公演初日前会見レポート

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■『レベッカ』特別連載vol.7■
 
 

『エリザベート』『モーツァルト!』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』で知られるミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビが手掛けたミュージカル『レベッカ』 、東京公演が8年ぶりに開幕しました!


物語は、ヒロインの「わたし」がイギリスの大金持ちである上流紳士のマキシムと恋に落ち結婚するも、彼の所有する広大な屋敷 "マンダレイ" に色濃く落ちる前妻・レベッカの影に追い詰められていき......というもの。
アルフレッド・ヒッチコック監督映画でも知られる名作ですが、このミュージカルではサスペンスフルな展開に、巨匠リーヴァイ氏の流麗な楽曲がマッチし、独特の世界を生み出しています。

この作品、日本初演は2008年。前年に開場したシアタークリエのこけら落としシリーズとしての上演で、クリエでの3作品目、ミュージカル作品としては1本目の登場でした。
そんな記念すべき作品が、10年ぶりに同劇場に帰ってきました!
(2010年の再演は帝国劇場での上演でした)


今回は1月4日に行われた、<初日前会見>の様子をレポートします。
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初演から主人公マキシムを演じている山口祐一郎さんは次のように意気込みを。
「この3人(大塚、平野、桜井)のエネルギーに圧倒されないように......できれば楽日まで生き残れるように(笑)。そんな意気込みで頑張っています。ミュージカルをご存知の方も、あまりミュージカルを観たことのない方も、ぜひこの3人が一体どういうことになるのか観に来て欲しい。むしろそちらの方が楽しみなんじゃないかなと思っています(笑)」REBECCA2018_07_11_3177.JPG


ヒロイン「わたし」は、今回はトリプルキャスト。
まずはこの方、初演から同役を演じている大塚千弘さん
「ドキドキハラハラします。8年ぶりに同じ役をやらせていただいていますが、やりながらこんなにドキドキハラハラする作品だったんだなって改めて思います。皆さんにも、「わたし」の目線になって、新年からドキドキハラハラ一緒に楽しんでいただけるのではないかと思っています。私はこの作品に本当に思い入れがあります。8年経って、同じ役をやらせてもらうということは本当にまれなこと。より新鮮に、(初演・再演を)経験した分、豊かにできるように頑張りたいです」REBECCA2018_07_12_3186.JPG


近年、ミュージカルで重要な役を次々任されている平野綾さんは「わたし」役に初挑戦。
「最初にこの『レベッカ』という作品を知ったのは小説からだったのですが、映画にもなっていますし、初演が10年前ということでたくさんの方に人気のある作品です。サスペンスの要素ももちろんあるのですが、その中ではぐくまれる愛など、みどころ満載です。自分としては、(山口に向かって)ミュージカル界の世界遺産って言われてましたよね?祐さん。(山口「そうなんだ?」)なんかそんな感じのことを市村さんから言われた気が......。そんな山口さんと夫婦役、相手役をさせていただけるのが本当に夢のようなので、その時間を大切にしたいなと思っています」REBECCA2018_07_13_3155.JPG


普段は乃木坂46のメンバーとして活躍している桜井玲香さんも「わたし」役初挑戦......どころか、翻訳ミュージカル初挑戦!
「ミュージカルの華やかさもありつつ、ミステリーですので、キャラクターの心情も絡まりストーリーも複雑。観れば観るほど毎回色々な感情が湧きますし、色々な目線で色々なストーリーが見えてくるような、深いミュージカルです。私は今回翻訳ミュージカルに初めて挑戦させていただいているのですが、皆さんにすごく助けていただきながら、どうにか踏ん張って毎回舞台に立っているような状態です。少しでもこの機会に成長できるように頑張りたいと思います」REBECCA2018_07_14_3190.JPG

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東急シアターオーブのお正月恒例となったミュージカルの祭典『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート 2019』。今年も豪華なキャストが揃い、見応えは十分だ。

アリス・リプリーはブロードウェイを代表するベテラン女優。オリジナルキャストとして『サンセット大通り』ベティ役や『サイド・ショウ』ヴァイオレット役など大役を務め、『ネクスト・トゥー・ノーマル』ダイアナ役でトニー賞最優秀主演女優賞を受賞。

ダニエル・ウィリアムソンは若手注目株。ブロードウェイで『メンフィス』フェリシア役を、『天使にラブ・ソングを...(シスター・アクト)』デロリス役、『ウィキッド』エルファバ役、『ノートルダムの鐘』エスメラルダ役など演じてきたパワープレイヤー。

アダム・カプランは2016年『キンキーブーツ』来日公演で主役チャーリーを演じて人気に。ブロードウェイの『ニュージーズ』でメインキャスト、『ブロンクス物語』では主人公カロジェロ役に抜擢された。

ロベール・マリアンはブロードウェイ、ロンドン、パリ、モントリオールで『レ・ミゼラブル』バルジャン役を演じてきた。『ノートルダム・ド・パリ』フロロ役としても知られ、このコンサートシリーズの常連。

そしてトニー・ヤズベックは、ブロードウェイの主役級俳優。『シカゴ』ビリー・フリン役、リバイバル版『オン・ザ・タウン』ゲイビー役、『ファインディング・ネバーランド』主演バリ役などで観客を魅了。タップの名手であり、名ダンサー。今回も素晴らしいステップで私たちを虜にしてくれそうだ。

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左からアリス・リプリー、ロベール・マリアン、ダニエル・ウィリアムソン、アダム・カプラン、トニー・ヤズベック

互いの声を合わせてリハーサルした後、キャスト5名にインタビューしました。

――今回、自身が歌うナンバーから、ぜひ聴いてほしい一曲を教えてください。

アリス 『コーラスライン』の「愛した日々に悔いはない」です。私の十八番の歌ですが、アメリカでは歌う機会がなく、絶対にキャスティングされない役でもあるので、日本で歌えて嬉しいです。あのオーケストラの音色を聴いたら、楽しみで仕方ないわ!『コーラスライン』は最初に恋した作品で、出演したことはないけど、歌も作品も大好き。特にこの歌は私にとって大切なんです。もし『コーラスライン』に出るならどの役か?演出家のザックかな(笑)。ダンサーとして出ることもできるけど、私はトニーみたいなザ・ダンサーじゃないしね。

ダニエル 『ドリームガールズ』の「アイ・アム・チェンジング」。私はこの役を演じる機会はないでしょう。エフィを演じるには、もっと太らなきゃ(笑)。個人的にこの歌にはとても通じるところがあって。人生で自分が何者か、他の人に自分がどう見られているか、気にしていた時期もあったわ。何をやるにしても批判されがちな仕事でもあるし。そんな時、自分に自信を持つことは大事だと教えてもらった曲です。

トニー 「雨に歌えば」ですね。ジーン・ケリーへの敬意を込めて。彼へのオマージュでありつつ、自分独自のステップを入れて構成しました。全く新しいパフォーマンスになっているよ。

アダム 『ウエスト・サイド・ストーリー』は僕が6歳の時、父に連れて行ってもらった初めてのミュージカル。俳優になろうと決めた特別な作品です。トニー役を演じるのは僕の夢。オーケストラの伴奏で「マリア」を歌えることがとても嬉しい。一生に一回はトニーを演じたいと思っているけど、今は全くの新作を作ることに興味があって...。

トニー アダムは、あと15年はトニーやれるよ!

アダム (笑)。『ブロンクス物語』は17歳の役を演じていたし。

ロベール 「蜘蛛女のキス」は1996年に『ブロードウェイ・モントリオール』というカナダで開催した自分のコンサートで歌って以来。今日、23年ぶりにオーケストラと合わせたよ(笑)。いい思い出が詰まった曲です。

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2016年に上演されたブロードウェイ版は、翌年のトニー賞で最多12部門ノミネート。
大きな話題となったミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』が、日本初上陸を果たします。

その稽古場レポート、後半です!
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前回は、その特殊でスペシャルな劇場構造の紹介に終始してしまいましたので、今回は物語の中身についてお伝えします。comet1812_2_02_2599.JPG

★稽古場レポートPart1はコチラ
 

  
物語はロシアの文豪トルストイの傑作『戦争と平和』が原作。
ロシア文学なんて難しそう、理解できるかな......、そうお思いの方もいるのでは。
確かに、物語は簡単とはいえないし、ロシアの人名は長いし慣れない!

......でも、このミュージカルを作ったのはブロードウェイ、アメリカです。
おそらくアメリカ人たちも、我々日本人の大半が抱く思いと同様に、「ロシア文学って難しそう」「ロシアの人名、全然覚えられない!」と思っているのではないでしょうか。

冒頭1曲目はまさにそんなナンバー。
「あらすじを理解したかったら売店でプログラムを売っているよ」
「ロシア人、名前が9個もあるもんね」といった内容。
なんだか安心します。

そしてもう少し進むと、そのロシア的名前を羅列するような楽曲もあります。
つまりこのミュージカルの作者は、ロシア文学ってヤヤコシイよね、ロシア人の名前ってこんな長いんだよ(笑っちゃうよね、だからそこまで覚えなくてもいいよ)......と暗に言っている......のでは、ないでしょうか。


とはいえ、あらすじをざっくり覚えてから観る方が、理解しやすいのは事実です。
ということで、今回のレポートでは登場人物とその関係性などもご紹介していきましょう。

<登場人物相関図(公式サイトより)>
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舞台背景は、19世紀初頭モスクワ。ナポレオン戦争(フランスの皇帝ナポレオンがロシアに侵略してきた)の時代です。原作ではなんと559人のキャラクターが登場する群像劇ですが、このミュージカルでは、その中の一部分(全4巻中、2巻の一部)を描いています。

井上芳雄さん扮する主人公ピエールは、伯爵の私生児。
父の財産を継いで大金持ちになっていますが、育ちは暗い。
そして今風に言えば「ひきこもり」的なところがあるようで。
井上さん、いつものプリンスオーラは消して、ちょっとモサい男性になってます!
劇中では「リッチな変人」「猫背で寂しそう」と歌われていました。そして「いい人」とも。comet1812_2_12_2638.JPGcomet1812_2_11_2783.JPG

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2016年に上演されたブロードウェイ版は、翌年のトニー賞で最多12部門ノミネート。
大きな話題となったミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』が、日本初上陸を果たします。
出演は、井上芳雄生田絵梨花ほか。comet1812__2593.JPG

物語は、ロシアの文豪トルストイの傑作『戦争と平和』が原作です。

......と聞くと、ちょと難しめな、お堅いお芝居だと思ってしまいそうですが、実は正反対。

ブロードウェイ版(及びオリジナルのオフ・ブロードウェイ版)では、むしろ「革新的」な面こそが賞賛された作品です。

大きな特徴としては、その劇場構造。
ブロードウェイ版、オフ・ブロードウェイ版では、一般的な劇場、つまりプロセニアム・アーチをはさんで舞台と客席が対面する形の劇場ではなく、客席の間を縫うようにアクティングエリアが作られ、そこで俳優たちが演技をするというものでした。
近年増えてきている、観客があたかも作品内に取り込まれるように感じる「イマーシブ・シアター」という形式です。

そして日本版では、そんな「イマーシブ(没入)」な体験の中にも、ストーリーの奥深さ、文芸作品ならではの感動が伝わるミュージカルになりそう!


......ということで、前置きが長くなりましたが、『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』、稽古場を取材してきました!

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